≪決行≫

　彼女が1枚の写真を手にしている。
　少女が、スカートを捲り上げ、下着を脱いでいる写真。
　それは、私が少女たちを裏稼業へ誘うため、説得に使っている写真である。

　いくら裏稼業といえども、少女を騙したりはしない。
　どんなことをするモデルなのか内容について一応の説明はしている。
　あくまでも、本人の了承を得るのが私のやり方だ。
　ただし、了承してしまえば、撮影途中で、止めたいと言ってもそれは許さない。
　もちろん、途中でやめることができないことも、最初に了承させている。
　実際は、途中で泣き出したり、嫌がる娘もいるが、それは容赦はしない。
　いくら、泣きじゃくっても、目的は達成する。それが私のやり方だ。

　2度目の撮影が終わり、ソファーで、私に肩を抱かれ、うつむいている彼女。
　彼女の手には、あの写真が待たされている。

　撮影後、実は話があるともちかけた。
　そして、その写真を手渡したのだ。
　一瞬ビックリした様子だった。
　なだめるように肩を抱き話を聞くように言った。
　彼女は、私の話を聞いている間、始終下を向いていた。
　初めて彼女の体に触れた。華奢な身体が何とも言えない。
　抱き心地は悪くない。若干、肩が震えているようにも思える。
「ごめんね。ビックリした。」
「実はねぇ、美香ちゃんにお願いがあるんだ。」
「おじさんねぇ、こういう写真も撮ってるんだ。」
「この子何してるかわかる？」
「・・・・」首を傾げるだけで答えようとはしない。
「パンティ脱いでるのわかる？」
「・・・・」無言でうなずく。
「実はねぇ、おじさん、女の子の生まれたまんまの姿を記念に撮ってあげてるんだ。」
「生まれたまんまの姿って、年をとってからじゃぁ意味なくなっちゃうから、今のうちに撮ってあげたいんだよ。」
　何とも、意味不明の理由である。
「美香ちゃんは、人前で、パンティ脱いだことあるの？」
「・・・」無言で首を左右に振る彼女。
「そう。たとえば、おうちでお風呂に入るときとか、おとうさんの前で、パンティ脱いだことない？」
「・・・」小さくため息をつきながら首を左右に振る彼女。
「子供のころとか、おとうさんと一緒にお風呂入ったことあるでしょ？」
「・・・」首を傾げる彼女。
「覚えてないかぁ？」
「・・・」うなずく彼女。
「そっかぁ、じゃぁ人前でパンティ脱いだことないんだね？」
「・・・」うなずく彼女。
「どう？美香ちゃんも、やってみない？」
「・・・・」小さなため息が聞こえる。
「おじちゃんの前で、パンティ脱ぐの恥ずかしい？」
　なぜか黙っている彼女。うつむきながらも、始終チラチラと彼女の目が、私を見ようとしている。
　私が、何をしようとしているのか、うかがっているようにも見える。
　下着を、脱ぐということは、何を意味しているのか、十分に理解していると思います。
　中学1年生、と言えども、性体験はなくとも、理解はしているはずです。
「どうかなぁ？パンティ脱ぐの恥ずかしいかなぁ？」
「・・・」私の目をちらっと見て、うなずく彼女。
「そうだよねぇ・・恥ずかしいよね。」
「でもねぇ、がんばって脱いでくれたら、可愛く撮ってあげるよ。」
「それに、自分で脱がなくてもいいんだよ。」
　うつむく彼女の肩を抱きしめ、顔を彼女の耳元に近づけ、悪魔のささやきを告げていく。
　小さな声で「おじちゃんが、脱がしてあげようか？」と言うと、
「えぇ・・」って感じで首を傾げ、唇をかみしめる彼女。
「おじちゃんねぇ、女の子のパンティ脱がしてあげるの上手なんだよ。」
「おじちゃん、いままで、たくさんの女の子のパンティ脱がしてあげてるから、上手に脱がしてあげられるよ。」
「・・・・」
「美香ちゃんは、お父さんに脱がしてもらったことあるの？」
　首を振る美香ちゃん。
「たぶんねぇ、お父さんよりおじちゃんの方が上手だよ。」
「女の子はねぇ、初めてパンティ脱がしてくれた人は、一生忘れないって知ってる？」
（そんな話は聞いたことがないが、嘘にせよホンとにせよ、どうでもいいだろう。）
　首を傾げる美香ちゃん。
「そうなんだよ。」
「だから、初めての人が、下手くそだったら嫌でしょ？」
「下手な人に脱がしてもらいたいと思う？」
　首を振る美香ちゃん。
「そうだよね。脱がしてもらうなら、上手な人の方がいいでしょ？どう？」
　チラッと私の目を見て頷く美香ちゃん。
（落とせる。間違いなくこの子は落とせる。そう感じた。）
　ここまで話してきて、困惑した表情はあるものの、嫌がる表情は見せない。
　本当に嫌なら、間違いなく表情に出る。それがない。
　再び肩を抱きよせ、顔を近づけていく。
「おじちゃんにパンティ脱がしてもらったら、お父さんに叱られる？」
　うなずく美香ちゃん。
「たとえばさぁ、この間とか今日もそうだけど、おじちゃんに写真写してもらったこと、お父さんに話したの？」
　首を振る美香ちゃん。
（やはりそうか。そんな気がしていた。親には内緒にしているらしいことは、何となく感じていた。）
「内緒なの？」
　うなずく美香ちゃん。
「お友達とかにも話さないの？」
　再びうなずく。
「誰にも知られたくないの？」
　今までのうなずきとは違い、はっきりと大きくうなずく美香ちゃん。
（間違いなく、この子は落ちる。内緒にしているのが、その証拠だ。）
「じゃぁ、パンティ脱がしてもらうのも、内緒にすればいいんじゃない？同じだよね。」
　どうしようかといった感じで、目をクリクリし、唇を少し噛んだりしながら考えている様子。
「おじちゃんに、脱がしてもらうのそんなに恥ずかしい？」
　うなずく美香ちゃん。
「カズ君のお父さんに、パンティ脱がしてもらうのは恥ずかしいのかな？」
　うなずく美香ちゃん。
（恥ずかしいというだけで、嫌だとは言わない。こういう子は、間違いなく落ちる。）
　三たび、彼女の肩を抱きよせる。今度は強く抱きよせる。
　彼女の顔を覗き込むようにして、小声でゆっくりと、そして強く言う。
「美香ちゃん。」
「がんばって、パンティ脱ご？」
「ねっ、脱いじゃお？」
「可愛く脱がしてあげるから、脱ご？」
「ねっ、がんばろ。」
　顔を覗き込みながら、肩を強く抱き締め「ねっ」って少し体を揺らしてあげる。
　顔を伏せる美香ちゃん。
　肩を抱き、うつむき加減の体を少し起こして顔を上げさせる。
　不安そうな顔。この顔、大好きなんです。落ちる直前のお顔。いつ見てもいいもんです。
　これが最後。最終通達。
　もう一度、抱き締めて、やさしくゆっくりと「美香ちゃん・・・・パンティ・・・・・脱ぐね？」。
　私の目をチラッと見る。
　短く息を吸う。スッという小さな音。
　唇を噛む。
　膝をもじもじさせる。
　唇をもじもじしながら下を向く。
　目を閉じる。
「美香ちゃん・・・お返事は？」
　もう一度、私をチラッと見る。
　唇を噛みしめる。
　そして・・極々小さな声が・・・・・・・「・・・はい。」
（落ちた！）