庁内から外部施設に出向している職員は結構多かった。
　山本 静香も、そのひとりで、38歳になった今年、主任として配属された。
　静香は入庁以来、目立たないが無難に配属先の業務を確実にこなしていた。
　25歳の時に現在人事課の課長補佐をしている夫と結婚をして、子供もひとりいた。
　夫は役人らしい几帳面な性格の男で、出世格だった。
　平々凡々と結婚生活を送り、子供も中学生になって親離れしていた。
　何の波乱も刺激も無い生活に一応の満足を感じていたが、女盛りをこのまま終えるのかと思うと、少し、寂しい気もしていた。
　子供に手がかかっている間は、女である自分より母親としての自分が優先したが、子供に手がかからなくなると、女である自分を強く意識するようになっていた。
　しかし、夫は自分のことを子供の母親としてしか見ておらず、身を持て余していた。
　子供を早く産んで、その後は仕事に専念していたせいか年齢より若く見え、スタイルが崩れるようなことも無かった。

　同じ外の施設である歴史民族資料館の長澤が協力を求めてやってきた。
　長澤は静香と同期で、やはり同僚と結婚したのだが、３年前に事故で奥さんを失くし、子供がいなかったので、今はひとりで暮らしていると聞いていた。
　バックヤードで事務管理をしていた静香が、その相談にのることになった。
「今度、郷土の歴史をまとめたCD-ROMを作成することになったのですが、こちらにある資料だけでは不十分で、図書館で所蔵している資料を出してくれる？」
「久しぶりに会ったのに、挨拶の前に仕事の話しなの？相変わらず真面目なのね〜」
「いや、そう言うわけじゃないけど・・・、静香は相変わらず若くてキレイだねぇ〜」
「フフッ、もう、遅いわよ〜でも・・・ひとりで大変でしょう？男盛りなのに・・・」
「まぁ〜ねっ・・・静香も女盛りの年だけど、男盛りの僕を慰めてくれるの？」
「な、何を言ってるの？そう言う意味で言ったんじゃないわよ〜」
「えっ？他にどういう意味があるのかな・・・？」
　同期だったので何でも話ができたが、逆に男女の関係になることは無かったふたり、お互い意識の下に相手を想う気持ちがあることは、黙っていても伝わっていた。

「ところで、リストを作ってきたんだけど、郷土資料はどこ？」
「一緒に探してあげるわよ〜リスト見せて！」
「あと・・・閲覧させてないのも、あるんじゃないの？昔の絵巻物とか・・・？」
「うぅ〜ん・・・良く知ってるわね〜本当は、そっちで保管すべきものだけど・・・確か、奥の資料室にあったわね・・・まぁ、先にリストの本を探しましょ！」
　静香は長澤を連れて郷土コーナーに行き、分類分けしてある書棚を見て歩いた。
「あとは・・・あぁ、ここね！・・・あったわ〜ほら、上の棚・・・ちょっと待ってて！」
　踏み台を持ってきた静香は背伸びをし、目的の本を手にした。
　長澤は静香の手の先より、タイトスカートに浮き上がる尻の形に釘付けだった。
（いぃ形してるなぁ・・・やっぱり、静香はいい女だよなぁ〜）
「あっ！」
　バランスを崩して踏み台から足を外し、静香の身体が宙に浮いた。
　長澤は慌てて静香の身体を受け止めた。
「あぁ〜ぁ、危なかった・・・ありがとう〜でも・・・コラッ！いつまで胸を握ってるの？」
「あぁ、ゴメン・・・気づかなくて」
「失礼しちゃうわね！わたしの胸が小さくて分からなかったって言うこと〜？」
「そうじゃなくて、若々しく張った感触に手が離れなくて・・・」
「ば、バカ言ってないで、資料室に行くわよ〜」
　集めた本をカウンターに預け、資料室のカギを借りて奥の部屋に向かった。

　鍵を開けて中に入り、他の人が間違って入ってこないように中から錠をした。
「この部屋って・・・密室って感じしない？」
「そうだね〜普通の人は入らないし、入られても困るしね〜
　展示できない資料が数多く所蔵されている一角に、目当ての絵巻物があった。
　書庫の下のほうにある絵巻物を取ろうとお尻を突き出すようにした。
（うわぁ・・・堪んないなぁ〜こんな密室で、あんなポーズをされたんじゃ・・・）
　長澤は思わず静香の突き出されたお尻に手を伸ばした。
「あぁ〜ちょっと、手伝って〜」
　静香が後ろ向きのまま長澤のほうに手を伸ばして呼んだ。
「あぅっ・・・」
　長澤が静香のお尻に触る前に、逆にズボンの中で勃起していた肉棒を掴まれた。
「あらっ？！いやぁ〜だぁ〜長澤君ったら、何で大きくなってんのよ〜」
「それより、早く放してくれないかなぁ〜痛いよ〜」
「あぁ、ごめんなさ〜ぃ・・・いくら男盛りでも、まさか、わたしに発情したの？ フフフッ・・・そんなわけないわよね〜長澤君なら、女性に苦労しないでしょう〜」
「もう、40前だよ〜若い女の子は、子供っぽいし・・・」
「何言ってんのよ〜長澤君はハンサムなんだから、自信持っていかなきゃあ〜若い女性なら最高じゃない〜贅沢言っちゃあ、バチが当たるわよ〜」
「でも・・・なんで、そんなに大きくなってたの？溜まってるの？フフッ・・・」
「静香〜女がそういうこと言うか〜？全くぅ〜これだから人妻は・・・」
「露骨で、恥じらいもなくて、すみませんねぇ〜」
（すごい・・・長澤君の・・・ぶっとくて、特大〜って感じだったわ〜）
　静香は内心ドキドキしていたが、長澤に悟られないように気丈夫な感じにしていた。
（あぁ〜ぁ・・・あのまま抱き寄せれば・・・入庁した15年も前から好きだったのに・・・）
　長澤は千載一遇のチャンスを逃がした思いで、尚更、欲求不満になっていた。

　閲覧室で探した資料の整理にとりかかった。
　絵巻物を広げてデジカメで写真に撮り、本の中に資料をまとめ始めた。
「じゃぁ、頑張ってね！わたし、事務所に戻るから・・・」
「あぁ、ありがとう〜」
　黙々と仕事をする長澤の横顔に静香の胸がキュンと締め付けられた。
（何を乙女チックになってんの〜わたしは、人妻よ！）
　ちょっとした心の迷いを振り払い、静香も仕事に専念した。
　閉館時間が過ぎても長澤の作業は続いていた。
「いいわよ〜みんな、先に帰って頂戴〜後は、わたしがやるから・・・」
　本当は退館してもらうのだが、熱心に取り組んでいる長澤に静香は言えなかった。
　他の場所やフロアーは灯りを落として待っていた。
「ごめん・・・やっと、大部分をまとめられたよ。もう、閉館・・・とっくだね〜」
　静香は長澤を事務室に入れて、全ての灯りを落とした。
「これで、外から見られても、閉館してるように見えるわ〜もっとも、遅くまで事務室で仕事をしてる日もあるんだけど・・・」
「本・・・返さないと・・・」
「いいわよ、明日、わたしが戻しておくわ〜コーヒーでも飲む？」
「あぁ、ありがとう〜ありがたいよ・・・」
　ふたりは無言でコーヒーを飲み、やっと、息をついた。
「あぁ〜ぁ、よし、元気が出たぞ〜」
「良かったわ〜長澤君は、やっぱり、そういう顔のほうが素敵よ〜」
「君も、そういう優しい顔のほうが美人に感じるよ・・・それにしても、静香は若いな〜とても40前には見えないよ〜身体も締まってるし、肌の艶もいいし・・・」
「またぁ〜わたしの身体が締まってるなんて・・・見てもいないくせに〜」
「見せてもくれないくせに〜〜だったら、見せてみな〜」
「あなたも見せるなら・・・見せてもいいわよ〜」
　お互い無言で見つめあい心臓の鼓動の音だけが聞こえてきそうだった。
「静香・・・僕、入庁の時から君のこと・・・好きだったんだ」
「わたしも・・・同じよ・・・」
　自然と距離が縮まり強く抱き合い口づけを交わし、荒々しく衣服を脱がしあった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」
　荒い息遣いだけが事務室の中に響いていた。
　長澤は裸にした静香の乳房を強く揉みながら乳首にしゃぶりつき、尻の肉を掴んだ。
「あぁ〜ん・・・痛いわ〜」
　静香も長澤の勃起した肉棒を口に含み、舌で舐めながら口唇で扱いた。
「あっ、うっぅぅううう・・・っぁあああ〜ぁ・・・」
「ねぇ〜時間が無いわ〜その、ぶっといオチ××ン、早く後ろから入れてぇ〜〜」
　静香はデスクに手をつき、両脚を広げて立って、長澤を誘った。
　長澤は後ろから静香の乳房を羽交い絞めにして肉棒をワレメに挿入した。
「あぁあああぁぁっ・・・ぅっ、きつ〜ぃ・・・っぁああ〜〜すっ、ごぉ〜ぃ・・・あぁ〜〜」
　長澤は夢中で乳房を揉みながら、腰を静香の張った尻に激しく打ち付け繰り返した。
「あぁ、あぅううううぅぅ〜〜ぅっ・・・イッ〜イッ、くぅうううう〜〜〜」
「僕も・・・出ちゃうよ〜〜中に、中に出して、いいのぉ〜〜？」
　静香は長澤の腰に尻を押し付け左右に振りながら悶え、上体を起こして頭を振った。
　長澤はイク寸前で静香から抜き出し、静香の頭を手で抑えて口の中に放出した。
「ゴクッ・・・ふぅ〜、うわぁ〜濃いんだぁ〜ネットリしてるわ〜」
「仕方ないだろ〜バツイチなんだから・・・」
「ねぇ〜まだ、中途半端だわ〜今から、あなたの家に行ってもいいかしら・・・？」
「僕は構わないけど・・・旦那さん、確か、人事課だったよね〜」
「大丈夫よ〜わたしを女として見てないんだから・・・電話しておくから安心して〜」
「だったら、ガンバちゃうよ！覚悟しろよ〜でもホントの話し・・・・・・静香、やっぱり、いい身体してるよ〜後で、ゆっくり味わっちゃうぞ〜」
「そう〜楽しみにしてるわ〜じゃぁ、早く帰りましょう〜」

　再び女に目覚めた静香の身体は、熟した濃厚なセックスに没頭し、長澤との淫らな行為に新たな悦びを覚え、益々、淫らに熟していった。
　自分に素直になると言うことが淫らになることだとしても、今はそれが自分自身なんだと思う静香だった。