３

　志村夫人のお宅に伺うようになって２年近い歳月が流れました。
　月に１回の茶道教授で、私は大きく変わりました。
　
　女のカラダは、ほんとにバイオリンのような楽器だと言えます。
　弾き手によって、どんな音色でも奏でることができますし、また、どれほど大きな快楽が生み出されるものなのか、その底なし沼のような深さに、私自身ですら、ただただ驚くばかりです。
　私は貪欲な女です。
　普段の生活では、夫も私も慎ましく生きております。夫との性生活でも、それなりの満たされたものを感じておりますし、不満はありません。
　私は夫を愛しております。
　その私が、月に１度、夫の知らない女、いえそれは人間の女と言えるのか、私は狂い死にするほど乱れる野獣のメスに変身するのです。

　そのころに、岡倉商店に勤める話が、岡倉さん自身から持ち出されました。

　もう既に何度か触れましたが、岡倉商店は、何代も続く（現在の当主、岡倉さんのご子息で１３代目と聞いたことがあります）味噌造店で、この地方では名士の一人に数えられているそうです。
　広大な敷地に味噌蔵が並び、敷地の南側に事務所の建物と販売所の建物が並び、その西側には岡倉家の大きなお屋敷がありました。
　岡倉さんご自身は、味噌蔵のはずれの、広い敷地の東北角に近いところにログハウス風のものを建て、昼間はほとんどそこにおられるということでした。
　事務所には、社長である岡倉さんのご子息（私と同い年と聞きました）と経理担当の専務さん（５０歳くらいの男性）、いわゆる金庫番といわれる人の２人がおられました。
　しかし、社長さんは、大口の取引先との営業を一手に引き受けられており、週の半分以上は出張で、事務所におられる日の方が少ないようでした。
　隣の建物の販売店には、営業担当の常務、商品管理・販売をする若い女の子が２人ほど、商品の出し入れをする男性が２人がいました。
　後は、蔵の近くの工場の製造部門に３０人近い人が働いているそうです。

　私は、事務所で、経理担当の専務さんの下で、簡単な経理事務を任されました。
　しかし、仕事は午前中で、午後は、先代社長つまり岡倉さんのところで、岡倉さんがやっている岡倉商店史の編纂のお手伝いをするということになりました。
　もともとは商店史編纂のお手伝いということがメインであったようですが、経理担当の事務員が一人辞められた代わりに私が雇われたという経緯もあって、専務さんが午前中だけでも仕事を手伝ってもらえないかと、岡倉さんに頼み込んだそうです（専務さんが話してくれました）。

　専務さんは、主婦が働きに出ると、ご主人が不便なものです、と言って、昼休みを長いめにとることを認めて下さいました。
　その言葉に甘えて、自転車で１０分ほどのところにある勤め口なので、昼に帰って昼食を作り、夫と食べるようにしました。
　朝は９時過ぎに１度ログハウスにより、それから事務に就き、午後は１時半から４時くらいまで商店史編纂のお手伝いをしました。（給料は一人前でしたが社内的にはパート的扱いでした）
　経理といっても、伝票の再計算と整理とをするだけで、難しい判断はすべて専務さんがしてくれました。
　午後は自転車で、事務所には寄らず、敷地の外を回り、東北角にある門（北門とよばれていました）から直接に岡倉さんのログハウスに行くようになりました。
　岡倉さんは、商店史編纂の史料のカード作りや、原稿のワープロ打ちを私にやらせました。

　初日、ログハウスによると、岡倉さんは、奥の部屋へ私を導き、パンストとショーツを脱がせました。
　代わりにこれをはいてください、と出されたものは、Ｔバックのパンティーのようなものでした。
　それは特別製のものだと思われ、黒い薄い皮が何枚か重ねられて作られており、股のところに２つの突起物が出ていることと、小さな穴がつけれていました。
　はいてみると、前の小さな突起物はクリトリスに、後ろの突起物、これは細長いなすびのような形で、ヴァギナにぴったり当たるように作られてあり、また、穴は、小陰唇を開くようになっており、尿道にぴったりと位置しました。
　Ｔバックのお腹の部分には厚みがあり、何か金属のようなものが入れられているようで、さらにその横の別のふくらみには、記憶素子のようなカードが差し込まれているのが見えました。
　岡倉さんは、丁寧にその突起物や穴の位置が正しい位置に来ているかを確認し、正しく誂えてくれたようです、と満足そうに言い、Ｔバックの腰ひもをきゅっと締め付けてずれないように調節しました。
　勤めに来たら、ここで毎日これを自分で付けること、仕事が終わるまでとってはいけないこと、以上のことが命じられました。

　事務所について、専務さんに挨拶しているとき、カラダがガクガクと２．３度衝撃を感じ、危うく机に手をついてカラダを支えました。
　早くも突起の一つが振動したのです。前の突起がクリトリスに細かい振動で刺激を与えたのですが、短い時間であるので救われました。
　それでも、私が挨拶して急ぐように自分の机に座る行動は、やはり専務さんに奇異な感じを与えたようです。
　専務さんは、少しの間、私の方をじっと見ていたようでしたので、怪しまれたのではないかと少し不安になりました。

　机で伝票の整理に没頭していたのですが、午前中の仕事もあと３０分ほどになった頃、突然に、再び刺激を感じました。
　クリトリスへの刺激は、初め穏やかに徐々に激しくなるというサイクルを繰り返すものでしたが、３度ばかりサイクルが繰り返されると、もう私は、目の前の仕事ができなくなってしまい、伝票が破れそうになるほどぎゅっと握りしめ、声を立てないように我慢するのが精一杯になりました。
　私は専務さんを盗み見て、専務さんが横の戸棚を開いて、何か書類を探していることを確認して、Ｔバックの股の部分にポケットティッシュをそのままあてがいました。
　もうぼとぼとに濡れていて、スカートに染み出すのではと不安になったからです。
　腰を浮かし、素早くやったつもりですが、専務さんに見られてしまい、椅子の調子が悪いですか、などと聞かれました。
　私は、刺激され続けているので、声を出せませんでした。こわばった顔で、笑顔を作り、首をよこに振ることしかできませんでした。
　結局、３０分間、クリトリスへの刺激は続き、クリトリスの感覚はもはや麻痺し、その刺激は私のカラダそのものを直接刺激するかのようにカラダ全体に広がり、もはや立つことさえ、不可能でした。
　突起の振動が停止し、刺激がなくなっても、私のカラダもはやわたしのものではなく、快楽に乗っ取られておりました。
　声をあげることだけは、我慢できましたが、腰は私の意志に関係なくビクンビクンと痙攣し、速くなった呼吸で肩は激しく上下に揺れていたと思います。
　専務さんは、初めてのお仕事で緊張されたでしょう、だいぶお疲れのようですが大丈夫ですか、と声をかけ、私の肩を優しく手を置きました。
　専務さんの魔法の手、肩から全身に快感が広がりました。
　おさまりかけていた腰の痙攣が再び起こり、私は専務さんに私のすべてを投げ出したくなりました。
　しかし、専務さんは、しばらく休んで帰られたらいいですよ、午後は少し遅れると、私の方から先代にお伝えしておきますので、と言われると事務室を出て行きました。
　私のおかしな態度に、専務さんは不可解に思われたに違いありませんが、専務さんの言葉は率直なものに感じられ、本当にカラダの不調と思ってもらえたのかも知れないと、やや安心しました。

　こんなに１日中刺激されていたら、私のカラダは私のものでなくなり、快楽に乗っ取られたままになるのではないかしら。
　もしそうなったら、午前中に専務さんにカラダを好きにさせようとしたように、もう誰でも、いえ、どんなものにでも、私はからだを与えてしまいそうになりそうでした。

　午後、ログハウスで、私は岡倉さんにお願いしました。午前中の仕事の間は刺激を控えていただけないでしょうか、と。
　岡倉さんは、ほう、そんなに刺激が続きましたか、それはやりすぎたかも知れませんね、と言いましたが、控えましょうとは言われませんでした。
　午後は、順調に仕事ができましたが、刺激が全くなくて、もの足らない気もしましたが、さすがにそのことは岡倉さんには言えませんでした。
　帰り際に、岡倉さんからＴバックの外し方と、掃除の仕方、消毒の仕方を教わり、明日からは装着と取り外し、そしてその後始末も自分でやるようにと命じられました。

　次の日、ログハウスにより、事務所に行くと、専務さんはもう仕事をしておられ、挨拶して椅子に座ると、すぐにかなり強い刺激があり、私は、上半身ビクンと震えましたが、クリトリスへの刺激はそれだけでおさまり、私は、控えてもらっているのだ、と思いました。

　１時間ほど帳簿と伝票の整理をしていると、専務さんが、この書類を常務さん（営業担当で販売所の事務室におられます）に見てもらい、その上でサインをもらってくるように、と命じられました。
　その書類はぶ厚いものでした。
　常務さんは、専務さんから話が聞いておられたようで、書類を待っておられたようでした。
　ちょっと、目を通す間、そこに腰掛けて待っていてください、と常務さんは言われ、書類を読み始めました。
　私は応接セットのソファーに腰掛け、すぐにサインがもらえるのだろうという思いで待っていましたが、常務さんは書類に没頭されているようでした。
　突然の振動でした。クリトリスに小さく振動が伝わり、その振動は徐々に大きくなっていきました。
　私のカラダはその振動にすぐに反応するようになってしまっているようでした。
　私は身を固くし、常務さんにさとられまいと必死でした。
　しかし、その刺激は容赦のないもので、今まで感じたこともないほど激しく振動し、その快感は腰から背筋へ、そして頭の付け根からその頭頂へと稲妻のように駆けのぼり、カラダがワナワナと震えだしました。
　もうソファーにお行儀よくかけていることもできず、私は背もたれののけぞるようにしてその快感に身を任し、失神してしまいまったのです。
　気づくと、私はソファーに横になっており、スカート中かが丸見えになるほど足を開いていました。
　私はあわてて、足を閉じ、座り直したのですが、常務さんは、まだ書類に没頭しておられ、私だけ白日夢の中にいたかのように思えました。
　常務さんは、ごく普通に、わかりましたと専務にお伝え下さい、と言われ、認めのサインを書いた書類を返されました。
　そのぶ厚い書類をもって、専務さんの元に帰ったのですが、その時には、もう昼休みの時間になっていました。
　常務さんのところに、１時間余りもいたことになるはずなのです．．．．専務さんは、遅かったねとも、何とも言われませんでした。

　午後は、ログハウスで昨日と同じ仕事をしました。
　岡倉さんは、昨日私が言ったことを気にされてか、結局、午後は、スイッチを入れられませんでした。（やはり、物足りなさを感じてしまいました。）

　翌日も専務さんから同様のことを命じられました。
　今度は事務所から５０メートルほど敷地内に入った、味噌蔵の並ぶ工場部門の中にある工場長（社長さんをはじめ誰からも”六さん”と呼ばれていました）の事務室までいかねばなりません。
　やはりぶ厚い書類でした。
　工場部門に行くのは初めてでしたが、六さんの事務室は、専務さんの説明通り、すぐにわかりました。
　独立した小さめの蔵を改造した事務室で、そこに一人でおられるということでした。
　
　事務室に着くと、六さんも専務さんからの書類を待っておられたようでした。
　昨日同様、書類に目を通すまで、待つように言われ、レモンティーを、六さん自ら出してくださいました。
　ダージリンの快い香りを楽しみながら、レモンを入れ、砂糖なしで一口一口味わいました。
　レモンが強かったのか、少し舌にしびれを感じましたが、大変おいしいお茶でした。
　そろそろ来る頃かな、と私の方で予測するのに合わしたように、Ｔバックの小粒が振動し始めました。
　穏やか心地よい刺激で、カラダも心も徐々に溶かされるような快感が、クリトリスを中心に腰へと広がっていきました。
　私は、このＴバックの刺激にゆったりと身も心も任せ、ソファーに深く腰掛けて、その快感を味わうように楽しんでいまいしたが、深い沼に引きずり込まれるように徐々に意識が遠のき、ついに深い眠りに落ち込んでしまったようでした。
　
　目覚めると、 私は目隠しをされていました。
　Ｔバックも脱がされ、丸裸にされていました。
　両手は上からのロープでつり上げられ、肘のところがきつく縛ってあり、両足は、その足首にロープがまかれ、左右に大きく股が広がるように引っ張られて固定されていました。
　その右足に何かが触れました。
　それは何なのか．．．．人間ではありません。
　私が知らないもの．．．．一度に恐怖心が私を支配しました。
　私は、怖さの余り、足からそれを振り払おうとするのですが、それは、私の脚にからみつき、徐々に上にはい登ってくるのでした。
　その肌触りは乾いたものですが、ずっしりとした重みを感じます。
　太ももの内側にこそばいような刺激がありました。舌のようです。
　それはチロチロと小さく震えるように私の太ももの裏側を舐め、徐々に足の付け根へと迫ってくるのです。
　その動きは本当にゆっくりとしたもので、締め付けられた私の太ももはしびれ、その舌の感触を倍増させるようでした。
　私は恐怖心で身をこわばらせているのですが、その舌が足の付け根からアヌスへと動き出す頃には、頭の中がしびれ初め、その舌がヴァギナに当たる頃には、恐怖心を飛び越えて芽生え始めた快感に身を任せようとしているのでした。
　その舌が私の割れ目に忍び込み、尿道をいじくり、尿道からクリトリスへ舐め回し始めると、私のヴァギナは一気に蜜をあふれさせ、その頭がヴァギナに接すると、私は腰を振って受け入れようとしていました。
　それは太いものでした。私のヴァギナはメリメリと音を立て（私はその音を聞いたように思います）その頭を受け入れました。
　それはズルズルとその後も私のヴァギナに侵入し続け、ついに子宮に強烈な刺激を感じた私は、同時に大きく激しい快楽に襲われ、全身が溶け出すような快楽の中で、失神してしまいました。

　六さんが私の顔をのぞき込むようにして見ていました。
　私はあわててソファーから飛び起き、スカートを直しながら、座り直しました
　よく寝ていたね、少し勤めの疲れが出ているのかも知れないね、と六さんは言われ、紅茶のお変わりはどう？と聞かれました。
　私は、狐につままれたような、現実感がまったく持てない心理状態で、ここはどこだろう、と自分に聞き返していました。
　六さんが入れてくださったレモンティーを一口飲むと、少し落ち着きを取り戻すことができ、さらに一口飲みました。
　六さんはレモンの入れ方が上手で、今度は何の違和感もなく飲めると思い、現実的な感覚もはっきりと戻ってきました。

　私は毎日、不思議な気持ちで岡倉商店で働いていました。
　毎日午前中はＴバックの刺激があり、その都度私はオルガスムスに達してしますのですが、専務さんや常務さん、工場長の六さんには、何とかごまかせているようです。
　ただ、六さんのところへ初めて伺ったときにソファーで寝てしまい、あの暗闇の快楽の夢を見たことは、その後も六さんの事務室を訪ねるたびに思い出すのですが、やはり夢とは思えない強烈な印象がありました。
　Ｔバックの刺激は午前中ばかりで、午後は岡倉さんのところで資料のカード作りやコピーなどの追われ、午後に刺激をしてもらえる日はほとんどありませんでした。

　勤めて半年ほどしたときでした。事務所の私宛に封書が届きました。厳重に封された封書を開けると、厚紙の裏表に１枚ずつ写真が貼られていました。
　紛れもなく私の写真でした。豆柴にからだを任せ、狂乱している私でした。
　私は、レンズをまっすぐに見ているのですが、どこか焦点の合っていない眼をしており、半ば開いた口からはよだれらしきものを流し、アゴを突き上げて何かの訪れに集中しているかのように見える表情をしています。
　裏の１枚は、豆柴に私が失神させられようとしているその瞬間を捕らえた写真で、私の目はもはや意識のあるものの眼ではありませんでした。
　あろうことか、人間の女が犬にからだを与え、犬との快楽に酔いしれている、それそのものを写し止めた写真でした。
（私には写真に撮られたという記憶は一切ありませんでした）
　一瞬、専務さんを盗み見ました。専務さんは帳簿に目を通すのに没頭しておられ、写真のことは気づかれなかったようでした。
　私は冷静になろうと務めましたが、こんなものが夫の目にとまれば、もうおしまいです。　近所にばらまかれたりすれば、私ばかりか、夫にまで迷惑をかけてしまうことになるでしょう。
　驚きと不安で身体が震えました。そして．．．．そして私は、どうしたことか激しく濡れていました。

　私は、岡倉さんに相談することにしました。
　岡倉さんは、私の話を丁寧に聞いてくれ、そうですか、と写真を手にしばらく考え込んでいるようでした。
　そして、志村さんのお家に集まったメンバーはすべて私の方で把握しています。私と志村さん以外に５人の人間です、と言い、それらの人たちは、あなたのご主人に迷惑をかける人たちでないことを私が保証します、ときっちりとした口調で言われました。
　私は、夫に迷惑が及ぶのではという一番心配していることについて、岡倉さんが保証してくれたことにややホッとしました。
　しかし、次の岡倉さんの言葉に、驚き、仰天してしまいました。
　岡倉さんは、５人の内、４人までは岡倉商店の人間です、と言われたのです。

　勤めて半年余り、その間に岡倉商店で出会った人の中に、私と犬との狂乱を、私の本性を知っている人がいるのです。
　ああ、なんて恥ずかしい、顔を上げて歩くこともできない、もう私はここでは働けない、と私は取り乱して口走ってしまいました。
　もうどうにもできない、絶望的な気持ちに、私は沈んでしまいました。

　打ちひしがれたようになった私に対して、岡倉さんは静かに語りかけました。
「あなたは私に対して、ちゃんと顔を上げて生きていますよ。私はあなたが恥ずかしい人だとは思わないし、５人の者も同じように思っているでしょう。」
「岡倉さんのことは、私はよく存じています。私のことを真実理解していただいていると思います。ですから、恥ずかしいということはないのです。でも．．．．」
「そうですね、私とあなたとはお互いによく理解し合っています。しかし、他の５人の者とはそうではありませんね。
　５人の者はあなたのこととを知っていますが、あなたは５人の者を知らない。もし、あなたが５人の者と知り合えば、おそらく、私に対すると同様に、恥ずかしいなどという気持ちにはならないと思いますね。」
「その方たちのお名前を教えていただけるのですか。」
「教えることは簡単です。しかし、名前を知ったからといって、理解できるということにはなりませんね。」
「．．．．では、どうしたら．．．．」
「私とあなたは、どのようにして知り合い、理解し合ったのでしょうか。」
「えっ？．．．．．」
「本当に理解し合えば、あなたは恥ずかしいなんてことは絶対にありませんね。
　あなたは誰とでも、何とでも理解し合える才能をお持ちですよ。
　そして、５人の者は十分あなたを理解している者であることを、私が保証します。
　皆、２年近くも前から、あなたを理解している者ばかりです。」
「．．．．．．．．．．．．」

　翌日、ログハウスでいつものようにＴバックを身につけようとしていると、今日からはこちらにしていただきます、と岡倉さんは別のものを出されました。
　それは前ものと同様に薄い皮を何枚か貼り合わせたＴバック状のものでしたが、腹部から股へ２本の革ひもがのび、前から見るとＶ字状に見えるものでした。
　Ｖ字の２本が１本に合する部位には、前回同様のなすび型の突起があり、ヴァギナに挿入するようになっていましたが、前の部分に突起はなく、２本の革ひもによって、小陰唇までもが左右に掻き広げられ、クリトリスも包皮からむき出しにされる仕組みになっていました。
　岡倉さんは、私のスカートの前をめくりあげ、むき出しのクリトリスをつまみ、私の耳元に口を寄せると、あなたは求める者にこれを差し出し、愛されなさい、あなたのクリトリスは、この半年でどんな刺激をもうけ入れるようになっていますから、と穏やかな声で言いました。
　
　事務所では、支払日と言うことで、既に何人かの業者の方が来ておられました。
　この日は、販売所の方から女性の事務員１人来られて、来客に応対することになっていました。
　大半は銀行振り込みで支払いを済ませるのですが、昔からの取引先の中には、商習慣としてこの日に顔を見せ合うことを大切にしている業者さんもあり、また取引の歴史の浅い小口の業者さんには集金に来ていただいているようでした。
　社長さんは逆に、常務さんと一緒に幾つかの集金先に行かれているようでした。

　私はいつものように、専務さんの横で、来られた業者さんの帳簿を読み、専務さんがそれに応じて机の上の手提げ金庫から金額を出し、女性事務員がそれを受け取って業者さんに支払うという仕組みになっていました。
　女性事務員が業者さんと世間話をしながら、支払いの金額を確認しているその時でした、私のスカートがそろりとめくられ、専務さんの手が、私のクリトリスをつまんだのです。
　私は帳簿を落としそうになりました。
　専務さんは、机に向かって座っておられ、その横で立ている私のクリトリスの位置は、ちょうど専務さんが手を伸ばしたところにあり、専務さんは、業者さんの方に顔を向け、にこにこ愛想笑いをしながら、私のクリトリスをもみしごき始めたのです。
　机の上のキャビネットの陰に私の下半身は隠れているとはいえ、ちょっとのぞき見れば、専務さんの手が私の股に差し込まれているのは丸わかりになってしまいます。
　私は腰を引こうとするのですが、専務さんの３本の指は私のむき出しになったクリトリスをがっちりとつまみ、動けません。
　いえ、動こうとすると、クリトリスが引っ張られ、もう声さえあげるほど感じてしまうのです。
　専務さんは、ゆったりと、時には強く、時には優しく、クリトリスをもみしごいていくのです。
　私はもう立っていられず、帳簿を落とし、机の上に倒れ込むようにして気を失いました。

　気づくと、ソファーに寝かされていました。
　女性事務員も業者さんももう他には誰もいないようでした。
　私は専務さんに、もうあんなことされては、皆さんに気づかれてしまったじゃないですか、と半ば怒ったように言いました。
　専務さんは、ごめんごめん、と素直に謝り、でもうまく私が取り繕ったから大丈夫だよ、と言い、それにしてもあなたは素晴らしい感度だ、と感心した様子でした。
　やはり、先代のおっしゃるとおり、あなたは露出する状況で感度が最も高まるようですね、とも言って、自分の３本の指の匂いを嗅ぎました。
　私は顔から火が出るような恥ずかしさを感じ、さらに濡れてくるようでした。

　専務さんを含めて４人とすると、少なくとも後３人の人に、私のクリトリスは自由にされることになるのでしょう。
　それは大きな楽しみであり、歓びでした。

（つづく）