第１話

　ジリリリリ〜ン。目覚し時計のベルによって深い眠りから起こされた。時計の針は午前７時を指していた。いつもより、３０分程、遅い目覚めだ。１人では広すぎるダブルベッドからおりて、カーテンを開いた。冬の優しい太陽光線が部屋の中に入り込む。いい天気だ。両手を天へ伸ばし、大きな欠伸をしながら全身の筋肉を伸ばした。

　昨日、妻と子供が妻の実家へ帰ったので久しぶりにゆっくりと自分の世界を堪能できる。肉棒はおしっこがたまっているせいであろうか、妻と久しくセックスしていないせいなのか、パジャマのズボンの布を突き破りそうなほど硬くそそり立っている。
　やっぱり、おしこがしたい。トイレに入った。誰もいないのでトイレの扉は開いたままだ。便座の蓋を開いた。硬くなった肉棒を右手で掴み、強引に便器へ向け、一気に放尿した。

　玄関へ行き新聞を取り、リビングルームのソファにドサッと腰掛けた。いつものように一面から読んでいく。今日も外務省の不正記事が一面を飾っていた。国民は国の景気対策の対応の遅れに四苦八苦し、リストラ、倒産、減給などに悩まされているのに、公金をまるで自分の金のように使っている。一体、この国はどうなっているのだろう。相変わらず、暗い話題の方が明るい話題をうわ待っている。

　腹が減った。いつもなら、新聞を読んでいる間に妻が朝食を用意するのだが、今日はそうはいかない。冷蔵庫を開け、何か食べるものがないかと見回した。パンとベーコン、卵をとりだし、それらを調理した。久しぶりに調理したわりには、上手にできた。目玉焼きの黄身は半熟で、ベーコンはカリカリと焼きあがった。

　朝食を済まし空腹感が満たされると肉棒が再びそそり立ってきた。デリヘルでもお願いしたいところだが、財布の紐は妻に握られており、大枚は捻出できない。仕方なく、押入れの奥にある秘密のダンボールの中からアダルトビデオを取り出し再生した。
　ストーリーは無く、２０代前半の若奥様が、小遣い欲しさのためにＡＶに出演し、男優と絡むといったものである。インタビューなど余計なところを早送りし、絡みのところへテープをまわした。
　たっふりと愛撫を受けた若妻が仁王立ちの男優の肉棒へ舌を絡めている。男優を見上げながらジュボジュボとイヤラシイ音をたてながらしゃぶり続ける。
　堪らずにスゥエットパンツと下着を脱ぎ、右手で肉棒を握り締めた。
　しこ…しこ…しこ…しこ…しこ…しこ…しこ…しこ…しこ…しこ…。
（たまんないぜ、この奥さんのフェラチオ。もっと、もっと、激しくしゃぶるんだ！うぅぅぅっ、気持ちいい）
　肉棒の先端部から滲み出た透明な液が手のひらに絡みつき、扱く手のスピードがあがる。
　ピ〜ンポ〜ン。ピ〜ンポ〜ン。
　訪問者を知らせるチャイムの音によって、妄想の世界から現実の世界へと引き戻される。
　右手の動きを止めた。ビデオは再生されているままだ。男優が若妻の頭を支えて、口を蜜壷のかわりにし、肉棒を突き入れている。若妻は男優の激しい腰の動きに眉をひそめている。後、少しで、ハリのある若妻の美顔にたくさんのザーメンがかけられる。抜きどころであった。
　再びチャイムが鳴り響く。チッと舌打ちをし、仕方なく、ビデオテープを停止してから、急いで床に脱ぎ捨てたトランクスとスゥエットを穿いてインターホンの受話器をとった。
「はい？」
「すみません、隣のものですけど……。お休みのところすみませんが、急に電気がつかなくなってしまって…お宅は大丈夫ですか？」
　お隣さん？　確か右隣の奥さんは３５歳くらいの熟女特有の色気のある女性で、左隣の奥さんは新婚ほやほやといった感じで２０代前半のかわいらしい感じの女性である。２人の奥様を想像の世界で何度も抱いたことがある。どっちの奥様だろう。
「うちはなんともありませんよ」
「そうですか。どこに連絡したらよいかわかりますか？」
「ちょっと、待ってください」
　受話器を置き、スゥエットの前部が膨らんでいないことを確認してから玄関へ向かい扉を開けた。
　右隣の奥さんだ。白のVネックのセーターにベージュのストレッチパンツという動きやすい格好をしている。豊かな二つの膨らみへチラッと見てから奥さんの顔へ視線を移した。
「すみません。お休みのところ……」
「いやあぁ、気にしないで下さい。お役に立てるかどうか分かりませんけど……」
「すみません……」
「ちょっと、見せてください。これでも結構詳しいんですよ」
　奥さんは部屋の玄関の扉を開けて俺はそれに続いて中にはいった。
「どうぞ。上がって下さい」
「お邪魔しま〜す」
　奥さんの香水の臭いが鼻につく、いい香りだ。 それにしても、色っぽい奥さんだ。大きなケツだがやわらかそうだ。このケツをおもいきり揉んでみたい！！　視線は奥さんのケツに釘付けとなった。自然に溢れてくる唾液をごっくんと飲み込んだ。
　自慢の肉棒は徐々に大きくなってきた。今、奥さんが振り返ったら柔らかい布の下に隠された勃起にすぐ気がつくだろう。奥さんはそれを見てどう反応するだろうか？　嫌悪感か？　それとも、喜ぶのかな？　うーん、いかん、いかん。妻のことを知っているのだ。もし、こんなことが妻の耳に入ったら家庭崩壊だ。雑念を払った。
　奥さんは電気がつかない事に気付いた場所である台所に案内してくれた 。奥さんが電気のスイッチをパチパチとオン、オフを繰りかえした。
「そんなに、電気つかってなかったのに、どうしちゃったのかしら」
「とりあえず、ブレーカーを見てみましょう」
　マンションなのでブレーカーのある位置は同じだ。 ダイニングチェアを借りて分電盤を調べた。
「ブレーカーは落ちていないみたいですね。もしかしてヒューズが飛んじゃったのかもしれないな」
　ヒューズの蓋を開けた 。思ったとおりにヒューズは中心部から綺麗に断裂されていた。
「あっ、やっぱりそうだ！切れているな…。ほら、見てください」
　椅子から降りると入れ替わり奥さんが椅子の上がって分電盤を覗き込む。僅か、数１０センチのところにある奥さんの官能的なお尻に再び卑猥な感情に支配されそうになる。
「本当だ……切れている……」
　奥さんは真剣な眼差しでそれを見つめている。その時、奥さんがバランスを崩した。
「きゃあっ！」
　甲高い声を出してよろめく奥さんに手を伸ばした。奥さんは崩れるように体重を被せてきた。その勢いでバランスを崩し、尻餅をついた。奥さんのプニュッとした乳房が、支えようと伸ばした手のひらを押してきた。奥さんは、頬をピンク色に染めて直に離れた。なぜか、奥さんは乳房を隠すように両手を交差させた。バツの悪い空気が流れる。
「ご、ごめんなさい……」
　奥さんの方から話し出した。その言葉になんて応えたら良いか、頭に浮かばない。
「ドライバー貸してもらえます」
「え〜と。どこだったかしら？ちょっと、待ってください」
　奥さんがドライバーのセットを取りにいった。
「お待たせして、ごめんなさい」
　奥さんがプラスチックのケースに入ったドライバーセットを持ってきた。その中からマイナスドライバーを一本借りて、使い物にならなくなったヒューズを外した。後は、新しいものを繋げれば電気は復活するはずだ。
「ヒューズの替えあります？」
　断裂したヒューズを見せながら尋ねた。
「ヒューズですか？……多分、ないと思います」
「まいったなあ、それがあればすぐに電気がつくんだけど。確か…家にも買置きがなかったよなぁ」
「それって、どこに売っているんですか？」
「近くにホームセンターがあるでしょ、そこに売っていますよ」
「私、買いに行ってきます」
「それなら、これを持っていくといいですよ」
　奥さんに断裂しているヒューズを手渡した。
「すみません、ご迷惑おかけして。買いに行ってきますのでこちらで座っていてください」
　奥さんに言われたままソファーに座ると、奥さんがインスタントだがコーヒーを出してくれた。
「じゃ、いってきます」
　奥さんはそういうと買物へ出かけていった。
　ここから、ホームセンターまでは歩いて片道１０分、往復２０分、買い物をするのに早くても５分はかかるだろう。約、３０分は戻ってこないだろう。
　コーヒーを一口飲んで、部屋を見回した。同じ部屋でも、こうも違うものかと感じるほど、センスの良い家具やインテリア雑貨によってバランス良くコーディネートされている。窓のほうを見ると清潔な白いレースのカーテンの向こう側で洗濯物が風によって揺れている。官能の欲望がわきあがってくる。もしかしたら、奥さんが普段穿いているパンティがあるかもしれない。この部屋には他に人はいない。見るだけなら誰にもわからない。自分にそう言い聞かせて、レースのカーテンを開いた。

つづく