７．人事課の亜紀

　吉村 亜紀は、この市では珍しく民間会社出身者だった。
　採用試験の時の経歴には、大学を卒業後、大手パソコンメーカー勤務とあった。
　しかし、２年後の春、つまり、今年の春に退社して、市の職員採用試験を受けていた。
　だから、年齢は24歳での入庁だった。
　しかも既婚者だった。
　市の職員に採用され研修を終えた亜紀は、人事課に配属された。
　人事課という名前には嫌な思い出が蘇ってくるので、強い抵抗を感じていた。
　思い出というには、あまりにもおぞましい体験だった。

　ＰＣメーカーの採用試験を受験した時のことだった。
　筆記試験に合格し、面接の時だった。
　人事課の課長の池山という男が亜紀に質問をした。
「君は、どうしても当社に入社したいのかな？」
「はい、以前より希望していた会社なので、是非、入社させていただきたいと・・・」
「ふぅ〜ん・・・じゃあ、何があっても、何を言われても、諦めないということかな？」
「はい、社会に出れば、学生時代とは違いますから、不条理なことも多いと・・・」
「ほぉ〜それは、殊勝な心がけだね〜」
　亜紀は、現在の日本の大卒女子の採用状況を考えれば、無理してでも入りたかった。
「それじゃあ、そこに立って、ゆっくりその場で回転してくれるかな〜？」
　亜紀は言われるとおりにぐるりと廻った。
「ちょっと上着を脱いで・・・両腕を頭の上まであげてくれる？」
　何をチェックしているのか疑問だったが、仕方なく応じた。
「はい、いいよ〜まだ、帰らないでね！後で、もう一度、呼ぶから・・・」
　控え室で待っていると、面接の池山課長から連絡が入り、再度、面接会場に行った。

　部屋の外には誰もいなかったが、ノックして中に入ると、池山課長しかいなかった。
「そこに掛けて・・・君は、今、当落ラインにいるんだ。それで、どうしようかと・・・？」
　亜紀は池山が何を言いたいのか見当もつかなかった。
「どう言うことでしょうか？」
「鈍いんだね〜君は・・・大学の成績もいいし、採用試験の結果も問題は無いのだが・・・今、どこの企業でも、大卒女子の採用は難しいんだよね〜まぁ、僕次第なんだが・・・」
「はぁ・・・？宜しくお願いします！」
「う〜ん・・・それじゃあ、向こうの部屋に行ってくれるかな〜？」
「は、はい・・・？」
　部屋の中の奥のドアを指差して池山は亜紀を促した。
　部屋に入ると、そこは窓ひとつ無く、机とソファしかない暗い部屋だった。
　しばらくすると、池山が部屋に入ってきて、ドアを内側からロックした。
　亜紀は、その時になって、やっと状況が飲み込めた。
「人事課の課長にも、それなりの力があってね〜決定権もあれば、入社後の扱いも・・・」
「・・・・・・・・・」
　亜紀は池山の言わんとすることが分かった途端、どうしようもなく困惑していた。
　逃げ出せば、それで終わりだし・・・、このままだと、身が危ない・・・。
　それでも、身体が動かず、胸が息苦しくなって、身体中汗が噴き出していた。
「君は・・・いい身体つきをしてるねぇ〜ちょっと脱いで、見せてくれないかな〜？」
　言葉は優しいが、完全に脅迫だった。
「早くしないと・・・時間切れになっちゃうよ〜別に・・・強制してるわけじゃないから・・・誤解されると困るんだ〜あくまでも、君の自発的な意志じゃないと・・・ただ・・・君じゃなくても、いいんだけど・・・採用される女子社員は・・・ねっ、分かるだろ？」
　亜紀は八方塞だった。
　一度だけ・・・今だけ我慢すれば・・・一流企業に入社できる、その思いで覚悟を決めた。
　ゆっくりとリクルートスーツの上着を脱ぎ、ソファの端に置いた。
「いいねぇ〜若くて美人のストリップは・・・ゆっくり時間をかけられると、尚更、ドキドキしてくるねぇ〜なかなか、心得ているねぇ〜バイトしてたの？」
　亜紀は身体中が燃えるように熱く上気し、羞恥心で頭が真っ白になってしまっていた。
「さぁ〜次は、何かな？ブラウス・・・かな？それとも・・・スカートかな〜？」
　亜紀は恥らいながらスカートを足元に落とした。
　色白な素肌がほんのりとピンクに染まり、長い脚の太股がブラウスで若干隠れた。
「堪らないねぇ〜本当に艶っぽいねぇ・・・ゴクッ・・・」
　池山の眼に卑猥な光りが宿り、ギラギラとイヤらしく充血していた。
　薄手のブラウスから透けて見える乳房の膨らみや、小さなパンティからはみ出た尻の肉が、年配の池山にはオールヌードより刺激的だった。
　ブラウスのボタンをひとつ、またひとつと、亜紀は泣きそうな気持ちで外した。
　真っ白なブラとパンティが露出され、贅肉の無い引き締まったウエストが美しく見えた。
「きれいだねぇ・・・素晴らしい肉体美だね・・・３サイズは？」
「・・・・・・・・・」
「さぁ、勿体つけないで、早く教えなさい！」
「93・・・57・・・88・・・です」
「日本人離れしてるね〜そうだ、ちょっと、その長い股下を測らせて欲しいな〜」
　池山は何処からかメジャーを持ってきて、亜紀の股下に端を置き、そこを踏んだまま、薄っすらと茂みの影が見える箇所まで引っ張り、ワレメに押し当てて計測した。
「身長は163cmぐらいだから、82cmの股下って・・・ホントに長いんだね〜素晴らしい！」
　そのまま、池山は薄いパンティの生地の上から、ワレメにそって擦り始めた。
「うっ、わぁ〜濡れてきたよ、すごい・・・感度もいいんだなぁ〜」
（そんな・・・そんなこと、あり得ないわ！濡れるなんて・・・）
「嬉しいなぁ〜僕の気持ちを察して、濡れてくれるなんて・・・また、プリッと引き締まったお尻が堪らないね〜」
　池山は亜紀の下半身を前から抱え込むようにして、お尻に手を回して撫で回した。
「いぃ・・・いぃ〜感触だ・・・無駄な肉もなく、固くもなく適当な柔らかさを感じさせる。ん〜〜〜ん・・・いい匂いだ〜〜君のオマ×コ・・・いい匂いがするねぇ〜」
（ヤメてぇ〜〜イヤらしいわ〜〜抱え込んで匂いを嗅ぐなんて・・・変態〜〜）
　口に出して言えない・・・心の中で亜紀は思い切り叫んでいた。
　池山の手が尻から腰、背中へと這い、ブラのホックを外した。
「うっ！・・・」
　亜紀は思わず、両手で乳房を抱えるようにして隠した。
「あららぁ〜いいのかなぁ〜？そういう態度で・・・」
　亜紀は涙が込み上げてくるのを歯軋りしながら堪え、
　ゆっくりと乳房を隠す手を下ろした。
「勿体ないよ、隠しちゃ〜、93cmの形のいいオッパイが・・・もっと胸を張って〜甘い蜜の果実のように膨らんで・・・どれどれ・・・どんな味がするのかなぁ〜？」
　池山は舌で口唇を舐めながら乳首を舐め、両手で下から持ち上げるように揉み始めた。
「可愛い乳首だ・・・ほら、興奮してツンと上を向いて勃起してるよ〜」
　亜紀は目線を下ろして愕然とした。
　本当に乳首が固くなってコリッとした感じになっていた。
（うそぉ・・・どうして・・・？わたし・・・感じてるの？興奮しちゃってるの？・・・あぁ〜〜）
　もう、理性が保てないような気分になった亜紀は、全身の力が抜けるような気がした。
　池山の愛撫はさらに続き、再度、尻に手を回してパンティの上からワレメを舐め始めた。
（うっ、うううううぅぅぅ、っ、あぁぁあああ〜〜〜ぁああ〜もう・・・ダメぇ〜〜〜）
　一気にワレメから蜜が溢れ、池山はそれを喜んでチュゥ〜チュゥ〜吸っていた。
（あぅぁぁぁぁ、っ・・・・・、ぅっ、ぅはぁあああ〜〜ぁ、あぁ〜ん・・・ぁはぁあ〜ぁ・・・）
　亜紀は立っているのがやっとだった。
　池山のお尻に回った手がパンティの上の端にかかり、足元に引き摺り下ろした。
　両脚を閉じ、手で前を隠したが・・・、池山によって、すぐに露わにさせられた。
　その後は・・・もう、思い出したくも無い時間が続いたのだった。
　後ろから犯された後、池山のグロテスクなペニスを咥えさせられ、口をオマ×コの代わりに何度もピストンを繰り返され、最後は白濁の液を飲まされた。
　入社後、何度か関係を強要され、その辛さから逃れる為に、結婚を申し込んできた同僚とすぐに結婚し、池山から解放されたのだった。
　結婚しても、しつこく関係を迫ってきたので、夫に全てを打ち明け断ち切ってもらった。
　それから、しばらく勤めていたが、やはり会社の存在自体が怖くなり退社したのだった。
　それで、このままだと社会的に自分が駄目になると思い、市役所の試験を受けた。
　運良く採用されたが、夫とはそれ以来、名ばかりの夫婦になってしまっていた。

　人事課に配属が決まった時、おぞましい記憶が蘇って、一時的に放心状態になったが、今は亜紀自ら逆療法を試みている。
　わざと乳房が上から見えるような格好をしたり、スカートのファスナーを外していたり、周囲の男たちの好奇な目線を引くことで、自分の中で昇華しようとしていた。
　実際、隣の席の職員は、一緒に並んで資料を調べた時に、もう調べは終わっているのに、亜希の傍を離れず、スカートのファスナーの開いたところから何気なく手を入れてきた。
　太股とお尻の素肌が見えていたのでその気になり、触ってきたのだった。
　結構、気持ちよく感じていたのだが、しばらく好きにさせた後、身動きを抑え、状況を課長に告げ、セクハラ行為として告発した。
　それでも最近は、好みのタイプの男性職員と、わざわざ欲情する状況を作って、無言の了解という形で仕事中でも楽しんでいる。
（来春の採用試験の時に、若い男の子のエキスが吸えるかも・・・・・）

　亜紀は今、離婚を考えている。
（まだ若いし、夫婦と言っても有名無実・・・バツイチの淫らな職員がいてもいいかな？）
　亜紀のオンナとしての職歴は、今、始まったばかりだった・・・。