８．７０３号室　　　

「プルルル、プルルル．．．」
　麗子のオフィスの電話が鳴った。
　内線のランプが点滅している。
（誰かしら、こんな時間に？）
　夜の10時を過ぎていたため、患者に急変でもあったのかと急いで受話器を取った。
「はい、もしもし．．．」
「先生かい？．．．飯村ですけど。」
　一瞬、受話器を持つ手に力が入る。
「ど、どうかなさいました？」
「ちょっと痛くて眠れないんだ．．．鎮静剤を持ってきてくれ。」
「そういう事は看護婦に頼んで下さい。」
「いや、俺は先生に持ってきて欲しいんだ。わかるだろ？あそこが疼いて眠れないんだよ。」
　”あそこ”と聞いて、先日の事を思い出してしまう。
「困ります！．．．看護婦に届けさせますから。」
「わかったよ。じゃあ、この疼きの原因をナースに洗いざらい話しますよ．．．へへへ」
「わ、わかりましたから．．．直ぐにお持ちします。」
　素直に従うしかなかった。
　麗子は顔を強張らせ受話器を置いた。
（いや、またあの男の．．．）

　数分後、3号室のドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ、待ってましたよ。」
　すでに、帰宅する時間だったため、私服姿の麗子が入ってきた。
「すみませんね、もう帰るとこでしたか．．．」
「ええ．．．じゃあ、これ置いていきますから、一日３錠以上呑まないで下さい。」
　錠剤の入った小瓶をベッドの脇へ置こうとした。
「それにしても、白衣の先生もいいが私服姿もまた色っぽいですね．．．でもちょっと短すぎませんか？」
　麗子の下半身を舐めるように見た。
　もちろん、院内では膝下のスカートを穿いているが今日はたまたま短いものを着けてきてしまった。
　切れ込んだスリットの下に艶かしい柔肌が見えている。
「そんな格好を見ちゃあ、余計寝れませんよ。」
「薬を呑んで早く寝てください！」
　突然、ベッドから上半身を起こすと、麗子の腕を掴んだ。
「だから、眠れないって言ってるだろ！」
　残った手でシーツを剥いだ。
「きゃっ、いやー！」
　麗子は両手で顔を覆い叫んだ。
　飯村は下半身を露出させていたのだ。
　肉棒はすっかり勃起し、麗子に手招きする様にビクついている。　　
「いやー、やめて下さい。私帰りますから！」
「だったらナースコールしちゃいますよ．．．」
　そう言うと、更に腕を強く引っ張り、ベッドにうつ伏せにさせられた。
「これが疼いてしょうがないんですよ．．．先生の治療じゃないと直らないんですよ。」
「いや、やめて！離して下さい。」
　両手を振り払って、ベッドから起き上がろうとした。
「おい、あの写真、病院中にばらまくぞ！」
　耳元に悪魔の囁きが聞こえた。
　起き上がろうとした麗子の体が崩れ落ちた。
（あぁ、もうどうにもならない．．．ううう）
　心の中で悲痛な叫びを上げた。
　飯村が腰を浮かせ、強引に肉棒を顔に近づけた。
「早く頼むよ．．．じゃないと帰れないよ。」
　一物は、あの異臭を放っていた。
「わ、わかったから．．．せめて綺麗に拭いてから舐めさせて。」
「いいだろ、好きにしろ。」
　一旦飯村の手から解放され、ベッドの横の消毒用ティッシュを手に取った。
　麗子はティッシュで一物を優しく包み、念入りに上下に擦っていった。
　ひんやりとした感触が飯村を襲う。　　　　
「お〜冷たくていい気持ちだ。」
　少しづつ媚り付いた肉臭が消えていく。
　麗子は覚悟を決め唇を被せていった。
（じゅる、じゅる、じゅる）
　亀頭が口の中に呑み込まれていく。
　中では舌が鈴口をくすぐるように動いている。
（ちゅぼ、ちゅぼ、ちゅぼ．．．）
　さらに、陰茎を奥へ吸い込んでいく。
「あぁ〜いいよ．．．先生のお口治療はたまらないな〜」
　亀頭は一際膨らんで皮がカリを締め付けていく。
（お願い、早くいって〜もう帰らせて〜）
　麗子はおしゃぶりのピッチを上げた。
（ちゅぼちゅぼちゅぼちゅぼ．．．）
「あっ、だめだ、そんなに吸ったらだめだ。」
　頭をズコズコ動かしながら、麗子の髪が振り乱れる。
「あっあっ．．．で、出るー！」
　鈴口がくわっと開き、精液がブピュブピュ放出された。
（出てる、出てるわ．．．お口の中が熱い〜）
　苦味のある粘液が喉に絡みつくように流れ込んでくる。
　たまらずに吐き出してしまった。
　どろ〜っとした白濁液がシーツを汚した。