第六話「着せ替え人形」

（優ちゃん。明日の服、これどう？）
　僕はそっちのミニスカのが良いなぁ。
（うぅ〜ん。ちょっと恥ずかしくない。風吹いて見えちゃったり・・。）
　押さえればいいじゃん。男ってそういう姿勢に欲情するんでしょ？
（え？そうなの？そうかなぁ。でも、カラオケとかって座ってると視線低いから・・・。）
　こないだ雑誌に女の武器特集あったじゃん。良い男をＧＥＴするためには利用しないと。
（で、でも。あ、間とって、これは？）
　ねぇ、それお母さんが買ってくれた一番エロい奴だよ。
　全然、間とってないよ。でも、それでも良いね。スリットがエロいんだよね。
（そう言われるとちょっと・・・。でも、これ勝負服だし・・。）
　あ・・、お母さん来る。そ、相談して大丈夫かな・・。お母さんなら色々知ってそうだし。

母　「優子、ねね、もしかしてデート？」
優子「え、あのぉ、朋美達と合コン・・・。」
母　「えー。凄い。高校1年で合コン？やったじゃん優子。で、どれ着ていくの？」
優子「考えてるとこ・・・。」
母　「これとこれにしなさいよ。ねね、合コンは戦場よ。一番可愛くなった女が支配するの。良い？朋美ちゃんも可愛いけど、負けちゃ駄目よ。他には誰が来るの？」
優子「戦場って・・・。千沙とか真琴とか、あと舞さんって言う人・・・。」
母　「真琴って、小学校の同級生の真琴ちゃん？」
優子「うん。その真琴。」
母　「うわぁ。強敵ね。あの子、ママも美人なのよ。モデル並。じゃ、スカートはコレで決定ね。上はこれ・・・。優子、全然胸が育ってないのよね。どうしよう。こっちの方で攻める？」
優子「ちょっと、子供っぽいよそのシャツ・・。もうすぐ15歳だよ。」
母　「でも、外見幼いからこれ。あ、今、ファッションでも幼児系流行ってるのよ。ならコレが一番。」

　う・・・。優ちゃん。これ、可愛いんだけどさ・・。ちょっとぴったりすぎてエロいよ。
（うん、朋美ちゃんに笑われちゃうかも・・・。真琴、びっくりするよきっと。）

優子「あの、もうちょっと普通な感じにする。初めてだし・・・。」
母　「駄目。なに？恥ずかしいの？じゃ、コレならギリギリ我慢できるわ。ママに任せなさい。」
優子「うぅん。それならなんとか・・・。」

　え？嘘。それもエロいってば。諦めないでよ優ちゃん。

母　「舞ちゃんは強敵よ。すごい可愛いんだから。千沙ちゃんも色気あるし・・・。って、あんたの友達綺麗な子ばっかりね・・。」

母　「ちょっとママ電話してくるわ。他の家の様子探ってみる。」
優子「え？ちょっとお母さん。」

優子「お、おはよう。」
朋美「おはよう。あ、やっぱり優ちゃんもか・・。」
千沙「私達の親って何気に交友広いわね。」
真琴「あ・・・。優ちゃん、ひさしぶり。」
舞　「はじめまして。あぁ、お母さんが騒いでた優子さんって貴方だったのね・・・。」
優子「うん。久しぶり。真琴、また背伸びた？凄い綺麗になっていくね。いいなぁ。」

朋美「地元の高校だしね・・・。うわ。千沙、それ後ろから見ると凄い綺麗。」
真琴「あ、本当だ。ブラの紐透けてる・・・。」
千沙「言わないで・・・。」
舞　「誰が最初に親にばらしたの？」
優子「ごめーん。私かも・・・。」
朋美「真琴の足・・・、凄いね。ストッキングの網が・・・。エロぃ。」
真琴「うん・・・。お母さんの・・・。」

雄太「千沙っ。久しぶり。うわぁ。凄い綺麗だね。」
千沙「雄太。言うな。こっちの母親が友人だったらしく、着せ替え人形にされてしまった。」
雄太「そうなんだ。でも、凄い綺麗だよ。」
千沙「あ、ありがとう。」

　ねね。優ちゃん。あの二人怪しい。って言うか、あの男、千沙にベタ惚れじゃん・・・。
（うん。なんか良いね。羨ましい。応援してあげたいよね。）
　わぁ。千沙のほっぺた真っ赤だよ。雄太。今だカラオケの後の約束をしろ。優ちゃんと僕が応援してるぞ。

千沙「ねね、カラオケ、予約してくれたんでしょ。いこっか。」
雄太「あ、あぁ。大丈夫。行こうか・・・。」

　ちっ。せっかく良い感じだったのに・・・。ねね、この合コンってさ・・。

朋美「優ちゃん。この合コンって千沙狙いだね。」
優子「あ、やっぱり？ねね、あの人千沙のこと大好きぃ〜って感じだよね。」
朋美「うん。間違いないよね。応援したいんだけど、どう思う？」
優子「うん。私もあの人の味方。是非、くっついて欲しい。千沙もまんざらじゃない感じでしょ。」
朋美「だよね。あと一押しって感じだよね。」