目の前が輝いて行く！
　始めは薄くでも濃淡があっておじさんの目の形が分かったのに、黒目や黒髪までもが輝き出すとその形さえ認識できなくなって、ただ輝きだけの世界になるの！
　周りを見て、おじさんを見ようとしたけど、全てが光輝いてるだけ！
「・・・・・！」全身、手指、脚指の先に至るまで、ありとあらゆるわたしの筋肉が収縮していたの！
「・・・・・！」
　身体が五方向に突っ張ってる！
　頭は頭上に、両手は肘を弓なりに曲げるほど力一杯左右に、両脚も棒の様に伸ばし切って、左右に開かれていたの！
「・・・・・！」声が出ない。・息が出来ない。・心臓も硬直しているんじゃない！
「これが・絶頂・なの？」思考が聞いてる・・・。
　意識が遠退いて行った・・・。

　眼に映る輝きが薄れ、ボヤァっと見える様になって、おじさんが覗き込んでいるのが分かった・。わたしどうしたの？？？
　おじさんを誘惑して・・・愛撫されて・・・その後は・・・？
「わたし逝ったの・？」
「凄い力だったなぁ！・君の・女の力とは思えないよ。・・・バイク乗りは腕力も強くなるのかなぁ？」半ばふざけた様な云い方だったわ。
「わたし逝ったの？・・・こんなゝの・・・？」ハッキリしない頭で手掛かりを探したの。
「あんな力で突っ張って逝く人は珍しいよ。」
　わたし逝ったのね。・身体中が凄く熱い・。全力を振り絞った筋肉に軽い痛みが残っていたわ。
　おじさんのクリニン・・・・・！・なんでおじさんがわたしの眼を覗き込んでいるの？
　アッ！・おじさんまで弾き跳ばしちゃったンだ！・・・それで『女の力・・・。』なのね？
「凄かったぁ・！」・・・云って、ハッとしたわ。大の字に五体拡げた侭なの！
「キャア！」手足が反射的に縮込まったの。
　これ以上縮込まれない程小さくなっていたわ！
「痛いなぁ！」
　手足を引き込むとき、おじさんに膝が当たっていたの。
「ごめん・なさい・・・。」
「あなたの正体がやっと見えたね。恥ずかしがり屋さん？」
「どう云うこと？」
「あなたは、何かを忘れるためか？何か居たたまれない理由で昨夜走り出したんだろう？・たぶん恋人と別れたとか、人生の岐路に立たされた。・・・朝、わたしと出会って虚勢を張った。一度虚勢を張ってしまうと引っ込みが付かなくなって、わたしに身を投げ出した。」
「ちがう！・違う違う！・・・半分はその通りよ。・５年付き合った彼に見切りを付けたから・・・。でもね、わたしはそう簡単に身を投げ出したりはしないわ。・・・おじさんの中に本物が見えるの！・・・いろんな人とお付き合いもしたけど、みんな外見を装っているだけ。実が無いのよ！・それに耐えられないの・わたし。・・・でね、おじさんの拍手にはビックリしたわ。誰もいないと思ったから口ずさんだもの。・・・今朝のあれ、自作の詩なの。わたしが作った中では一番好きなの。・おじさん写真撮っているとき真剣じゃない。フュージョンの装備品も全部写真のためだけ。」
「おやまぁ、それ買い被りだよ！」話しを遮って行ったけど、わたしは続けていたわ。
「話を伺っている内に、写真を求めているンじゃぁない。本物を求めているんだ！って感じたの。・・・本物を求めてなんて大変なことでしょ？・ゴッホなんて正気を失って耳を切り落としたんでしょう？・おじさんがそこ迄の人かどうかはまだ分からない？
　でも、本物を追っていることだけは良く分かったの。・・・その中で本物の男を見た気がしたわ。そんな人の傍に居られたら、わたしも育てる気がしたのよ。」チョット自分勝手な云い方だったかしら？抱きかかえられた侭から正座に座り直していたわ。
「わたしは程遠いよ。今の時代の本物って何だい？君の云うところでは・。」

「そんなのまだ分からないわ！・哲学だって、何千年も考え続けて未だに答えが出ないのよ！・・・おじさんの中に本物を見たのは確かだから、わたしは惹かれてたの。おじさんも夜遅くに出て来たんでしょう？まだ夜は寒いのに。・経った１４分ぐらいに見られるか見られないか分からない一瞬のために。しかもそれをチョクチョクしているでしょう？・・・わたしね、昔・思った事があるの。『本物は自分の中にある。』って！・・・それはね、普段虚勢を張って装ってはいても、自分自身の心の奥は変えようがない物でしょう？・そこには小さいけれど、確かに本物はある。って。・・・おじさんの歳でそれを続けているのは、本物だって気がしたのよ。」
「本当に買い被っているよ。フュージョンは長距離で楽だからだし、・写真を始めたのだって、女性にモテたくてだしぃ・・・。・・・ただの女好きのオジンだよ。」
「女好きなら抱いてッ！・思いっきり抱いて！」渡りに船の一言でわたしはおじさんに抱き付いたの。

　自慢の胸がおじさんの胸に挟まれて痛いくらい強く抱き付いていたわ。
　萎えてしまったおじさんの両脚の間にあるものを握っていたわ。
　ただ握っただけなのに、ドクドクドクって脈を感じてドンドン膨らんで来るの。頼もしい響きが口をつぐませるの。
　わたしはおじさんに好かれている！・・・一緒の部屋でも泊まってくれるし、わたしを自重させようとしてもくれた。・・・そうでないなら・、わたしはぼた餅？『棚からぼた餅』の。そうでもないなら獲物？・・・獲物でも良いわ！・おじさんと一つになりたい！

　そのまんまおじさんを押し倒していたわ！
　おじさんの浴衣の胸を拡げたの！おじさん静かにわたしを見てた。
、もう一度胸をおじさんに押し付けたわ。おじさんの鼓動と体温が伝わって来る！
　幸福せ！・・・男の人を直接感じるっ。て感じ・・・。
　決して早くはない鼓動が、おじさんに動揺が無いことを教えてくれる。
　また、おじさん自身へ手を伸ばしてみたの。
　さっきより太く堅くなってる！
　お腹を引っ込めて、角度を合わせてから身体を下げて行くの！
　ヴァギナ、口が拡げられるぅ！
「痛くなる！」って思ったとき、ゴリって、内側に迎えてたの。
　おじさんを確かめながら腰を鎮めたわ。奥へ奥へ拡げられる感覚が進んでくるの！
　まだ腰を下ろしきってないのに、コロッとしたわたしのシコリがおじさんに当たったの。
「ァァ〜！」熱波が広がっていく！
　おじさんの先が膨らんだ！
　えっ！・・・何でそんなこと分かるの？・おじさん自身の状態が手に取るように分かっている！・・・身体の全てが感覚を持ったみたい！
　わたし変！？？・・・ヴァギナの中に触覚なんて無いはずでは・？
　もう底の近くまで来ているのがハッキリ分かる！
　底に当たって押すぅ！・・・凄い！・凄い悦びの刺激！・・・身も心も満たされた思い。
　こんな事ってあるの？・・・今までにも底を突き上げる大きな人はいたわ。でも、それは痛いだけだった・・・。痛くて我慢できなくなる方が多かったわ。
　それなのに今、同じ様に突かれて悦びが膨らむの！・・・わたしの身体、どうにかなっちゃったんじゃない？
　おじさんがどうなっているか分かる。わたしの中の反応が分かるなんて！？
　それも、今までに感じたことのない悦びだわ！
　丸くて重みと暖かさのある、全身を巻き込んでいく悦び。

　おじさんのヒップが右に行くと身体の中が左に押されるの、上にズラすと下に、ヴァギナの口を支点にして逆に押されるんだわ。その動き方もハッキリ分かります。
　自分の中にいる悦の刺激を発そうとするもの。その動きを知ってしまうって・・・。
　身体の表面への刺激も、身体から放されなければ次の刺激点を知ることも出来ます。
　それでも、おじさんの動きが全体にゆっくりしているだけにわたしの身体も焦れていましたが、おじさんがわたしを愛撫するのは一カ所ずつじゃぁないんです！
　少ない時でも同時に３カ所は愛撫を受けていました。
　両手両脚に唇、そしておじさん自身。それぞれが連携してわたしに喜悦を起こさせるんです。おじさん自身は当然ですがヴァギナの中を、唇は首筋から上が主体でしたが時折お臍の近くまで降りる事もありました。
　同時に何カ所もから沸き上がる喜悦。身体のあちこちから、それぞれに感じの違う悦びが絡み合い、猛烈な悦楽の杭になってわたしを突き抜けます！

　信じられないんです！
　わたしがこんなに快楽に翻弄されているなんて。・・・おじさん本当に本物だわ！・・・『女好き』を公言するだけあるわ。わたしをこんなに燃えさせてくれるのよ！
　わたしは如何に本物と遠い処に居たのか！・・・考えさせられるわ。
　おじさんの触れた全ての処から喜悦が起こるんだもの。

　されているばっかり！って思ったとき、おじさんの背中に回して抱き付いていただけだったのを、手をおじさんの頭に進めて耳の後から首筋に触れてみたの。
　そう、触れたの。変化ない。・・・耳の後の人差し指、耳たぶに添って滑らすの。おじさんがゾクッと収縮したのが分かった。
　左手も首の後から肩へ滑らせたわ。右手は休まないで耳たぶへの些擦るの。
　おじさんの総毛立つのが分かったわ。
　男の人のポイントもそんなに変わらないものね。おじさんも結構敏感みたい！
　それなら、わたしのポイントと同じ処を探ってみれば良いわ。
　喉から顎にかけてが好きよ・・・いやだ、・届かないじゃない！
　おじさんの背中に右手を戻して、そのまま背骨に指を立てる様に下へズラして擦ったの。
　おじさんがビクッとなった。やっぱり感じるのよ。計算外は、おじさん自身までビクってなったの！・・・大きくなっているのが瞬間的に動いて、わたしまで喜悦が・・。
「ぉぉぉおお。」
「ハッ・・・ァ！」おじさんとわたし、同時に喘いでしまったの。
　おじさんも随分悦びが溜まっているんだわ。・それはわたしが遣ったんでしょ？
　ピンと張ったヴァギナの内壁におじさんの反応は響いて来たの。
　ヴァギナの底が振り回されるんだもの！
　今までにも、こんな事する人はいたのに、こんな感じ方は出来なかった。

「熟れているねぇ。」おじさん、わたしの反応から積んでいる経験を想像しているんだわ！
「そんな事無いわよ。・・・わたしもう３０よ！・だから多少の方とはお付き合いもあったわよ。・・・だからって、そう多くの方とお付き合いした訳ではありませんからね！」そうでしょう？３０にもなる女がバージンでいたら、それはよっぽどの欠陥があるか、そうでないなら「深窓の令嬢」に育てられて、男の肩と顔を合わせる機会を持たなかったかだわ。
　わたしだって青春時代から恋をしたわよ！
　学校時代は倶楽部の先輩に憧れていたし、バイトしてた頃には格好良い人ともお知り合いになったわ。二十歳を過ぎれば、お酒を飲むところにも出入りしましたし、待ちでナンパされる事だってあったんですからね。
　多少は経験しているわよ。でもそんなので熟れて来るのかしら？・底までは経験していないように思うんだけど・・・。
　でも、おじさんの考え方は少し違うみたい？
「個人差はあるけど、女性としての身の粉しが出来る様になったのが響くんだよ、」
　なんて云うんですもの！・・・それなら処女性なんて、意味が無いンじゃぁないの？

　おじさん、腰を左右に振ったの！
　強い喜悦が内壁の左右から連続して起こったの！
「ハゥゥッ！」凄いっ！・全身の毛穴が爆発するみたい。・逝っちゃうぅ！
「ァア〜！」必死で堪えたの。・もう、逝かされるンならおじさんと一緒に・・・。
　でも、　ピッタリと殆ど無くなった窟とおじさんじしんの隙間を、分泌液が凄い勢いで行ったり来たりする動きさえわたしに喜悦を起こさせるの！
　ゴリゴリ感じるのが強いの。先が堅くなってる！
　襞に引っ掛かって弾かれるような悦しい刺激が、ドドドッ、ドドドッ、ドドドッ、って３っつずつ続けて来るの・・・。
　わたしの内襞は、３枚もあるってこと！
　もう限界なんて超えてる！
　また奥を突かれたら、もう我慢できなかったの。
「ィィィイ、逝っちゃう！」おじさんの顔が白く輝いていく！
　目の前も頭の中も真っ白になってる。・・・また逝かされちゃった・・・。
　こんなに凄い逝き方が二度も・・・。
　全身に気怠さが広がってる。
　フゥゥ！ってなったけど、薄れた意識でも今度は途切れなかった。
　全身が揺られていたの。おじさんも逝きそうなのね？突いて来る間隔が早いの！

　直ぐに中心が膨らまされたわ！
　あぁ、おじさんの噴射！
　ドドッと中心が叩かれる！
「アッ・アッ・！」まだ収まってないのに・・・わたし、昂まりへ・・・！
「イクゥゥゥ！」また目の前が白くなり始めたの！
　全ての感覚が薄れて行ったわ。もう慣れ始めてる。最初は恐怖感だってあったのよ、この感覚に。・・・でも、なんて心地良いの！
　もう駄目・・・。
　わたしこれ以上は・・・。
　　・
　意識が戻ったとき、窓の外から差す光で部屋の中が明るくなっていたの。
　最後のエクスタシーでそのまま眠ってしまったのね？
　えっ！・・・昨夜の侭なら・掛け布団の中で、焦って煮支度を確かめたの。
　しっかり着付けた浴衣。・・・誰が？・・・おじさんしかいない。
　見回して探したのよ。どこにもいない？
　微かに水の刎ねる音。・お風呂だっ！・わたしだってチョット浴びたいわ。
　湯船に使ったおじさんを見付けて、何かホッとしたの。その時、急に、裸の全身を見られるのが恥ずかしくなったの・・・？
　昨夜は何とも思わなかったのに・・・。バストを右腕で、お股を左手で隠す様にしていたの！・・・恥ずかしい・？・・・昨夜あんなに大胆に振る舞えたのに？
　わたし・おじさんに夢中になっているみたい？
　　・
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　　・
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　芝浦で湾岸道路に向かうおじさんの後ろ姿を見送ったわ。
　とうとう、電話番号も聞き損なった。
　たった一夜の行きずりの恋。
　ロマンティックではあるんだけど、物足りない気持ちがどこかに残っているの。

　家のお風呂に入って、荷物を整理しているとウエストバッグから名刺が出て来たの！
　あの人・・・・・の？

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[完]