| ２０ 姉妹たちの団結 「んっ…あぁんっ…」 なんともいえない声を上げたのは、聖架のほうだった。 『優しく』とは言ったものの、勝手が分からない彼女は、滑り込むように妹の膣に全てを突き入れてしまったのである。 「ひっ…あ…っ！」 璃緋都によって一度子宮内に射精を受けた挙句散々に舐め解された風花の体は、一気に絶頂まで上りつめていった。 「あっ…かはっ…」 「ふ、風花姉さん…っ！？」 聖架に突き刺された風花の体は、テーブルの上で弓なりにしなった。快感のあまりに声を上げるのも忘れた風花の目は見開かれ、その目は前を見ていない。体のほうは、がくがくと痙攣してしまっていた。 「あっ…風花の…風花の中、こんな感じなんですね…わたしの中も、こんなに暖かいんでしょうか…あぁ…っ」 狭い膣に挟まれたままの聖架も、倒錯した声で喘いでいた。 「た、大変、風花さん、目がどこかにイッちゃってるんですけど！」 「…どうやら、イきすぎてしまったみたいですね…」 いきりたったモノを奥まで侵入させたままの聖架が苦笑した。結合した下腹部では、聖架を受け入れたままの膣が風花の絶頂によって愛液を氾濫させてしまっている。 「…あ、風花、暖かい…っ！」 どうやら潮を噴いていたらしく、膣襞と愛液両方に溶かされた聖架が歓喜の声を上げる。しかし、その声は妹の風花には届いていないようだった。 「…さて、どうしましょうか」 行き場をなくしてしまった聖架が、苦笑しつつ妹と真夜を振り返る。 「…どうしましょう、と聞かれても」 真夜も思わず苦笑を返した。 「それにしても、風花がこんなにイきやすいだなんて、意外です…あとでもうちょっと苛めてみましょうか」 （怖ッ…！） 完全に失神してしまった風花を見下ろしてにっこり笑う聖架に、学生三人が素直に怯えた表情を見せていた。 「…ね、お姉ちゃん、わたしに挿れてくれる？」 「はっ！？」 突然照れたように言い出した弓華に、一同が頓狂な声を上げた。 この中では真夜と共に一番まともだった弓華の発言なので、全員が驚いたのである。これが彼女の本性なのか、それともあの本の効果によって倒錯しているのか、それは分からないが、姉たちの行為を見て興奮したのは事実らしい。 「…それなら、風花を移動させて…」 「あ、そのままでいいよ。ちょっと待ってて」 聖架の言葉を途中でさえぎった弓華は、その場でスカートを脱ぎ始めてしまうのだった。 「…やれやれ、前々から思っていましたが、本当弓華は子供…もとい、甘えん坊なんですね」 「…もう何とでも言いなさいっ」 下半身裸になった弓華は、テーブルの上で仰向けに失神している風花の上になっていた。 「…それに、こんなに濡らして。なんといやらしい妹でしょう」 「人のこと言える？それ」 聖架の言葉に、弓華が悪態をついた。テーブルでは姉妹の体が真向かいに合わさり、下腹部も擦りあっている。 弓華の秘所はもう溢れかえっていて、いつでも挿入していいような状態である。 （これは、女のはずのわたしでも興奮する状況なんですけど…） 平静を装いつつも、目の前で何が起こっているのかをよく理解できていない聖架。 自分の脚の間には『アレ』が生えてしまったうえ、目の前では妹たちが折り重なっている。一人はすでに絶頂で失神していて、上になった末妹は自分の挿入を今か今かと待ち構えている状態だ。 （一体、これってどういう原理なんですか…！？） そして、自分のモノも、合わさった二つの熟れた秘所に挿入したくてたまらないというようにそそり立っている。 上になった弓華は、聖架の挿入を待ちつつ、下で失神している風花の体に触れていた。 愛撫を加えているのではなく、姉の体に触れていたいからである。普段家にいない風花に触れるのは、とても久しぶりに思えるのだ。 （風花姉さん…） ゆっくりと風花の感触を楽しんでいると、やがて下腹部に堅い物が当てられた。そうしておいて、姉は妹の腰を強く支えるように掴む。 「…えいっ！」 「…ふえぇっ！？」 掛け声とともに一番奥まで挿入された弓華は、下腹部から愛液を噴出させつつ喘いだ。まさか一気にくるとは思わなかったのである。 「えっ、ええぇっ！？」 そして、挿入した張本人の聖架も声を上げていた。 （…う、嘘ですよね…こんなに気持ちいいなんて、こんなに締まるなんて…っ！？） すでに愛液で満たされた膣内を貫いたモノは、弓華の襞に包まれ、絶え間なく刺激されていた。 それ自体が生きているかのように収縮を繰り返す膣が、確実に聖架を蝕んでいく。 （…あぁっ、い、イッてしまいます…っ、動かないとイッてしまう…ッ！） 「お、お姉ちゃん、いきなり一番深いところに来るなんてぇっ！？」 弓華のほうも軽く絶頂に入っていたようで、しばらく喘ぎ以外の声も出せずにいたようだ。 やっと言葉を出した弓華に、次の衝撃が襲い掛かった。 聖架が一度体を引いた後、やはり一番奥まで突き上げてきたのである。 ずんっ、と子宮の入り口にまで追突された弓華は、あまりの快感に、先ほどの風花と同じようにのけぞっていた。 「ああうっ！？」 「ゆ、弓華、弓華っ！」 自分から『入れて』と言ったはずの弓華が、四つんばいのまま前に逃げようとするのを、聖架は腰を強く掴んで引き戻し、さらに激しく奥に、奥にと何度も何度も繰り返し突き上げていった。 （き、気持ちいい、弓華のなか、暖かくてぬるぬるしてて…っ！？） 「…お、おねえひゃん、気持ちよすぎて…死んじゃう、死んじゃうよぉっ！」 弓華はもう、下にいる風花に抱きついていた。 「…ゆ、弓華、このままでは出てしまうので、一度抜きます…っ」 さすがに『中はまずい』と思った聖架が、そう言って再び腰を引いた。『にゅるり』とモノが抜け落ちていく感触に、姉妹が二人とも声を上げた。 「…はぁっ、はぁっ…じ、自分の妹に欲情した挙句、イきそうになるなんて…っ」 「…わ、わたしヘンになっちゃったよぉ…っ」 「…なんだか、すごい光景ね。これが大人のセックスなのかしら」 やっと正気に返った美月が、顔を真っ赤にしている璃緋都の横で言った。その両手はさりげなく彼女を抱き締めている。 「…でも、なんだかヘンじゃない？聖架さんにしても風花さんにしても…まさか姉妹で、なんて」 別にとがめだてするでもなく、璃緋都がそう言った。不可抗力のようなものとはいえ、美月も澄江も手にかけてしまった以上、璃緋都にはもはや美月の抱擁を拒むことができなかったのである。 「…まさか、これもあの本の力…あの本、一体なんだっていうの？」 （そういえば、前にも『本』が関わった事件を、わたしは経験している…） ただ一人、唯一傍観に徹していた真夜は、今やっとそれを思い出そうとしていた。 （…わたしが関わった本は、わたしに力と命を与えた…でも、ここにあった本は…何が目的なの？） かつての事件を思い起こした真夜は、目の前の光景から目を放すことができなかったものの、頭の中では『本を調べなければ』と一つの結論に達していた。 （…そういえば、あの本、どこに…） 「…お、おねえちゃん、まだわたしイッてないよ…」 風花の胸に顔を埋めた弓華が、そのままの体勢で姉に言った。理性はすでに崩壊している。今は姉のモノが欲しい。 快感が欲しい。絶頂が欲しい。 「…え、えぇ、今、挿れます…」 再び弓華の腰を掴んだ聖架が、いきり立ったモノが求めるままに膣内に食い込んだ。 「ひあぁっ！」 再度襲ってきた挿入の快感に、聖架が酔いしれたような声を上げた。 「うあぁっ！？」 ところが、一緒になって声を上げたのは、挿入されたはずの弓華ではなく、折り悪く目を覚ました風花だった。 「…えっ！？おねえちゃん、わたしの中、きてないよ？」 「…ゆ、弓華、聖架っ、これはいったいどういう…ひゃああんっ！？」 きょとんとしている弓華の下で、動くこともできない風花が激しく喘ぎ声を上げた。 「…あ、間違えちゃいました…」 『風花の』奥で停止した聖架が、苦笑しつつ言った。どうやら、二人が折り重なっていたため、入れる入り口を間違えたらしい。 「…え、と…こっちですね」 ずるり、とモノを引き抜いた聖架が、今度は少し上、弓華の秘所にそれを当てる。弓華と風花の愛液で塗れたモノが、再び弓華の中へと吸い込まれていく。 「あぁんっ！」 （あ、あぁ…風花の中もですが、弓華の中も気持ちいい…） 今度はゆっくりと腰を前後させながら、聖架は弓華の反応を楽しむ。自身に絡み付いてくる液体と襞の感触も心地よい。 「あっ…あぁっ…あぅん…」 弓華のほうは、今度は下から風花に抱き締められていた。ようやく風花も、普段の落ち着きを取り戻してきたようで、抱き寄せつつもさりげなく右手で妹の乳房を解している。だいぶ酔いの方も覚めてきたようだった。 反面、上にいる弓華の顔は真っ赤である。今の倒錯状態は、酒の効果もあるのだろう。下から抱き締められて動けない上、後ろからは聖架の突き上げが徐々に激しさを増している。 「…弓華、キスしよう」 「ふぇ…？風花姉さんと…キスぅ…」 風花の優しい言葉に、弓華も大人しく顔を寄せてくる。 「ん…ふぅ…んぅ…」 風花は、妹の舌が口の中で自分のそれを絡み合うのを楽しんでいた。自分のほうから弓華を責めてやればやるほど、妹も負けじと（やや意地になって）動きを激しくしてくる。舌の動きが複雑になり、吸い上げも強い。 （やるじゃないか、弓華） 頭を右手で抱き寄せ、逃がさない体勢を取りつつ、左手はやはり乳房を揉み解しつつ、乳首をも刺激してやっている。 風花と弓華は髪型までも同じなので、璃緋都たちには風花と弓華の見分けがつかなくなりそうになっていた。 最初から下にいたのが風花だ、と知らなかったら、もはやどちらがどちらだか分からなくなっていただろう。 （あぁ、わたし…風花姉さんとキスしてる…おっぱい揉まれてる…おねえちゃんに犯されてる…） 姉と熱烈な口付けを交わしながら、弓華は全身に絶え間なく送り込まれる快感に耐えていた。 （風花姉さん、おねえちゃん、大好きだよ…） 「んっ…んんーーーっ！」 「あっ、ゆ、弓華、もう…っ！？」 風花と弓華が互いに強く抱き締めあった直後、聖架が妹の体内で絶頂を迎えた。しかし、彼女は引き抜こうとはせず、一番奥まで深々と貫いていった。 「んんーーーーっ！？」 唇を合わせていて声を上げられない弓華が、風花の上で体を反らせた。 （…あぁ、わたし、おねえちゃんに出されてる…熱いのたくさん出てる…） 膣内に、子宮内に姉から出された液体を受け止めつつ、弓華は絶頂に酔いしれていった…。 「…さて、そろそろこの会もお開きにしましょうか」 そう言ったのは、ちゃっかりと服を着た聖架だった。 「そうですね…もう何がなにやら…あははは…」 かろうじて挿入されずに済んだ真夜が、呆けたように苦笑していた。とはいえ、彼女も『参加は』していたのだ。 傍らでは、失神してしまった弓華に服を着させた風花が、今はテーブルを拭いている。璃緋都はそれを手伝っていた。 （風花さん…あんなに乱れてた…わたしに挿れられて…中にも出しちゃって…でも…） テーブルを拭くのを手伝いながら（自分のものなので、むしろ手伝っているのは風花なのだが）、璃緋都は横目で風花を見ていた。 そ知らぬ顔でテーブルを拭いているが、お互い、先ほどまで抱き合っていた身なのだ。 自分のほうは内心かなりドキドキしていて、心臓が張り裂けそうなのだが、風花はすっかり酔いが覚めているようで、何事もなかったかのようにテーブルを拭いている。 （…なんともない素振りね…。まさかと思うけど、さっき酔っ払っていたのは、全部演技だったのかなぁ…。風花さんならあり得る気がする…） 「…伏せてッ!」 突然にそう叫びつつ、璃緋都に飛び掛ったのは、聖架だった。 「…っ！？」 いきなり床に押し倒された璃緋都は、鼻をしたたかに打ちつけたものの、何がなんだか分からずどうしていいのかも分からなかった。 直後、鈍い音がした。 「大丈夫か、璃緋都、聖架っ！？」 「え？え？一体何が起こったの？」 注意深く窓のほうを見やる風花に、慌てふためく美月と澄江。 「…いたた…一体、今の音…なんですか…えっ！？」 やっと床から起き上がった璃緋都が、風花が見ている方向に釣られて窓を見る。すると…。 「…これって…何か当たった痕…ですよね」 カーテンまで締め切った窓には、明らかに何かが当たったと思われる痕と、少しのヒビが残っていた。 「…銃の痕…と見て間違いないでしょう」 聖架が神妙な顔つきで言った。 「この窓ガラスが、防弾加工されていて助かりました」 「…ぼ、防弾加工…！？」 聖架の言葉に特に驚いたのが、守られた璃緋都本人だった。 「…なんで、わたしの部屋の窓にそんなものが…！？」 「璃緋都、顔を出すな、窓の近くには行くな！」 思わず窓に駆け寄ろうとした璃緋都の肩を、風花が引き止めた。 （…一体、なんで…？父さん、母さん、わたしに一体何を隠しているというの…！？） 風花に抱き締められつつも、璃緋都の頭の中は恐怖に満ちていた。誰かに狙われている恐怖。 両親に隠し事をされている恐怖、そして自分が何かを忘れているという恐怖…。 （…そう、戦いはこれからだ。わたしたちの、そして璃緋都の戦いは、これから始まる…！） その肩を抱き締める風花は、改めて決意を固めていた。 |
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| 2009.7.20掲載 |
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