第１５話「初登校」

　ふわぁ。あふ。眠いねぇ。
（うん。でも、まだ、7時だよ。）
　Hって疲れるね・・・。
（うん。大角のあれってやっぱり大きいよね。）
　わかんないよそんなの。でも、どうなんだろ。その前に、僕達ってあまり良くないとかないかな・・・。
（え・・、なんで？）
　だって、大角、僕達が気持ち良くなっても全然だったじゃない。
（あぅ。もしかして、わたしってユルいのかな・・・。ショックぅ〜。）
　あ、お母さん帰ってきた。

優子「あ、お母さん。御飯なに？」
母　「えっとねぇ。今日は面倒だから、オムライス。」
優子「あ、オムライス大好きだよ。ね。お母さん。」
母　「うわ。なに？なんかあったの優子。」
優子「ん？なにが？」
母　「いやぁ。なんか雰囲気というか、ベタベタというか、ちょっと変。」

　げげげ、やっぱりお母さん、さすが女の直感。
（どうしよ。・・・？どっちに気付いてるんだろ？）
　どっちって？
（優ちゃんとわたしの入れ替わりと、処女卒業。）
　あ、そっか、僕達入れ替わってるんだった。どうしよ。ねぇ、こういうときなんて言えばいいの？
（知らないよ。適当に流して御飯食べて寝るよ。）
　うん。わかったよ。はぁ〜。ねぇ、お話したいなぁ。
（何が？）
　だから、お母さんと初めて話したの。僕。
（あ、そっか。じゃ、話せば？）
　何話せば言いの？
（知らないよ。ほら、適当に。）

優子「ねぇ、お母さん。オムライスのね、美味しいお店知ってるんだ。今度一緒に行こうよ。」
母　「ん？だから、なに？なんか欲しいものでもあるの？なら、素直に言いなさい。」
優子「へ？別にそんなのないけど。ただ、お母さんと食べに行きたいなぁって。」
母　「そ、そう。怪しい・・・。ま、いいわ。今度ね。」

優子「はむ。もぐもぐ。おいしい。やっぱ、お母さんの料理、世界一だね。」

（ちょっと。何、恥ずかしいこと言ってるのよ。もうっ。）
　え？別に・・・、あ、つい口に出しちゃった。でも、良いじゃん。ね。
（良くないよ。私、そんな恥ずかしいこと言わないよ。）
　そう言えば、そうだね。あ、お母さん、ちょっと嬉しそう。へへへ。僕も嬉しい。
（馬鹿親子だ・・・。やだなぁ。もう。）

（ねぇ、なんか、体が・・・、重くて、きつい気がするんだけど・・。）
　うん。疲れたね。たぶん、僕が疲れてるから優ちゃんも疲れてるんじゃないかな。
（ふぅ〜。そっか、優ちゃん、いつも寝てたもんね。）
　うん。今日はハードだったよ。それに、大角のH、ねぇ、僕達、嫌われてないかな。
（わかんないよ。でも、ちゃんと最後、大角も、あの、ねぇ。出たじゃない。）
　そ、そうだよね・・・。はぁ。初Hで飲んじゃったよ・・・。僕、変態だ。はぁ〜。

　おはよう。
（おはよう。）

　あ、そうか。僕が起きるのか・・・。面倒臭いぃ〜。
（あ、そっか、私動けないのか・・・。不便〜。）
　でも、お母さんの朝御飯だね。そろそろだね。へへへ。うっれしっいなぁ〜。
（そう？ただのパンだよ。）
　えぇ〜。ちゃんと目玉焼きとお味噌汁もつくじゃん。
（和洋折衷だね・・。はいはい。ほら、遅れないでね。）

優子「あ、お母さん、おはよう。うん。良い匂い。わぁ、目玉焼きだ。大好き。」
母　「ん？ねね、優子。昨日からどうしたの？やけに良い子だけど・・・。」
優子「へ？別になんともないよ。」
母　「・・・・ねぇ、もしかして。」
優子「ん？」
母　「昨日、どこに行ってたのよ。」
優子「う・・・。あ、目玉焼き、美味しい。最高だね。あ、パンも焼けた。う〜ん。最高の朝だね。ね、お母さん。」
母　「はいはい。例の水泳少年ね。ま、良いけどね。ちゃんと避妊はしなさいよ。」
優子「あぅ。・・・朝っぱらかこんな会話かぁ。僕は悲しいよ。」
母　「はいはい。僕ちゃんはさっさと食べて学校行きなさい。・・・優しい人だった？」
優子「うん。あのね。凄く優しかった。」
母　「そっか、良かったわね。今晩はお祝いに豪華な料理作ってあげるね。」
優子「えぇ〜。そんなの良いよ。恥ずかしいし。お父さんとか煩そうだし・・・。」
母　「大丈夫。わかんないようにするから。ね。」
優子「うん。ありがと。お母さん。やっぱり、僕のお母さんは最高だね。ちゅ。」
母　「わわわ。あの、優子。ほら、御飯食べちゃいなさい。ね。」

（こら〜。マザコン。抱きつくなぁ〜。キスするなぁ〜。）
　ごめん〜。だって、嬉しかったんだもの。
　ね、お母さん、僕達のこと凄く愛してくれてるって感じない？ねぇ。
　嬉しいよ。凄い幸せだね。僕達。へへへ。さぁ、張り切って学校へ行こう。
（はいはい。あぁ、なんか優ちゃんの行動って怖い・・・。）

　はぁ、疲れた・・・。眠いよ。
（まだ、電車の中だよ。あぁ、なんでだろ。しんどぃ。）
　いつもなら眠っちゃうのになぁ・・・。
（私は寝るね。優ちゃんはちゃんと学校に行き着きなさいよ。）
　ふわぁ〜ぁ。ほ〜ぃ。おやすみ。あぁ、眩暈がする。
（・・・。寝てるはずなのに聞こえる。）
　うん、そうだよ。僕が眠らないと、優ちゃんもちゃんとは眠れないよ。
（えぇー。煩いなぁ。静かに寝れないの？）
　無理だよ。僕だっていろいろ考えちゃうし・・・。あ、澄香お姉さま。

（足見るな。）
　ごめん。
（胸見るな。）
　ごめん。
（もうっ。お尻も駄目。）
　ごめんってば。
（絶対駄目だからね。レズは。）
　はぁ〜ぃ。安心して。ね。
（心の底に不安が淀んでますが、どう言い訳しますか？）
　あ、あのぉ、人間成せばなる。私はやれば出来る子です。
（そうかなぁ。やっても出来ない子かもよ。）
　その時はよろしくね。
（馬鹿。）

　うぅ、眩暈が・・・。眠すぎる。疲れすぎたよ。
（うん。なんだろねぇ。体調悪い・・・。）
　やっぱり僕が外だからいけないのかなぁ。

澄香「優ちゃん。おはよう。」
澄香「・・・ねぇ、大丈夫。顔が真っ青よ。」
澄香「ねえってば。」

　あれ？あ、澄香さんか。あ、そう言えば電車の中にいたよね。

優子「おはようございます。」
澄香「ねぇ、大丈夫なの？ちょっと、次で降りて休みましょう。」

　あれ？ここどこだろ？えっとぉ。あ、病院かな？なんでこんなとこにいるんだろ？
（ふわぁ。眠いね。）
　うん。あ、そうだ。僕、電車の中で眩暈がして、それで澄香さんが助けてくれて。
（まだ、なんか体の芯がだるいね。）
　あ、お母さんがいる。へへへ。僕達起きて安心したみたい。
（うん。ま、こういう時はちょっと有り難いね。）

母　「ねぇ、大丈夫？」
優子「うん。ちと、睡眠不足だったのかも。なんか、まだちょっと眠いけど、大丈夫だよ。」
母　「そっか、良かった。一応、このまま、夕方まで点滴して、夜には先生も帰れるって言ってるから。」
優子「うん。じゃ、ちょっとしばしの休息するよ。」
母　「そうね。ねね、もしかして昨夜、眠れなかったとか？」
優子「え？なんで？」
母　「興奮しすぎたとか・・・。」
優子「もう。違うよ。僕はそこまでHじゃないよ。」
母　「ん？そうね。ねぇ、優子。いつから自分のこと僕って言うようになったっけ？彼の趣味？」
優子「へ？いつって、ずっと・・・。あ、いや。漫画の影響です。飽きたら、直すね。」
母　「ふぅ〜ん。そう。でも、ま、無事で良かったわ。さ、そろそろ私も行くから、優子もちゃんと休みなさいね。」
優子「はぁ〜ぃ。行ってらっしゃぃ。」

　今日こそ僕は学校に辿り着いてみせます。ガッツだぜ。
（はいはい、頑張ってね。）
　眠くならないためにはどうすれば良いか・・・。
　朝ごはんはしっかり食べて、で、ホモナミンZを飲んで、よし完璧。

優子「お母さん、行ってきまーす。」
母　「はぁ〜ぃ。」

（はしゃがないでよ。）
　はしゃいでないよぉ。
（あんなに「行ってきまーす。」なんて大声出さないで。）
　良いじゃん、それ位。ね。どうせ、また大角とHしたら戻れるんだからさ。たぶん。
（戻れるのかなぁ〜。）

　ねぇねぇ、なんか僕のあそこじゅくじゅくしちゃう。
（馬鹿。）
　だって、外のHがあんなに凄いなんて思わなかったんだもの。
（って、いきなしあの話？）
　うん。なんか、お股から突き上がって来るみたいでびっくりした。
（でも、中だと、逃げ場がないって言うか、四面楚歌って言うか、あそこ以外も全部一気に弾けるみたいで怖かったよ・・・。）
・・・今度、大角とHしたらまたあんなふうになっちゃうのかな・・・。怖いなぁ。

（でも、気持ち良かったよね。）
　そうだけどさぁ〜。僕、どうしよ。
（私より、優ちゃんのが積極的じゃない。大丈夫よ。）
　奥グリグリとか怖い・・・。あれ、中にいた時、なんかね、気持ち良過ぎた。
（うぅ、あれは外でも凄い気持ち良かったよ。）
　大角、なんか、あれやって僕達が訳分かんなくなるの見て、嬉しそうだったし、きっとまたするよね。

朋美「あ、優ちゃんおはよう。昨日は大丈夫だったぁ？」
優子「うん、ちと眩暈で倒れちゃいました。」
千沙「お、なんか今日は大丈夫そうだねぇ。じゃ、ちょっと苛めちゃおっかなぁ。」
優子「へ？なんで？」
朋美「ふっふっふ。被告柏木優子は日曜日のお話をしなさい。」
優子「・・・。うぅ。馬鹿。」
千沙「ねぇ、しちゃったんだよね？」
優子「うぅ・・・。あの、僕ね。そのぉ、うん。」

　ひぇ〜。優ちゃん、助けて。
（がんば。私寝てるね。えへへ。）
　ず、ずるいよ。僕を見捨てないでぇ。

朋美「ほっほぉ〜、で、あれはどうなったの？」
優子「あれ？」
朋美「ほらぁ〜。例のアレよ。」
優子「どれ？」
朋美「避妊。」
優子「わわわ。あのその、えっと、てへ。」
朋美「てへじゃない。白状なさい。」
千沙「そうだよ。重大なことだよ。優ちゃん。」
優子「うぅ〜、恥ずかしいなぁ。もう。」

（言っちゃいなよ。私は言っても良いよ。ほら、朋美と千沙なら大丈夫だから。ね。）
　う、うん。わかったよ。

優子「あのぉ〜、あのね。結局着けなかったの。」
朋美「うそ。出来ちゃったりとか大丈夫？」
優子「そのぉ、それどころじゃなくって、僕が先にその・・・あれだったから、だからアレの前にそのぉ手も駄目で、そのね、アレしちゃった・・・。うぅ。」
千沙「全然、訳分かんない。えっと、先にイッちゃて抜いてもらったってこと？」
優子「わわわ、そんな直接的な・・・。そ、その、そんな感じです。」
朋美「へぇ、優ちゃんは大角にイキ狂わされちゃったんだ。」
優子「うわわ。朋美。そんな・・・・。」

千沙「良いなぁ〜。あ、そだ、痛かった？」
優子「う、うん。最初、なんか千切れるかと思った。」
千沙「ひぇ〜。でも、最初だけなんだ・・・。」
優子「うぅ〜ん。ずっと痛かったような気もするんだけど、なんか訳分からなくって・・・。」
朋美「そっかぁ〜。大人な体の優ちゃんは既にエクスタシーの虜なのね。」
優子「も、もうっ。この話はここまで。」
千沙「あはは。OK、OK。あぁ〜、面白かった。」
朋美「ねぇ〜。あはは。優ちゃん、真っ赤だよぉ。思い出しちゃった？」
優子「うぅ、馬鹿。」

　うぅ、初めて朋美と千沙と話せたのに・・・、こんな話だなんて・・。
（どんな話がしたかったの？）
　え？えっと、チョコレートの話とか、アイスの話とか、噂話とか。
（そんなの私達めったにしてないじゃない。）
　あ、そっか・・。そういえばそうだね。優ちゃん達、Hな話ばっかりだったもんね。
（ちょ、ちょっと、私をHでお馬鹿な女みたいに言わないでよ。）
　わわわ。ごめんごめん。怒んないでよ。そういう意味じゃないんだから。
（なぁ〜んちゃって。なんか、逆になってから感情が読めなくなってない？慣れかな・・。）
　あれ？そう言えばそうだね。・・・あ、真琴と舞ちゃんだ。う、手を繋いでる。
　校内でレズはちょっと、カミングアウトしすぎでは・・・。
（て、手を繋いでるだけよ。きっと。・・・気になるね。）
　う、うん。気になる。ちょっと、追跡・・・、しても良い？
（もっちろーーん。レッツゴー。）

　お昼休みの裏庭で木陰に隠れてお弁当を食べてますね。ホームズさん。
（うむ。ワトソン君。君の推理は完璧だよ。）
　わわわ、僕、ちょっと、え？あ、あぁ〜ぁ、舞ちゃんが真琴の肩に枝垂れかかってます。
（う、うむ。ワトソン君。どうしよう。私達、こんなの見てて良いのかな。）
　う、でも、今帰ろうとしたら、返って見つかるのでは・・・。
（くぅ、私達、絶体絶命？あ、優ちゃん、頭低くして。）

　キス・・・しちゃった。嘘。僕の真琴がぁ〜。
（おい、優ちゃんの真琴じゃない。レズ発言やめれ。ってか、絶対駄目だからね。）
　う、分かってるよ。僕だって今は大角一筋だもの。
（よろしい・・・。あ、舞ちゃ〜ん。その手は・・・。）
　ドキドキするね。
（う、うん。）
　もしかしてこのまま凄いことしちゃうのかな・・・。
（え、そんな・・・。）
　あ、真琴、顔真っ赤だよ。うそ。あ、真琴苦しそうって・・・もしかして。
（うぅ、あのベンチが邪魔で見えないよぉ〜。）
　あ、真琴なんか目瞑ってヒクヒクしてるよ。も、もしかしてあれってさ、ねね・・。

　ふぅ、チャイムに救われました。ってことは３０分近く覗いてたんだね。
（う・・ショック。）
　そっか、３０分も弄られたらイッちゃうよね・・・。
（うぅ・・、もう言わないで。）
　舞ちゃんの目、凄いHだったもの。キスとかベロ出てるの見えたし。
（ふぇぇ〜ん。真琴は私の友達だったのにぃ〜。レズになっちゃったよぉ〜。）
　泣くことないじゃん。
　はぁ〜。初めての学校は衝撃的だったなぁ〜。
　興奮しちゃって眠くなる所じゃなかったよ。