13.教育委員会(市民の森）の亜衣

　この街の郊外に緑が豊かな地域があった。
　そこに市民の森と称して、市民が楽しめるアスレチックやテニスコートなどを造り、近隣他市の人にも利用してもらえるよう整備する計画が始まっていた。
　井上 亜衣は教育委員会の所属だったが、この計画の骨子を固める業務の担当となった。
　建設部や関連部署と協力して行なう為にも、亜衣の役目は重要だった。
「自然を生かして皆が楽しめる施設・・・大変だわ・・・対象年齢は幅広いし・・・」
　溜息ばかりが出て、計画はなかなか進まなかった。

　亜衣は今年で32歳、３年前に見合い結婚をしていた。
　慎重な晩婚のように思うかもしれないが、別に器量が悪いからではなかった。
　背丈は157cmぐらいで、顔立ちも含め全てが及第点以上だった。
　実は、市民課の時代から、当時の上司と不倫関係になり、ダラダラと長い間、どうにもならない関係が続いていたのだ。
『わたし、30歳までに結婚したいから・・・』
　そう告げて、不倫関係を清算したのだった。
　教育委員会に配属される前は広報課、その前は市民課と３年サイクルで配転されていた。
　今までは卒なくこなしてきていたが、今回はさすがに頭を抱えてしまっていた。

　他の地域の同様の施設の視察や現地調査を繰り返し行ない、ラフながら完成予想図を描きあげた。
「やっぱりコンサルを入れなきゃダメね・・・まちづくり研究会の伊藤さんに電話して・・・」
　まちづくり研究会とは、この市の業者で建設コンサルタントをやっていた。
　区画整理事業から様々な街づくりまで、計画立案から完成まで担当した。
　代表の伊藤は有名私大を出た後、アメリカ留学を経て街に戻り会社を設立した。
　現在40歳ぐらいだが、その企画力と実行プランには、いつも驚かされていた。
『伊藤さん、わたし井上です。以前に一度、お会いしましたが・・・』
『はい、覚えていますよ！わたしは美人の記憶はいいほうで・・・』
　亜衣はこの伊藤の話し方が気に入らなかった。
　ワザとらしい世辞や、人を見下したような言葉にはムッとしていた。
『一度、来ていただけますか？まだ、どこにお願いするか分かりませんが・・・』
『結構ですよ〜仕事ですから・・・』
　翌日の午前中に基本説明を行うことにした。

　翌日、研究所の伊藤代表に、亜衣の構想を説明し、基本計画の策定とイメージパースを依頼した。
「井上さんには、こういう才能があったんですね〜ラフの絵も上手ですし・・・」
「あらっ、伊藤さんは、お口が一番お上手なんですか？」
「ハハハハ・・・これは手厳しい〜亜衣さんは見た目と中身はかなり違うようで・・・」
「えっ？伊藤さんにわたしを見せたことがありました？」
「いえいえ、是非、一度、お見せいただければ・・・長いお付き合いになりそうですから・・・」
　好む好まずに関わらず、長い付き合いになるのは間違いではなかった。
　亜衣は業務を円滑に遂行するためにも、あまり摩擦を起こさないようにしようと思った。
「伊藤さん、土日にかけて○×市の類似施設を視察に行くんですが・・・」
「そうですか・・・もし宜しければ、ご一緒しますが・・・」
「時間などは、後でメールします」
　亜衣は視察予定を伊藤に言うのに抵抗があったが、この事業の長い期間を考えれば、最初から足並みは揃えておくべきと考えた。
（気に入らないけど、仕方ないわ・・・仕事だから割り切ろう〜）
　伊藤は亜衣の気持ちなど汲む様子もなかった。
（視察か・・・井上さんと一泊ってところが、最高だね・・・楽しみだ、フフフッ・・・）

　土曜日が来た・・・
　メールで新幹線の発車時刻と席、それと宿泊ホテルを伊藤に送っておいた。
　亜衣は少し憂鬱な気分で、予定通り朝早い新幹線に乗りこんだ。
「あぁ、良かった・・・伊藤さんは乗ってないわ〜あの人とふたり旅じゃ・・・」
　朝の早い平日の新幹線は空いていた。
　ポツポツと乗客の姿を確認できた程度で、亜衣はノンビリとした気分で喜んでいた。
　何と言っても、あの嫌味な伊藤の顔を見ないで済んで、憂鬱さが晴れていった。
「現地までこのままだといいわ・・・たまには旅行気分に浸って、ひとりがいいわ・・・」
　亜衣は視察先の資料に目を通していた。

　５〜６分もした頃、亜衣の隣に誰かが腰を下ろした。
「井上さん、おはよう〜」
　伊藤の声だった。
（ウソ・・・せっかくの気分が・・・あぁ〜ぁ、我慢、我慢・・・）
「あっ、おはようございます〜乗ってたんですか？」
「えぇ、発車間際に飛び乗って・・・すみませんね、遅れちゃいまして・・・」
　伊藤はラフな格好で照れ笑いをしていた。
（えっ？今日は馬鹿に素直な感じじゃない・・・どういう心境の変化かしら？）
「井上さん、役所じゃ聞きにくいことでも、今日はふたりだけですから聞いてください。専門的な分野ですから分からないことは聞いてください。調べるより僕に聞いてくれたほうが効率的ですよ〜多分、答えられると思うけど・・・」
（ホントに話し方まで優しくなって・・・表情もいい男になっちゃって・・・？）
「は。はい・・・」
　伊藤は隣の席で大人しく資料に目を通し始めた。
　しばらくすると車内販売のワゴンが来て、伊藤は亜衣に声を掛けた。
「井上さん、コーヒーでいいですか？」
「えっ？えぇ、はぃ・・・」
　伊藤はコーヒーをふたつ頼んで、ひとつを亜衣に渡した。
「熱いから気をつけて・・・ミルクは入れますか？」
「えっ？えぇ〜」
　亜衣は伊藤の優しさに戸惑っていた。
　伊藤はミルクと一緒に亜衣に気づかれないように手の中の薬をコーヒーの中に入れた。
「ありがとうございます〜後で清算しますから・・・」
　亜衣は伊藤の親切にスッカリ気を許していた。
（このお堅いオンナを・・・夢中にしてヤリタイ・・・）
　大人のオモチャ屋で買い入れた媚薬と称する薬を試してみたのだった。

　しばらくすると、明らかに亜衣に変化が現れていた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
（ほぉ〜効いてきたようだ・・・）
「どうしたんですか？気分でも悪いんですか？」
　亜衣は親切な伊藤の言葉に素直に応えた。
「えぇ・・・何か・・・身体が熱くて・・・」
「風邪でも引いたんじゃ・・・？熱があるんじゃないですか？・・・失礼〜」
　伊藤は亜衣の額に手をあてて自分と比べていた。
「確かに熱いですね・・・少し、眠られた方がいいんじゃないですか？」
「そうですね・・・」
（変だわ・・・身体中が火照ってるみたい・・・はぁ〜〜）
　亜衣は目を閉じるが、少しも休まらなかった。
　亜衣はシックなスーツの下のブラウスのボタンを少し外し、大きく深呼吸をした。
「本当に大丈夫ですか？風邪・・・じゃないみたいですね〜」
　伊藤は亜衣の変化を楽しみながら、心配そうな顔をして見せていた。
「チョッと洗面所に・・・」
　亜衣は席を立ってトイレの横の洗面所に入った。

　亜衣は洗面所でうがいをして気分を入れ替えようとしたが、無駄だった。
（アソコが濡れてる・・・どうして？熱いわ・・・・・・最近してないから〜？まさか・・・）
　濡れた下着を指で確認して、亜衣は愕然とした。
（あぁ・・・触ってれば、少しは鎮まるわ・・・何を考えているのかしら？わたし・・・）
「井上さん、大丈夫ですか？」
　通路から伊藤が声を掛けてきた。
「は、はい、大丈夫です・・・」
　伊藤は亜衣の肩に手を掛け、心配そうに鏡の中の亜衣を見遣った。
　少し堅くなって盛り上がった伊藤の肉棒が亜衣のお尻を突くようになっていた。
（あっ・・・！あぁ・・・感じちゃう・・・伊藤さんに感じてるの？わたしが・・・まさか？）
　嫌っていた伊藤の身体が亜衣のお尻に触れただけで、亜衣の淫液が溢れたのだ。
　伊藤の何が触れているのかが問題ではなく、自分の身体が反応したことが問題だった。
（えっ？伊藤さんが肩に触れただけで・・・わたし、感じてる・・・どうして・・・？）
　亜衣は自分の身体の反応が信じられなかったが、事実はどうにもならなかった。
「僕に出来ることがあれば・・・」
「今日の伊藤さん、やけに優しいですね〜？何かあるんですか？」
「いやぁ〜先日もお話した通り、今回の業務をわたしが担当することになれば、井上さんとも長いお付き合いになるわけで・・・少しでもいい関係でありたいと・・・」
「そうですね・・・わたし、伊藤さんを誤解していたのかしら・・・？」
「そうなのですか？それより席に戻って休まれた方が・・・」
　伊藤は亜衣を支えるようにして席に戻った。
（あぁ・・・また・・・触れられているだけで・・・濡れてしまう・・・どうしよう・・・？）
　亜衣は、初めてどうにもできない自分を感じていた。

　席に戻った亜衣は、熱く疼き淫液の溢れる淫部に、太股を強く合わせ我慢を続けていた。
「井上さん・・・顔が赤いし汗が・・・」
「はぁ・・・あっ、大丈夫・・・」
　伊藤はふたりの席の間にある肘掛を持ち上げ境を無くし、亜衣の腰に手を回した。
「な、何をしてるんですか？はぁ〜ぁ・・・」
「僕に寄りかかってください〜しっかり抱えてあげますから・・・少しは違うかも・・・」
　亜衣は伊藤の優しさなんだと思い、素直に寄り添うことにした。
　伊藤は亜衣のスーツの上着を脱がせて膝に掛けた。
「膝頭がムズムズ動いてますよ・・・他の乗客が不審に思うといけないから・・・」
「あ、ありがとう・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・」
「ほら、落ち着いて目を閉じて・・・」
　伊藤は優しい声を掛けながら亜衣の膝に掛けた上着の中に手を忍ばせた。
　それ以前に、亜衣はスーツの上着の下に手を入れ、疼く淫唇を指で擦り慰めていた。
「あっ！井上さん、何を・・・」
「はぁ、はぁ・・・お願い、静かにして・・・ネッ！」
　亜衣の上着の中で伊藤は亜衣の手が淫唇まで伸びているのを、わざとらしく問いかけた。
　見つかってしまった亜衣は、今更どうにも出来ず、伊藤に黙っているように哀願した。

　伊藤は亜衣の腰をさらに引き寄せ耳元に呟いた。
「井上さん、いや、亜衣・・・僕がしてあげるから・・・楽にして・・・」
　伊藤は亜衣の手を太股の奥から抜き、代わりに自分の手を太股の付け根まで伸ばした。
「あぁ・・・伊藤さん・・・イヤッ・・・あぁ、ダメ・・・あぁ、ぁぁぁ・・・・・・」
「声を出さないで・・・他の乗客や車掌さんに見つかってもいいんですか？ それとも・・・止めますか？僕は亜衣さんの望むとおりにしますけど・・・」
　伊藤は言葉巧みに、亜衣が自ら求めた形を作りたかった。
「あぁ・・・続けて・・・」
　伊藤は濡れた亜衣の淫唇を指で的確に愛撫を始めていたのだ。
「すごい濡れ方だね・・・ご主人の時もこうなの？」
「あっはぁ〜ん・・・えっ？主人・・・？こんなこと・・・初めてよ・・・どうしてか？あぁ〜〜」
　伊藤は濡れた淫唇の中に指を入れ、堅くなったクリトリスを擦っていた。
　次第に亜衣の喘ぎが大きくなり、両膝が大きく開いていた。
　伊藤は淫唇から淫壷へと指を移動させ、奥深くまで指を挿入して愛撫を続けた。
「あっ、あっ、あぁ・・・もぅ・・・はぁ〜っ、ダメ・・・イク、イク、イッちゃうぅぅぅ〜〜」
　亜衣は両脚を前に投げ出し、突っ張るようにして踏ん張り、絶頂を迎えた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
　懸命に荒くなる息を押し殺している亜衣に、伊藤は優しく髪を撫でて囁いた。
「亜衣さん・・・すごく感じやすいんだね・・・素敵ですよ〜もぅ、大丈夫ですか？」
「うぅ〜ん・・・まだ、ダメみたい・・・はぁ、はぁ・・・こんなに疼くなんて・・・日頃、あまりセックスしてないのに・・・おかしいわ〜本当に初めてなのよ・・・あぁ・・・」
　亜衣は恥ずかしそうに身体を捩らせ、座席に座った。
「どうしたらいいんでしょう？こうなったら何でも協力しますよ〜」
「スミマセン・・・おかしなことになって・・・わたしにも、どうすればいいのか・・・？ 伊藤さんには変なオンナだと思われているでしょうが・・・・・・」
　亜衣は困り果てた顔をして太股を擦り合わせていた。
「正直言って、ビックリしました・・・役所での知的なイメージとかけ離れて・・・でも・・・こういうことを言うと怒られるかもしれませんが、僕はオンナとして悶える亜衣さんの姿、素敵だと思いましたよ〜それに・・・亜衣さんのアソコ・・・締りが良くて感じやすいし・・・」
「や、止めてください！これは・・・事故のようなものだと・・・わたしじゃないわ〜この年齢で結婚もしていて、今更、純情な生娘のようなことを言うつもりはないけど、本当に自分の身体じゃないみたいなの・・・伊藤さんも経験が豊富だから・・・」
「僕も中年に近くなってきたから、今まで多くの経験をしてきましたが・・・こういうケースは初めてですね〜女房を病気で亡くしてから、あまり固定的なお付き合いはしていないから・・・」
「えっ？奥さん、亡くされたんですか？」
「えぇ・・・もう随分前になりますが・・・それ以来、愛する女性を失うのが怖くて・・・あぁ、それより亜衣さんの方は・・・大丈夫ですか？」
　亜衣は膝の上の上着を持ち上げて伊藤に見せた。
「さっきから自分で・・・でも疼きが増すばかりで・・・はぁ〜もう、どうすれば・・・？」
「まだ到着までに時間があるし・・・乗客も増える一方で・・・」
　伊藤も困った顔をして亜衣を見遣った。

　伊藤は亜衣の上着に下で、引き締まった太股の素肌を擦っていた。
「伊藤さん・・・あぁ・・・もぅダメ・・・大きな声で叫びそう・・・辛いの〜」
「亜衣・・・さん、あと10分で駅に着くから頑張って〜そしたら途中下車しましょう」
「えっ？えぇ・・・はぃ・・・」
　まもなく駅のホームに到着した時、伊藤は亜衣と荷物を抱えて途中下車した。
「いいんですか？途中下車して・・・」
「たまにはいいじゃないですか〜決まったレールを時間通りに走らなくても・・・途中下車することがあっても・・・それが本当に必要なことなら・・・」
「そうですね・・・」
　亜衣は伊藤の言葉に重さを感じながら、伊藤に抱きかかえられてタクシーに乗った。
「近くの休憩できるホテルまで・・・」
　伊藤の言葉に亜衣は一瞬身を堅くしたが、すぐに伊藤の肩に寄りかかった。
「大丈夫？」
「えぇ・・・すみません・・・ご迷惑をかけて・・・」
　タクシーは10分足らずでホテルの中に入っていった。

　ホテルの部屋に入ると、ふたりはやっと解放された気分になっていた。
「緊張の連続で・・・やっと、大きく息が吸えるわ〜」
「ここなら誰の目も気にせず、亜衣さんの身体が正常になるまで過ごせますよ〜」
「あ、ありがとう・・・伊藤さん、迷惑かけてスミマセン・・・」
「それで、どうなんですか？」
　亜衣は自分の中を確認するようにしてから、大きく溜息をついた。
「ふぅ〜〜はっ・・・どうしたのかしら？まだ疼いてる・・・伊藤さん、聞いたことあります？」
「いや、僕も今回の亜衣さんのようなことは・・・だからどう対応していいのか？」
「いえいえ、伊藤さんには充分にしてもらって・・・長いお付き合いになりそうですね」
「そう願ってますが・・・」
　ふたりは顔を見つめあいながら言葉を交わした。
「お風呂に入ってゆったりすれば・・・？」
「そうですね〜それじゃあ、お言葉に甘えて・・・しばらくお風呂に・・・」
　亜衣はどうにもならない疼きを鎮めようと、とりあえず湯に浸かることにした。

『こんなことって・・・自分の身体に起こるなんて・・・はぁ〜ぁ・・・』
　身体の汗と淫液を洗い流し湯船に浸かった亜衣は、静かに目を閉じて落ち着こうとした。
『あぁ〜〜ダメだわ！どうしても・・・』
　疼きの鎮まらない局部を、亜衣は自分の指で愛撫し始めた。
『はぁ、はぁ、はぁ・・・ぁぁぁ・・・っ・・・』
　オナニーの経験の少ない亜衣は、どうやって鎮めていいのか分からず、自分で慰めながら、かえってイライラしてきていた。
　そんな時、外から伊藤に声を掛けられた。
「亜衣さん・・・大丈夫ですか？どうにかなりましたか？」
「すみませ〜ん、ダメみたい・・・もう少し、時間をください〜」
「そうですか〜でも、あまり予定にゆとりが無いから・・・」
「先方へは、後で電話しますから〜」
「分かりました〜でも・・・僕でよければお手伝いしますよ〜」
　亜衣は伊藤の申し出を聞いた途端に、淫らな液が溢れ出るのを感じた。
（イヤだわ・・・わたしったら・・・伊藤さんを求めてるの？ アソコも弄られちゃったし・・・もう、観念して・・・伊藤さんにしてもらおうかしら・・・）
　亜衣は現状を打開する術が無いので、開き直っていた。

　しばらく伊藤の声は聞こえなかったが、ドアの傍に居ることは亜衣には分かっていた。
　緊急時と言えども、自分から誘うわけにもいかず、亜衣は一計を案ずることにした。
「あぁっ・・・あぅ、っ・・・あぁ〜〜はぁ、はぁ、はぁ・・・あぁ〜いぃ・・・」
（伊藤さんが襲ってくれれば、向こうに弱みが出来るだけ・・・）
　わざと伊藤に聞こえるような喘ぎ声を漏らし、より感じているフリをした。
（ひとりで悶えているのか・・・あぁ、見たいなぁ・・・亜衣が悶え狂うさまを・・・いやいや、やっぱり、人妻の脂ののった身体をメチャメチャにしたい・・・）
　伊藤は悶々として亜衣の喘ぎ声を聞いていたが我慢が出来ず、裸になって浴室の中に飛び込んでいった。
「キャァ〜〜ッ！！何？い、伊藤さん！」
　浴室に飛び込むや否や、伊藤は亜衣のいる広いバスタブの中に飛び込んだ。
「亜衣さん！」
　バスタブに飛び込んだ伊藤は、驚いた表情をしていた亜衣に有無を言わせず抱きついた。
　口唇を吸い豊かな乳房を揉み、湯の中というのを忘れているかのように亜衣を責め始めた。
「い、伊藤さん・・・」
「亜衣さん、我慢できないよ！ネッ、いいだろ？僕が疼きを鎮めてあげるから・・・」
「で、でも、わたしは人妻よ！それに役所の担当者だし・・・」
「全て僕が責任を持つから・・・亜衣さん、ネッ！・・・好きなんだ！」
　好きという言葉に亜衣の胸がキュンと鳴った。
　久しく聞かなかった言葉だ。
　亜衣は抵抗するフリを止め、伊藤に身を任せることにした。
（わたしが誘ったんじゃない・・・わたしは無理矢理、犯される・・・そう、そうよ・・・）

　湯に浮かぶように投げ出された亜衣の身体を、伊藤は鑑賞するように愛撫し始めた。
「亜衣さんって、すごくグラマーだったんですね・・・感激だな〜いつもは着痩せしてる感じですね・・・こんなに素敵な身体・・・独り占めにしたい・・・」
　確かに32歳という年齢とは思えないほど、スタイルは良かった。
　肉感的という言葉があてはまるイメージだった。
　仰向けになった亜衣の乳房は、湯に揺れて伊藤の手に余る大きさだった。
　伊藤は夢中で揉みながら淡い色の乳首を吸い、顔を埋めて感触に浸った。
「後で、この豊満な乳房に、僕のオチ××ンを挟んでもいいかな？」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・えっ？何？オチ××ン・・・いいわ〜好きにして・・・あぁ〜〜」
　亜衣は早く疼きを鎮めたい気持ちだけだった。
　伊藤は亜衣の下半身に移動し、両脚を湯の上に浮かべるように掲げた。
「目の前に亜衣さんのオマ×コが・・・あぁ〜〜舐めちゃっていいのかな？」
「あぁぁぁ・・・イジワルしないで・・・恥ずかしいわ・・・ねぇ、早く・・・あぁあああ〜〜〜」
　浮いた腰を左右に揺らして、亜衣は伊藤の愛撫を心待ちにした。
　お湯の中に顔を埋めるようにして、伊藤は亜衣の淫唇を舐め始めた。
「あぁっ！・・・あぁ、あぁ、あぁ、あっ・・・・・・ぃぃ・・・いぃ〜〜あぁ、いぃわ〜〜」
　異常なシチュエーションで快感が増し、亜衣はクリトリスを舐められただけで絶頂に達した。
　指を入れて責め始められると、何度も繰り返し絶頂感を感じ、初めて繰り返す快感の大きさと間隔の短さに、亜衣は我を忘れて夢中になっていた。
　媚薬の効果だとは知らない亜衣は、自分の淫らさに驚きながらも、伊藤により与えられる快感に没頭していった。
　亜衣は無意識に手を伸ばし伊藤の肉棒を掴むと、湯の中で素早く扱き始めた。
「あっ、ダメ！亜衣さん、止めてください！イッちゃいますよ〜」
　その言葉に手を止め、亜衣は伊藤に手で挿入を促した。

　伊藤は亜衣の身体を湯の中から引き上げた。
「亜衣さん、両手を壁に付いて・・・そのグラマーなお尻を僕に向けて！」
「あぁ〜ん、伊藤さんったら〜亜衣って、そんなに魅力的〜？」
「モチロン！亜衣さん、ご自分で自覚していないだけですよ〜男だったら、こんなグラマーな身体を見せられたら・・・我慢できませんよ〜」
「伊藤さんだって、すごく女性を悦ばせるのが上手だわ〜誰にでも、そうするの〜？」
　亜衣は豊かな白いお尻を振りながら伊藤に甘えるように言った。
「えっ！亜衣さんだけですよ！亜衣さんだから・・・僕も本気になって〜」
　伊藤は勃起した肉棒を握り亜衣の顔を真顔で見つめていた。
「伊藤さん・・・」
　亜衣は伊藤の方に向き直り、伊藤の握っていた肉棒を自分の手に取った。
「大きいわ・・・こんなになって・・・ずっと我慢してたんですね、可哀想・・・」
　そう言うと、亜衣は肉棒を口に含み、むしゃぶるようにして舐め始めた。
「あっぅ〜〜っ・・・はぁ〜ぁ、亜衣さん・・・いぃ・・・もぅ、ダメ・・・あぁ、出そう・・・」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ダメ、まだダメよ！わたしの中に入れてくれないと・・・まだ疼いて・・・あぁ、さぁ、早くぅ〜〜」
　再度、両手を壁に付いた亜衣の豊かなお尻を抱え、伊藤は爆発しそうな肉棒を挿入した。
「あぁ〜〜っ・・・あぁ、あぁ、あぁあああっ・・・はぁふぅ〜っ、はぁ、はぁ、はぁ・・・」
　伊藤の腰の動きに合わせ、亜衣はお尻を振りながら悶え狂った。
「あぁ、いぃ〜〜、あぁ、そう〜もっとぉ〜〜強くぅ〜〜イクわ〜イク、イク、あぁ〜〜」
　短い間隔で絶頂を繰り返す亜衣に、伊藤は益々興奮し、限界を超えて爆発した。
「あぅっ・・・・・・亜衣、さん・・・イク・・・僕も、イクぅうううう〜〜〜〜〜」
「えっ？あぁ、もぅ、思い切り、わたしの中にイッてぇ〜〜〜！」
　激しく腰を震わせ伊藤は溜まりに溜まった欲望の精を、亜衣の中に思い切り放出した。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
　力を出し尽くしたように、伊藤は湯の中に腰を落とした。

　亜衣も快感の余韻と共に湯の中に崩れ落ちるように浸かった。
「ふぅ〜〜伊藤さん、すごいわ〜」
「亜衣さん、大丈夫？まだ疼く？」
「えぇ・・・まだみたい・・・どうしたのかしら？わたし主人とも普通にしてたし・・・特別、欲求不満ってことも無かったのに・・・急に淫乱な女になったみたいで・・・変でしょ？伊藤さん、自分でも分からない亜衣のこと、本当に好きなの？」
「本気ですよ！遊び気分じゃ、人妻で取引先の担当の女性とこんなこと出来ないでしょ？」
「そうね・・・わたし、今の主人とは、何となく結婚したけど・・・伊藤さん、わたしが長い間、不倫していたの・・・知ってる？」
「・・・・・・いいじゃないですか〜そんなこと・・・知っていてもいなくても・・・僕は今、目の前にいる亜衣さんと、こうしているんですから・・・」
　伊藤も亜衣も最初の考えは消え失せ、今はお互いを求め合っているだけだった。
　亜衣は湯の中で伊藤に近寄り、手を伸ばして伊藤の肉棒を弄り始めた。
「まだ完全に萎えていないのね・・・わたしの為にもう一度頑張ろうとしてくれてるのね？」
　亜衣は伊藤の玉袋を優しい手つきで揉みながら、肉棒を上下に扱き始めた。
「あぁ・・・亜衣さんの手つき、優しくて・・・魅力的な身体以上に、女性らしくて・・・」
　伊藤は亜衣の肉棒への愛撫を味わいながら、亜衣の豊かな乳房を掴み揉みだした。
「あぁああああ、はぁ〜〜ぁ・・・その揉み方、いいわ〜〜はぁ、はぁ・・・いぃ気持ち・・・」
　左手で乳房を揉みながら、右手で亜衣の淫壷を弄り始めると、
　亜衣は身体を仰け反らすようにして悶え始めた。
「あぁ〜また・・・あぁ、あぁ、欲しい・・・伊藤さんの大きなオチ××ンが・・・」
　亜衣は湯の中に頭を入れて潜り、湯の底から少し勃起して揺らいでいた肉棒を咥えた。
　咥えると言うより、むしゃぶりつくようにして、淫欲を露わにした。
　両手で玉袋を揉みながら肉棒を舐め回し、口唇だけで激しく上下に扱いた。
「あうっ・・・あぁ〜っ・・・亜衣さん、いぃ〜〜はぁ、はぁ、っ・・・あぁ〜〜」
　亜衣の大胆な行為に伊藤の肉棒は一気に復活し、前以上にギンギンに逞しさを増した。
　伊藤は湯の中から亜衣を抱き起こし、濡れたままの身体を抱いてベッドまで運んだ。

　ベッドに寝る亜衣の姿態を見下ろしながら、伊藤は淫らな亜衣に狂喜した。
　グラマーな肉付きの良い身体で伊藤を誘う様子に、無我夢中で飛び掛っていった。
　この日の視察の予定を翌日に延期し仕事の心配を無くすと、ふたりは、飽くことなく淫悦を貪りあった。
　媚薬の効果が切れても、亜衣の淫らな欲は尽きなかった・・・。