第三話「食べちゃうぞ。」

（はぁ、不毛ね……。あたし達、どうやって彼氏見つければいいのかしら・・・。）
　ベッ○ムが我慢できるギリギリのへなちょこ系かなぁ・・・。
（あのね、ベッ○ムは我慢できるギリギリの汗臭系って言うのよ。）
　じゃぁ、あの線を探そっか。・・・競争率高そうだけど・・・。
（ねぇ、優ちゃん。あたしにＧＥＴできる見込みあると思う？）
　うぅ、うん。あるある。優ちゃん、ちっちゃいし、ミニマムだし、可愛いし、今、流行のタイプだから大丈夫。

（ねぇ、今、凄い嘘をついてる気分が流れてきたんだけど・・・。）
　あ、あぁ・・・はははは・・・。

「ただいまぁ。おやすみぃ〜。」

（あ、誰もいないや。寝る前にシャワー浴びよっと。）

（・・・。ねぇ、何、Ｈな気分になってるのよ。優ちゃん、男なんじゃないの？）
　え、違うよ。僕じゃなくって優ちゃんがＨな気分なんじゃないの？
（そんなわけないでしょ。・・・なんか妖しい。でも、嘘じゃないのはわかるのよね。じゃぁ、レズ？じゃないのもなんとなくわかるから・・・。嘘、最悪。優ちゃんって両刀でしょ。）
　な、僕を変態みたいに言うなよ。僕は基本的に男が好きです。ほら、本当だってわかるでしょ？

（ペネ○ペ・クルス・・・。あ、欲情した・・・。なんで名前だけで欲情するの？信じられない。）
　うぅ、ごめん。申し訳ないです。でも、僕がテレビの美女に欲情する分には健全じゃん。
　朋美・・・、ほら、欲情してない。ね？

（朋美に欲情したら殺すわよ。私の親友には絶対、手を触れさせないわ。）
　じゃぁ、優ちゃんも朋美ちゃんに触れないよ。
（なんでよっ・・。あ、そうか。・・・ねぇ、シャワー浴びるから目、つぶっててよ。）
　無理。
（な、なんでよっ。なんか妖しいじゃない。）
　だって、優ちゃんが目を開けてるんだもん。

（目をつぶってシャワーなんて浴びれないわよ。なんとかならないの？）
　もう、僕って信用ないなぁ。１４年も見られてるんだから良いじゃないか。女同士なんだし。
（うぅ、恥ずかしいぃ。私のあれも見ちゃってるのよね。）
　うぅ、恥ずかしいのが流れてくる。うん、全部見ちゃってるって言うか、一緒に感じてる。
（？今、行き違いが・・・。って、一人Ｈのことなんて言ってないわよ。ほらぁ、凄いＨな気分になってるじゃない。なんでよ。この馬鹿、Ｈ、変態。）
　ねぇ、これこそ不毛だよぉ。我慢できなくなっちゃうじゃんかよぉ。
　ちゃっちゃとシャワー浴びて寝ようよ。僕だって恥ずかしいんだぞ。

（わかってるわよ。あの、シャワー中は私語厳禁でお願いします。）
　うん。できるだけ見たりしないようにする。できないけど・・・。
　心灯滅却すれば火もまた涼し。心灯滅却すれば火もまた涼し。心灯滅却すれば火もまた涼し。
　心灯滅却すれば火もまた涼し。心灯滅却すれば火もまた涼し。心灯滅却すれば火もまた涼し。

（う・・・うるさーーーい。黙りなさい。）
　ご、ごめん、でもぉ。
（な、なんか楽しいことを考えなさい。えっと、例えば、そう、ドラ○モンの歌でも歌ってなさい。）
　ドーラ○モン。ドーラ○モン。パンパカパッカ、パンパカパッカ、ドーラ○モン。
　僕、ドラ○モンです。

（歌、古いし、物真似下手すぎぃ。アハハ。）
　ねね、物真似大会しよっか。大丈夫。僕たち同じ位下手だろうから。ね。
（アチッ。シャワー熱すぎた。）
　アチィ。ちょっと優ちゃん、熱いよ。もう。乙女の柔肌なんだから気をつけてよ。
（ごめ〜ん。じゃ、あたしね、なにやろうかなぁ・・・。）

（う・・・、Ｈな気分になるのやめてよぉ。もう。）
　うぅ、あの、乳首にシャワー当たって気持ち良いから・・・。
（わ、わかってるわよそんなの。恥ずかしいから言わないの。もう。なんか、物真似してよ。）
　ぼ、僕？あのぉ、えと、オナニーして欲しいんだけど。我慢できなくって・・・。
（ちょ、ちょっと、出来るわけないでしょ。こんなところで。）
　いつもしてるじゃん。ねぇ、優ちゃん。うぅ、僕の気分わかってるでしょ。

（わ、わかりません。だいたい、人前でなんてするわけないでしょ。きゃう。）
　あん。シャワーあそこにあたると気持ち良いよね。ねね、もちょっと当てて欲しいな。
　お願い。一生のお願い。それに僕、人じゃないかも。そう、僕は猫ちゃんです。
　にゃーん。オナニーして欲しいにゃーん。

（お預け。）
　ひ、酷い。この飼い主は虐待飼い主だよ。いつもはすぐに始めたくせに・・・。
（な・・・言って良いことと悪いことがぁ。）
　恥ずかしがらないでよぉ。うぅ、駄目、なんかいろいろ我慢できないのに、何もできないよぉ。
　あ、やばぃ。お母さん帰ってくるよ。オナニーストップ。
（してないわよ。それになんで急に冷めるのよ。）

母　「ただいまぁ。あれ？優子、もう帰ってるんだ。優子ぉ〜。」
優子「シャワー。」
母　「あ、ラッキー。ついでにお風呂洗っといてねぇ〜。」
優子「えぇー。もう、しょうがないなぁ。」

（ねぇ、なんで幸せなの？）
　え？幸せだからかな。
（私の裸みて幸せなの？）
　違うよ。自分の裸見て幸せになったらそれこそ変態じゃん。
　お母さんが近くにいるとなんとなくね。
（お母さんって、私のお母さんだよね？）
　うん、僕のお母さんのことだよ。
（変なの。私のお母さんに欲情しないでね。）
　しないよ。お母さんのこと大スキだもん。そんな風に見たりしません。
（マザコン。）
　いいじゃん。マザコンでも。世の中家族愛は大切だよ。
（私のお母さんが優ちゃんのお母さんなんだよね？）
　うん。
（私達って、じゃぁ、姉妹なのかな。）
　うぅ〜ん。微妙。

優子「ねぇ、お母さん。私って、赤ちゃんの頃どんなんだった？」
母　「え？なにそれ。学校の宿題かなんか？」
優子「人生の宿題みたいな・・。フッ。・・・なんか今の返事格好よくない？」
母　「・・・。彼氏にでも振られたの？大丈夫？なんかあったらお母さんが相談乗るからね。」
優子「振られてません。ってか、質問の答えはどうなったのさ。」
母　「う〜ん。でかい赤ちゃんだった。」
優子「えぇ〜、なんかそれ可愛くない。他には？」

母　「なにが知りたいのよ。」
優子「例えばさ、実は双子だったーとか。とある王国のお姫様だーとか。」
母　「うん。実は双子だったわよ。」
優子「え？」
母　「妹なのかな？いたんだけど、お腹の中で消えちゃった。」
優子「え？」
母　「あなた、食べちゃったんじゃない？」
優子「え？」

　え、嘘。僕やっぱり優ちゃんに食べられちゃったの・・・。

母　「なぁんてね、一卵性で分裂の途中であなたが栄養吸い取っちゃったのよ。お父さんなんて、それ知った時大笑いしてね。　「子供の名前はがめついジャ○子か、ジャ○アンに決定だ。」なんて言ってたわ。　　　　」
優子「そ、そっかぁ。そういう場合って栄養ないほうはどうなるの？」
母　「さぁ？育たないから死んじゃったのかな。まだお腹の中にいたりしてね。」

（あぁ、なんかショック。優ちゃん、ごめんね。）
　え？別に謝るようなことじゃないんじゃ・・・。ね、優お姉ちゃん。
（え？お姉ちゃんはちょっとむず痒いね。優ちゃんで良いよ。）
　あ、なんか急にお姉ちゃん的に強くなった気がするんだけど・・・。
（だって、お姉ちゃんだもの。）