| ７．慎二 慎二が一恵の店で飲み過ぎて、閉店まで眠りこけてしまったのが、二人が知り会ったきっかけだった。 慎二は一恵の長男と同じぐらいの歳だったが、育ちが良く落ち着いていて、魅力的な男の子に見えた。 慎二の方も、一恵の思わせぶりな仕草と熟れた肉体に惹かれ、その濃厚なセックスを一度味わってからは、彼女を忘れられなくなっていた。 人目につく事を恐れた二人は、慎二の下宿を避け、少し離れた場所で会っては、不倫を繰り返した。 だが最近になって、セックスばかりの一恵に飽きた慎二が、彼女と距離をおくようになる。 さらに慎二が麻紀と深くつきあうようになってからは、ほとんど一恵とは会わなくなっていた。 それでも、彼を麻紀と引き合わせてくれた一恵に、心の中で感謝していた慎二は、時々、客として彼女の店を訪れては、酒を飲んでいた。 この日も彼は、（「久しぶりに、開店前に顔を出してみよう。」）そう考えて、店の準備中の時間に一恵の店を訪ねてみることにした。 「こんにちは。」 「あ！・・慎ちゃん・・」 「久しぶり。」 慎二が一恵の店を訪れると、彼女はなぜか、いつになく慌てた様子だった。 「どうかしたの？」 「うんん・・べつに、なんでもないの。」 「なんか様子が変だけど・・」 「そ、そんなことないわよ。」 やはり変だった。いつもと違って、慎二と視線を合わせようとしない。 不審に思った慎二が、さり気なく店の中を見廻すと、二階への上がり口のところに、高そうな女物の靴が置いてある。 「お客さん？」 「えっ・・ええ・・実はそうなの。」 困ったような表情を見せる一恵に、なにか胸騒ぎのようなものを感じた慎二は、 「誰？・・もしかして麻紀さん？」と、一恵に確認する。 「うんん、違うの。あなたの知らない人。」 「そう・・」 （「変だな・・なにか隠してるみたいだ。」） よく見ると女物の靴の脇に、スニーカーやサンダルなど、男物の靴も何足か脱ぎ捨ててある。 乱雑に脱ぎ捨てられているそれらの靴は、どれも若い男のものだった。 （「もしかして・・」） 嫌な予感が不安に変わり始めていた慎二は、それを確認せずには、いられなくなった。 席を立ち、階段へと歩き出す。 「あ・・駄目、本当に駄目なの。止めて、お願い。」 必死に取り縋る一恵を払い除けて、二階に上がると、薄い扉の前で立ち止まり、中の様子に聞き耳をたてる。 「あ・・あぁ〜・・」「おおぉ・・」 案の定、中からは、女の啜り泣くような喘ぎ声と、男の低い雄叫びが聞こえてくる。 慎二は、音を立てないように注意しながら、引き戸を数センチ開けると、暗い部屋の中を覗き込んだ。 「！・・」 慎二は驚きのあまり、眼を大きく見開いたまま、動けなくなってしまった。 丁度、若い男が、麻紀の胸の上に射精するところだった。 男は彼女の胸の上で腰を落とし、凄い勢いで自分自身を扱いている。 「あっうぅ〜・・」 男の絶頂の声と同時に、ペニスの先端から勢いよく白い精液が噴出すと、麻紀は舌を長く出して、その飛沫を口で受け止めた。 朦朧とした顔で最初の迸りを浴びた麻紀は、さらに、精液を噴上げ続けるペニスの裏側に顔を寄せ、猫のようにベロベロと、その先端を舐め回し始める。 （「なんてことだ・・」） やはり麻紀はこの場所で、他の男とセックスを愉しんでいたのだ。 だが、それで終わりでは無かった。 まだ麻紀のからだが揺れ続けている・・ 続いて、麻紀の両脚を抱え、一心不乱に腰を振り続けていたもう一人の男が立ち上がり、彼女の顔の上に、爆発寸前の跳ね上がるペニスを差し出した。 「おっ、おっ・・はっうぅ〜〜」 麻紀が、恍惚とした表情でそのペニスの先端を咥え、激しく頭を前後に振り始めると、彼女の唇の端から、大量の精液が滴り落ちた。 その間に、さらにもう一人の男が麻紀の両脚を左右に押し開いて、彼女の上に覆い被さる。 麻紀は左手の掌を上に向けて、その男のペニスを、下から素早く何度か扱き立てると、そのままそれを、自分の膣中に導き入れた。 よく見ると、彼女の右手には、もう一本のそそり勃つペニスが握られていて、射精の順番を待っている。 男は全部で４人。みんな若い男だった。 放心状態の慎二が、男たちの精液を次々に浴び続ける、麻紀の白く汚れた顔を呆然と見つめていると、なぜか男たちの中の一人に意識が止った。 何処かで見たことのある顔だ。 なんと・・その男は、孝だった。 すると他の男は・・ 麻紀の両脚の間で、夢中で腰を振っているのは悟。彼女の右手に、紫色のペニスを握らせているのは彰。射精後の亀頭を柔らかい唇で扱かれて、白目を剥いて悶絶しているのは忠だった。 あの日、孝たち４人は、林の中でホテルにむかう麻紀を襲おうとして、そのあまりの美しさに躊躇した。 そして、真面目に誘う気になって、話をしているうちに、麻紀の方が、彼らが慎二の友人であることに気がついたのだ。 世間一般では、おそらくこんな事は起きないだろう。 中年女性は若い男性の集団を恐がるし、若い男性は中年女性に魅力を感じない。 だが、この５人の場合は違った。 麻紀は既に若い男の味を知っていたし、孝たち４人は、慎二から中年女性の魅力について聞かされていた。 それからは、慎二の時の礼に、麻紀が４人を一恵に紹介して、６人で一緒に会うようになった。 彼女たち二人は、よく彼らを、人目につきにくい一恵の店に引き入れては、満足するまで何時間も愉しんだ。 場所を提供して、かわりに、おこぼれを頂戴する。持ちつ持たれつの関係だった。 「うんっ！・・ん゛っん〜〜っ」「アッ、アッ、あ゛ぁ〜〜」 悟が波打つ麻紀の腹にたっぷりと射精をすると、同時に絶頂をむかえた彰も、彼女の首に大量の白濁液を噴き溢した。 射精の快感に恍惚となった二人は、夢中で腰を前に突き出し、麻紀の顔前に、精液の滴る２本のペニスを差し出す。 そのペニスを両手で握り締め、二本の先端を一緒に口に入れる麻紀。 口一杯に太いペニス二本を咥え込んだ麻紀は、そのまま、悟と彰が動けなくなるまで、それをしゃぶり続けた。 二人の精液を飲み尽くした麻紀は、名残惜しそうに、長い舌で自分の濡れた唇を舐め回した後、今度はゆっくりと、うつ伏せの姿勢になった。 「もう一度、お願い・・」 肩ごしに４人のことを眺め見た麻紀は、まだ飽き足りないのか、甘えるような声でそう囁きながら、美しい尻を高く突き上げる。 よく見るとその股間からは、蜜のような濃厚な愛液が白い太股に滴り落ちている。 「あぁ、凄い・・興奮する。」「堪らないよ。また硬くなってきた・・」「ハァ、ハァ、なんていやらしいんだ・・もう、心臓が破裂しそう・・」 猫に木天蓼を与えたように、もう孝たち４人は、麻紀の肉体に狂ってしまっていた。 吸い寄せられるように、麻紀に近づき、一心不乱に彼女の柔肌に舌を這わせ始める。 （「あ！・・」） この時、麻紀が、扉の隙間から室内を覗く慎二の顔に気が付いた。 慎二は一瞬、ハッとして飛び上がりそうになったが、麻紀の方はまるで時間が止まったかのように、潤んだ瞳でぼんやりと慎二の顔を眺めながら、うっすらとした笑いを彼に投げかけてくる。 孝たち他の４人は、麻紀のからだに夢中になっていて、誰も慎二の存在に気づかない。 麻紀は体中を愛撫されながら、そのまま暫く、朱に染まった至福の顔を慎二に向けていたが、そのうちに、誰かの勃起したペニスを首筋に押し付けられると、ゆっくりと瞳を閉じ、また陶酔の世界に戻っていった。 やがて、麻紀の美尻の隙間に顔を埋めていた孝が、自らのペニスを扱き勃てながら、彼女の背後で膝立ちになる。 そして、「おおぉ・・」と雄叫びを上げながら、揺れ続ける彼女の腰に抱きついた。 「ハッ！・・あっん〜〜」 その瞬間、麻紀は首を仰け反らせ、背中を大きく撓らせると、深く息を吸い込んだ。 「あ゛ーーーッ・・・あぁ、素敵・・もっと深く・・もっと頂戴・・」 再び若い男根を、その体内に誘い入れた麻紀は、豊かな尻を大きく弾ませながら、うっとりと悦楽の表情を浮かべている。 歓ぶ麻紀の姿を見た残りの３人は、とても我慢が出来なくなって、一斉に彼女の頭を取り囲み、顎を上に向けさせると、その天国のような口を交互に使い始めた。 呆然とこの様子を眺めていた慎二は、辛そうに麻紀の顔から目を逸らすと、後退りをするように階段を降り始める。 彼の頭の中では、孝たち４人が、どうやって出なくなるまで激しく興奮させられたのか、その様子が再現されていた。 たぶん、一恵が麻紀の深い胸の谷間に顔を埋めながら、スカートの中に差し込んだ手で、あの誘き寄せるような歓びの声を、彼らに聞かせたのだろう。 それから、みんなの見ている前で、誰か一人の身体を、二人がかりで絶頂まで舞い上がらせる。 その後は、激しく興奮して肩で息をする４人の若者の身体を、交代で次々に愉しむ。いや・・或いは、二人で４人を同時に使ったのかもしれない。 いずれにせよ、経験の浅い彼らは、一恵たちの思うがままに、その股間を何度も奮い勃たせたに違いない。 ふらふらと階段を降りてきた慎二は、一恵にはなにも告げずに、そのまま店の外へ出た。 （「俺も、あんなだったのか・・」） 仲間たちはまるで、美しい妖怪に取り憑かれて、精気を吸い尽くされているように見えた。 （「・・都合よく利用されてるだけじゃないか。」）いつかの孝の言葉が、頭をかすめる。 慎二はもう、聖母のような麻紀のあの笑顔を、思い出せなくなっていた。 |
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| 2009.3.14掲載 |
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