３　地獄絵図

　小学六年生か、中学生くらいのその少年は、右手に、血まみれで動かなくなった麗子の妹を引きずっていた。

（ああっ！！・・・あああ・・）

　そのショックに麗子の意識が朧気になったとき、柔肉の中の肉棒が射精した。

「んっ・・・ん・・・」

　驚くほど大量の精液が麗子の中にぶちまけられ、心地よい快感が麗子を襲った。次の少年の肉棒が挿し込まれる。

　麗子はあまりの絶望に抵抗するのも忘れていた。視界の中で少年が妹をドサリと投げ捨て、父の髪を鷲掴みにしていた。
　少年は父に何か言い、ケタケタと笑うと、麗子の前に引きずってきた。
　父の目が、快感に喘ぐ麗子の目を見る。父が耐えきれず目を逸らすと、少年は父の顔を無理矢理麗子に向けた。

「父親の前で小学生に犯される、ヤリマンギャル。」

　少年はそう言うと、『ケケケ』と妖怪じみた笑い声を出した。そして、そう言われて麗子の身体もまた熱くなる。

　その間にも休むことなく他の子供の肉棒が麗子を責め続けている。外人モデル並の完璧なエロスを発する麗子の身体が、小さな子供に陵辱される様は、圧倒的に『暴力的な色気』を撒き散らしていた。

　目の前の少年がゆっくりと立ち上がる。その威圧に、他の少年達が麗子を犯しながらも無言になった。空気が張り詰める。その中で、クチャクチャと肉棒が蜜肉を責め立てる音だけが聞こえる。

　少年は麗子を見てニヤリと笑うと、ゴルファーのようにバットを振りかぶった。

「や！・・・やめ・・・」

　麗子が、快感に囚われながらも懇願した瞬間、バットが勢いよく振り抜かれた。

『ボコォッ』

　という頭蓋骨の砕ける陰惨な音と共に、父の顔中の穴という穴から血が吹き出た。

「・・・ああ・・・ああ・・・」

　少年は、半狂乱のまま声も出せない麗子を横目に服を脱ぎ始めた。
　麗子を貪っていた子供達が身を引く。少年は麗子を仰向けにすると、その上に覆い被さった。今、妹と父を殺した少年の顔が、舌を伸ばせば届きそうな距離にある。

（ダメ・・・・・・）

　麗子は放心していた。

　少年は、人を殺した興奮にいきり立った男根を、家族を惨殺されながらも、尚も悦びのよだれを垂れ流す麗子の蜜壺に挿し込んだ。

「あ・・あはあ・・・・」

　全てが真っ白になり、本能だけの生き物になった麗子の身体に、甘美な快楽が伝う。

　少年は麗子の両腕を押さえ、腰を動かしながら首筋を舐めた。

「んん・・・はあ！」

　麗子はとうとうよがった。その快感に身体をゆだねる以外、この凄惨な恐怖から神経を守る手立てはなかった。

「ギャハハハハーッ！」

　少年が嘲り笑う。

「ううっ・・・・・」

　小学生に見下され、尚も精神を追い詰められた麗子は、自我の崩壊から逃れるため、底なしの快感にのめり込む。

　少年の奇声を合図に、子供達が再び麗子にむしゃぶりつく。麗子は乳首を吸われ、唇を奪われる度に、本能のまま悦びに身体をくねらせた。

「あぁ・・・気持ちいい・・・」

　麗子はついにその言葉を吐いた。それを聞いて、子供達のテンションは更に上がった。

　主犯の少年は前から後ろから休みなく麗子を責め続ける。

「ああ・・・ああ・・・」

　麗子は突然身体が熱くなるのを感じた。イク前触れだ。だが、今回はいつもと違う。一回突かれる度に、桁違いの快感が身体の中を昇っていく。

　麗子は、まるで恐ろしい『けだもの』が自分のいる頂上に向かって一段一段階段を上がってくるような、恐怖と、緊張と、そして期待を感じていた。

「あぁあ！・・もうダメ！・・・」

　麗子が快感に激しく身体をよじるのと裏腹に、少年は落ち着いて蜜肉を犯した。

「あぁん！・・・あはぁん！・・」

　淡々と麗子を絶頂へといざなってゆく。体中の毛穴という毛穴が開き、触感が、恐ろしいほどに敏感に研ぎ澄まされて、驚くほど鮮明に陵辱されている各部位の情報を伝えている。

「あぁああ！・・ああ！」

　麗子はその凄まじい快感に半狂乱になった。

『頂上』まであと数段、というところで少年が腰の動きを止めた。

「くぁあぁっ・・あん！・・あん！・・・」

　麗子は天国と地獄の境目を漂って苦しんでいた。他の少年達が身体をまさぐり続けているせいで、『イかず、おさまらず』の状態を強いられている。

「んっ・・・かっ・・あぁあ・・・・」

『けだもの』が、麗子のいる『頂上』の少し下で、醜悪な笑いを浮かべてうろついているのを、麗子は脳裏に感じていた。
　
「ヒヒヒヒ・・・」

　少年は眉を色っぽくハの字に歪ませて悶える麗子の反応を愉しんでいる。

「んふう・・・ううんっ・・・」

　麗子はしなやかな腰を自らくねらせて少年にねだった。

「はあ・・はあ・・」

　少年の肉棒が、クチャクチャと小さな音をたてて勝手に出入りする。少年が、自分から色っぽく腰を振る恥知らずな麗子を、見下して笑っている。

「あぁん・・・ふぅん・・・」

　強烈な屈辱感、背徳感、敗北感、羞恥、憎悪、恐怖が、全て淫靡な媚薬に変換して麗子の脳に流れ込んでいる。
　
「ヒャハハハハーッ！」

　少年は奇声を上げると、狂ったように腰を振りだした。麗子の身体が激しく振動する。

「んあぁあああっ・・・・」

　階下を徘徊していた『けだもの』が再び麗子を目指してゆっくりと昇ってくる。麗子は脳裏で『けだもの』の顔を凝視した。

　牡牛のような顔は目は真っ赤に光り、口はワニのように裂けて緑色の粘度のある液体を大量に垂れ流している。皮膚は溶け、濡れた黒い毛と入り混じっている。それは、この世の全ての醜い魂を集めて作られたかのように、醜悪極まりない姿だった。

　『けだもの』は、麗子の完璧な裸体を、舌なめずりして凝視している。

「うおおおっ・・・でる・・・」

　少年の肉棒が麗子の蜜肉の中で一気に大きさを増す

「ああっ！！・・・」

　『けだもの』が突然敏捷性を増し、麗子の目前に駆け上がった。麗子の身体があまりの恐怖に硬直する。

「あぁん！ああ！イクっ！・・・あぁあぁあぁあぁあぁっ！！・・・・・・・・」

　『けだもの』が飛び掛ってきた瞬間、麗子の視界は真っ白になった。

　ドクドクと身体の中を流れる血潮と共に、深く、濃い、甘美な液体が体中を巡っていく。

　麗子は真っ白くもやのかかった頭の中で、精子が体内に広がり、それに併せて自分の蜜がまるで小便のように大量に溢れ出て、それらが混ざり合って体の痙攣と共に体外に流れ出ているのを、スローモーションのように鮮明に感じていた。

「あっ・・・あぁっ・・・」

　麗子は暫くの間、激しく痙攣し続けると、そのまま快感に気を失った。