(1)お嬢様

　私の目の前に座っている少女は、多分今まで私が知ってる女の子の中で一番可愛い子だろう。お伽噺から抜け出たように純真で、天使のような顔立ち。性格も素直で、誰からも好かれる。
　私が男だったら、絶対に彼女にしたいと思う。

　少女の名前は谷村恵理子。私は恵理ちゃんと呼んでいる。
　いわゆるお嬢様大学に通っている大学一年生。
　私は鈴木由香里。大学三年生。恵理ちゃんとは大学は違うが英会話学校でクラスが一緒。ビジネスマンが多いクラスで数少ない女子大生同士で彼女は私を慕ってくれていういうブラの時は前開きのブラウスを着なきゃだめよ」
　私は鏡の彼女に向かって含みのある笑いをした。彼女はコクンと小さく頷いた。
　
　フィッティングルームから出て、私は彼女と色違いの薄紫のブラジャーとセットになるショーツを選んだ。
「由香里さんは試着しないんですか？」
　着替えた彼女が声を掛けてきた。
「私は大丈夫。・・・それとお揃いのショーツもセットであるから・・・はいコレ」
　彼女は布の面積が小さいショーツを手にとり少し戸惑ったが、意を決したように握った。