SCENE 61

　まだ痙攣を繰り返している恵美子を見下ろしながら卓也は服を脱いだ。
　ワンピースが捲れ、しなやかな脚と秘部を露出している姿が堪らなく艶めかしい。クラスのマドンナを無理矢理に犯しているみたいででゾクゾクするような興奮を覚えた。このまま脱がさずに最後 「あううっ！」
　恵美子の身体が硬直する。
　それにかまわず、卓也は力強い抽送を開始した。
「あうっ！　み、みかみくん‥‥ああっ！」
　恵美子の悲鳴に近い喘ぎ声。
　夏がけを握りしめながら耐える姿がいじらしい。
　卓也は恵美子の背中へ手をまわす。ワンピースのファスナーが背中側にあるからだ。それを下ろし、襟元をつかむとブラジャーのストラップごと乱暴に引き下ろした。
　可憐なバストが露わになると同時に、両肘のところで引っかかったワンピースが恵美子の自由を奪った。
　剥き出しの肩の下に見える淡い色の乳首が喘ぎに合わせて揺れる。
「いや‥‥いやぁ‥‥ああんっ！」
　予想もしなかった卓也の行動。だけど、自由を奪われ激しく抽送されると、なんだか自分が卓也のものになってしまったような気がして下半身が溶けたように感じてしまう。激しい圧迫感はあるが、昨日のような痛みはほとんど無い。
「い‥‥いいの‥‥もう‥‥みかみくんの‥‥好きにして‥‥ああっ‥‥」
　卓也の手が感触を確かめるようにバストを彷徨う。
　硬くなった乳首をつままれると電気が走って蜜壺の奥を直撃するみたいに感じてしまった。
「ああんっ！」
　恵美子は背中を仰け反らせて喘いだ。
　卓也の好きなようにされていることがうれしい。卓也にすべてを捧げたいと思う恵美子だった。
　一方、犯している、という気分がこれほど興奮するものだとは思わなかった卓也は我を忘れて律動する。屹立が無限に膨れあがっていくような感じがした。
　もう限界だった。
「ああっ‥‥熱い‥‥熱いの‥‥」
　恵美子がそう言ったとき卓也が弾けた。
　気が遠くなるような放出感だった。
「ああぁぁっ‥‥」
　恵美子が長く叫ぶ。クリトリスを愛撫されたときとは違う、満たされたような感覚に涙が出そうになる。卓也が中で出したと、はっきりと分かった。熱いものをしっかりと受け入れられたと思うと幸福感に包まれた。
　卓也は、あまりに激しい放出に括約筋が収縮したまま震えていた。普段は二度三度に分けて出るのに、一気にすべてが出てしまった感じなのだ。しばらく震えた後、がっくりと力が抜けた。
　激しい快感の反作用か、卓也は自分の行為が乱暴だったことに気付く。
「ごめん‥‥夢中になって‥‥俺‥‥」
「いいの‥‥わたし‥‥三上くんが‥‥気持ち良ければ‥‥うれしいから‥‥」
「痛くなかった？」
「ううん‥‥大丈夫‥‥三上くんので、いっぱいになって‥‥うれしかった‥‥すごく‥‥」
　恵美子の言葉に愛おしさが募る。
「やば‥‥」
「えっ？」
「すげぇ、いっぱい出ちゃった感じ‥‥お前の服汚しちゃったかも‥‥」
「うん‥‥」
　事実、蜜が伝わって裏地を濡らしているのが感触で分かる。
「抜いたらもっと出てきちゃいそう‥‥どうしよう‥‥」
　萎えたものは、まだ収まったままだ。
「待って‥‥」
　恵美子はソファーの背に置いてあるショーツを取って、後の方からあそこへあてがった。
「だって‥‥それ‥‥」
「いいの‥‥」
　ティッシュの箱は遠くにあるし、卓也が脱ぎ捨てた服も恵美子から離れなければ拾えない。選択の余地はなさそうだ。
「じゃ、抜くよ」
「うん」
　卓也は用心深く腰を引いた。
「あ‥‥ん‥‥」
　思わず、ため息のような声が漏れてしまう。
　恵美子は逆流してきた卓也の精液をショーツで受け止めた。
「ごめん‥‥はやく洗わなくっちゃ‥‥」
　本当は二人とも余韻に浸っていたかったけど、それどころじゃなかった。
「お風呂場、使ってもいい？」
「うん、はやく行こう」
　卓也は恵美子を支えるようにして風呂場へ向かった。

SCENE 62

「どうしよう？」
　ワンピースはシミになった部分を洗い、ショーツも洗った後、卓也は途方に暮れた顔で言った。
「仕方ないわ」
　シャワーであそこを洗った恵美子はバスタオルを巻いた姿で言う。
　意外に落ち着いている恵美子に、卓也も落ち着きを取り戻す。
「妙子おばさんの服持ってこようか？」
「だめよ。そんなことしたら‥‥」
「だよなぁ‥‥お前、俺の服着る？」
「三上くんのならいいわ。ワンピースの方はすぐ乾くだろうし、それまでの間、なんか貸して」
「いいけど、パンツも俺のはく？」
「ばかぁ‥‥」
　恵美子の顔が赤くなる。
　冗談を言っているうちに気分がほぐれてきた。妙子達が帰って来るまでには時間があるし、まだまだ恵美子と楽しむ時間はたっぷりあるのだ。
「ま、いっか。おばさん達が帰ってくるのは夕方だし、それまで、俺ん家いられるんだろ？」
「うん」
「だったら、ずっと裸でいようか？」
「もう、そんなエッチなこと言わないで」
「俺もこのまま裸でいるからさ」
「だって恥ずかしいもん」
「じゃあ、安藤が作ったお弁当食べるときだけ‥‥だめ？」
「食べてるときだけ？」
「うん‥‥いいだろ。俺、安藤のこと見ていたい‥‥」
「ねえ‥‥」
「なに？」
「わたしのこと安藤って呼ぶでしょ」
「うん」
「なんか他人行儀でやだな‥‥名前で呼んでくれるとか‥‥できない？」
「恵美子って？」
「うん」
「いいけど‥‥う〜ん‥‥」
「なに？」
「学校始まって、お前のこと恵美子なんて呼んだら、どうなるか‥‥」
「いいじゃない、そんなこと」
「だったら、俺のお願いも聞いてくれる？」
「なに？」
「お前の写メ撮りたい」
「えっ？」
「お前の裸の写メ‥‥宝物にしたい」
「‥‥」
　恵美子がうつむく。
「いや？」
「‥‥」
「だよな。ごめん。聞き流して。お前に会えないとき見たいなって思っただけ」
　単なる思いつきの悪戯心からの頼みだったから卓也はあっさり引き下がる。しかし、妙子の寝姿を撮ったことを思い出していた。こんどは、もっと過激な写真が欲しいと思っているのも事実だ。
「‥‥」
「ごめん。悪かった。もう言わないから」
「ね‥‥え‥‥」
「ん？」
「写メ撮ったら、恵美子って呼んでくれる？」
「そうじゃなくっても呼ぶよ」
「‥‥じゃあ‥‥撮ってもいいよ‥‥」
「ほんと？」
「そのかわり‥‥誰にも見せないでね‥‥」
「当たり前じゃん‥‥いいんだね‥‥？」
　恵美子が無言でうなずく。
「やった。じゃ、俺の部屋来て」
　卓也は恵美子の腕を取ってバスルームを後にした。