| 第１３話 解放 幼なじみの人妻の、キュッと締まった美肉の中で、怒張を打ちつけていました。 夢中で、あまりにも激しく動き続けてしまって、情けないことに、息が上がってしまいます。こんな激しく動いてしまったことなど、初めてでした。 息を整えるために、動きをしばし緩めると、しばらくして、春佳さんも、ようやく嬌声以外の言葉を口に出せるようになります。妻の声が、静かになって、モニタを見上げると、さっきのオーガズムの余韻なのか、ぐったりと力が抜けているように見えます。 もちろん、これで終わりとは、ならないようで、オトコの腰は、ゆっくりとではあっても、動き続けています。 「あうぅ、もともと、ね、あう、敦子さん、あなたとセックスレスになった原因って、自分が処女じゃなかったからじゃないかって、あぁ、あう、心配してたんですって」 「え？」 考えもしませんでした。 「そんなこと」 第一、私は、妻が処女ではないことを非難したことなど無かったはずです。 ただ、確かに、初めて妻を抱いた日、処女の印でシーツが汚れていないかと心配した私に、ひどく悲しそうな眼をした妻がいました。処女ではないにしろ、そう思えるほど、硬い態度は、処女ではないことが私にわかってしまうことの、妻なりの緊張であったことがわかった時には、後の祭りだったのです。 初めてに緊張しているのだと気をまわして、一生懸命にいたわる言葉は、逆に、妻に、経験済みだと告げるタイミングを失わせてしまったのでしょう。 それも、処女には、しつこいセックスより、なるべく早く済ませてあげた方が良いという「優しさ」は、開発され尽くしていたはずの妻の身体から快感を引き出せず、それも、また、妻が処女であるとの誤解を生み出したのです。 おそらく、結果的に、私を騙したかのように思い込んだ妻は、できうる限り、前のオトコの気配を消そうと努めたのに違いありません。まして、たっちゃんにさんざんに仕込まれた、マゾの素質を見せる、被虐のセックスに悦ぶ姿は知られてはならないと、必要以上に、私に見られることを拒否していたのに違いないのです。 恥ずかしがり屋の妻、とは、実は、恥ずかしさ故の淫乱さを知られてはならない妻の、本当の姿だったのです。 そうとは気づかぬ私は、妻が元々セックスに淡泊だったと思いこんでいたのですから、妻にとっては、セックスの度に私を騙していたように思ったのかもしれません。 あの日、妻の実家で、妻の絵を見た時の、あの交わりこそが、本来の妻とのセックスだったのでしょう。本当は、見られながら感じてしまう妻の本当の姿に、あの時、気がついてやれれば良かったのかもしれません。 「本当の、妻は」 ぼそりと、言葉に出してしまった私の眼を見つめる春佳さんの瞳は、快感に潤みながらも、真摯な光を湛えていました。 つかの間の視線を交わすと、ふっと、春佳さんが、すてきな笑顔を浮かべてから、やさしく、頬を撫でてきます。 コクリと頷いてから、腰の動きで、お留守になっていた私の動きを促しました。 「ふふ、夫婦だからって何でもわかるってわけじゃないのよね。でも、ほら、このところ、夫婦生活が復活してたでしょ？だから、ああん、だからぁ、あうう、ためらってたの。奥さん、あう、あん、げんきぃ」 そんなことまで喋っていたのか。 嬉しそうに微笑む顔には、あの清楚なイメージのままですが、のけぞり気味に、嬌声を噴きこぼす姿には、これ以上ないほどの淫らな色気が同居していました。 もちろん、ビッショリと濡れそぼりながら、きつく締め付けてくる美肉が、そこだけが別世界のようにうねっています。 「あん、今日も、あう、ギリギリまで悩んでらしたのよ。あ、あ、いいわぁ、あうう。でもぉ、あん、ほら、敦子さんも、オンナだったのよね」 「どういうこと」 「気がついたみたい。本当の気持ち。きっと、こうやって、今まで知らないことを知っちゃうって、もう、元に戻れないってこと」 「俺とのセックスだけじゃダメってことか」 「違うの。夫とのセックスは大事よ。それが一番。でも、それだけじゃないってことを知っちゃったってこと。あうう、あん、もう、こっちはすごい、あう。で、ね、多分、奥さん、ごめんなさい、付き合ってる頃、うちの人とよ。いろいろと、あん！」 春佳さんの美肉が、私の精液を搾り取ろうとするかのようにヒクヒクと蠢いて、かろうじてその動きに耐えました。 「あう、あのころ、彼に、いろいろと、あぅう、だって、私だって、いろいろとされたんだもの、きっと、敦子さんにだって」 「そんなに、ヘンなことをしたのか」 「私には、そんなにしてないって彼は言ってたけど、それなら、昔付き合ったヒトには、相当なことをしたはずよ、あん、もう！想像してるのね、おっきい。すごいわ」 一度、しっかりと目を閉じて、フルフルと身震いしているのは、あるいは、また、オーガズムに達してしまったのかもしれません。 妻がたっちゃんとの恋人時代に、どれほどのことをしたのかわかりません。しかし、頭の中では、いつの間にか、アルバムの中の妻がこれ以上ないほどの淫らな姿で、たっちゃんと交わっていました。 なまめかしい春佳さんの指が、私の胸を這います。愛おしげな、それでいて、淫らな指の動きでした。 「でも、絶対、敦子さんと、それに、うちの人にはナイショだけど、あぁ、伸吾さんにも参加して欲しかった。あぁ、あふぅ、あぅ、知ってた？昔の私の気持ち」 「昔の？」 やや上目遣いの春佳さんの表情には、少女のようなイタズラな笑みと淫婦の笑みとが溶け合っているように見えます。 「バイトの私に優しくしてくれて。せっかく、ほんわりとなってたのよ。なのに、初めてプライベートで呼んでくれたのに。とっても、うれしかったのよ。それなのに、よりによって、友達を紹介しよう、だもの」 あの日、確かに、たっちゃんと初めて引き合わせた時に、春佳さんがひどく気まずい反応をしていたのを思い出していました。 「だから、彼と付き合ったのも、ホントは、あなたに、後悔させたくて。覚えてる？初めてのバレンタインの時」 「え？あ、ああ、あの時」 その当時、たっちゃんは、個展の準備に忙しくて、なぜか、私が「代わりに」と春佳さんに指名されてチョコを渡されたのです。 確かあの時、たっちゃんに渡す分を頼まれた後、なぜか、全く同じような包みを差し出したのです。こっちはあなたの分、と恥ずかしそうに笑った春佳さんの顔が、目の前の春佳さんと重なります。 手渡された時に、初めて触れた春佳さんの指の冷たさと、寒いのに、マフラーに埋まるようにした頬が火照ったように真っ赤だったのを覚えていました。 「ホントは、あのチョコ……」 急に口を閉ざして、ぎゅっと、背中に伸ばした腕に力が込められました。 「あぁ、でも、今は、あうぅ、今は、彼が好きよ。誰よりも好き。でも、あの時、スキだった、誰かさん、なんて… もう、あう、知らないから、ああ、あん！あうぅ、あう」 春佳さんの腰が大きくうねるように動き始めます。深々と私を納めながらクリトリスを私にこすりつけているようです。 ひとしきり、快感に腰を打ち振ってから、ハッと自分の淫らな行為に恥じらったかのような照れた表情を見せました。 挑発的な目で、私を見つめてから、怒張を包み込んでいる美肉が、クイクイっと、意図的な動きで締め付けてきます。私の下で器用に腰をうねらせると、美肉が思いもよらない締め付けで、怒張を締め付け、こすりたてるのです。 思ってもみないような刺激に、思わずうめいてしまいます。 「あん、ほら、こんな風に、どう？私の身体。あの時、気づかなかったのを後悔させて、ア、ゲ、ル」 グッと私の身体を引き寄せるように抱きついてきます。 舌を探るようにするキスの要求に応えて、舌を絡めます。 「あん、なんて、思ったけど、あん、こんなに良いなんて、あ、あん、私が後悔しそうよ、あん、あ、あ、あぁ、また、イ、イクっ！」 春佳さんは、短く叫びながら、最初のオーガズムを迎えたのです。 ふう〜と息が抜けてから、春佳さんが下からギュッと抱きしめてきます。 「お願い、後悔してるって言って」 抱きしめたまま、私に言うというよりも、独り言のような囁きでした。 「後悔してる」 しみこむような青春の残滓を、一瞬だけ反芻してから、鸚鵡返しにしたセリフに、春佳さんの動きが止まります。抱きしめた手を緩めると、潤んだ瞳で、すねた表情を見せました。 春佳さんの、すねたような、それでいて、甘えと、淫蕩さが浮き出た表情は、ドキリとさせる小悪魔の表情でもありました。 「…もう、ウソが下手なんだから。オンナを騙すのは美徳の場合もあるのよ」 「っ痛！」 背中に軽く爪を立て、でも、いいの、と耳に囁くのです。 「ほら、奥さんも」 エッと驚きます。さっきまでは、また、派手に声が聞こえていたのに、急に雑音混じりに小さな声になったので、確かめもせずに安心していたのです。 違いました。 いつの間にか、妻はバックの姿勢で後ろから突かれ、前には見知らぬ男。 『どこかで、見たことが、うん、あ、あの時の……』 そう、あの時店に来たあの男でした。いつか、店先で妻を弄んだあの男。 『今度は入れさせるんだろ』 囁く、あの男の声が耳元で聞こえた気がします。今、妻は、獣の姿勢で犯されながら、あの男のモノを口に入れていたのです。 しかし、確か、最初の男が自由にしてから次の人が、と春佳さんは言っていたはずです。 今さら、順番などどうでも良いことでしょうが、気になっていまいます。 「ねえ、あれ、いいの？ 最初の人、まだなんでしょ」 別にルール違反がどうと言うことより、あんな体勢で、妻にくわえさせていることが腹立たしかったのかもしれません。 「あ、あれは、あの人は特別。あん、もう、あう、また、あん、あのね、詳しいことは奥さんから聞いてごらんなさい。ためらってる奥さんに決意させるために、いろいろと働いてくれた人だから。でも、そろそろかな？」 言葉通り、膝立ちのまま、ヒクンとなり、妻の頭に両手を添えできる限り深く突き入れようとしています。 「あのまま、出すつもりなのか？」 尋ねると言うより、まさかという気持ちの方が強くなっていました。 「フフ、早いのよねあの人。あぁん、あ、あぁ、あれ？ そうなの、あんな風にされちゃうと、飲む方に頭が行かないから、あん、大変なのよ」 「飲むなんて」 なぜか、たまらない気分になって、思わず腰を打ち振っていました。春佳さんが、ひとしきり、悲鳴のような嬌声を上げます。 「あん、もう、ヤキモチ焼き！あん。だって、あう、お口に出したのを吐き出されたら、あう、男の人は面白くないでしょ？」 「だからって。ウチのは飲むのが苦手なんだ」 妻の口の中で出したことがほとんどないないなんて、言えませんでした。 「大丈夫、あんな風になっちゃうと、オンナって、飲めちゃうものなのよ」 納得はできませんでしたが、事実は、春佳さんの言ったとおりでした。 春佳さんの言葉が終わるかどうかというタイミングで、男はヒクヒクと尻を振るわせたのです。妻の頭を抱えたまま、腰を突き出しています。 妻の口に、ドクドクと射精していました。頭を抱えられたままの妻が、口を外すことなどできないのではと、心配する私を尻目に、射精している瞬間も、怒張を咥えたまま、妻の顔は、動き続けていました。 放出し続ける怒張から、たっぷりと精液を搾り取るかのような動きでした。ズルズルと、妻の口から、抜き出された怒張は、妻の唾液と、自身の放出したもので、濡れそぼっているのが見えます。 目を閉じたままの、妻の唇が、ヌラヌラと光っています。 しかし、喉の奥深くまで注ぎ込まれたはずの、他人の精液を妻は吐き出しはしませんでした。いえ、うっとりした表情のまま、妻の喉は、何かを飲み下していたのです。 それは、見も知らぬはずの他人の精液を、こともなげに、おいしそうに飲み下した瞬間だったのです。 飲み下しながら、妻の背中が、大きく仰け反っていました。 「まさか……」 考えもできないことですが、妻の、大きく仰け反った背中と、震える尻は、男のモノを飲み下しながら、激しい絶頂を物語っています。 「ほら、今度はこっちに専念だ、奥さん、ほれほれ」 妻の震えが納まるのを見極めてから、初老の男が、いったん抜き出して、パンパンと妻の尻を叩きます。 まるで、動物を調教しているかのようでした。 しかし、妻は怒るどころか、いそいそと男の意のままに仰向けになり、自分から、男を迎え入れる姿勢を取るのです。両膝を立てたまま、内側から膝を抱えて、自らの手で両足を思い切って広げる、娼婦すら取らないような、あけすけな姿勢でした。 妻の、その広げた足を、グッと、男が抱えます。 腰を進める男の背中を掻き抱くようにするのも妻でした。 なんだか、妻を取られた気がしました。 ひどく寂しい瞬間です。 「はう！あ、あ、あ、あん、だめ、またあ、あう、これ、いいのぉ、もっとぉ」 「奥さん、けっこうすっごくなるかも、ふふ、あんっ、もう、すっごく硬くなってる」 私は、何者かに負けまいとするかのごとく、春佳さんの柔らかい肉体に己を打ち込み続けました。 春佳さんが嬌声を上げ続けますが、それを上回る、妻の狂態が気になります。 「フフ、今度は私がしてあげる。ゆっくり見てて、奥さんが、どうなるか」 つながったまま、上下を入れ替え、私にまたがっると、そのまま腰をゆっくりと動かし始めます。春佳さんの手が、私の胸に当てられていました。 「あん、あん、あう、いっちゃう、あなたあ、いっちゃうの、いっちゃう、ごめんなさい、あん、もうダメ、どうなってもいい、ああ！」 再びのオーガズムです。もう何度目なのか、思い出すこともできません。しかし、妻がぐったりしても、今度は男が動きを止めません。 シワの入った、たるんだ男の尻が、妻にのしかかりながら動き続けています。 ほんのわずか、まどろむように、ぐったりと目を閉じた妻は、一瞬のうちに、また、耳をふさぎたくなるような妖しい声を出し始めます。 妻の耳に男が何か囁きました。耳をかじりながらなのでしょう。肩をすくめるようにした仕草は、強く感じていることを思わせます。 それでも、何度か首を横に振りましたが、男がゆっくりと動き始めると、もはや抵抗もできなくなったかのように恥ずかしい言葉が次々と飛び出してきます。 「あ、あ、あ、もうだめ、これ抜かれたらおかしくなっちゃう。あん、もう、なんでもするから、ください。おねがい、私の中に出してください、あん、おねがい、なんでもしますから」 聞いたことのないような、せっぱつまった、それでいて男に媚びる声でした。 これが、春佳さんの言う「自分じゃなくなった」状態なんでしょうか。 「そうよぉ、今、奥さん、あのときの私みたいなってる。言わされてるでしょ？」 心の中を見抜いたように、春佳が答えました。 「言わされてる？」 「ほら、ああやって耳に囁かれるの、奥さん、言わないと抜いちゃうぞって。もう、ああなっちゃうとダメ、絶対に逆らえないの」 「そんな…」 また、妻の耳に何かを囁いています。 「お願い、いつでもして、お願い、いいの、どこでも、あぁ、オ○ン○ぉ、言われたとおりにオ○ン○広げるからぁ、お願い、来て、出してぇ、ああうぅ」 男は余裕の表情で、妻を見下ろしながら、ゆっくりと動き続けています。 「奥さんが逝くなら出してあげるよ」 勝ち誇った顔は、女を完全に手に入れたと確信しているのでしょう。 「良いの、もう、出して、出してくれたら逝くから、いつでも逝ける、あう、お願い、飲ませてぇ」 「え？飲ませてって」 私は耳を疑いました。一瞬、ナカに出されるよりは、口に出された方が、と妻が考えたのかとも思いましたが、妻の陶酔した表情は、そう思わせてくれません。 「どっちが良いの？奥さん」 「どっちも、どっちも欲しいの。お願い、メチャメチャにして、あん、さっき、飲んだら逝っちゃったの、あん、これ、飲んだら、また、逝っちゃうぅ」 「そうか、これ、飲みたいのか？」 「あぁ、中にも欲しいし、あん、もう、逝っちゃうから、お好きな方に、お願いメチャメチャに、あうう、してください、ああ！」 中に出して欲しいというのは、まあ、何となく分かるとして、今入っている怒張を抜いて、飲ませて欲しいと言うのは、何とも妻の心境がわかりかねました。オンナが果たして、どうすればそんな状態になるのか見当も付きません。 「よし、奥さん、今度やるときは飲ませてやるからな」 「はい。ああぁあ！」 「今日はこれを飲め。ほら口を開けろ」 妻は、言われるままに、惚けたような表情で口を開けたのです。 「口を開けてみて」 突然、春佳さんが、身を乗り出して、私のすぐ上に顔を出したのです。 とっさに、口を開けながら、妻から視線が外せません。 妻の口に、オトコの唾液が糸を引いて垂れ落ちていきます。 瞬間、春佳さんの口から、つうーっと糸を引きながら、温かいものが注がれました。 「あぁ、おいしい、ああん」 「おいしい？」 春佳さんの声と、妻の声が重なります。 「あ、あぁ、逝っちゃう、また、あん、あうぅぅ」 妻は、見知らぬ初老の男の唾液を口に注がれたのに、いえ注がれたからこそ、淫らな頂点に達してしまったのです。 その淫声は、聞いたこともない、切ないものでした。オーガズムに達しながら、それではまだ足りないと叫んでいるような声だったのです。 私も、春佳さんの甘い唾液をゴクリと飲み下しながら、妻の声に刺激されて、危うく引き金を引いてしまうところでした。 しかし、ここで出してしまったら、この男に完全に負けてしまうという思いが、引き金を引くのを、かろうじて踏みとどまらせました。 春佳さんのバストを、思いっきり捻るように揉みながら、危うく耐えます。 男は、完全に勝ち誇る表情でした。 「奥さん、いいな、中に出すぞ」 「はい、あぁ、うれしい、いっぱい、いっぱいください」 「さっき教えただろう。儀式だよ。ちゃんとおねだりしないと」 一瞬、妻がイヤイヤをしたようにも見えました。それとも、快感に耐えるために頭を振ったのでしょうか。 「奥さん、あなたが見てるの知ってるのよ。さっき彼が、伝えたはずよ」 ドキリとしました。頭の奥がジーンと痺れたようになってしまいます。 『妻は、私に見られていることを承知で、他のオトコを受け入れていた…』 いいえ「受け入れる」どころではありません。私にも見せたことのない様な痴態を、繰り広げているのです。 私が一瞬、怒気を発揮したと感じたのでしょうか。 「いいのよ。女は、愛する人に見られてると、よけい感じちゃうものなの」 「春佳さんも？」 それだけ言うのもやっとでした。春佳さんの腰が大きくグラインドします。 「そ。夫には見せられないことも、他の人に代わると、けっこう平気だったりするし」 春佳さんの言葉に、納得するもしないも、妻のつかの間の沈黙、いいえ、ためらい、そのものは、少しも待っていてはくれなかったのです。 「あ、あ、敦子は、いやらしい女です。皆さんに好きなように犯されて、嬉しいんです。ああ、あなた」 一瞬、妻は、はっきりとこちらを見つめていました。 まるで、カメラを通して、私を見ているかのように。 しかし、男が促すように、腰を動かせば、淫らな声を上げながらたちまち悩乱し、視線は宙に飛んでしまいます。 「あ、あぁ！あなた、ごめんなさい。敦子、こんなに淫乱なの。でも、逝かせて。お願い！メチャメチャに犯されたいの」 そこまでを一気に言うと、もはやためらいはありませんでした。私には、どこまでがセリフで、どこからが妻の本当の言葉なのか、わかりません。 あるいは、すべてが妻の気持ちなのかもしれません。見たことのない淫らな表情は、貞淑な人妻を全て投げ捨てた、一匹のメスの顔そのものです。 果てのない快感を、したたかに全身で受け止めているメスが、そこにいました。 「あぁ、おねがい、ください。あなたの精子をいっぱい出して。いやらしい敦子に、出してください！あぁ！」 男の動きが追い上げるように早くなっていました。 だめを押すように、大きく突き入れています。 妻のスラリとした足が、男の腰に絡みつくように、巻き付けられます。 私だけを抱きしめるはずの、細い両腕は、肉の緩んだ男の背中を、さもいとおしそうに抱きしめるのです。 「ほれ、受け取れ」 大きく、深く突き入れたまま、腰にグッと力が入り、尻がヒクヒクと動きます。 今、この瞬間、私だけのモノのはずだった妻の胎内に、見知らぬ男の精液が注ぎ込まれていました。 「あ、来た、来たのぉ、分かる、熱い、あぁ、もうだめぇ、いくぅ！っっく！」 最後は声を出しながら、妻は男を乗せたまま大きく背中にアーチを作ります。 足をまわしたまま、腰がクイクイと迎え入れる動きをするのは、無意識に、男のエキスを搾り取ろうというメスの本能でしょう。 ちょうどその時、妻に影響されたのでしょうか、春佳さんの動きが激しくなってきました。まもなく、また、オーガズムに達するのでしょう。 私が、それに合わせるように突き上げると、甘い声が出ます。 幸せそうに、全身の力が抜けて、妻の足がゆっくりと解け、だらりと広がります。 男がゆっくりと抜き出しました。広げきった足の間から、男の松ぼっくりが抜け出る瞬間が見えます。 ハア〜という感じで、妻の傍らに足を投げ出すように座る、男の得意げな表情。 妻の様子は気になりましたが、とにかく、これでやっと終わったという気持ちで、春佳さんを追い上げにかかろうとした、その時でした。 信じられないものを見ました。 瞬間、妻は、ぱっちりと目を開けると、いそいそと起き上がって、男の股間に顔を寄せるではないですか。 『何を？敦子』 力をなくした松ぼっくりを、なんのためらいも見せず、おいしそうに頬張り、白い膜のように張り付いた、自分自身の秘蜜を舐め取っているではありませんか。 唇でしごくように、最後のエキスまで搾り取る仕草は、まるで、性奴隷が主人に尽くす姿でした。 妻は、舐め取ることに恍惚とした表情を見せているのです。 舐めることで、新たなオーガズムを感じでもしたかのように、背筋をのけぞらして震えさえしています。 それは、さっき妻自身が言ったとおり、男のエキスを飲み込んで、またオーガズムを迎えたようにも見えました。 『負けた』 そんな気がしました。しかし、一方で、今度、夫婦でするときも、そうさせてやろうという気にもなったのです。 遠い先のことは分かりません。 けれども、確かに、妻は受け入れてしまったのです。 そして、私自身も。 もう引き返すことはできません。 「あ、あ、また、逝っちゃうから、今度は、あなたも」 またがったままの腰を打ち振りながら、春佳さんが、またヒクヒクと美肉を蠢かし、オトコの射精を促します。 「あん、あ、あう、あとで、奥さんに、して、あん、アゲルのよ、きっと、あなたを、待ってるから、あぁ」 そう言いながら、もはや、春佳さんは、一気に登りつめようとしています。 「あぁ、いいわ、きっと、奥さん、この後、いっぱいされちゃうから。だから、私にも、ちょうだい。ね、ああ、ちょうだい！あ、あ、いい！」」 春佳さんが私の上でのけぞっていきます。 両方の乳首をしっかりと弄りながら、私自身も解放します。 腰から頭に閃光がひらめく射精です。 初めてオンナを知った日のように、ドクドクといつまでも春佳さんの濡れそぼった美肉に出し続けていました。 ゆったりと、夜の帷のように墜ちてくる倦怠感の中で、妻の笑顔が浮かんできます。 しかし、その顔はいつの間にか、ついさっきの、あの、淫らに叫ぶ顔へと変わってしまいます。 先ほど、狂乱の中で、オトコの射精のしわぶきを受け入れながら逝った、あの瞬間の顔でした。 いつまでも続く放出を終えても、いっこうに、私のものは、抜け出るほど柔らかくなりません。目の前の春佳さんは、仰け反った後、がっくりと、崩れるように私に重なっていました。 激しい動きにうっすらと浮かべた汗を、背中に回した指でたどっていました。 「うん？」 ふと、 気がつくと、画面では、少しだけ腰のあたりの肉がだぶついた中年のオトコが、妻に乗っていました。これが「順番」と言うことなのでしょう。 この後は、待ちかねたオトコ達が次々と妻の美肉を味わうことになるのです。 射精するだけのはずの、この男も、とても、そうとは思えない技巧を使った腰遣いです。 接した女から屈服のオーガズムを搾り取ろうとするのは男の本能のようなものでしょう。この男もまた、妻を逝かせようと懸命でした。 「あつこ」 思わず、妻の名前を口にしていました。 ぐったりしていた春佳さんが、ヒクリと動きます。 妻が反応していました。さんざんに快感を絞り尽くされた後、次の男を拒否するどころか、次々に送り込まれる新たな快感を、何一つ残さず吸収しようとしているかのごとく、両腕で男の背中をかき抱いています。 「あ、あ、あう、あううぅ、あう」 妻の啼くような声は、途切れることなく、スピーカーから流れ続けていました。 このオトコが果てれば、さらに、次のオトコが待っているはずです。 いつ果てるともないオトコ達の怒張を、そして、オトコのエキスを、結婚以来、私だけのものであった、その白い裸身の奥に受け入れるのです。 妻は、オンナの神経をすべて委ねて、オスに捧げていました。全てを差し出した女体は、感じすぎるほどに感じています。 私の上で幸せそうに目を閉じる春佳さんのやわらかな身体を、思わず、抱きしめていました。他人の妻の柔らかな身体を抱きしめながら、いっそう妻への愛しさが募ります。 そっと、春佳さんが唇を合わせてきます。 重なったまま、春佳さんの足を抱えると、ごろりと、上になります。 画面の中で、男を受け入れている妻と、全く同じ姿を取らせながら、私もまた、春佳さんの美肉に、深々と突き立てていました。 妻の頭に、男の頭が重なります。嫌がるそぶりもせずに、男と舌を絡める妻は、全てを委ねきっているのです。 私もまた他人の妻の舌をむさぼるように絡め取ります。 「ふぐっ。あう、ああう、あうう！」 こらえきれぬほどの快感からでしょうか。思わず、絡めた舌をふりほどいて、甘やかなというより、切ない、あえぎ声を噴こぼします。 スピーカーからは、妻の淫声が大きく響いていていました。 思わず目を向けると、妻は身体を反り返らせて、もう、幾度目なのか分からぬオーガズムに、また達しようとしていました。 その姿を横目に、もはや、さっきまでの姿どころか、張り裂けそうになった怒張を、春佳さんの中に激しく突き立ててしまいます。 オーガズムを告げる、妻と春佳さんの声が重なります。 「俺の番まで、妻は」 オンナの噴きこぼす悦楽の啼き声を聞きながら、いつ、自分の順番が回ってくるか、そればかりが気になりなっていました。いえ、激しい快感に絶頂を幾度も極める妻の体力が、果たしてどこまで持つのか。 いらだたしいまでの、切なさと愛しさが、私の動きを激しくさせていました。 ジュボ、ジュボと湿った音を立てながら、出し入れする怒張に絡みつく秘液は、白く、ドロドロとして、怒張に膜でも張ったように絡みついています。 春佳さんもまた、深く感じていたのです。一度は、達したはずの春佳さんが、激しい私の動きで、絶頂から下りることもできないまま、再び可愛い声で啼き始めています。 驚くほどに、私の怒張は元気です。 妻が再び達する声を聞きながら、果てぬ快楽の先にあるものが見えた気がしました。 いつの間にか、妻が逝かされる瞬間と春佳さんの逝くの瞬間を、心の中で競っている自分がいます。 「あ、あうう、ああ、いく、イク、イキます！ああ、イク！」 オーガズムを告げる声が、響きます。 妻の声なのか、春佳さんなのか。 どちらの絶頂であるのか、もはや、わからなくなっていました。あういは、もう、何度目ともわからない、私自身の終焉なのかもしれません。 ヒクヒクと痙攣して締め付ける美肉の中で、腰から下を溶かしてしまうような快感の中で引き金を引いていました。 「あなたぁ！あうぅ！い、あうう、またぁ、あう、い、いくぅ！」 断末魔の妻の声が響いていました。 頭の中を白く焼き尽くす炎に焦がされながら、私も射精していました。 「敦子ぉ」 いつまでも、終わりのない引き金を引いていたのです。 妻の過去にあったささやかな秘密は、夫婦のアルバムに新しいページを付け加えたのかもしれません。 fin |
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| 2008.3.15掲載 |
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