第１３話

　その後、祥子と二回目の性行為を終え、家に戻り肌に染み込んだ性臭をシャワーで洗い流した。
　バスタオルで水分を拭取り、裸のまま寝室へいき、箪笥の引き出しから、男性自信を強調させる紺のスポーツタイプのブリーフとバッグプリントのはいった白のＴシャツ、ショートパンツを手に持ち書斎にはいった。
　戻ってきてすぐにいれたエアコンの冷えた風が頬にあたり気持ちがいい。火照った体が急速に冷やされていく。
　衣類を身につけ、リクライニングソファに体を沈め、さっきまでのことを思い浮かべた。
　まさか、あんな展開になるとは思わなかった。前日の祥子の様子からして、すぐにでも僕を受け入れるだろうと予測していた。だが、予定外の抵抗が・
　気がつくと約束の時間までわずか１０分前になっていた。急がなければならない。
　外食するわけではないので着飾る必要はないが、短パンにＴシャツといった格好では失礼だろう。
　寝室へいき、クローゼットを開いた。最も、気に入っている独身時代に購入したアルマーニのストライプのワイシャツを素肌に身につけ、麻のスラックスを履いた。
　
　祥子の家のチャイムを鳴らすと、待ち構えていたかのようにすぐにドアを開いてくれた。迎え入れてくれた祥子は昼間とは別人のようだった。フェイスは化粧に彩られ、膝上５センチくらいのベージュのノースリーブのワンピースを身につけている。
　さっきの彼女とは違い、街であったら魅入ってしまいそうな妖艶な大人の女の色気を漂わせていた。
　僕は改めて女性は化粧で化けると納得した。また、ラフな格好でなくてよかったとほっとした。
　ダイニングルームに入ると既に料理はテーブルにおかれていた。肉料理に魚料理、サラダにパスタなどが所狭しとテーブルに広がっている。
「すごいな、こんなに美味そうな料理をご馳走してもらえれるんなんて。なんて幸せなんだ」
「こんなにたくさん作ったのは久しぶりなんです。だって、ほとんど１人暮らしみたいなもんだから、スーパーでできあいのものばかり。今日は嬉しいです」
　大げさな僕の言葉に祥子は照れている。

　僕と祥子は向かい合って椅子に座り、イタリア産のフルボディの赤ワインで乾杯した。
　最初は照れくささもあり、あまり会話が続かなかったが、アルコールがほどよくまわり次第に饒舌になってきた。
「美味しいよ。こんな、美味い料理を食べるのは久しぶりだ。そこらのレストランより全然美味しい」
　見た目だけではなく、味も申し分なかった。
「良かった。北村さんのお口にあって」
　会話がすすんでいくと、独身のときに料理教室に通っていたということがわかった。
「毎晩でもこうしたいけど……」
　突然、祥子は寂しそうな顔で意味深なことを言った。
「僕だって、君と毎晩のように美味いものを食べて、セックスして過ごせたらと思うよ」
「セッ、セックス……お世辞でも、嬉しい」
　祥子は頬をピンクに染め、恥じらいをみせた。
「嘘をいっているように見えるかな。それに見違えるほど綺麗だ。また、君を抱きたくなってこんなになっている」
　僕は立ち上がって、祥子の隣へいった。祥子はワイングラスをテーブルにおき、スラックスの上から不自然に膨らんでいるところに触れてきた。
「ほんとだ。大きくなっている。イヤラシイ」
　昼間の彼女とは違い、アルコールのせいで大胆になった祥子は、積極的だ。僕に向き直り、ベルトを緩めて、スラックスを支えているボタンを外し銀色のジッパーを下ろした。支えを失ったスラックスがスルスルと足首まで落ちた。
　紺のブリーフの前部は、はちきれんばかりに尖っている。また、その先端部は先走りの汁で濡れていた。祥子はブリーフの上から勃起の硬さを確かめてから、一気にそれを膝まで下ろした。
「すごい。ピクピクしてる」
　祥子は右手で竿を支え、鮮やかなビンク色に彩られた唇をそそりたつものに被せてきた。
「うっ」
　舌がねっとりと亀頭を這いまわり気持ちいい。肉棒から唇をはずし、ピンク色の舌をつきだしチロチロと鈴口を刺激したと思ったら、竿を持ち上げ裏筋を舐めあげる。
　うっとりとした淫乱な雌のように僕を見上げながらしゃぶり、吸い、舐めつづける。愛よりは巧みではないが、一生懸命にしゃぶる彼女が愛しい。そんな彼女が頬を窄めて肉棒を口で含んでいる痴態を見つめながら温かい口の中に射精してみたい気もするが、なにしろ、アルコールで感覚が鈍っている。

　ゆっくりと腰を引き祥子の唇から肉棒を外した。唇と亀頭の間に唾液と先走りの汁か混ざり合った透明な液が糸をひいた。
　祥子は大好きなものをとりあげられた子供のような顔をした。
「今度は僕が気持ちよくしてあげるよ」
　彼女の足元に跪いた。膝頭に両手を乗せて白い太股を左右へわるとワンピースの裾が捲りあがり薄紫のショーツが曝された。こんもりと膨れ上がった女の部分は鶉の卵くらいの染みになっている。
「あんっ。恥ずかしい」
　親指の腹で敏感な突起を探りながらにグリグリと捏ね繰り回すと股布の染みがどんどんと広がってきた。
　股布をつまみ横にずらした。遠慮がちに左右に伸びているこげ茶色のビラビラが透明な汁で光沢を帯びている。顔を近づけそこにフウッと息を吹きかけると別の生き物のように蠢き、その狭間から汁が溢れてくる。
「スケベなおま○こだ。もう男のものが欲しくてたまらないといった感じだ」
　祥子を見上げ言ってから、股の間に顔を埋めた。僕にもう一度抱かれることを当然、期待していたのだろう。若妻の果実からは石鹸の甘い香りがする。
　舌を伸ばし、その腹でペロペロと膣口を舐めあげると祥子は自ら腰を前にずらしてきた。祥子の動きに応え、クリトリス、膣口とせわしなく舌を這わす。
「あぁぁん。いい、気持ちいい」
　舌がつりそうになるくらいに激しく舐め続けると祥子は身をのけぞらし昼間よりも甘く大きな声で喘ぎまくる。
「ああん、もうだめっ。早くして！おかしくなっちゃう」
　祥子が僕の頭を掻き毟りながら喚いた。
「なにをして欲しいのかな」
「イジワル……わかってるくせに」
「はっきりと言ってごらん」
「オ……チン……チンをいれて」
　祥子はピンク色に染まった頬を更に色づかせ、搾り出すようにイヤラシイ言葉を発した。
　それに応じ、祥子をテーブルに手をつかせて尻を突き出させた。ワンピースを腰までまくりあげ、パンティの中心部を横にずらして一思いに膣の中にそそりたつものを突っ込んだ。
「あぁぁん。いいっ」
　がっちりと腰を掴みながら、最初から激しく腰を打ちつける。くっきりと見える結合部が欲望を刺激する。抽送を繰り返すたびに透明な蜜と白い汁が肉棒を汚す。
　カタカタという皿が揺れる音もすぐに祥子の激しく喘ぐ声でかき消される。
　祥子の膣肉の締めつけは普段なら酔って感覚が鈍る肉棒をも心地よく刺激する。
　これでもかというほど、激しく前後に腰を振ると
「ああっ、だっ。くっ、いっちゃう」
　祥子は髪を振り乱しながら快楽の頂点に達する歓喜の声をあげた。その声から少し遅れて、白濁液を膣の奥に撃ちはなった。　　
　
　場を寝室に移して二回目の結合を交した後、僕達は余韻に浸っていた。
「ねえ、北村さん。愛さんと私とどっちがいい」
　祥子は柔らかくなった僕のものを愛しそうに握りながら聞いてきた。
「祥子ちゃんは祥子ちゃんのよさがあるし、愛さんには愛さんのよさがある」
「そんな答えじゃつまらない。正直に言ってみて」
　肉棒を握った祥子の手に力が加わった
「いてっ、わかったよ。今までにしてきた誰よりも君のおま○こはいい。最高のお○んこだよ」
「ほんとに？そんなに私のあそこっていいの。そういえば、皆、早かったわ。ところで愛さんのあそこはどんな感じなの」
「彼女のもなかなか良かったよ」
「どんなふうに良かったの？」
「簡単には説明できないよ。２人同時に愛せたらはっきりと違いがわかるかもしれないね」
「えっ、２人同時にって……私と愛さん……イヤラシイ……そんなこと想像してもみなかった」
「男なら誰でもそういうことを想像する」
「そうなの……」
「そう、ましてや２人とも美人だ。そんな夢がかなうなら死んでもいいかもしれない」
「死……、おおげさよ」
　祥子はクスクスと笑った。
「本当だって」
「じゃあ、やってみる？私と愛さんの２人を同時に愛してみる」
「本気で言っているの」
「本気よ。愛さんなら絶対のってくると思う」
　以外だった。愛は性を楽しむ女。雌のフェロモンを撒き散らしているような女だ。前から好き者だと思っていた、まさに、その通りだった。しかし、祥子は違うと思っていた。　その彼女が僕の提案を聞いて、光り輝く宝石を見るように目を輝かせ興味を示している。
「明後日、愛さんと会う約束をしている。その時に話してみるよ」
「だめ。２人だけで会うのはいやよ。私もいく。いって、北村さんと愛さんが抱き合っているとこを見てみたい」
　祥子は子供のように頬を膨らませ唇を尖らせ駄々をこねた。
「わかった。仕方がない。じゃあ、こうしよう。愛さんが家にきたら、すぐに君のところに連絡する」
「いいよ、それで。でも、私が行く前に愛さんとＨしないでね」
「ああ」
「約束よ」
　祥子は僕の小指に自分の小指を絡ませた。

つづく