１　親睦会

　麗子が、ついさっきまで陵辱の限りを尽くされていたことなど億尾にも出さず、悠々とプールサイドのデッキチェアに腰を下ろしてジュースを飲んでいると、一人の男がにこやかに近づいてきた。

「こんにちは。私、小林雅美の父です。」

　小林雅美とは、今香織と遊んでいる子の名前だった。香織の話しにもよく出てくる、仲良しの子である。
　一瞬にして理性が麗子を母の顔に戻した。香織の友達の親と話すのは初めてだった。

「あ、どうも始めまして。香織がいつもお世話になってます。」

　麗子は恐縮して挨拶した。

「いえいえこちらこそ。香織ちゃんにはいつも仲良くしていただいて。」

　小林はいかにも『爽やかなお父さん』という感じの好青年だった。年は麗子より一つ二つ若そうだった。

「いい天気でよかったですね。」

　小林は麗子の横のデッキチェアに腰を下ろした。

「ほんとに。香織も途中から入ったんで心配してたんですけど、みんなと仲良くやってるみたいなんで安心しましたわ。」
「雅美も新しい友達が出来て喜んでますよ。ところで今日、西崎さんの家で食事会するんですけど、よかったら山下さんもいかがですか？親睦を深める意味で。まあ食事会って言っても、ウチと鹿島さんのとこと、西崎さんのとこだけなんですけどね。たまにやってるんですよ。」

　麗子の心に翳りが生じた。

「でも・・・ウチ主人が仕事遅いんですよ・・・」

　麗子は緊張していた。これはいわゆる『家族ぐるみのおつきあい』というやつに誘われているのだ。
　近所づきあいが憚られる諸々の事情が、麗子にはある。山下もきっと嫌がるだろう。しかし、香織のためには邪険にするわけにはいかない。

「別に結構ですよ。香織ちゃんと二人で来て下さいよ。気軽にやってるものですから。」

　小林は爽やかな笑顔で言った。

「はぁ・・・それじゃ、お言葉に甘えて・・・」

　麗子は、断りきれなかった。

　三時頃にプール遊びがお開きになり、麗子はそのまま三人の主人達と西崎の家へ行った。メンバーは小林夫婦、鹿島夫婦、西崎夫婦、そして麗子と子供達である。

　鹿島家の主人は、無口だったが誠実そうな感じだった。すらりと背が高く、テニスが似合いそうなスポーツマンタイプである。
　西崎家の主人は一番年上だった。四十半ばくらいで恰幅が良く、強面で、みんなの親分のような感じだった。金髪の角刈りにワインレッドのサングラスをしていて、いかにも若い頃無茶をしていたような独特の匂いを持っている。

　西崎の家は高級住宅街の中の大きなマンションの一室だった。中はかなり広く、これだけの人数が入ってもまだ広々としていた。

　子供達は別室で遊び、男達はテーブルで話しに花を咲かせ、女達は料理に取りかかった。

　三人の奥様方は、麗子に不快感を持っているようで、あまり話しかけてこなかった。
　麗子がこういう近所づきあいを避けて通りたかった理由でもあった。いつも派手な格好をして歩いている麗子の噂が、近所中に広まっているのは分かり切っていた。
　仕方ないと割り切るしかなかった。普段なら気にもしないが、今日は香織の絡んでいる状況だけに、大人しくしていようと思った。

　五時頃、支度が整い、みんなで食事を始めた。男達は酒を呑み、今日のプールの話しで場は盛り上がった。

「すまんねぇ、山下さん。この暑いのにクーラーもつけないで。うちはそうしてるんだ。夏は夏らしくってね。」

　西崎が言った。西崎家ではクーラーはつけずに、扇風機と団扇で暑さをしのぐのが『夏の過ごし方』らしい。

「いえいえ、気になさらないで下さい。こういうほうが私好きですから。」

　みんなでワイワイと食事をし、料理をしている最中麗子を無視していたそれぞれの妻達も、子供達や、彼女を連れてきた夫の手前もあってか、親しげに麗子と話した。
　食べ終わると子供達は我先にと隣の部屋で遊び始めた。

　酒も大分入って宴もたけなわになってきた頃、西崎が言った。

「しかし山下さんの今日の水着は凄かったな。」

　麗子は少し西崎を警戒していた。どうもみんな西崎に対して、腫れ物に触るような特別な気を使っているように思えた。

「そうそう、すっごいハイレグで、しかもまたよく似合ってるんだこれが。」

　小林が相づちを打った。

「いや、そんなよして下さいよ。」

　麗子は恥ずかしそうに言った。奥様方がいる前でそんなことを言われても困る。彼女達はただでさえ麗子の色気に不快感を持っているのである。
　しかし彼女たちの反応は麗子の予想していたものとは違った。

「うっそー。見たかったー。」

　小林の妻の祐子が言った。

「あたしも見たかったなー。麗子さん綺麗だもんねー。」

　鹿島の妻のさおりもそれに続いた。麗子はなんとはなく感じる場の空気に異常さに、ドキリとした。

「いや、本当に大したこと無いんですよ。」

　麗子はひたすら恐縮するしかなかった。まさか彼女たちが乗ってくるとは思わなかった。酒が入っているせいだろうか。ただ、西崎の妻の秋江だけは冷めた感じだった。

　秋江は三十前後の少し派手目の女だった。旦那とはかなり年が離れているように見えたが、やはり若い頃世間に反抗した者の持つ独特の雰囲気があった。全てにおいて冷めているような、そんな投げやりな感じの風貌をしていた。
　そのとき西崎がしゃがれた声で麗子に言った。

「山下さん、ちょっと着て見せてやれよ。」
「え？」

麗子は思いもかけなかった西崎の言葉に耳を疑った。

「水着もってんだろ？いいから着て見せてやれよ、こいつらに。」

　西崎はふらつく手で女達を指していった。

「あー、それいいー。着て見せてー！」

　さおりが手を叩いた。信じられなかった。酔ってるとはいえ、今日あったばかりの他人の妻に『水着ショー』を要求しているのだ。
　しかし、うろたえる麗子を置き去りに、場の空気はどんどん盛り上がっていく。

「山下さーん、着て見せてよー。」
「で、でも、水着濡れちゃってるし・・・。」

　麗子は何とか断ろうと思った。とてもつきあいきれなかった。

「大丈夫だよ！この暑いのに風邪なんかひくか！」

　西崎が苛立たしげにがなった。目が据わっている。

　場は一瞬静まり返った。麗子はどうしていいか分からなかった。

「ビ・キ・ニ！ビ・キ・ニ！」

　その沈黙を破って小林がコールを始めた。明らかに西崎の機嫌を気にしている。麗子はドキリとした。

「ビ・キ・ニ！ビ・キ・ニ！」

　忽ちビキニコール一色になった。絵に描いたような悪のりだったが、西崎はニコリともせずに麗子を睨み付けている。麗子は引き下がれない状況に追い込まれていた。

「わ、分かりましたよ、着替えてきます。」

　麗子はそう言って場を鎮めると、恥ずかしそうに浴室に入っていった。

　バッグから水着を取り出す。濡れて生暖かくなった真ピンクのビキニは、プールの塩素と汗が混ざって独特な匂いがした。

（まあ、着るしかないわね・・・）

　麗子は渋々着替えた。体に着けるとぬめっとした感触と、にじみ出て肌を伝うなま暖かい水の感触が、麗子に理不尽な屈辱感を与える。

（来なきゃ良かったかしら・・・香織がいるのにこんなことさせられるなんて・・・）

　そう思いながらも、麗子は微かな満足感も感じていた。
　男達の中の、『女の魅力』の度合いで、麗子は確実に他の妻達を超越していた。男達を惹きつけて放さない自分の魅力。その感覚は何度味わっても飽きることはなかった。

麗　子がビキニに着替えて帰ってくると一同は満足そうにどよめいた。

「おおー、凄いねぇ、ダイナマイトバディだねぇ。」

　小林がそう言うとみんなケラケラと笑った。

　どう考えても失礼な話だった。隣で子供達が遊んでいる声がする。その襖を隔てて、親たちがストリップまがいの水着ショーをしているのだ。
　彼らにとって、麗子は自分の子の友達の親である。しかも初対面で丁重に扱わなければならないはずなのが、こともあろうに水着ショーをさせて酒の肴にしているのである。

　みんながケラケラと笑う中、麗子はそれでも愛想笑いをしていたが、辱めを受けた身体が反応し始めるのを感じて、悪い予感を覚えた。このまま屈辱を受け続ければ自分もエスカレートしてしまいそうだった。

「もう着替えてきますね。」

　恥ずかしそうにそう言った麗子を、西崎が制した。

「えー！酌してよ酌ー。折角じゃーん。」

　西崎はグラスを高々と上げて振った。他の連中の顔に一瞬気まずそうな翳が走った。それは『あーあ、やっぱり』というような呆れ顔のように見えた。

　不安による緊張が増す。帰ろうと思えば帰れる。無理に親密になる必要もないし、香織の教育上彼らがプラスになるとも思えない。
　しかしその中に僅かだが自分自身の淫らな期待が含まれていることに麗子は気づいていた。
　麗子は自分を制した。香織がいるのである。

（でも・・・もうちょっと様子を見ようかしら・・・）

　西崎への恐怖感があった。目が据わっている。ここで麗子達が帰ろうとすることに対して、彼がどんな反応を示すか予想がつかない。

　麗子は仕方なく西崎の横に行った。麗子が歩くと、塩素と汗をたっぷり吸って時間の経った、生ぬるい水着の匂いがゆらゆらと蒸し暑い空気に溶け、部屋を親睦会とはほど遠い、異質な空気に変えていった。

　場に漂う緊張が明らかに違う。その異質な空気が、麗子の黒い欲望をくすぐる。
　麗子が横に腰を下ろした途端、西崎は麗子の肩を力強く抱いて引き寄せた。

「あ・・」

　麗子はバランスを崩して西崎にもたれかかった。その、恥じらいと戸惑いの入り交じった麗子の仕草は、まるで無理矢理金で買われたクラブのホステスのように艶を発し、男たちの目を惹きつけた。

「ほら、スゲェ、モチモチしてるよ。」

　西崎はウヒャウヒャと笑うと、自分の女房の見ている前で、まるで自分の女のように麗子の身体を触った。

「あ・・・」

　麗子は思わず声を漏らした。黒い欲望が溢れないように何とか堪えているのに、そこをくすぐられているようなものだった。
　さすがに見かねたように鹿島の妻が口を挟んだ。

「西崎さーん、そんなことしたら山下さんに失礼よ。」
「失礼じゃねぇよ。コミュニケーションだよ。なあ。」

　西崎はそう言うと麗子の首筋をベロリと舐めた。

「ああ！・・・ちょ、ちょっと・・・」

　一同は驚かなかった。代わりに諦めたような顔をしている。
　きっとこんなことは初めてではないのだろうと麗子は思った。この食事会はいつでも、『親分』である西崎の独壇場なのだろう。きっと麗子のことも西崎が連れてこいと命令したに違いない。
　麗子は小林を見た。麗子を連れてきたのは小林である。彼はニヤニヤしながら視線を外した。

「もう、しょうがないわねぇ。」

　祐子が呆れたように言った。

　西崎の行動は酒が入る度にエスカレートしていった。脚をさすり、麗子の胸の谷間に顔を埋めてはしゃいだ。麗子はその度に沸き起こる官能を周りに悟られないようにするのに必死だった。

「ああ！暑いなあ！」

　西崎は苛立たしげに立ち上がると上着を脱いだ。

（はっ！）

　このとき麗子は全てを理解した。彼の体には腕から背中にかけて立派な仁王の入れ墨が彫り込まれていた。

　そう言えばプールでもずっと上着を着たまま遊んでいたのを、麗子は思い出した。彼は暴力団だったのだ。だからみんな彼のやることに口を挟めず、それでもうまくつきあえば色々と都合がいいと思っているのだろう。

　麗子は青ざめた。普段ならともかく、今は香織がいる。これ以上エスカレートされたら、一体どうなるか見当が付かなかった。西崎は、相当に酔っている。

　その後も西崎が麗子に何かする度に周りはキャイキャイと囃し立てた。

　『見て』しまった以上今更帰りたいなどと言い出すことは出来ない。あとは、西崎がこれ以上エスカレートしないうちにダウンしてくれるのを祈るしかなかった。

　しかし、とうとう麗子の祈りを踏みにじるように西崎が言った。

「麗子ちゃん、・・・やらして。」

　一同はどっと笑った。これ以上ない失礼な言葉である。が、目が据わっている。機嫌を損ねれば何をしだすか分からなかった。何が起こっても周りはそれを制止できない。

「え、いや、でも・・・」

　麗子は返事に困った。何しろ西崎の妻である秋江の目の前である。それでも秋江は関心無さそうに煙草をふかしている。

「いいじゃん、やらしてやらして。ほら、ここに四つん這いになってよ。」

　西崎は立ち上がると足でテーブルの上の皿を乱暴に蹴落とした。

「キャア！」

　ガチャガチャと派手な音を立てて食器が落ちる。

「あらあら、もう。」

　小林の妻の祐子がそれを面倒臭そうに片づけ始めた。

　西崎は麗子を見据えたままフラフラと立っている。有無を言わさない顔だった。

（そんな・・・どうしよう・・・）

　麗子の心臓が高鳴っていた。周りの者は黙り込んだままだった。助け船を出してくれる気配はない。追いつめられた状況。それが麗子の中の香織という『鎖』を解いていく。

（・・・だって・・・しょうがないじゃない・・・）

　しょうがなくはない。泣き叫んでやめて下さいと懇願すればそれ以上追い詰めはしないだろう。目の前でにやにや笑っている女達の顔を思い切り蹴飛ばしてやったらどうだろう。気が触れたように笑い出すという手もあるかもしれない。

　頭では分かっていた。そういう雰囲気になっているというだけで、まだ麗子に選択する道はいくらでもある。しかし麗子はしなかった。

　みんなの見守る中、麗子はゆっくりとテーブルに乗った。

　犯される自分。人前で恥を晒し、嘲笑を浴びる美しい自分。男達の卑猥な期待の通りに行動することを、本能が望んでいる。
『マゾヒスト』。麗子は自分がそうであることを、痛いほどよく知っている。

　ピンクの水着を着けたままの麗子の尻が、高々と上がっていく。

　西崎が四つん這いになった麗子の後ろから腰の両側の紐をゆっくりと引く。外気の触れる爽快感と共に蜜園が露わになる。隣で遊ぶ子供達の声が聞こえる。

（ああ・・・どうしよう・・・香織がいるのに・・・）

　青白く、温かみのない蛍光灯の下、さっきまで家族ぐるみで団欒し、親睦を深めあっていたテーブルの上で、麗子は官能にピンク色に染まった尻を突きだし、蜜肉を汁でテラテラと光らせて、娘の友達のパパに捧げている。

　西崎は麗子をテーブルに這わせたまま、ゆっくりとズボンを脱いだ。

「おおー。いつ見ても凄いねぇ。うらやましいわ。」

　小林が囃し立てた。麗子は尻を突きだした姿勢のまま、西崎に肉棒を突き立てられるのを待っている。
　西崎は、その麗子のうなじから大きな桃尻までの美しい肌を、真後ろから凝視して舌なめずりをした。

「こりゃあ、うまそうなカラダだ。」

　西崎は得意げにそそり立った肉棒を振りながら、麗子の尻に近づいた。

「気持ちいいですよー。」

　鹿島が麗子の耳元で囁いた。麗子は潤んだ瞳を逸らして恥じらう。西崎が片足をテーブルに乗せる。肉棒を宛われる感触がした。

「うぃーっす。」

　みんなの前で西崎の肉棒が麗子の蜜肉の中に挿し込まれていった。ズブズブと身体の中に入ってくるにつれて、言いようのない快感が走り、体中に血の巡るのを感じる。

「ああ！・・ああああっ！・・・」

　麗子は西崎の『モノ』の異常な長さに思わず声を上げた。その肉の生き物は容赦なく麗子の蜜肉の中を進み、軽々と奥まで辿り着いた。その肉棒が、麗子の身体の中で卑猥に笑っている。

　その陵辱の風景を、一同は食い入るように眺めた。

「ああ！・・すごぉい・・・。」

　麗子は西崎の妻である秋江がいることなどすでに忘れていた。あっという間にこの逞しい肉棒に心を奪われていた。

　グチョグチョと独特の音が響く。その音の大きさが、麗子の蜜肉の締め付けの良さと柔らかさの証である。

「こらぁ・・・スゲエ・・・」

　西崎の口から堪らず漏れたよだれが、麗子の尻に落ちる。

　行為が始まるまではしゃいでいた祐子とさおりは、麗子のあまりの悶えぶりに真顔になって固まっていた。秋江は、やはり関心なさげに夫と色呆け女の痴態を見ている。

　西崎が満足そうにペニスを出し入れする度に麗子が歓びの悲鳴を上げて白い尻を紅潮させた。

　小林は、テーブルに頬を押しつけて悶える麗子のその淫靡な表情を、テーブルの端に腕枕をして食い入るように見ている。

「気持ちいいでしょ、麗子さん。西崎さんのは凄いからねぇ。」

　鹿島が言った。

「・・・気持ちいいです。凄く・・・。」

　麗子は素直に呟いた。小林がクククと笑った。

「どんな風に気持ちいいの？みんなに分かるように詳しく教えてよ。」

　鹿島が更に煽った。麗子の恥じらいが高まり、体中の熱が上がる。

「あ・・に・・西崎さんのモノが・・別の生き物みたいに・・・私のカラダを『美味しい』・・『美味しい』って・・・」

　麗子の言葉に興奮したのか西崎の動きが速まった。

「ああ・・・あああ・・・」

　そのとき、襖を開けて子供達が入ってきた。

「！」

　小林の娘である雅美と、西崎の息子の武雄、そして香織だった。

　麗子の意識が一瞬で現実に戻り、その信じたくない状況に、気が狂いそうなほどの罪悪感が襲い掛かる。

（香織ちゃん！・・・・）

　香織と目が合う。しかし、驚くことに身体はそれでも官能をやめない。

「父ちゃん、またやらしいことしてる。」

　武雄が言った。片づけの済んでいないテーブルの上で、父親が尻から女を犯している。

「どうだ武雄、父ちゃんかっこいいだろ。」

　父親は名器の感触にハアハア言いながら、自慢の肉棒を香織のママの尻に挿し込み続けている。

「ママなにしてんのー。」

　香織が不思議そうに聞いた。麗子は答えられなかった。当然、身体にも、心にも、ひとかけらの余裕もなかった。
　すると鹿島が香織の手を引き、彼女を自分の膝の上に抱いた。

（ダメ･･･香織・・・）

　鹿島は、ヤクザに尻から犯されている母親の、悦びに歪む顔をその娘に見せながら、にこやかに言った。

「ママはねぇ、今おじちゃん達のオモチャになってるんだよー。」

　一同がどっと笑った。

「そんなミもフタもないこと言ったら・・・」

　小林の妻が笑いを堪えながら鹿島を制した。

（香織・・・ごめんね・・・）

　みんなの嘲笑の中、麗子はテーブルというお立ち台の上で犯され続けている。子供達とその親たちが見ている目の前で、西崎の逞しい肉棒に陵辱されて、その快感に露出した肌をピンクに染めている。
　そして、信じたくないことに、香織に見られたことによって、麗子の陰湿な快感は格段に上がっていたのだ。

「俺もやるぅ！」

　武雄がそう言ってはしゃぐと、また場が沸いた。

「武ちゃんにはまだ無理かなぁ。」

　鹿島の妻が笑いながら武雄の頭を撫でた。麗子の真っ白になりかけの頭の中に、更に追い打ちをかけるような屈辱的な会話が入ってくる。香織は興味なさそうにオモチャをいじっている。

「ああ・・・ああ・・」

　麗子はそんな香織を横目で見ながら、ただ、快楽に瞳を潤ませていた。

「よし、父ちゃんのもっとかっこいいトコ見せてやる。」

　西崎はそう言うと肉棒を抜いた。ジュルリと肉棒が抜ける独特の快感が麗子を襲う。

「ああ・・・」

　西崎は、小さい声を漏らした麗子の、アップで纏めた茶色い髪を乱暴に鷲掴みにして引き起こした。

「ああっ･･･」

　西崎は香織の見ている前で、麗子の口の中に愛液でどろどろのペニスを挿し込んだ。

「！・・！・・」

　圧倒的な敗北感が、麗子の神経を断ち切る

「オラ！どうだどうだ！オラオラオラー！」

　西崎は両手で麗子の髪を掴むと狂ったように腰を動かし始めた。

　麗子の口の中は絶品だった。西崎はすぐにも昇天してしまいそうなのを、何とか踏ん張って、乱暴に腰を振ってその口を犯し続けた。

「！・・・！」

　麗子が苦しさのあまり西崎の脚を掴んで堪えようとすると、鹿島が素早く麗子の手を取り後ろ手に取り、脱ぎ捨ててあった麗子の水着で縛った。

「ん！・・んん！」

　麗子は口いっぱいの卑猥な肉棒に喘いだ。

「うーん、いい眺めだ。」

　鹿島は満足そうに言った。美しく、ゴージャスな麗子の、ピンクの口紅を塗ったエロティックな口を、入れ墨の入った下品なデブのペニスが犯しまくる光景は、鹿島の性欲を期待通りに刺激したようだった。

　激しくピストンする度に麗子の唾液は飛び散り、また、肉棒を伝って西崎の内腿を流れる。

「よおし・・いくぞ！ウラッウラアッ！」

　西崎がグッグッと奥まで肉棒を押しつけた次の瞬間、自慢の肉棒に麗子の舌が絶妙に絡みついた。

「うお！うお！」
　
　西崎の体が痙攣し、麗子の口から大量の精液がドロドロと漏れ溢れた。

「ガハハハハッ！」

　西崎は汗だくの顔を歪めて得意げに笑っている。麗子は、香織の見ている前で、西崎の精液まみれのペニスを綺麗に舐め上げた。

　子供達が十時頃眠ってしまったので、みんな西崎の家に泊まることになった。と言っても、酒を飲み続け、のびたものからその場に倒れていった。

　西崎は三回麗子とやって、とうとうのびた。三回目などは最早誰も見ておらず、みんなが世間話をしている同じ部屋の片隅で、一人せっせと麗子の肉を愉しんでいた。

　麗子も疲れ果ててその場で眠った。

　麗子は明け方目を覚ました。犯されたままの格好の上に、タオルケットが掛けられていた。

　麗子は香織を連れて、誰にも気づかれないよう西崎の家を出た。