２
　
「ああ、奥さん目が覚めましたか。倉橋さんの部屋で休ませてもらったんですよ。で、ご気分は？」
「あ・・そうでしたね・・・まだ頭が重いですけど、おかげさまで少し落ち着きました。・・すみません、毛布まで掛けていただいて・・・」
　麻里子は下半身に痺れるような違和を感じたが、酔いのせいだと思った。
「長く眠っていたのでしょうか？・・・・あの、主人は？」
「ああ、ご主人ねぇ・・・帰ってもらいましたよ。奥さんの介抱は私がしますって言ってね」
「・・・そ、そんな・・・・私、帰ります」
　今おかれている状況と,佐々原のニタニタ笑いに不安を感じた麻里子は起き上がろうとしたが、まだ頭がふらふらして軽いめまいを感じた。
　その時、自分の手が直接肌に触れたのを感じ、思わず毛布の下の胸を手で覆う。咎めるように佐々原の顔を見上げた。佐々原はいやらしく頷いた。
「あなた、何を！・・・・帰して下さい。人を呼びますよ」
　恐怖を感じながらも、強く言った。
「奥さん、それは困りますよ。旦那さんも困っちゃうんじゃないかなぁ？　奥さんを預けていったんですからねぇ」
「そんなっ・・・うそです。帰ります、帰して下さい！」
「静かにして下さい、奥さん。廊下まで聞こえますよ」
「いやあ〜、誰か〜！　助けてぇ〜！」　
「ああ、奥さん、大声はだめだってぇ」
　その時倉橋が、すでに尖っていた麻里子のクリトリスをつまんだ。
「ひっ！」っとうめいて、麻里子の体が仰け反った。
「なっ・・いやっあああ」
　麻里子からは、胸の折りたたまれた毛布が視界を遮り、不意打ちとなった。
　倉橋は秘部への愛撫を再開した。
「やめて・・いやぁ・・・」
　女を知りつくした手馴れた愛撫は、麻里子にとって初めての経験だった。
「・・・んんんんん・・・・うんん」
　必死にこらえるが、鼻から声が漏れてしまう。
「ほうら、いいんでしょう、奥さん？　倉橋さんのテクにかかったら、帰るなんて言えなくなっちゃいますよ」
「え？　くらは・し・・さ・んが？・・・ああっ・・・んんん」
「やだなあ、奥さん、パンティがぐっちょりじゃないですか。いやらしい音させちゃってぇ。聞こえてるでしょ？」
「いやぁ・・・やめて・・あう・・かえり・ます・・・あああん」
「嘘でしょ、こんなになっちゃってるのに、帰れるの？　ほんと？」
「あぅ・・いけな・・い・・・・こん・・なこと・・・ああっ」
　口では必死に抵抗する麻里子だったが、体の反応は大きく違った。
「い・あっああ・・・う・・はああん」
　声がこらえきれずに出てしまった。
　これほど体が反応していても、気丈に抵抗する麻里子に、倉橋はさらに興味をそそられた。
　ぐっしょりと濡れたパンティを引き下ろすと、麻里子の濡れそぼった秘部が露出した。　足元にまわってきた佐々原が、
「ひゃー、大洪水だ。奥さん、ほんといやらしいねぇ。おまけにヒクヒクしちゃってらぁ」
　と言いながら、じっくりと秘部を観賞する。
「いやぁ、見ないで下さい・・・」
　しかし、言葉とは裏腹に、さらに潤って光っている。
　麻里子の足をＭ字に立て、倉橋は秘部に顔を埋め舌を這わせた。
「んああっ・・・ああああっ」
　ざらついた舌の感触に感じ入ってしまう。びちゃびちゃ、ちゅぱちゅぱと音がする。倉橋の舌使いはねっとりと巧みだった。
　こんな念入りなクンニも、麻里子は経験がなかった。
　貞操の思考が薄れていく。それ以上の快感の波が襲ってくるからだ。
「あ〜あ〜、いやらしい音立てちゃって・・すました顔してて、本当は奥さんエッチなんだねぇ」
　佐々原の言葉の辱めも、麻里子の羞恥心を煽り、感度を増幅した。
　倉橋の指が、麻里子の秘穴へ入ってきた。
「あっ・・・ひ・・ああああ」
「おおっ」麻里子が目覚めてから、初めて倉橋が喋った。
「な、なんだ？　いいのか？」
「ああ、締めつけがいいんだよ。これはいいモノかも知れない・・・」興奮して言った。
「へええ、名器ってやつか・・・きれいな顔してあそこは名器か・・すごいな」
「いやっ・・あっ・・ううんんあああ・・」
　倉橋は、しばらく麻里子の中をかき回し、何回かうなるように感嘆の声をあげた。
「後で、入れるのが楽しみだよ」
　そう言うと、クリトリスを強く吸い上げ、指を激しく抜き差しし、麻里子の絶頂を誘った。
「ひぃっ・・・ああ・・・い・・んんああああ」麻里子がのたうつ。
　見ていた佐々原もたまらず、麻里子の乳首にむしゃぶりついた。
「・・い・・いや・・・ああああああんん・・・あっあっ」
　なんとか耐えていた麻里子だったが、
「いやああああああああああぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・」
　耐え切れずに腰を波打たせながら、麻里子は、果てた。

。。。。。。。。。。。

　麻里子の夫、明彦にはコンプレックスがあった。
　ペニスのサイズに引け目を感じているのである。学生時代には運動部のチームメイトに、よくからかわれたものだった。実際、結合で相手を喜ばせた経験はない。
　麻里子とは、お見合い結婚である。
　今時珍しいとても厳格な両親から見て、少々の期待はあったが、新婚初夜で麻里子の処女を知った時は、大いに感激すると共に安堵した。
　以来、麻里子にも結合で深い快感を与える事はできていないが、明彦しか知らない妻に大きな不満はないだろうと思っていた。
　挿入が妻にとって少々辛そうなのは窺えたが、男の欲望を理解しおとなしく受けてくれていた。
　麻里子は明彦にとって、最高の妻だった。
　その妻が今、別の男に抱かれている・・・なんとか考えずにいられるようにと酒を浴びるほど飲んでいるが、なかなか頭から離れない。
　自分しか踏み込んでいない妻の中を、別の男の欲棒が踏みにじる・・・・・条件を呑んだのだから覚悟はしているつもりだったが、いたたまれない。
　麻里子は未知の喜びを知ってしまうのだろうか・・・・・・思案した。
　膣の開発は、人それぞれだと聞いた事がある。もしかしたら、自分のモノのせいではなく、麻里子は極々遅いタイプなのかも知れないと思った。前戯での反応もどちらかと言えば良いほうではない・・・
　そう考え、都合のよいイメージを膨らませた。でないと、気が変になりそうだった。
　倉橋は女好きだと言っていたが、単に犯せば気が済むのかも知れない。きっと今頃は、反応のよくない麻里子に落胆して、ふて寝しているかも知れない・・・
　きっとそうだ、そうに違いない・・・・・・・・いつしか明彦は酔いつぶれて、眠ってしまった。