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レースのカーテンから朝の陽光が射しこんでいた。見なれない部屋のソファで目を醒ました僕は、一瞬そこがどこかわからなかった。
しかし、すぐ思い出して「しまった」と思った。会社の取引先のなかでもっともタチが悪い、要注意人物である社長の家であった。昨夜、接待のつもりで社長と飲んで、こちらが酔いつぶれてしまったのだ。
そのうえ、こともあろうに社長の娘である小夜香さんと、人には言えないような痴態を演じてしまった。
いま、小夜香さんが簡単な朝食を用意してくれている。昨夜のことなど何もなかったような自然なふるまいだ。くるぶしまで隠れるサマードレスをさらりと着けて、髪はバレッタできちっとまとめられている。清楚で優雅なものごしは初対面のときのままだった。
昨夜のことは夢であってくれと願った。
「夕べは、……酔いつぶれてすみませんでした｣
「ソファでごめんなさいね、よく眠れました？」
「はい。でもなにか、すごい夢をみたようです｣
「あら、私も……。でも、どんな夢だったか忘れましたけど｣
頬がすこし赤らんだようだ。夢ではなかったのだ。
＊ ＊ ＊
営業三課の主任になった僕は、熊田商会の担当を命じられた。それで昨日、来週のアポをとるつもりで社長に電話をいれた。
すると「今日の夕方、すぐ来い」という。金曜の午後のことだから、僕はデートの約束があった。
「あの、今日はちょっと予定がありまして｣
「ナニ？ どんな予定だ｣
「いや、そのちょっと」
「ちょっととはなんだ。今日来なければ、もう会うつもりはない｣
前任者から聞いたとおり、横暴な男である。熊田という社長は六十に近い男で、だいぶ前に郊外の小さい電器屋を買い取り、どんどん拡張して大型店に育てたやり手である。店舗売りのほかブローカーのようなこともやっているらしい。
わが社の製品をバンバン売ってくれるのはいいが、ケチなのかどうか、支払いが悪くて売り掛けがたまる。それだけならまだしも、傷があるとか欠陥品だとか、なんだかんだとナンクセをつけて支払いをケチる。それで思い通りにならないと気が狂ったようにわめき出すのだ。
営業三課では「熊」と呼んで、誰も担当したがらない。それで主任になったばかりの僕にお鉢が回ってきたのである。
泣く子とお得意さんにはかなわない。僕はデートを断念して麻美にメールを入れた。
「急な接待ができた。今夜は逢えない」
秘書課のマミは我が社のアイドルである。ハートマークのついた返信があった。
「悪いところに引っかからないでね｣
初対面なので、かなり緊張して社長室に入った。名刺を出して挨拶すると、社長は僕の頭のてっぺんから爪先までジロジロねめつけて言った。
「羽木雄治君か。よろしくな」
ワイシャツを捲り上げた太い腕は毛むくじゃらで、グイと張った肩の太い首にゴリラみたいな顔が乗っている。頭がテカテカ禿げ上がっていて、眉が太い。団子鼻や分厚い唇は粗野なオヤジそのままだが、眼が光っていた。
「君は、いくつだ｣
「はあ、二十六です」
「そうか、これからだな」
けっこう機嫌がよさそうで、初対面の挨拶も今後の取引のことも、少なくともうわべはスムーズに運んだ。
「わかった、わかった。君のところの製品はどんどん売ってやるよ」
肝心の売り掛けの話も、一応黙って聞いてくれて、「わかったわかった。心配するな」という。具体的な話をしようとすると、さっさと席を立った。
「まあ、長い付き合いになるんだ。メシでも食おう」
歳のわりには恰幅のいい男だ。上背は僕と同じぐらいだが横幅が広い。混雑した商店街を歩く後姿はあたりを払うようで、少し気おされる感じがした。
行きつけらしい小さなスナックには、先客が数組いるだけだった。
「長い付き合いだ。よろしくな」
ジョッキをカチンと合わせて言う。「長い付き合い｣というのが口癖のようだ。細かいことを言わずに、長いスパンで考えてくれということだろう。
「君はいい男だな、モテるだろう｣
「いや、社長こそ｣
他愛ない話がつづき、けっこうアルコールが回ったところで、社長は携帯をとり出してどこかに電話した。
「男同士で飲んでてもつまらんからな。ちょっとまってくれ」
小一時間して、場末のスナックには似合わない女性が、おずおずした様子で店に入ってきた。肩の出た淡い藤色のワンピースが、すっきりしたプロポーションと白い肌によく似合っている。二十代後半か三十歳ぐらいだろう、僕より年上なのはたしかだ。
「娘だ｣
「あ、はじめまして……」
ホントかな、と思った。年のころは娘といって不自然ではないが、顔もぜんぜん似ていないし、上品でしとやかな感じのこの女性と、粗野な田舎オヤジといった感じの社長とが、どうみても父娘とは思えない。
しかし、成り上がりの金持ちが娘をお嬢さん学校とかに入れて、お嬢さま風に育てることはよくあるので、あるいは娘というのもほんとうかもしれない。
「……はじめまして、小夜香です｣
どこか翳のある笑みを浮かべて遠慮がちに挨拶する。面長の顔に化粧の気配はまったくなく、白い肌のピンクの唇が魅力的だ。伏し目がちの目に無理に呼び出された戸惑いが浮かんでいた。ほんとうに娘さんかどうかはわからないが、やはりこの女性も強引な社長に逆らえないのだろう。
髪をお団子にまとめているので、おちついた主婦のようにもみえるが、白いうなじがすがすがしい。シャワーを浴びてきたのだろうか、白い肌がうっすら紅を浮かべて輝くようだ。
「ワシに似合わずいい娘だろう。タネが違ったのかもな」
「よしてください」
「な、羽木君はいい男だろう。おまえ、惚れるなよ｣
がさつな男だ。困ったように小夜香さんはワインを含んだ。
「踊ろう｣
二人がチークを踊りはじめた。踊るといっても狭いフロアである。ただ抱き合ってゆらゆらしているだけだが、腹の出た田舎オヤジと上品な若い女性の取り合わせが目を引く。父娘と聞いただけに、なにか異様だ。
気がつくと、無骨な手が小夜香さんの尻を撫でまわしていた。ほかの客がチラチラ盗み見ているが、得意顔の社長に気にする様子はない。さすがに小夜香さんは顔を曇らせていたが、拒否するそぶりはなかった。
「さあ、羽木君と踊れ｣
社長は遠慮する僕に、小夜香さんを押しつけた。
均整のとれた体がすっぽり腕におさまる。絹だろうか、薄い布地を通して女のぬくもりが伝わってくる。お団子の髪からかすかにシャンプーの香りがただよった。目を落とすと柔らかそうな胸の谷間がのぞいた。
「お美しいですね。お近くにお住まいですか？｣
酔っていた僕は、少し腰を引き寄せて耳元できいた。伏目がちの長いまつ毛がまばたいて、わずかにうなずいた。
「そろそろ場所を変えるか」
店を出ると、社長は「娘の部屋で飲もう｣と言い出し、ボクはもう遅いからと遠慮した。すると「なんだ、オレの酒が飲めないというのか｣と怒り出すのである。
「パパは怒り出すと怖いの……ちょっとだけ寄ってください｣
小夜香さんが小声でささやく。怒らせて今後の取引がまずくなるのは困るし、不機嫌になって小夜子さんに辛くあたられるのもイヤだと思った。なんとなく彼女に好意をもった僕は、酔いも手伝って部屋に上がりこんでしまった。
そこはマンションの一室の、広いリビングだった。
「さ、ゆっくりしてくれ｣
社長は僕を大きいソファに掛けさせ、小夜香さんに飲み物を用意させた。
「羽木君は大切な取引先の方だ。粗相のないようにな｣
「お嬢さん、どうぞおかまいなく」
僕はボーッと酔ったまま、床に膝をついて飲み物をつくる小夜香さんを盗み見ていた。しとやかで優雅な物腰は、ほんとうに良家のお嬢さま育ちを思わせた。ときおり胸元からのぞく柔らかそうな隆起が悩ましい。
どれくらいたったろうか。下腹にいいようのないうずきを覚えて目を醒ました。酔いつぶれて眠ってしまったらしいのだが、あとで考えるとあるいは睡眠薬を飲まされたのかもしれない。
僕はソファにもたれかかって、大きく脚を広げていた。ズボンはもちろんパンツも脱がされており、股間に小夜香さんが顔をうずめていた。ワンピースを着けたまま、僕の勃起したものを咥えて、お団子の頭を上下させているのだ。
「あっ お嬢さん …す すみません …やめてください ごめんなさい」
跳ねのけて起き上がろうとするが、動きを封じるようにぐっと顔が押しつけられた。怒張が喉の奥まではまり込んで、へたに動くと苦痛を与えかねない。僕はソファに釘づけにされて小夜香さんに見入った。
裾からのぞくすんなりした脚がきれいだ。吸われ、舌でなぶられる。お団子の髪が上下して根元に歯が立てられた。僕はうめいてのけぞった。
目を開くと、社長がヌッと立っていた。小夜香さんのすぐ背後から僕らを見下ろしているのである。
「あっ 社長…… すみませんッ …あ あのぅ……」
言い訳をしようとすると、ニタニタ笑って言った。
「ウハハ、遠慮するな。小夜香も飢えてたみたいだ、慰めてやってくれ｣
バスローブから太った腹が無遠慮にはみだしている。胸毛がヘソのあたりまで黒々と茂って、ヘソの下から股間かけても毛むくじゃらだ。
出っ張った腹がいやらしいが、下腹はぎゅっと引き締まって、そこから太いペニスが反り返っていた。赤紫にテラテラひかっているのが動物的だ。
しゃぶるのをやめた小夜香さんが、下腹を舐め、乳首を噛んでずり上がってくる。肩を噛まれて、耳が熱い息でなぶられた。
「……雄治さん 逆らわないで……この人、怖い……」
「そ そんな……」
言うままにならないと、あとで小夜香さんがひどい目にあうのかもしれない。獣じみたオヤジが小夜香さんをいたぶる情景がふと浮かんで、僕は細い背中を抱きしめた。
ワンピースが女体を覆っているが、くびれた腰とまるい臀部を浮き上がらせて、かえって卑猥だ。張りつめた勃起が、下腹にまとわりついた薄い布にこすられ、もどかしい快感が増幅した。
｢動きにくそうだな。手伝ってやろう｣
背後から熊オヤジがワンピースのファスナーを腰までおろす。羞恥によじれた背が、薄く骨を浮き立たせてあらわれた。ブラジャーがはずされ、裾がめくられて裸の尻がまるだしになった。ショーツは着けていなかったらしい。
「ぁぁ……」
されるがままの小夜香さんが、吐息を漏らしてしがみついてきた。ストラップが肩からはずされ、背中から尻へのカーブがあらわになった。しわくちゃの布切れがウエストの一部に絡みついているだけである。
「またいで、はめろ」
オヤジが命令する。小夜香さんがソファにずり上がり、僕の腰にまたがった。白くふっくらした内ももが生々しい。形のよい乳が目の前で震えた。
「みないで……」
乱れた姿が恥ずかしいのだろう、むしゃぶりついてくると、僕の手をとって股間に導いた。そこはもう、ふたふたと蜜があふれていて、奥のほうまで溶けた粘土みたいにドロドロである。
「……は 恥ずかしい……」
恥ずかしがる理由がわかった。そこに恥毛の感触がないのだ。剃られているのだろう。つるつるの恥丘がそのまま泥沼につづいていた。
僕は社長が見ているのもかまわず、呑み込まれた指をくねらせてこね回した。湿地の卑猥な音がするたびに、小夜香さんは顔をしかめた。
オヤジがお団子の髪をほどいて崩した。サラサラの髪が僕の素肌をなぶった。
「羽木君、濡れぐあいはどうかね」
「え？ ハ ハイ……とても」
「とても？ 誰の どこがだ？」
「あの お嬢さま……小夜香さんの……おま○こ……」
言葉がなぶるたびに、小夜香さんはびくびくっと体を震わせ、ぬめった壷が指を締めつける。
「準備ができたわけだな。はめたいのか？ 小夜香」
「……｣
僕の肩に顔を埋めたまま、小夜香さんは腰をくねらせた。
「若い元気なマラが欲しいんだな。羽木君にお願いしてみろ」
「……雄治さん …お、お願い…」
白い指が怒張を濡れそぼった泉に導き、腰が沈められる。トロトロに溶けた肉襞を押しわけて、熱い壷の奥にすっぽりはまりこんだ。焦らされつづけた怒張がやっと安住できる場所だ。
「んッ……」
下から突き上げると、小夜香さんがうめきを洩らした。肉襞がねっとりと絞めつけてきて、怒張をしごく。出し入れにそって、怒張に絡みいた肉襞がめくれあがってくるのがわかる。
「…あ あッ……雄治さん いいッ」
僕もたまらずに腰を突き上げると、コリコリと子宮に届いた。小夜香さんも「もっと」というように腰を使いはじめる。目の上の、下向きになった乳が美しく、逆光のなかで白い肌が輝いた。僕は桜色の乳首にむしゃぶりついて腰を突き上げた。
「ぁ んーッ……」
突然、小夜香さんが苦悶の声をあげ、壷がぎゅーっと収縮した。ぴったりしがみついてきて、体の動きがとまった。しかし、腰だけはヒクヒクとうごめいている。
なにが起こったのかわからなかった。小夜香さんの突然の悶えもそうだが、壷の中の僕の怒張が、内部からクリグリと弄ばれ、肉襞も子宮もまるで生き物のように蠢いて、エイリアンのように絡みついてくるのだ。
「あッ そんな……よしてください あぁーッ」
これが名器なのかと、はじめは思った。しかし、ちがっていた。
オヤジが小夜香さんの肛門に指を入れているのだ。直腸の奥深くまで挿しこまれた指が、僕の怒張を薄い壁越しに弄んでいるのだ。
「いやッ パパ よしてッ ……そんなこと……｣
パパというのは、お父さんという意味だろうか、愛人がパトロンを呼ぶ愛称だろうか。どちらかわからなかったが、なにか隠微な響きがあった。
オヤジが小夜香さんのお尻の後ろにどっかと腰を下ろした。禿げ頭に汗を浮かべてニタニタ笑っているが、目が好色にぎらついている。その目が僕を見て言った。
「こっちだ。こっちを突くと小夜香はもっと感じるぞ｣
指が怒張の左側をつつくので、僕もつられてそこを突いた。
「い いやッ いいッ んーッ いいーッ……｣
腰をふりたてるのは、自分から求めているからだろうか。悲鳴やうめきはよがり泣きなのだろうか。のけぞったり突っ伏したりする姿に、清楚でしとやかな小夜香さんの名残はなかった。
「ほれほれ、こんどはこっちだ」
直腸の中の指が、いやらしくくねってあちこち指図するので、僕も小夜香さんも息をつくひまがない。髪を振り乱して惑乱する小夜香さんの目は、もううつろだ。
「…んーッ…」
重いうめきを洩らして小夜香さんが僕の上に突っ伏した。同時に指とはちがう異様な感覚がペニスを襲ってきた。指よりは野太い。太くて硬く、熱いものが僕の怒張にグリグリと擦りつけられる。
熊オヤジが、どす黒く張りつめたペニスを小夜香さんの肛門に押し込んだのだ。太い腹が小夜香さんのお尻に無遠慮に乗っかっている。白いたおやかな腰がせつなそうだ。
「うッ…んんんん……」
それはゆっくり、しかし強引に入ってきた。僕のペニスが蜜壷にめいっぱいはまっているのだから、アナルの領域は狭まっているはずた。そこを無理やり押しわけて、強引にペニスが入ってくるのだ。
「ぅッ パパ だめッ……」
小夜香さんが苦痛にうめいて僕の肩を噛んだ。
「どうだ、いいか？ 小夜香｣
熊オヤジの脂ぎったニタニタ顔が、僕の五センチぐらい上で、小夜香さんの耳をしゃぶっている。
「は はい… すごい…… 苦しい…… いい……」
悲鳴やうめきは苦痛や恥辱のためではないらしい。前と後ろに深々と二本挿されてよがっているのだ。
「どっちがいいんだ？ こっちか」
オヤジが腰を大きく前後させて聞く。野太いものが直腸を長いストロークで行き来するのが僕のペニスに伝わってきた。
「…は はい… お尻がいいです……」
小夜香さんが眉根にしわを寄せて答えた。
「羽木君、おま○こはよくないそうだ。なんとかしてやれ」
毛だらけの腕が、僕と小夜香さんの密着した下腹に割り込んできて、クリトリスを嬲りはじめる。その指にペニスも刺激され、僕は夢中で腰を突き上げた。
「あぁぁぁ……」
苦悶の声をあげてのけぞる小夜香さんの乳を、二人の男の手が争うように嬲った。
オヤジが小夜香さんの背にのしかかってきて、僕は二人分の体重にうめいた。てらてら脂ぎった顔が、僕に襲いかかるように迫った。その距離は十センチもない。
「羽木君、小夜香のおま○この味はどうだ？ こうしたほうがいいか？｣
直腸のペニスがスピードを速め、前後左右に角度を変える。その動きはまともにボクのペニスを擦り上げ、熊オヤジに直接犯されているような気分になった。
このままではイかされてしまう。僕は歯を食いしばって腰を突き上げた。
一人の女を二人で犯しているというより、男と男の面子を賭けた戦いだ。もちろん熊オヤジも僕を早くイかせてあざ笑いたいのだろう。
「あぁーッ すごい…… こ こわれちゃう……」
浅く、深く、角度を変え、スピードを変え、狭い壷の奥を突いた。僕が引くと上のペニスが深く侵入する。それを押しのけて突入すると相手が退く。ときには双方が奥の陣地を譲らずにせめぎあい、狭い谷間での戦いがつづいた。
二人の動きに、たおやかな女が耐えられるはずがない。
「だめッ…… いくッ いきますッ…… いぃ……」
半開きの口から涎がたれ、はぁーッ はぁーッと荒い息をついている。
熊オヤジがグイッと髪をつかんで上にねじ向け、激しく腰を突いた。
「どうだ、いいだろ。ケツの穴がよがってるぞ」
「…はい パパ いいです お尻が ああっ もっと……」
負けてはいられない。僕もはげしく子宮を責めた。
「ああーッ お おま○こ おま○こがいいッ」
小夜香さんには似合わない言葉を発したかと思うと、獣のような咆哮をあげて悶えはじめた。
「狂っちゃいますッ あぁーッ わたし 狂っちゃぅ……」
しとやかな小夜香さんからは想像もできない狂乱である。
「溶けちゃう……溶けちゃう ……助けて」
もはや視点も定まらず、腰のあたりを震源に全身がブルブル震えている。わななきから極まりが伝わってきて、僕のがまんも限界だ。歯を食いしばってこらえるが、爆発寸前の僕のものを、上からオヤジが「それ行け」とばかりにグリグリ突いてきた。
「ウウッ、イクっ」
電光のような快感が背骨を走って、僕はドビュッ、ドビュッと子宮めがけて噴射した。
「んんん……」
小夜香さんの体が反り返り、また突っ伏して動かなくなった。失神したのだろう。
「イッたか」
熊オヤジが勝ち誇った笑みを浮かべ、さらに直腸の奥を激しくえぐった。そして僕のペニスにビクッ、ビクッという射精の脈動を伝えてきた。
＊ ＊ ＊
そのまま僕はそのソファで眠ってしまい、朝になって眼を醒ましたのだ。
昨夜のことは社長が仕組んだことにちがいない。気弱なお嬢さんを無理やり従わせ、僕を罠にはめたのだ。しかし、だまされたにしろ誘惑されたにしろ、熊社長のお嬢さんと寝たことは事実だ。弱みを握った社長はあれこれ難題を吹っかけてくるにちがいない。困ったことになった。
まずいことをしてしまったと思う一方、小夜香さんに強く魅かれた。まさかもの静かな小夜香さんが自分であんなことを望むわけがない。凶暴な社長を怖れて、いやいやあんな痴態を演じたにちがいない。
僕は小夜香さんを救い出したいと思った。がさつで野獣のようなオヤジから彼女を解放し、もっとやさしく可愛がってあげるのだ。
つるつるに剃られた恥部が浮かんできて、いまは薄い布地に隠されたそこに手をのばしたい衝動に駆られた。しかし、かろうじて抑えた。
ともかく、なんとかこの場をとりつくろって、辞去しなければならない。
「社長さんは？｣
「お帰りになりました。……私が娘だなんて、ウソです」
「……」
「お仕事のほう、これから長い付き合いになるので、よろしくとのことでした」
よろしくどころではなかった。僕はその後、天国と地獄を行ったり来たりすることになるのだ。
外に出て、メールを見た。
「どこにいるの？ 今朝も電話したのよ｣
麻美からだ。激怒マークが三つ並んでいた。
①話 了
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