| １３ 母親二人 服を脱がされる間、璃緋都はまともな抵抗ができずにいた。その上、あっという間に抱き上げられるとベッドの上に寝かされてしまうのだった。 その一挙手一投足すべてが優しく、璃緋都はまるで恐怖や嫌悪を感じなかった。それどころか、股間にできてしまったモノがなぜかさらに大きくなってしまっている始末だった。 「…ぷっ」 ベッドの上で情けなく脚を広げている璃緋都を見下ろした菜月が、ついに笑いをこらえきれずに吹き出してしまった。 「…く、くくっ…か、可愛い…っ」 自分に夫がいるので、どんなものかを知っている菜月には、璃緋都のモノが余計に小さく見えたのである。 「…ふふっ、硬くなっても小さいは小さいのね…本当、可愛いわ」 ねっとりとした視線を股間に送られた璃緋都は、手で隠すこともできず、顔を背けてしまった。 （たしか、あのときは美月に舐められてやっと勃ったけど、今は…最初からこんなになってる…まぁ、小さいけどさ） このあたりはやっぱり、本人も気にはしている。どうせあるなら大きいほうがいいのかもしれない。 「…さて、勃ってるのを見てしまったからには、発散させてあげなきゃ、かしら…」 ぽつり、と菜月が呟く。 「璃緋都ちゃん、怖がらなくてもいいわ。わたしが、全部やってあげるからね」 そう言った菜月は、自分から服を脱ぎだしてしまった。 間近で見る美月の母親…菜月の裸。確かに（璃緋都も目で見て分かるくらい）若々しいものの、それでも前に見た美月のものとは違って、どこか大人びたところがある。大人なのだから当然なのだが…。 （そうよね、美月と違って、この人は結婚してるんだし、美月という子供もいるんだから、経験してて当然よね……って、そんなこと考えてる場合じゃないッ！） やっと我にかえった璃緋都が身を起こそうとするものの、そのときにはすでに菜月の手が璃緋都に生えてしまったモノを優しく包んでいた。 「んぁっ！」 身を起こしかけた璃緋都は、思わぬ快感に力が抜けて、またそのままベッドに倒れてしまった。 （あ〜、何情けない声出してるのよ…これじゃ美月のときと同じじゃない） 小さいなりに勃っているせいで、どうやら感覚が鋭敏になっているらしい。軽く握られているだけなのに、菜月の手の感触がとても心地よい。 「…ふふ、子供はやっぱり元気じゃなきゃね。大丈夫、怖くないわ。むしろとっても気持ちよくしてあげる。璃緋都ちゃん、気持ちいいところがあったら、遠慮なく言ってね」 菜月もどうやら倒錯しているようだ。そんな彼女を見て、ようやく璃緋都は一つの事柄を思い出した。 （あの本…やっぱり、おばさんも読んだんだ…ッ！それだけじゃなくて、美月にそっくりになったこの人を見て…わたしがあのときを思い出したから、生えてきたんだ…じゃ、じゃあわたしは、美月とこうなることを望んでるってこと…ッ！？美月をコレで犯すことを望んでるってことなのッ！？） 「ふぁっ！」 考えている途中だというのに、璃緋都の背筋をまた快感が駆け抜ける。菜月が、軽く握ったモノを扱いているのだ。 それだけではなく、人差し指を膨れ上がった先端に当てこね回している。 （あ、それは、それはダメ…っ！） 以前澄江に同じようなことをされたとき、璃緋都は思わず漏らしてしまっている。それを思い出した彼女はひたすら慌ててしまった。 「…あれ？」 先端を弄られているのに、もよおしてこなかった。ただ、快感だけが璃緋都を包んでいた。 璃緋都の小さいモノは菜月の指と手に包まれ、快感にその姿を肥大させていく。 「…どう？気持ちいい？」 「え…あ、はい…」 ふにふにとモノを刺激されるのがとても気持ちいい。小用をもよおすような刺激でも、一気に射精したくなる刺激でもなく、ゆっくりと、優しい、あせったり怖がったりする璃緋都を安心させるような愛撫。その優しい気持ちよさに、璃緋都は思わずうなずいていた。 （…そうか、この人は慣れてるから、わたしをどうすればいいか分かってるんだ） 見た目はおとなしめの菜月だが、人妻であることには変わりはない。 「…さて、これだけ硬くなれば入るかしら？ふふっ…あの人以外の体を受け入れるのは初めてね」 『あの人』というのは、菜月の夫のことだろう、と璃緋都は勝手に想像した。そういわれると、自分が余計にひどいことをしている…否、されているような気がしてくる。 「大丈夫よ、璃緋都ちゃん。あなたは、仰向けに寝てるだけでいいわ。ね？」 言われた璃緋都は、『これから何が起こるんだろう』という緊張感で、肩も足もガチガチに突っ張らせていたため、それを見た菜月が吹き出してしまった。 「そんなにガチガチにならなくても大丈夫よ。ガチガチにするのはここだけでいいの。後は力を抜いて」 言いながら、菜月が再び璃緋都の『モノ』を撫でる。それから、ようやくベッドの上で璃緋都の上に馬乗りになるのだった。 （…綺麗…） 白熱灯に照らされ、眼前の菜月の裸体がほの赤く照らされる。その美しさに、璃緋都は思わず溜息をついていた。 足を広げた菜月が、自分の秘所へと璃緋都のモノを導く。先端が細い隙間を押し広げる感触が、璃緋都のほうにも伝わってきた。 璃緋都は菜月に何もしていないというのに、菜月の秘所が濡れているのが感じて取れる。 （暖かい…美月のときと同じだ…） ゆっくりと位置を合わせてから、急に菜月が座り込んでしまった。 「…っ！！」 ぐちゅ、っといやらしい音がした瞬間、璃緋都の体を快感が突き抜けていった。突然のことに璃緋都は声も上げられずに目を強く閉じた。 「はぁん…っ」 もう一つ、菜月の声も部屋に響いていた。小さいなら小さいなりに、璃緋都のモノは菜月の中で硬く勃って膣内を擦っているのだ。 「…あら？ぴくぴくしてるわね。挿れただけでもう出そう？」 図星を見事に突かれた璃緋都は、必死に快感に耐えようと体に力を入れていた。美月のときは挿入だけで射精してしまったのだ。 その経験があったので、璃緋都はなぜか『今回は我慢してみせる』的な、変な意地があったのである。 「…可愛いわ、璃緋都ちゃん。わたしのものにしたいくらい」 自らの体の中に璃緋都のモノを深々と受け入れた状態のまま、菜月が身をかがめて璃緋都の鼻先を指差す。 「動いてあげる。どこまで我慢できるかしら？」 「…っ！」 言葉と同時に、菜月が体を上下させた。璃緋都のほうは快感に声を出せなかった。菜月の膣内は愛液で溢れており、挿入したばかりとは思えないほどスムーズに腰を動かしている。 愛液と膣とモノと空気が擦れあい、ぐちゅぐちゅという嫌らしい水音が嫌でも耳についてしまう。 「…あっ、あっ…あぁっ…だ、だめ…ぇッ！き、気持ち…よすぎる…ッ！」 璃緋都が絶頂にむかって駆け上がるのを見下ろしながら、菜月は嬉しそうに微笑んでいた。 しかし、声が高まってくると菜月は腰を動かすのをやめてしまった。 「あっ…！…はぁーっ、はぁーっ…」 絶頂しかけていた璃緋都の背筋がぴくん、と跳ねた。 （な、なんとか落ち着かなきゃ…このままじゃ、徹底的にイかされる…また射精しちゃう…っ） 「…だめよ、まだイッちゃだめ。璃緋都ちゃんと一緒にわたしもイきたいの」 どこかおっとりしていたはずの菜月の表情が、先ほどとはまるで別人のように妖艶に見える。これもあの本の力なのだろうか？ 璃緋都が落ち着くためにそんなことを考えていると、再び菜月が律動を開始した。 「…ほら、ほら、気持ちいいでしょ…？射精するともっと気持ちいいのよ…」 「…あっ、い、やぁッ！お、おばさん、だめッ…！」 （よく分からないけど、なんでこんなに気持ちいいの！？同じ女同士なのにッ！美月のお母さんなのに…ッ！） 「だ、ダメ、イく、イッちゃうぅ…っ！」 璃緋都が再び絶頂寸前の悲鳴を上げると、菜月はまた動くのをやめてしまう。 しばらくすると、菜月は先ほどよりも腰を激しく動かし、璃緋都が絶頂直前になるとやめる、という責めを繰り返していく。 （…この娘、すごい敏感だわ…まぁ、他の人にはついてないモノがついてるわけだし、そう何度も挿入したことなんてないだろうし 当たり前といえば当たり前なんだけど…でも、なんでわたし、自分の娘の友達に、こんなふうに跨って激しく腰振ってるのかしら。 よく分からないといえば分からないのよね…まぁ、可愛いし、わたしも気持ちいいけど…） 一方、菜月も菜月で一連の流れを不可解に思っていた。体は快感を求めてはいるが、理性はある程度働いているのである。 このあたり、彼女が人妻であり、幾分かセックス慣れしているところがある証なのだろう。 （…っていうか、これって間接的浮気！？…弥太郎、ごめん） 菜月は、心の中で弥太郎に謝っていた。 イきそうになると腰を止めてしまう、という運動を繰り返されたため、眼下の璃緋都はとても切なそうな表情をしていた。 顔を真っ赤に染め、目を硬く閉じ、口は半開きになっていて、端からは涎が垂れている。『はぁー、はぁー』という息遣いがどこか艶かしささえ醸し出しており、菜月をより興奮させる。 「…どう？璃緋都ちゃん、気持ちいい？」 あえてもう一度、菜月は聞いた。璃緋都の顔はもう、『イかせてください』と菜月に言っているようなものであるし、菜月ももう璃緋都が我慢できない状態だ、というのを悟っている。 「…はい。もう、我慢できません…イきたいんです」 「うんうん、じゃあ、『おねえさん』の中に出していいからね。思いっきりイッちゃいなさい」 素直に絶頂を望んだ璃緋都の言葉に、菜月がうなずく。それから、よりいっそう激しく腰を動かし始めた。 「えっ！？あッ、ひゃッ！？」 突然訪れた激しい快感に、璃緋都が声を上げた。ベッドが軋み、璃緋都の指がシーツに食い込む。 「か、可愛いわ、璃緋都ちゃん…」 「あ…ッ！もう、もうッ！で…る…ッ、うあぁ…ッ！」 璃緋都の背筋が跳ねると同時に、菜月の体内にめり込んだモノから大量の白濁が発射されていた。 「あーッ！あーッ！で、出てる…いっぱい出てる…っ」 モノが小さいのに、すさまじい量の射精を受けてしまい、菜月もまた絶頂を迎えていた。膣内が痙攣し、璃緋都をさらに締め付ける。 寝室が二人がかりの声で充満してしまっていたが、二人とも声が外に漏れる心配をしている余裕がなかった。 「ずいぶんいっぱい出たわねぇ…『おねえさん』、璃緋都ちゃんの子供、身ごもっちゃうかも」 「…ごめんなさい。本当にごめんなさい…反省してます…」 しばらく後、二人はベッドの上で抱き合っていた。というよりも、菜月が一方的に璃緋都を抱きしめていた。 最近やたらに同性に抱きしめられる機会が多い璃緋都は、内藤親子を手にかけて（というよりも手に掛けられて）しまった罪悪感でしゅんとしてしまっていた。 「う、うう…どうしてこんな体に…って、あれ？もうないし…」 気がつくと、璃緋都のモノがなくなってしまっていた。一時期は美月についていたりしたが、一体どういう仕組みなのだろうか？ 「…本当、もうなくなってる…」 「…ひゃっ、さ、触っちゃダメです…」 璃緋都の言葉を受けた菜月が、ここぞとばかりに下腹部を弄ってくるので、璃緋都はくすぐったさに思わず声を上げてしまうのだった。 「…何でだかよく分からないんですけど…」 気がつくと、璃緋都は菜月に対してまるで無警戒だった。璃緋都は大人嫌いの傾向もあるため、両親以外の大人（風花は別格）にはあまり声をかけないものである。美月の母親だからか、あるいは一度体を交えたからなのか。 璃緋都にもそれはよく分からなかったのだが。 「…わたし、前にもこんなことがあったことがある気がするんです。前々から、ずっと…」 「…？つまり、今やったみたいに、誰かに上に跨られたことがある、って…」 璃緋都がぽつりと言ったことの意味が、最初菜月には理解できなかった。先ほどの璃緋都を見る限り、どう見ても処女である。 過去に恋人がいた可能性は否定しないが、それを璃緋都自身が『気がする』と表現するのはあまりにも妙だ。 璃緋都くらいの美少女となれば、中学時代に処女を失ってしまっていても別に不思議はない（学校的には禁則事項であろうが）。 「忘れている…というより、誰かに忘れさせられている…自分で忘れたがっている…。わたしは、大切な何かを忘れている…う…っ、くっ…！？」 「璃緋都ちゃん！？」 そこまで話すと、璃緋都は突然頭を抱えて苦しみだしてしまった。 「…あ、頭が…っ！」 「璃緋都ちゃん、無理に思い出そうとしちゃ駄目！」 思わず、菜月は再度璃緋都を抱きしめていた。もはや、菜月にとっての彼女は守るべき対象だった。 （恋人がいたのを忘れている、ということなの？でも何で…？ううん、そんなことはどうでもいい。思い出させちゃいけない。この子はそんなことを背負ってちゃ駄目よ…） 「…大丈夫。何があっても、今は燈子さんの代わりにわたしが守る。だから、安心して休んで」 「…うん」 菜月に頭を撫でられ、苦しそうだった璃緋都が落ち着きを取り戻す。そのころになると、璃緋都の返事はもう『はい』から『うん』に変化していた。 璃緋都が寝入った後、菜月は一つの決意をしていた。 （璃緋都ちゃんが思い出せない、と言った事実…一体何なのか、聞く必要があるかもしれない。差し出がましいことだけど、わたしは璃緋都ちゃんのすべてを受け入れた上で守ってあげたい…） （やれやれ…まさか、女同士の濡れ場を盗み聞きするハメになるとはな…） 菜月の寝室に通じるドアの外で聞き耳を立てていたのは、雪村風花だった。たまたま夜中に目を覚ました彼女は、菜月が璃緋都に声をかけるのを目撃し、気づかれないようにこの部屋の外にいたのである。 菜月が鍵を掛けるのを忘れていたため、風花は寝室外まで入ってくることができた。しかし、そこで聞くことができたのは、意外にも女同士の情事の声であった。 （…はぁ、わたしも昔ほど過激な行動には出られないか。前なら『混ぜろ』とばかりに飛び込んでいたかもしれないが、さすがにそういうわけにもいくまい。…そんなことはどうでもいいが…） どうやら中の二人が落ち着いたようなので、風花は音を立てないように廊下に出る。 （…璃緋都は、確実に思い出そうとしている。『あの時』のことを。自分と神楽都志彦に何があったのかを…。そして、それと同時に…璃緋都を守ろうとする人間も確実に集まっている。もっとも、人によって方向性が異なるが…。…待てよ？わたし自身はまだいいとして、美月、澄江、菜月さん…そして、ここの奥方…その全員が例の本を読んでいる…。これは、何かの偶然だろうか…？） 考え事をしながら自室に戻った風花は、それからすぐに出立の支度を始めた。 |
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| 2009.1.24掲載 |
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