３　継続陵辱

「それから、お前の決して逃れられない、どす黒い性の歴史が幕を開けるのだ。」

　麗子は夢の中で田所の声を聞いていた。

「一週間後の水曜日、妹が男友達を三人、家へ入れたはずだな。」

　麗子の記憶がその場所へ飛ぶ。それはまるで紙芝居のようだった。麗子の記憶は田所の話を合図に移り変わっていった。

　水曜日、麗子が学校から帰ると、見慣れない男物の靴が沢山玄関に並んでいた。父はいないはずだ。麗子は妹の友達だと思った。

（あの子ったら、お父さんが居ないと思って・・・）

　麗子は少し腹が立ったが、一週間前のことを思えば、自分も人のことを言えた身分ではない。しかしやっぱり心配なので、挨拶がてら中を覗いてみようと思った。

　麗子と妹の部屋は二階にあった。大きい家だった。居間などは広くてきれいで誰を通しても恥ずかしくないほどだったが、父の仕事関係者なども家に来たことはなかった。麗子達が友達を入れることも禁止されていた。結局は自分の部屋に入れて証拠を残さないようにするしかなかった。

　麗子が部屋をノックすると、妹の声がした。

「はーい。」

　妹は二つ年下の中学二年生だった。中学二年で部屋に『オトコ』を連れ込むとは、姉としては心配しないわけにはいかない。麗子は恐る恐るドアを開けた。

「・・・こんにちは。」

　部屋には男の子が三人にて、全員制服姿だった。

「おかえり。」

　妹が言った。

「・・・ああ、ただいま。」

　麗子は少し嫌な空気を感じた。三人の内一人は普通の中学生だったが、あとの二人は麗子の高校の生徒のようだった。校内で見たことがあるような気がした。二人とも少し柄の悪そうな感じだった。しかも、談笑するでもなく、ただ、四人で座っていた。

「・・・お茶、入れようか？」

　麗子がそういうと妹が心配かけまいとか、笑顔で返した。

「ううん、いい。」
「じゃあ・・・ごゆっくり。」

　麗子はドアを閉めた。なんだかスッキリしなかったが、思春期のことだ。何か深刻な相談でもしているのかもしれないと思った。

　麗子が自分の部屋で本を読んでいると、ドアをノックする音が聞こえた。

「はい？・・・」

　ドアを開けると、妹の友達の一人が立っていた。麗子の学校の一年生である。

「ど、どうしたの？何か用？」

　麗子は恐る恐る言った。少年はニヤニヤしている。

「俺の弟の友達になあ、裕太っているんだけど、この間、あんたにいやらしいことされたって言ってたぜえ。」
「！」

　麗子は体中の血が一気に下るような衝撃を受けた。

「まあ、まあ、まあ、まあ・・・」

　少年は固まったままの麗子の肩を掴んで部屋の中に入り、ドアを閉めた。

　先輩の一人がトイレに行ったまま帰ってこないので、妹は心配になってドアを開けた。

　友達の男の子の先輩だった。なぜ、家へ来ると言い出したのか分からない。友達の男の子も何も聞いていないようだった。

「先輩？」

　呼んだが返事がない。姉の部屋でなにやら声が聞こえる。

「ちょっと･･･来てくんない？」

　妹は自分の男友達に手招きした。もう一人の先輩も立ち上がった。

　ドアを開けて、妹は息を呑んだ。

「先輩！・・何やってんすか！」

　友達の男の子が叫んだ。

「いいから！騒ぐんじゃねえよ！」

　少年は仰向けになった麗子の上にズボンを半分下ろして被さり、卑猥に腰を振っている。するともう一人の高校生が妹に抱きついた。

「キャア！やめて！」

　妹が叫ぶと男の子は我に返った。

「やめて下さい！先輩！」

　男の子が妹に抱きついた少年の腕にしがみついた。

「うるせえてめえ！やっちまうぞ！」

　少年は恐ろしい形相で男の子を睨み付けた。男の子は強ばった。そして、部屋から逃げ出した。

　その後はやりたい放題だった。二人は麗子の部屋で、代わる代わる少年達に犯された。妹は声が涸れるほど泣き叫んでいたが、麗子は抵抗しつつ、そんな中でも甘い快感を感じていた。
　ただ、明日学校に行くのが不安だった。