４．

「どうしたの？、なにか元気がないみたいだけど。」久しぶりに早い時間に帰宅した姉の冴子は、弟の部屋のベッドに腰を降ろしながら、貴史にそう訊ねた。
　薄いピンクのワンピースを着た冴子は、さらさらの黒髪を掻き上げながら、机に向かって座っている貴史の背中をじっと見つめている。
　だが貴史の方は、相変わらず黙ったままだ。
「私に話してみてよ。意外と頼りになるんだから。」冴子は少し不満そうな顔で、もう一度貴史に話しかる。
「実は・・」貴史は冴子の方に振り向きながら、重い口を開いた。
「電車で痴漢に遭ったんだ。」貴史はそう小さな声で言うと、そのまま俯いてしまう。
「痴漢？、男の子に？・・珍しいわね。相手は男だったの？」冴子は心配そうに、貴史の顔を覗き込む。
「いや・・中年の女性の３人組なんだ。」
「えーーっ？、そんな事があるの・・それで、なにをされたの？」
「・・あそこを弄り回されて・・・射精させられた。・・それから・・」
「まだ・・なにかされたの？」
「・・ホテルに連れていかれて・・」
「えっ！・・まさか？・・あなた、その人達の言いなりになったんじゃないでしょうね。」
「・・・仕方がなかったんだ！。相手は、僕のオナニーの様子を見ていて・・それで脅されて・・」
「うそ！、なんで？・・それじゃ家の中を覗いていたの。どうやって？」
「わからない。でも確かに知っていた。もしかすると、写真も撮られているかもしれない。」
「・・・もしかして向かいのビルから？・・でも向かいのビルは夕方からは誰も居ないし、覗いている人が居れば、こちらからも見える筈でしょう。」
「そんなことは、どうでもいいんだ。そんなことより・・この事を父さんや母さんが知ったら・・僕はもう終わりだ！」貴史は、顔を顰めながらそう呟いた。
「そんな大袈裟よ。自慰の様子を他人に見られたぐらいで・・」
「違うんだ・・実はその時、僕は姉さんの下着を持って・・」
「貴史？！、あなたまさか、また私の下着を使って・・」
「ごめんなさい！・・どうしても我慢できなかったんだ。姉さんは、僕が一人の時にはなかなか家に居ないし・・いつもはＡＶを見ながら、出なくなるまで抜いて、気を紛らわしていたんだけど・・」
「あの日、偶々、風呂場で姉さんの下着を見つけてしまって・・姉さんの裸が頭に浮かんで、つい夢中になっちゃったんだ。・・本当にごめんなさい。」
　冴子は、泣きそうな顔で必死に謝る貴史の顔を、呆れた顔で見つめながら、自分を慕う弟の気持ちが、いじらしくて堪らなくなっていた。
　もともと、弟をこんな気持ちにさせたのは自分のせいなのだ・・。昔から、六つ違いの貴史の事が可愛くて仕方がなかった。
　小さい頃から貴史を甘やかしていた冴子は、彼が欲しがるものはなんでも与えてきた。
　小学生の頃、胸を触らせてと頼まれた時も、中学生になって女の裸を見たがった時も、初めての夢精の後、自慰の方法を知りたがった時も。
　そして、つい先日、冴子の中で射精をしたいと望まれた時も・・

　冴子は項垂れる貴史の前に静かに歩み寄ると、そっと彼の髪を撫でた。
　それから、貴史の顎に手を添えて、その顔を自分に向けさせると、屈み込んで優しく彼に口づけをした。
　貴史は思わず、冴子の尻に手を回して姉の身体にきつく抱きつき、その柔らかい胸に顔を埋める。
「安心して、なんとかするから・・・貴史を虐める人は、私が絶対に許さない・・」
　珍しく恐い声でそう言った冴子は、愛おしそうに貴史の頭を抱き締めた。
　深い安堵感に包まれた貴史は、いつものように、うっとりするような姉のいい香りを胸一杯に吸い込んだ。
　それから、手を下に伸ばして、彼女のふとももを撫で回しながら、そのまま、その手をスカートの中に滑り込ませる。
「あっ・・うっんっ・・んっ・・」下腹部を這い回る弟の手に思わず喘ぎ声を漏らした冴子は、我慢しきれない様子で、一旦貴史の身体から離れると、
「久しぶりにしてあげる。・・さあ、いらっしゃい。」と、背中に手を回し、ワンピースのファスナーを下げながら、ベッドに上がった。
　ごくりと生唾を飲み込んだ貴史は、スボンの前を大きく膨らませながら、そんな姉の後に従う。

「はぁ・・ぁ・・ねえ、貴史。今度その人たちから誘いがあったら、すぐに私に教えて頂戴。・・」冴子は愛しい弟の髪を、優しく撫でながらそう言った。
　貴史の方は、引き締まった冴子のふとももの内側にそっと舌を這わせながら、白磁の焼き物のように真っ白で染み一つない、姉の腰骨の突起を無心に撫で回している。
「どうするつもり？」と、絶頂の後の気怠い微睡みの中で、まだゆっくりと波打っている姉の下腹部から顔を上げながら、貴史がそう訊ねる。
「ん・・っ・・二度と悪さをしないように、懲らしめてやるの・・」
「まさか・・」貴史が不安そうな顔をすると、
「・・安心して、乱暴はしないわ。ただ、もう若い子に手出しをしないように、釘を刺すだけ。」
「僕のために無理はしないでよ。昔の姉さんには、戻って欲しくないんだ。」
「わかってるわ。大丈夫。」
「ありがとう、姉さん。」
　貴史はそう言うと、再び、綺麗に手入れされた姉の陰毛の中に、その口を埋めた。
「はあっ！・・だめッ、貴史・・もうやめて・・あっうんっ・・」蠢く舌の感触に、思わず身悶えする冴子。
　その時冴子は、自分の膝に熱いものが触れている事に気がついた。
「貴史・・？、まさか・・まだやりたいの？」
　冴子は貴史の股間の一物が、性懲りもなくまた硬くなっていることに気づいて、驚きの表情を見せた。
「昨日その人たちに、さんざん搾り取られたんでしょう？・・まだ出すものがあるの？」と、呆れ返ったように呟く。
　貴史は姉の股を拡げて、その間に自分の身体を割り込ませながら、
「姉さんだけは特別だよ。たとえ、あそこが空っぽでも、姉さんの身体に触れると何度でも勃っちゃうんだ。」と、笑いながら話す。
　それから、真顔になって起き上がると、姉の腰骨の両側を抱きかかえて、その腰を持ち上げるようにしながら、その下に自分の下半身を滑り込ませる。
　そして、既に上を向いて硬く勃起している自分のペニスを、右手で押え込むようにしながら、冴子の割れ目の中にゆっくりとそれを潜り込ませた。
　そしてすぐに、自分の腰を激しく前後に振り始める。
「あんッ！・・はあぁ・・あぁ、貴史・・はあっぅ〜、あぁ感じる・・もっと・・もっと突いて・・」
　冴子は、ブリッジをするような姿勢でその細いウェストを撓らせ、弟の硬い突起を身体の奥で受け止める。
　貴史は忙しなく腰を動かしながら、屈み込んで、たぷたぷと揺れている冴子の白い胸を愛おしそうに舐め上げた。
　それから「今日は、姉さんが気絶するまで、してあげる。」と、いつもより長く保ちそうな自分のペニスを、嬉しそうに姉の内部で何度も跳ね上げた・・

５．

　次の日から冴子は、弟のために活動を開始した。
　まず、貴史が知っている連絡先から相手の住所を突き止め、３人の中年女性の家族構成や生活バターンを調べ上げる。
　そのうえで、彼女たちに報復するための、ある計画を実行した。

　その日、冴子は一人の女性と会っていた。
　小柄でかわいい印象のその女性は、実際の年齢よりも遥かに若く見える。どう見ても、１７〜１８才ぐらいだ。
「あなたに、頼みたい事があるの。引き受けてくれる？」冴子は、下から覗き込むようにして、その吸い込まれそうな大きな瞳で、女性の眼をじっと見つめながら、そう尋ねた。
　その女性はどぎまぎとしながら、思わず冴子の瞳から視線を外し、「はい。冴子さんの頼みなら、私、なんでもやります。」と、顔を真っ赤にして答える。
「実は・・ある男性３人を誘惑してほしいの。」
「えっ？！・・誘惑？、一体、何をすればいいんですか？」驚いた様子の女性。
「その男性たちと寝て、証拠の写真を撮ってほしいの。できる？」
「・・・ええ、冴子さんのためなら。ただ・・」
「ただ・・なに？」
「代わりに・・・私のことを抱いてほしいんです。一度でいいから・・」
「勿論。そんなことでいいなら、何度でも可愛がってあげる。私、以前からあなたのことが、ずっと気になっていたの。・・とても可愛いから。」
「あぁ、嬉しい！、冴子さん。私、冴子さんと愛し合えるなら死んでもいい。」女性は、嬉しそうに眼をキラキラと輝かせながら、憧れの冴子の顔を見上げた。
「ありがとう。大好きよ。」冴子は微笑みながら女性に歩み寄り、相手の顔のすぐ間近まで自分の顔を近づける。
　興奮した相手の女性は、期待に胸を大きく弾ませながら、上気した顔で瞳を潤ませ、うっとりと冴子の眼を見つめる。
　冴子はその美しい顔を傾け、そのままそっと自分の唇を相手の唇に押しあてた。
　堪らずに相手の女性が冴子に抱きつく。そして、「冴子さん！、愛してるの。お願い抱いて・・お願い！」と、語気を荒げながら、そう口走った。
　冴子は優しく、左手でその女性の髪を撫でながら、身体を少し左にずらして、白魚のような右手を女性の股の間に滑り込ませる。
　それから、「いいわよ。私のお願いをきいてくれたら、好きなだけ抱いてあげる。」と言って、女性の右耳に舌を差し込みながら、右手の中指を淫らに上下させた。
「あっ・・ハァ、ハァ、ハッ・・あぁ、冴子さん・・あなたのためなら・・なんでも・・あっ！、あっあぁ〜〜」
　相手の女性はさらに強く冴子を抱き締めながら、大きく口を開けて歓びの悲鳴をあげた・・

　その日の夜、貴史の部屋のベッドで二人は抱き合っていた。
「お願い・・身体を洗わせて。」
「だめ。」貴史は冷たくそう言うと、冴子の小さなショーツに手を伸ばす。
　貴史は既に濡れている彼女のショーツを素早く脱がすと、その白い股を押し拡げ、股間に顔を近づける。
　そして、鼻をくんくんと鳴らしながら、冴子の中心の匂いを嗅いだ。
「あっ・・いやッ、だめ・・お願い、やめて。・・お願い・・」
　冴子の囁くような哀願を無視して、貴史はそこに舌を伸ばす。
「あっ！、はあぁ〜・・んっんーーっ！」
　貴史は、舌の先を冴子のピンク色の内部に差し込みながら、「んんっ・・ベトベトだよ・・凄く興奮したんだね。こんなに匂う姉さん、初めてだ。・・何をしたの？・・むっんんっ・・」と、興味津々で冴子に訊ねる。
「んッ・・うっうぅ・・女の子と・・あんっ！・・愛し合ったの・・あぁ・・」震える声でやっと答える冴子。
「ふーーん、それで我慢できなくなって、僕のところへ飛んできたんだ。」貴史は、レロレロと大きく舌を上下させながら、姉の股間を舐め上げる。
「あっ、あっ、あぁ〜〜・・お願い、入れて・・すぐに欲しいの。・・お願いッ・・はやく・・」
「嬉しいな。姉さんが、こんなに激しく求めるなんて・・わかった。溢れるまで流し込んであげる。」
　貴史はそう言うと、冴子の上に覆い被さろうとした。だが待ちきれない冴子は、両脚で貴史の腰を強引に抱き寄せると、そのまま股の間に銜え込む。
「あっ、ちょっと・・待って、姉さん。」急いで股間に手を入れる貴史。
　無我夢中の冴子は、貴史の上半身にきつく抱きつき、その背中を撫で回しながら、唇に吸い付いた。
　やがて、逞しい弟の身体が、美しい姉の身体の上で屈伸運動を始め、激しい振動にベッドがギシギシと軋みだす。
　こうして、両親には秘密の、二人だけの夜の淫事が、また始まった・・