月曜日の朝、市内から遠く離れた小さな町の海岸道路に、夏の焦げつくよう日差しを燦燦と浴びながら、急な坂道にも力強く自転車のペダルをこぐひとりの美少女がいた。
　少女の名前は森川詩織といい、地元の中学に通う１４才の乙女だ。
「詩織ちゃん、おはようー」
「おっ！　森川、おはようー」
「あ、おはよう」
　学校に着くと同時に、駐輪場にいた男子生徒達が声をかけてきた。
　顔いっぱいにニキビをつくっている者、鼻の下にうっそうとウブ髭を生やした者、身長が１５０センチぐらいの者、皆どれも中学生らしい坊主頭だ。女の子にしても、いまだ顔の赤みがとれない者も何人かいる。
「なあ森川、今度の日曜日どうしてる？」
「日曜日？　んー、・・・あっ、お母さんと買い物にいくんだった」
「ちぇ、」
　最近はデートの誘いが頻繁に申し込まれてくる。わずか半年ばかりのあいだで、グッと女性の肉体へと変化しているその容姿が同世代の男子生徒達を魅了しているのであろう。
　ショートの黒髪に垂れ気味のおおきな瞳はいまだ幼さを残しているが、ふっくらと大き目の唇が妙に大人っぽさを感じさせている。また、身長１６０センチにCカップはあろうかというバストが、思春期の男子生徒をムラムラとたまらなく刺激しているのだった。
「おーい、田中―、森川はオッケーしてくれたか？」
「いや、日曜日はお母さんと買い物だってさ」
「なんだ、そうか。でもさ、モタモタしてっとやばいぞ」
「えっ？　それってどういうことだよ？」
「磯貝先輩が森川のことを狙ってるって部活の先輩から聞いたんだよ」
「えっ？　い、磯貝先輩って、あの、生徒会長の？」
「ああ、」
「うわぁ、もうだめだー！　とうとう森川に彼氏ができてしまう！」
　磯貝真二、彼は詩織よりひとつ上の三年生でこの学校の生徒会長をつとめている。
　キリリと引き締まった顔立ちに切れ長の爽やかな目が特徴の二枚目男だ。そのうえ頭が良く、さらに運動能力も高い・・・そんな、三拍子も四拍子もそろった彼の存在は女生徒達にとってまさに憧れの的で、詩織にとっても密かな恋心を寄せている相手であった。

　・・ガ・・ピィー・・続いての種目は五十メートル女子自由形です・・ガ、ガガ・・
「おお！　いよいよ森川の登場だ！」
「もっと前につめろよ！」
「おい！　ちょ、ちょっと、そんなに押すなって」
　２コース目の跳台にさっそうと立つ詩織の肉体に、ほとんどの男子生徒が目を奪われていた。この日の水泳大会を、男子生徒達がどれほど待ち望んでいたことか。
　それにしても、なんとバランスのとれた肉体だろう・・・・水着のうえからでもクッキリと浮き上がる形の良い胸、きゅっと引き締まったウエストに小さめだが官能的な張りをみせているヒップ。そして、なによりもまっすぐに伸びた日本人離れの長い足がなんとも堪らない。
（おっ、森川詩織の登場だ・・・ゴクッ、・・・水着になるとよけい際立つな）
　性欲をそそられる官能的な肉体を前に、磯貝はだんだんと己の下半身に熱が充満していくのを感じ、次第に膨張しようとする一物を必死になって堪えた。
（くぅー、たまんねえな、今晩にでもモーションかけてみるかな・・・）
　磯貝は、ジャンプ台上で水着をくい込ませて屈み込む詩織の丸いヒップに目をやりながらなにやら真剣な面持ちで考え込んだ。
　種目を終えてプールサイドをよこぎる詩織に、すかさず理性の薄弱した男達が数名近づいてきた。
「やっぱ、速いな森川は・・・」
「ああ、圧勝だったな」
　男達の目当てはもちろん濡れて淫靡さを増した詩織の肉体だ。次々に適当な言葉をかけては何気に肉体を凝視する。ピッチリと張りついた水着が乳房の豊かさをハッキリとした形であらわし、しかも、小さな乳首が微かに浮きだしているではないか。これには男達も堪らずに唾を飲みこんだ。股間部分の恥丘は悩ましい盛り上がりをみせ、その中央にはうっすらと縦線が浮き出ているようにも見える。男達の視線はいつしかその２点だけに注がれていた。　
　頬を赤らめて恥ずかしそうにうつむく詩織は、まさか自分がそんな厭らしい目で見られているとは夢にも思っていない。ただ、チヤホヤされることに対しての羞恥と、周囲の目が気になりうつむいているのだ。
「ふぅー、やっぱり詩織には勝てなかったなぁ」
　欲情した男達を蹴散らすかのようにして友達の有里がやってきた。有里の厳しい視線に男達が舌打ちしながらその場から散らばっていく。
「あっ、でも、有里ちゃんも速かったよ。途中、抜かれるかと思ったもん」
「あはは、そんなに必死になってフォローしなくていいよ。それより、あんな連中には気をつけなきゃだめよ。どうせ厭らしいことしか頭にはないんだから。・・・あっ、磯貝先輩だ」
「えっ？」
　キャー、磯貝せんぱーい・・・ガヤ、ガヤ・・・
　詩織は、女生徒のすさまじい声援を一身に集めている磯貝へと目を向けた。
（・・・す、すごい、筋肉）
「あいかわらず女生徒に大人気のようね、磯貝せ、ん、ぱ、い」
「えっ？　う、うん、そうね」
　ピィーッ、・・・・・・・・・・バァーン！
　乾いたピストルの弾ける音とほぼ同時に、磯貝の肉体が宙に浮いた。筋肉質の脚力からくりだされるバネのきいたジャンプが、なんとも言えない美しさを描く。華麗な飛込みから美しいフォームで力強く泳ぐ磯貝に、詩織の目は釘付けにされていた。
（なんて美しいんだろう・・・格好いい・・・）
　早熟の肉体とは対照的に、いまどきの１４才としてはめずらしいぐらいに純情無垢な詩織は、目の前で眩いばかりの輝きを放つ磯貝真二に胸をドキドキと高鳴らせた。

　ピリリリ、ピリリリ、ピリリリ、・・・
「う〜ん、どうしようかな・・・」
　その日の夜、見知らぬ番号を表示してくる携帯電話のディスプレイに、出ようか出まいか躊躇している詩織の姿があった。
　ピリリリ、ピリリリ、ピリリリ、・・・
「誰だろう・・ん〜、とりあえずでてみるか。・・・・も、もしもし」
「あっ、もしもし、俺、三年の磯貝だけど。ごめんね突然。悪いとは思ったんだけど、どうしても詩織ちゃんと話がしたくて、知り合いに頼んで電話番号調べちゃった」
（えっ！　い、磯貝先輩！・・・あ、あの磯貝先輩！・・・な、なぜ・・・）
「もしもし、・・・もしもーし、聞こえてる？」
「えっ、あっ、は、はい聞こえてます」
　受話器から聞こえてくる磯貝の声に詩織は動揺していた。
「と、言う事で・・・んっ？・・・もしもし、詩織ちゃーん、・・・電波悪いのかな？」
「あっ、は、はい分かりました。今度の日曜日１０時ですね」
「あれ、なんだ、聞こえてるじゃない。じゃ、そういうことで。おやすみ。・・ピッ」
　ツー、ツー、ツー、・・・・・
（・・・まさかあの磯貝先輩からいきなり電話があるなんて・・・今度の日曜か・・・）
　詩織は、まるできつねにでも包まれたような出来事に、しばらく呆然とその場に立ち尽くした。そして、何か深刻に悩んでいるようにも見えるその表情が、時間が経つにつれだらしなくゆるみだし、そのうち、にやけた表情の中で、頬だけが淡いピンク色に染まった。

　いっぽうの磯貝は、純情な詩織とはうらはらに、日曜日どうやってセックスまでもちこもうかなどと考えながら淫猥な妄想を膨らませて自身の肉棒を必死に擦っていた。

　日曜日の午前九時、詩織は自分なりにめいっぱいオシャレをして待ち合わせの公園へと急いだ。真夏の太陽がじりじりと照りつけ、詩織の額に大粒の汗をつくっていく。それでも笑顔がくずれることはない。
　公園についてみると、約束の時間の三十分前にもかかわらず、すでに磯貝の姿がそこにはあった。
　おたがい想いを寄せている相手とあってその雰囲気はとてもぎこちなく、緊張した重苦しい空気のまま時間だけが過ぎていく。一分でもはやく、なんとか詩織を自宅へと誘いたい磯貝は胸の内で焦りを感じていた。だが、詩織をまえに思うように言葉がでてこない。
（くっ、このままじゃいけないな・・・夕方には父さんたちが帰ってくるだろうし・・・思いきって誘ってみるか）
「ね、ねえ詩織ちゃん、これからどうする？　あの、・・・もしよかったら俺ん家に行かないか？　小さい頃のアルバムとか見せてあげるよ。どお？」
「えっ、先輩の家に？　う〜ん、そうですね・・・いいんですか、おじゃましても？」
「いいよ、いいよ！　よし、じゃあ行こうか」
　ウブな詩織に警戒心などまったくなかった。

「へえ、ここが磯貝先輩の家なんだ。すごい・・・豪邸ですね」
「そんなことないよ。ただ広いってだけで中身は質素なものだよ。その正面階段をあがって突き当たりにあるドアが俺の部屋。ほら、遠慮せずに入って」
　磯貝は、言葉巧みに詩織を先に歩かせながら階段をあがった。
（ああ・・・い、意外とお尻がプリプリしてるな・・・ゴクッ、・・・パ、パンティ見えないかな・・・）
　階段を一歩上るたびにヒラリと挑発してくるデニムのショートスカートに、磯貝はわざとスピードをゆるめ、そっと上半身を屈めてみた。ずいぶんと上半身を屈めてみるが、奥のほうは暗くてよく見えない。それでも、奥まで伸びた流麗な太ももが、ヤリたい盛りの少年の股間をズキズキと痛いほどに刺激させたようだ。磯貝は、詩織を部屋に通しながら必死にジーパンの股間あたりをモゾモゾと弄った。

「わっ！これ、小学校何年生のときですか？」
「それは・・・小学校三年の時かな」
　興味津々で食い入るようにアルバムを眺める詩織のそばで、磯貝の嗅覚が少女の甘い体臭をしきりに吸い込んでいる。
「これ、修学旅行の時の写真ですか？」
「・・・ん？　あ、ああ、そうだよ」
（・・・やりたい・・もうだめだ・・・）
「ねえ、詩織ちゃん・・・」
「えっ？」
　振り向きざまに、磯貝の乾いた唇がつよく押し付けられてきた。
「んぷっ！」
　突然の出来事に詩織のかよわい胸は破裂寸前にまで高鳴った。
　そのキスは中学生らしいソフトなものであったが、初キッスの味に動揺する詩織の体が上気したように熱を帯びていく。重ねられた唇がゆっくりと離されたとき、ジッと見つめる磯貝の目をまともに見ることができず、詩織は真っ赤に染めた顔を無言で下へ向けた。
「し、詩織ちゃんのこと前からずっと好きだったんだ。・・・よ、よかったら俺と付き合ってくれないか？」
「えっ？」
　突然のキス、そして告白、詩織の緊張が極限にまで達していく。
「・・・お、俺じゃだめかな？」
「そ、そんなことないです！　わ、わたしも・・・じ、じつは先輩のことが・・・ずっと好きでした」
「ほ、本当に？」
「・・・はい」
　詩織自身、ずっと溜め込んでいた磯貝への想いを、これほどすんなりと伝えられたことに驚いていた。
「し、詩織ちゃん！」
「あっ、・・・ん、んん・・・」
　磯貝は、押し倒した詩織のうえに覆いかぶさると、今度は濃厚に唇を絡ませた。
「んん・・・んあ、・・・せ、先輩、・・・あう、」
　頭の中が真っ白になっていく・・・何も考えられない。つよく重ねられた唇から粘ついた舌がヌルッと入り込んできたのだ。その舌が、みずからの唾液をたずさえて口腔内を荒々しく這いずりまわる。はじめて体験する色欲の世界に、詩織の意識は完全に麻痺していた。
「ハアハア、あぁ、詩織・・・んん」
　しっとりとした甘みのある詩織の口腔からなかなか離れられずにいる磯貝は、舌を絡めつつキャミソールのうえから張りのある乳房を揉んだ。
「あぁ、・・・んん・・・あっ、い、いや・・・んぷっ、」
　性欲の塊と化した磯貝が掴んだ乳房をちからづよく押し潰しながら、剥き出しの太ももへ自身の勃起したペニスをジーパン越しにグリグリと擦り付けてくる。磯貝にはもはや余裕などなかった。
「ハアハア、・・・あぁ、詩織、・・・も、もう我慢できないよ」
「えっ、あっ！　せ、先輩、ちょ、ちょっと待って、」
　ついに理性の壊れた磯貝がスカートのなかへ手を突っ込みパンティに手をかけてきた。これには詩織もあわてて自制心を取り戻しつよく抵抗する。正気を失い強引にパンティを引き抜こうとする磯貝に、詩織は大声で叫び懇願した。
「ハアハア、し、詩織、なあ頼むよ。セックスなんて恋人同士だったらみんな普通にやってることなんだぜ」
　おおきな瞳に純情な涙を溢れさせた詩織は、ギュッとつよく噛み締めていた唇をゆっくりと開いた。
「で、でも、まだ付き合ったばかりだし・・・そ、それに、１４才のわたしにセックスなんてまだ早すぎると思うんです・・・ご、ごめんなさい」
「は、早すぎることなんてないよ！　１４才で経験してる子なんていっぱいいるし、お、俺だって初体験は１４才・・・あっ、ごめん・・・で、でもこれで終わりなんて」
「・・・こ、怖いんです・・・心の準備ができていないっていうか、こんなに早くから経験するってことが・・・とても怖いんです」
「わ、わかったよ・・・我慢するよ。でも、男は一度こうなってしまったら射精しないと気がおさまらないんだ。だから・・・せめて口でしてくれよ」
　興奮おさまらない磯貝が、つよくそう言い放ちながら膨張した股間を指差し詩織に見せつける。
「えっ、そ、それを・・・く、口で？」
「あ、ああ、口に咥えてアイスキャンディー舐めるようにしてしゃぶるんだよ。やってくれたら絶対に最後の一線は詩織の決意が固まるまで求めない。約束する」
　詩織の心は揺れていた。性行為のなかにフェラチオという行為があることはなんとなく知っている。だが、いまその行為を自分がするとなると抵抗心がないわけではない。しかしこのままでは大好きな磯貝に嫌われてしまうのではないか・・・。
「や、やります。・・・で、でもどうしたら・・・きゃっ！」
　やるという言葉を聞いた瞬間、にんまりと卑猥に笑みを浮かべた磯貝はすぐにジーパンとトランクスを脱ぎ去り、下半身を詩織のまえに露出させた。
「あ、・・・あの、・・・」
　起ち上がってベッドに腰をおろした磯貝が、羞恥と恐怖に戸惑う詩織をこっちに来るよう促しながら、おおきく両足を開いていく。その中央に猛々しくそびえ立っている肉棒に、詩織は言葉を失った。
（あ、あれが男の人の・・・あ、あんなに大きいなんて・・・ゴクッ、）
　詩織にとってはじめて見る男性の勃起したペニス・・・全身に筋肉の鎧をまとい、そのまわりには太い血管が何本も張り巡らされている。赤色した先端からは光沢をはなつ液体がダラダラと垂れ流れており、なんともグロテスクな形で気味が悪い。
「ほら、これが男性の勃起したペニスだよ・・・触ってごらん」
　磯貝は血走った目でそう言いながら、震える詩織の手をとりペニスの幹部分を握らせた。
「きゃ、・・・う、動いている・・・」
「あたりまえじゃないか。さあ、こうやって握った手を上下に動かすんだ」
「こ、こうですか？」
「ああ、そうだ。・・・き、気持ちいいよ・・・あ、ああ、もっと強く」
　ドクンドクンと激しいペニスの脈音を掌で感じながら、詩織は言われるままにつよく肉幹を上下に擦った。
「あ、あ、あう、・・・や、やばい、・・・で、出そうだ・・・あああ」
　磯貝の言う、出そうだの意味がわからない詩織が変わらぬリズムでペニスを扱いていく。
「あ、あ、・・・く、咥えて、早く、咥えるんだ！」
「えっ、あ、は、はい」
　意味不明のまま咄嗟に咥えなければいけないという使命に駆られた詩織は、おびただしい量のカウパーを垂れ流すペニスに嫌悪感をしながらもパクッと半分まで咥え込んだ。
「あうぅ、い、いく・・・んん・・・んああああ！」
　ビュ、ドッピュ、ビュビュビュ・・・・・・・
「んん！　ん、んふ」
　磯貝の雄叫びとともに、口のなかへネットリとした濃厚な液体が強烈な臭いを放ちながら次々に飛び散ってくる。一瞬にして鼻腔をつきぬけるイカの燻製のような生臭さと、喉奥にまで粘りつくような精子。あまりの苦しさに咽ながら涙する詩織は、なんとかこの苦しみから逃れようと必死にかぶりを振るが、磯貝の両手が頭をつかんで離してくれない。
「ハアハア、飲むんだ、・・・ぜ、全部しっかりと飲むんだ」
「んんん！・・・ん、んん・・・ゴクッ、・・・んん・・・ゴクリ、」
　詩織は、ついに耐え切れなくなり粘りつく精子に自分の唾液を絡めながら少しずつ飲み込んでいった。