第八話「遅く起きた朝」

（なんででしょうか・・・。日曜日の朝は眠いです。いつも眠いけど、いつもより眠いです。）

母　「優子。ママね、お父さんとデートしてくるからお留守番よろしく。」
優子「えー。何よそれ。私も連れてってよ。」
母　「駄目よ。日曜日の相手位、自分で見つけなさい。」
優子「お父さん。私と一緒にデートしようよぉ。」
父　「また今度な。優子、良い子にお留守番してなさい。」

　優ちゃん、暇だし朋美とか呼んで遊ぼうよ。
（うん、電話してみる。）

優子「朋美ちゃん。遊ぼう。今から。なんかお父さん達デート行っちゃって暇なの。」
朋美「あ、ごめーん。こっちは家族サービスしないといけなくって。行きたくないけど行ってくるよ。」

　なんだか優ちゃん、孤独だね。大角のメールもこないね。世間に忘れ去られてるね。
（たまたまだよ。なんかテレビないかな・・・。）

「お許し下さい。お代官様。」
「えぇ〜ぃ、言うこと聞かんか。それぇ〜。」
「あぁ〜れぇ〜〜。」

　わわ、凄い。始めて見たこのシチュエーション。これが噂のお代官様ロールか。
　あ、チャンネル変えないでよ。
（あんなお下劣なものは女子高生のみるものじゃありません。目の毒です。）
　目の毒って言うか、僕が気の毒だよ・・・。
（ぷっ。オヤジギャグ？ねね、オヤジギャグ大会やろっか。）

「この泥棒猫がぁっ。」
「お義母さま。そんなぁ。」
「どうせあんたの方から股を開いて息子を挑発したのでしょう。憎たらしい。キィー。」

　こ、これは凄いよ。ねね、優ちゃん。日曜の昼ドラ恐るべしだよ。
　あぁー。もう、また変えた。
（あ、遅く起きた朝やってる。良かった。）
　つまんなぁぃ〜。昼ドラ見たいぃ〜。おーーぃ。僕の人権をたまには尊重してくれぇ〜。
（こないだ猫だって言ってなかった？）
　にゃ〜ん。僕ちゃん昼ドラ見たいにゃ〜ん。泥棒猫がどうなるか知りたいにゃ〜ん。
（泥棒猫はサザエさんに追っかけられてほうきで叩かれて死んじゃうの。おしまい。）
　あれって死んじゃう話なの？動物愛護団体が怒っちゃうよ。

　ねぇ、なんかビデオとか借りにいかない？
（女が一人でビデオを見るようになったら終わりだって、負け犬特集してたから駄目。）
　えぇー。それ３０代女性の話でしょ。僕達、世間に忘れ去られてるけど女子高生だよ。
（でも、暇だねぇ。あ、こないだ朋美が貸してくれた雑誌、まだ見てないや。読もうよ）
　うん。雑誌好き。

　あ、このモデルさん綺麗。だれだろ？あれ、ボ○リーってアイススケートの人じゃん。綺麗。
（黒人さんも好きなの？）
　ん？綺麗ならみんな好き。あ、サー○ャ・コー○ンもいる。可愛い。股が凄い柔らかい。
　あれ？これさぁ、美人スポーツ選手特集じゃん。
（優ちゃんって節操ないね。私はこっちが良いなぁ。シャ○ポア。格好良い。）
　節操ないって・・・。ねぇ、柔軟体操しようよ。柔らかくなりたい。

（痛い。痛いだけでぜんぜん、曲がらない。うぅ。股が裂ける。）
　イタタタタ。ちょっと優ちゃん。普段だらしないからこうなるんだよ。ウイテテテ。

　きょ、今日はこの辺で・・・。アイテテテテ。
（だらしないぞ。優ちゃん。もちょっと頑張ろう。）
　イタイってば。ちょっと優ちゃんなに、苛めっ子気分楽しんでるんだよ。
　優ちゃんだって痛いんでしょ。
（うん、凄い痛い。でも、なんか頑張れる。優ちゃん苛めると楽しいから。イテッ。）
　このサド女。馬鹿。アホ。う、でも鼻が膝につきそうだ。イッテェー。やっぱムリムリ。
（あぁ、痛かった。これで良いかな。明日頃には少し柔らかくなってるかな・・・。）

　この調子ならその内、イナバウアとかできるようになるかな・・・。
（うん。頑張ろう。結構、楽しかったし。お腹空くし。御飯どうしよっか。）
　まだお昼かぁ。大角メールこないかなぁ〜。で、何食べるの？
（面倒臭いから、ラーメン屋いこっか・・・。）
　えぇー。女が一人でラーメン食べたら終わりって負け犬特集に載ってたじゃん。

（あ、そっか。でもさ、レストラン一人はなんか自殺したくなる。）
　それはやめて。巻き添え反対。作りなよ。喫茶店開くんでしょ。僕が批評してあげるからさ。
　それに大角とのデートの時になんか作っていったらポイント高いじゃん。
（それ、実は嬉しくないって男の気持ち特集に載ってたよ。）
　あ、あったねそんな記事。でも、女の武器特集では料理でアピールって書いてあったじゃん。
（あ、それもあったね。料理ができる女が好きだけど、作られると引くって、男って我が侭だなぁ。）

　とにかく一人でお店にはいるのはちょっと嫌だから、御飯作ってよ。
（うん。なに食べよっか。）

　冷蔵庫・・・。空だね。あ、冷凍食品がいっぱい。なんか災害起きてもうちって大丈夫そうだ。
（うん。でもなんか心の底に冷たいものが・・・。家庭の暖かさがここにはない。）
　お買物から始めよっか。
（うん、仕方ないね・・・。）

　今日の御飯はまずかったです。
　豚の生姜焼きと肉じゃががこんなに難しいとは思いもよりませんでした。
　お母さん帰ってきたら教えてもらおう。
（うん。優ちゃんのサポート不足が原因だね。私は頑張った。）
　えぇ〜。僕のせいにするのかよ。
（また、暇になっちゃったね。雑誌の続きでも読もっか。）

（暇だねぇ。あんまり面白くないねぇ。）
　うん。ねぇ、ボ○リーの足が見たい。
（これ？これが良いの？変な趣味。豹みたいな人だね。美人だけど。）
　うん。襲われたいな。こんな人に。
（出た。レズ発言。・・・このページ危険だから終わり。）
　あぁん。ねぇ、僕さ・・・、やっぱりレズなのかな・・・。そうだったらどうしよう。
（ど、どうしようってどうするのよ。私、女とＨなんかしてあげないからね。）
　僕が男とＨしたくなくても、やっぱりしちゃうよね？大角とかさ・・・。

（わ、わ、わ。なんで一気にＨしちゃうのよ。大角さんとはまずお友達。）
　大角は今の所、僕達のバージンあげる最有力候補じゃん。
　でも、僕が嫌でも優ちゃんはやめてくれないでしょ？
（あぅ〜。すっごく嫌なら諦めるかもだけど、でも一生バージンはやだな。）
　それは僕もやだ。うぅ、レズだったらどうしよう。怖いなぁ。やだなぁ。

（男の格好良い人を想像してなさい。）
　シ○ワちゃん・・・。うっ。良いかも。あの人の筋肉に潰されたい。
　ラ○ボー・・・。あぁん。格好良い。戦場から救われたいよぉ。
　でも一番はリーリ○チェィ。どうしよう。ねぇ、リーリ○チェイがアチョーって私に襲い掛かるの。
　で、私がチャン○イィーみたいにバシバシって戦うんだけど、最後は負けて、
　私より強い男は始めてよ。約束通りあなたの妻になるわ。みたいなぁ〜。きゃぁ〜。
　でねでね、初夜で彼ったら凄いのよ。いやぁ〜ん。
（うるさい。ぜんぜん嬉しくないよそんなの。）

（あん、もう。勝手にＨな気分に浸らないでくれる。あ、メール着た。）
　うそ。大角？大角かな？アチョー。
（アチョーはもういいってば。あ、大角さんだ。）

「今、練習終わったところです。午後練はないらしいので、会えませんか？」

　うそー。凄い。めっちゃ向こうもやる気マンマンじゃなぃか。
（うん。どうしよ。服、これで大丈夫かな。うん、大丈夫。あ、スカート短い方が良いのかな。）
　やば、僕、ドキドキしたまんまだ・・。どうしよ。止らない。
（優ちゃん。そのＨな気分だけ取り合えずやめて。会った時に恥ずかしいよ。）
　うん、電車の中でキモイオジサンの頭でも眺めて沈めとく。