| ２６ 失踪した三人 「…う、う〜ん…もう朝か…」 翌朝、カーテンの隙間からかすかに漏れる光を受けて目覚めた雪村風花は、まず両手を大きく上げて伸びをした。 「なんだか妙な夢を見た気がするが…」 少し頭痛があった彼女は、右手を頭に当ててみる。熱があるわけではない。 『妙な夢』と言ったものの、その内容は思い出せない。 「…ん？ここは、わたしの部屋…わたしに割り当てられた部屋じゃない…？」 そのとき、風花はようやく、隣に誰かが眠っていることに気づいた。 「…璃緋都。どうしてわたしが璃緋都のベッドで、璃緋都と一緒に寝ているんだ？」 風花本人にもなぜなのか分からなかった。 （確か、昨日は泣きはらして眠ってしまった璃緋都を部屋に連れて行って…そのままわたしまで寝てしまったのか） 軽く頭を振って思い出そうとするが、どうにも思い出せない。あの後…璃緋都をここに連れてきた後どうしたのだろうか。 「…う、うわぁっ！？」 さらに一呼吸置いて、風花はあることに気づいた。 「…な、なんで裸なんだッ！？」 思わず胸を覆う風花。 『まさか』と思った彼女は、璃緋都にかかる毛布を少し捲って、彼女の様子を伺った。 「…っ！？」 璃緋都も、まったくの全裸だった。それだけではない。なぜか汗ばんでいる。気がついてみれば、自分自身も。 璃緋都を起こさないように注意しつつ、今度は毛布を全部捲って、璃緋都の体をあらわにする。 「…な…ッ！？」 あらわになった璃緋都の下腹部を見て、風花は絶句した。 「なんだ、これは…っ」 まだ夢を見ているのか、と風花は思わず目をこすった。しかし、璃緋都に起こった異変は紛れもない事実だった。 璃緋都の秘所から、白濁が溢れていたのである。かなりの量を出されたらしく、シーツにまで滴っていた。 おまけに、その白濁の中に、かすかに赤みが混じっている。出血したように。 まるで、つい先ほどセックスして中に出されたようにしか見えない。 「…ちょっと待て、理由は分からないが、わたしと寝ていた璃緋都がセックスした後みたいなことになっている、ということは…。 わたしが、璃緋都を犯したみたいに見える…。だが、わたしの体は…汗ばんでいるが異変はない」 思わず、風花は自分の裸を確かめる。いつもの自分だ。もちろん股間にモノが生えているということもなかった。 「…ま、まずいな。これは…」 さすがの風花も、これには閉口した。自覚はないが、これでは自分が璃緋都の処女を奪ったようにしか見えないのだ。 美月や澄江が今の状況を見たらなんと言うだろうか。いや、それ以前に璃緋都が何と言うだろうか。 （とりあえずは…） 少し考えた風花は、急いで服を着ると璃緋都の体を拭き始めた。起こさないようにつとめて丁寧に、そして迅速に。 璃緋都のほうは、よほど疲れていたのか服を着せられている間ですら起きだす気配がなかった。 （だが、璃緋都本人には言ったほうがいいな…。下半身に違和感があるだろうから、すぐバレる。 まったく、なぜわたしがこんな苦労をするんだ…どうせなら目が覚めているときに璃緋都を犯したかったものだ） 多少あわててはいるものの、このあたり風花は風花である。 「あ、あははは…」 意外にも、事実を告げられた璃緋都は怒りもしなかったし愚痴一つ言わなかった。 恥ずかしそうに頭を掻いただけだった。 （昨日の彦にいは、やっぱり夢だった…んだけど、夢じゃなかったのかなぁ。 まぁ、わたしにとっては、風花さんなら構わない…って、わたしは何を考えてるんだろ…） もともと、璃緋都は風花に友人や尊敬以上の感情を持っていたこともあるし、風花も自分自身も眠っていた間の出来事である。実際は何が起こっていたのかわからないのだ。 だから、風花を怒る気にもならなかった、というのが事実である。 「…すまない。わたし自身どう謝ったらいいのか分からない…」 「大丈夫です。わたし、怒ったりしないですから。でも、美月や澄江には黙っていたほうがいいかも」 「当然だ」 璃緋都の言葉を聞いた風花が、大げさに頭を横に振ってみせた。 「…あ、もうそろそろ神奈川さんが朝食持ってきてくれると思いますし、美月と澄江も起こしましょうか」 時計を見ると、朝七時近い。いつもならばとっくに朝食を済ませている時間だが、こんな状況では学校どころではないので、シェフの神奈川にはいつもより遅い時間に朝食を持ってくるように言ってあるのである。 二人は隣の璃緋都の部屋に移った。早速璃緋都が内線でその他大勢を呼び出していく。 聖架、菜月はすぐに応答したものの、美月と澄江がなかなか応答しなかった。 「…寝坊しているのかな…」 澄江はともかく、美月のほうには寝坊をするイメージがまったくない。呼び出し音を聞きながら、璃緋都は首をかしげた。 そのうちに聖架と菜月が部屋に到着し、神奈川が朝食を運んできた。 「おはようございます、お嬢様。この屋敷もずいぶんにぎやかになりました。いつもこうならばいいのですが」 「あはは…食べてくれる人があまりいないですしね、うちの家庭…」 父親の誠吾が璃緋都を気遣って、この屋敷をあまり商談に使わないせいもあり、シェフの腕前をもつ神奈川の料理を食べたことがある人間はごく少数なのである。 「そういう意味もありますが、お嬢様が明るい表情なのを見ると、この私の心も晴れるものですから」 神奈川は、素直な気持ちでそう言った。璃緋都のほうは顔を赤くしてしまった。 （…わたし、本当に相当みんなに心配かけてたのね。この人が、わたしの過去を知っているかどうかは分からないけど…） 自分自身、記憶を取り戻してからの自分が前とどこか変わったのを自覚している。それが何故なのか、どう変化したのかはよくわからないのだが。 「…おや、それよりも二人足らないような…」 「あっ、もう朝食届いちゃってる！」 神奈川の言葉が終わらないうちに、部屋に美月が飛び込んできた。 「美月、澄江は？」 その隣に澄江がいないのを確認した璃緋都は、美月にそれを尋ねた。 「…それが、今朝目が覚めたら、いないのよ。隣のベッドで寝ていたはずなのに。 もうすぐ朝ごはんが届くから、と思って澄江を探していたんだけど、トイレにもバスルームにもどこにもいないの」 「…いない、ですって？」 璃緋都も風花も眉をひそめた。いくら澄江でも、夜中にお腹がすいたからといってこの家の台所を漁ったりはしないだろうし、黙っていても神奈川が朝食を運んでくるのだ。 「…勝手に出て行ったりはしないだろうけど…とりあえず、食べてから探してみましょう！」 ここで『食べてから』という台詞が入るのが美月である。 （…一体、あの『夢』はなんだったんだろう） 澄江がいないまま朝食を摂りつつ、璃緋都はそんなことを考えていた。 いや、そもそもあれが『夢』だったと言い切ることができるのだろうか？朝目が覚めたら風花がいた。 そして、自分は（体を丁寧にふき取られていたものの）確かに誰かの精液を子宮の中に受け入れていたし、朝っぱらから体が熱かったのも事実である。 呆気にとられていた風花が犯人だと断定することもできない。 （…夢と現実がごっちゃになってる、というレベルじゃない気がする。夢の出来事が、それと同時に現実でも起こっていた…ような） 自分の夢に出てきたのは、神楽都志彦である。では、風花のほうは、というと『よく覚えていないが妙な夢を見た』と言っていた。 （その夢が、ひょっとしたら…わたしと逆の立場で…風花さんがわたしを犯す夢だとしたら…） 本人が覚えていない、というのでどうしようもないが、十分に考えられることである。だが、なぜあんな夢を見たのだろうか？ 「…璃緋都さん、食事が進まないようですね」 聖架にそういわれて、璃緋都は我に返った。いつの間にか考え込んでいたようで、美月や菜月まで自分を見ている。 気がつけば、自分はサンドイッチを手に取ったまま、口に入れていないことに気づいた。 「無理もありません…が、無理にでも食事だけはきちんと摂っておいてください」 「…はい」 先日のこともあって、璃緋都の元気がないのだ、と聖架は思ったらしい。正直、食欲があまりないのも事実なので璃緋都は素直にうなずいて返した。 「…澄江、来ないわね」 美月が時計を身ながら言った。食事開始から二十分は経過したというのに、澄江の姿がまだ見えないのである。 主だった場所には内線もあるし、この部屋が分からない、ということもないだろう。さすがに美月も心配になってきたようだった。 そんなとき、璃緋都の携帯電話が鳴った。 （澄江かしら？） そう思った璃緋都は、電話を取り出して画面を見る。すると、父・誠吾である。 「…父さん。ちょっと失礼するわね」 美月に声をかけてから、寝室へ移動すると、璃緋都は電話のボタンを押した。 『璃緋都か、朝からすまない』 「ううん、それはいいんだけど、どうしたの？」 朝から電話をかけてくるのはいつものことである。父誠吾は、割と璃緋都には甘いし、心配性なほうである。 そのため、出先から璃緋都の無事を確かめるために電話をかけてくることはよくあったのだ。 （今思えば、それもみんなわたしの過去のせいだったのね） 『…？璃緋都、少し感じが変わってないか？』 「ううん、そんなことないわ」 さすがに父親、璃緋都の心情の微妙な変化が声を効いただけで分かったようだった。 『…そうか、気のせいかな。前より声が明るいような気がしたんだ。…いや、それよりも大変なんだ』 「…何かあったの…！？」 父が声を曇らせるのに、璃緋都は嫌な予感を覚えずにはいられなかった。 『…今日、燈子と話をしようと、病院に電話を入れたんだが、燈子がいなくなっているそうなんだ』 「…えっ！？」 璃緋都は、思わず声を上げた。 「母さんが…いないって…！？」 『ともかく、私はこの周辺を探してみる。璃緋都は、心配しないで家にいなさい。分かったね？』 「う、うん…」 璃緋都の返事の直後、電話は切れてしまった。 （心配しないで、って…心配するに決まってるでしょ） そう思ったものの、父の心境は理解できる。先日燈子が撃たれ、そして今失踪した。 ひょっとしたら『璃緋都までが危険な目にあっているかもしれない』、と安否を確認するために電話をしてきたのだろう。 「やはり、どこを探しても見つかりません。執事さんにも手伝っていただいたんですが…」 璃緋都たちの朝食の間、澄江の捜索に当たってくれていた（！）刑事二人がそう告げた。 「もともと鍵がかかっていた部屋にはいないでしょうし、屋敷の外に出たとしか…」 「…そうですか。ありがとうございました。あの、お腹すいたでしょうから、食堂で朝ごはん食べてください。 神奈川さんには、わたしから連絡しますから」 『刑事さんに探してもらえばいいじゃない』と言った美月を思い切り睨みつけてやりながら、璃緋都は言った。 本来ならば、璃緋都はこの二人に守ってもらっているのである。 「でも、澄江がここから黙っていなくなる理由がない…」 「家にも戻っていなかったし…一体、どこにいるというのかしら」 「…そうですか。うちの刑事二人、何をやってたんだ…」 風花からの連絡を受けた久瀬は、思わず臍をかんでいた。璃緋都本人ではなく、その友人がいなくなるとは思っていなかったのだ。 自分自身がそうなのだから、刑事二人を怒るわけにもいかない。 それに加えて、璃緋都の母燈子も失踪した、と風花に告げられ、久瀬は驚きを隠せなかった。 （徳永議員もまだ見つかっていないし、あの事件の犯人の片割れ、高柳宗馬は殺された。 …失踪した人間が三人。彼らには何かかかわりがあるのだろうか？） 神楽都志彦が殺害された際に、燈子が犯人を知っていた、ということはないだろうし、澄江に関してはそもそも完全な部外者なのだ。 （あるいは、徳永議員が人質に使うために、熊田澄江を誘拐した、と考えられないこともないが…） 「ともあれ、一刻も早く徳永議員を見つけなければ…」 「幸か不幸か、あの議員秘書が殺害された事件のおかげで屋敷の出入りがしやすくなったが、これからどうしたものだろうか…」 刑事二人が食事を終えた後、一同は食堂に集合した。以前まで屋敷の前にいた報道関係の人間は、今はもうほとんど残っていない。件の議員秘書が殺害された事件のほうに回ったためである。 璃緋都のほうは動きやすくなったものの、迂闊に外を出歩けないのもまた事実なのだ。 「…そういえば、徳永錠議員っていったっけ？あの人は事件の犯人なのかしら？」 美月が不意にそう言った。 「久瀬警部の話では義眼ということだから、神楽都志彦殺害の容疑者ではあるな。 璃緋都が秘書の顔を覚えていたくらいだから、ひょっとしたら議員のほうの顔も覚えているかもしれないが…」 「…わたしは直接顔を見ていないと思います。覆面をしていたのか、本当に見なかったのか分からないですけど」 璃緋都は遠慮がちにそう言った。無理もない。高柳という男の顔を覚えていたのだって奇跡に近いのだ。 「…でも、当時も国会議員だったその人の顔は、何度もテレビに映ったりしてるはずよね。 それでも璃緋都ちゃんが思い出さなかったということは、やっぱり顔を見ていないのかも…」 菜月も首をかしげた。 「そして、もう一つの謎は…」 切り出したのは聖架だった。 「…久瀬警部を呼び出した、『神楽都志彦』さんを名乗る人物ですね」 その台詞を聞いたとき、璃緋都はなぜかはっ、とした。 昨日見た、あまりにも生々しい夢を思い出したのである。そして、目覚めた直後、自分の隣には風花がいた。 どうやら、夢と同じことを風花にされていた…と思われる。 （…そう、まるで…まるで彦にいが風花さんに乗り移って、わたしの夢に出たかのように） 璃緋都は、なぜか胸騒ぎを覚えた。 （ひょっとしたら…久瀬警部を呼び出したのは…本当に、彦にいなのかもしれない…！？ でも、そんなことがあるものなの…？） 非現実は、周りにいくらでも起こっている。しかし、死んだ人間が誰かを呼び出すなどあり得るわけがない…はずなのだ。 「…久瀬警部の話によると、あの男…高柳という秘書は、丁度我々がＹＴＣに集まっているときに殺害されたらしい。 何者かに襲われて瀕死の重症を負い、息も絶え絶えの状態で、自分で救急車を呼んだようだ。 不審に思った救急隊員が警察にも通報した、ということらしいが…」 「…それって、久瀬警部がいたことで、わたしたちの現場不在証明…アリバイが成立した、ってことですよね」 言ったのは美月だった。 「…こら美月。いくらなんでもテレビの見すぎだろう。お前や澄江が疑われる理由はどこにも…あっ！」 苦笑した風花が、突然声を上げた。 「…璃緋都には、高柳という秘書を殺害する動機がある…。実際には、つい先日まで顔を覚えていなかったが…」 「まさか、あの秘書を殺害する前に、璃緋都さんのアリバイを久瀬警部に証明させるために呼び出した、と…？」 「いや、さすがにそれは、考えすぎか…。それに、そんな説を立てたら我々以外にも璃緋都の事件を知っている者がいることになってしまうからな」 風花が首を横に振った。 「…わたしの身内と、ここにいる人たちと久瀬警部、そして犯人以外に…あの事件の真相を知っている人がいます」 その璃緋都の言葉に、一同の言葉が止まった。 「…これ以上、誰がいるの？誰が璃緋都の心の傷を知っているの？」 そう聞いたのは美月だった。事件は公にはなっていないものの、ここにいる全員が璃緋都の心の傷を知ってしまったことになる。 当時両親が隠してきた警察の人間にすら、知れてしまっているのだ。 「…いるわ。一人だけ…」 璃緋都の目が美月に向いた。 「…神楽都志彦…彦にい、本人が…！」 「まさか、それはないでしょう」 璃緋都の言葉に、菜月がそう言った。 「あの事件の後、都志彦さんが生きていたとでも…」 「先日わたしが言ったが、彼が亡くなったことは紛れもない事実だ。わたしだけではなく、璃緋都の両親も確認している」 「…わたしは、先日真夜さんが言ったことを思い出したんです。『あの本』に、彦にいの魂が宿っている…」 「…まさか！」 美月が大きな声を上げた。 「そういえば、あの本はどこに？」 『本』の話が出てすぐ、聖架がそう聞いた。あの本は、聖架自身にも不可思議な現象を起こしている。 「…まさか璃緋都、お前は…『神楽都志彦』が宿るあの本が、久瀬警部を呼び出したとでも…」 風花には、璃緋都の言いたいことがすぐ分かった。あの事件を知っている人間は、璃緋都の両親、ここにいる人間に犯人、そして久瀬警部以外には…璃緋都本人と、殺害された神楽都志彦しかいない。 （ひょっとしたら、あの夢は…彦にいがわたしに見せた夢なのかもしれない。 あの本を読んだことがある風花さんが寝ているときに、その体を乗っ取って…でも、そんなことが…？） 風花にしても両親にしても、神楽都志彦の死は確認している。警察だって確認しているだろう。 だから、『神楽都志彦が生きていた』ということはありえない。そのことは、璃緋都自身だって認めている。 「…本を探そう。璃緋都が言っていることが当たっていたとしたら…」 風花の言葉に、一同がうなずいた。 「…やっぱり、どこにもない…」 刑事たちが朝食から戻ってくるまで、璃緋都たちはあれこれ本を探してみたものの、その姿は認められなかった。 昨日は確かに、璃緋都の部屋のテーブルの上にあったし、それまではずっと璃緋都が胸に抱いていた。 しかし、今はその姿がない。 「…思えば、あの本は不可解すぎるわ。わたしが拾った直後だって、いつの間にか移動してたりしたもの！」 美月が声を上げた。 「…それにしても、女の子に男の子のアレが生えちゃう本だなんて、すごいやら卑猥やら…」 『本』と言われてもピンと来なかった菜月も、やっと風花から詳細を聞き、感想を漏らした。 「あの時、璃緋都ちゃんに生えてたのは、そういう理由だったのね」 「…おばさん…っ！」 言われた璃緋都がはっ、として菜月を睨む。しかし、それを聞き逃す美月ではない。 「…ちょっとお母さん、璃緋都に何をしたのッ！？返答次第ではお母さんでも許さないわよッ！？」 「後にしろ」 実の母親に食って掛かる美月を、風花が軽く諫める。 「…もしかして、澄江さんがあの本を持っていったんじゃ…」 風花に取り押さえられた美月が暴れている中、聖架がそう言った。 |
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| 2009.10.24掲載 |
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