６．市民文化ホールの麻衣


　この市では、自主主催事業として年に６回、コンサートを開催していた。
　大ホールと小ホールとあり、それぞれ、年間の使用予定は決まっていた。
　能や歌舞伎、演劇など、毎年、変化に富んだ企画を打ち出していた。

　笹原 麻衣は本庁で市民課、社会福祉課、教育委員会などを経て、今年から文化ホールのチケットコーナーの担当に配属された。
　結婚は早く、地元の中学校の教師が相手で、公務員同士の夫婦というのは、世間の風評を気にして、窮屈で堅苦しい生活だった。
「もう、30半ば・・・このまま何の刺激も無く人生終わっちゃうのかな〜」
　亭主とのセックスライフは、週末の土曜日に30分キッカリというもので、マニュアル通りのセックスなんて飽き飽きしていた。
　それでも最近は、少々、スタイルや健康も気になり始め、亭主の了解をもらって、近くのアスレチッククラブに毎晩、１時間ほど汗を流すようにしていた。
　通い始めて半年余り、最初は身体中が痛くなり止めようと思ったのだが、我慢して続けているうちに、凝りも無くなり身体も若さを取り戻したように、肌に瑞々しく艶が出てきて、手足は細く締まり、胸やお尻は張りが出てきていた。
「自分でも結構、惚れ惚れする身体よね〜亭主だけに食べさせるのは勿体無いわ〜」
　元々、大学で新体操をやっていたので、スタイルは自信があったのだが、結婚して油断したのが間違いで、クラブに通って、やっと取り戻したって感じだった。

「こんにちは〜お世話になります」
「あぁ、新星堂さん・・・今回のチケットは、この座席どおりです。早めの完売、よろしくお願いします」
「笹原さんの、その笑顔で頼まれると、弱いんだよなぁ〜」
　男は、新星堂という地元大手のＣＤショップチェーンの大木 潤、文化ホールのチケット販売を取り扱っていた。
（ここの仕事環境の中で、唯一、彼が救いだわ〜私以外は年寄りの溜まり場のようで、同じ30代は彼しかいないんだから・・・それに、ちょっといい男よね〜）
今回のコンサートは小ホールで開催し、定員500名なのだが、最近の売れ行きを考えると、少し、難しい感じがしていた。

　１ヵ月後、コンサートの当日、当日券もまだ数十枚残っていた。
　大木さんのところでも、数枚売れ残ったということで、当日券に振り替えていた。
「すみません、笹原さん・・・僕、１枚買いますから〜」
「そう・・・それじゃあ、わたしも１枚買っちゃうわ〜・・・ねぇ２階席は誰もいないから、ふたりで貸し切って聴きましょうか？」
「本当ですか？それは最高・・・毎回、そうしてくれれば、毎回買っちゃいますよ〜」
「じゃぁ、そうして〜毎回、１枚だけ予約済みね〜有り難いわ〜〜フフフッ・・・」
　夕方、６時半開演で、クラシックコンサートが始まった。
　ふたりは、照明も無い薄暗い２階席で並んで座り、目を閉じて静かに聴いていた。
（たまには、２時間ぐらい、ゆったりと過ごすのもいいかも・・・）
　日頃の鬱積した精神が浄化されるような心地で、麻衣は久しぶりにいい気持ちだった。

　30分も過ぎた頃、大木の手が麻衣の太股の上に置かれた。
（何・・・？大木さん、どういうつもりなの？）
　麻衣は大木の横顔を覗き込んだが、目を閉じたまま無表情だった。
　大木の手は麻衣の太股を摩りながら内側に滑り込み、付け根まで伸びていった。
「ダメよ〜ヤメテ・・・大木さん」
「静かに・・・ここは、反響がいいから、すぐに下まで聞こえちゃいますよ〜僕・・・以前から、麻衣さんのこと、好きだったんです。でも、麻衣さん、人妻で・・・」
「そんな・・・気持ちは嬉しいけど・・・あぁ〜あっ・・・ダメ〜そこ、は・・・感じちゃう〜〜」
「いいから、もう黙っていて・・・僕の好きにさせてください〜」
　大木の手は、太股の付け根・・・ワレメの膨らみに達して、スキャンティの上から指をあてがい上下に擦っていた。
「あぁぁ、っ、ぁぅ・・・っ、ぁぁはぁ〜〜っぁあ〜〜」
　麻衣は下唇を噛みしめ、喘ぎ声を押し殺して、大木の愛撫に浸っていた。
　幸か不幸か、この場所は１階からは見えず、２階席には外からは入れなくなっていた。
　それを知っている大木は、次第に大胆な行為になっていた。
　麻衣の足元にしゃがみ、スカートの裾から両手を伸ばして下着に手を掛け、麻衣の腰を浮かしながら、淫蜜に濡れた小さなスキャンティは引き下ろされた。
　大木は麻衣の尻を座席の前に移動させ、両脚を前に投げ出すように広げさせた。
（あぁ〜、次は、わたしのアソコを弄くるのね・・・大木さん、早く舐めてぇ〜）
　心の中で大木に向かって叫んでいた。
　それを感じ取ってか、大木は麻衣のワレメを指でツツゥ〜となぞり、顔を埋めた。
　舌で周囲を舐めてからワレメの中に舌を押し込み、ヌルッとした中を舐め回した。
「あぅ、っ・・・ぅぅううううぅぅ、っ、っぁはぁ〜、はぁ〜〜ぁ・・・」
　両手で肘掛を握り締め、両脚を突っ張って大木の巧みな舌技を味わっていた。
　やがてブラウスがスカートから引き抜かれ、下から両手が乳房を目指して伸びてきた。
　舌の動きはそのままで、両手はブラのフロントホックを上手く外し、乳房を掴まれた。
　毎晩クラブで鍛え、豊かに張った乳房を、大木はゆっくり揉んで楽しんでいた。
　乳首を指で摘むようにして擦り、先端は指の腹で軽く擦った。
「あぁああああ、あっ・・・ぅううっ・・・はぅ〜っ、ぁはぁあ〜っ・・・・・・い、いぃ〜〜」
　乳房を愛撫した手で麻衣の身体の感触を味わうように全身を撫で回し、片手を麻衣の尻の下に置き、もう一方で、淫壷の中を弄り始めた。
　尻の下の手で麻衣の尻を少し浮かせ、指を１本立てて菊蕾に挿入すると、麻衣はピクッと身体を震わせ、尻の穴を締め大木の指を締め付けた。
　同時に、淫壷の入り口もキュッと締まり、奥まで入った指を締め付けた。
「あっうううううぅぅ・・・っあああ〜〜〜」
　尻の指はそのままにして、淫壷の中の指でＧスポットを素早く圧迫しスライドさせた。
　まもなく、麻衣の身体全体が硬直して、息も絶え絶えに絶頂に昇りつめた。
　菊の蕾も淫壷も連動して小刻みな痙攣を繰り返した。
「あぅあぅあぅうううっ、っ・・・っイッィィ〜〜イッくううううう〜〜〜」
　麻衣はしばらくの間、呼吸が乱れ元に戻らなかった。
「はぁ、はぁ、はぁ〜〜ぁ、こんなに感じたの、初めてよ〜すごいわ〜」
「まだ、これからが本番だよ〜さぁ、前の手摺りに掴まって！脚を開いて〜」
　言われるがままに麻衣は手摺りを掴んで立つと、大木はスカートを捲って尻を露わにし、ふたつの丘を両側に押し開くと、鉄棒のように堅くなった肉棒を淫壷に押し込んだ。
「うっわぁっ・・・ぁ、ぁ、ぁあああああぁぁぁ、あぅっ、あぁ、はぅ、はぁ〜っ・・・ぁああああぁぁ〜〜〜っ、あぁ、もう・・・あっ、ダメッ、っ、イッくぅううう〜〜〜」
　麻衣のアクメの痙攣に促されるように大木の肉棒に心地よい刺激が走り、肉棒の付け根から濁流のように一気に律動を繰り返した。
「麻衣〜す、好き、だぁ〜〜いぃ〜イッ、いくぅううう〜〜〜っ、ぁあああ〜〜っ・・・」
　麻衣の中に肉棒が突き刺さったまま、大木は座席に座った。
　後ろから羽交い絞めするように麻衣の胸に手を回し、乳房を両手で強く揉みし抱いた。
　うなじに優しくキスをして舌で舐め回し、耳の中に息を吹きかけて囁いた。
「麻衣・・・もう、離したくない・・・」
　麻衣は真下から貫かれたままの肉棒に痺れるような快感を味わいながら、意識が朦朧とするような淫欲の世界に浸りきっていた。
「はぁ〜はぁ〜はぁ・・・・・・あなたの好きにしてぇ〜〜〜」

　本物の快感を知った麻衣は、熟れた身体で大木のあらゆる要求に淫らに応え、果てることの無い淫交に溺れていった・・・。