１

　美夏は少し後悔していた。かねてから行ってみたいとは思っていたが、いざ入り口の前に立つと入るのが躊躇われる。

「ほら、美夏なにやってるの。やだ、まだ躊躇ってるの？大丈夫よ。とって食われりゃしないんだから。」
　と親友の寿子が誘う。
「服だっておかしくないし、年なんて関係ないわよ。第一、あなたその辺のギャルなんかよりよっぽど美人よ。」
　と付け加える。

　確かに。確かに美夏は美人である。というより愛らしい顔立ちをしている。黒○友香や中○珠緒に似ていると言われたこともある。学生時代に水泳をやっておりプロポーションも抜群だ。白いノースリーブ越しにうかがえるＦカップの胸のボリュームは隠しようがない。
　一方の寿子も１０人が１０人振り返る顔を持っている。パッチリとした大きな瞳と鼻筋の通った顔立ちだ。美夏は立○宣子に似ていると思っている。器械体操をやっていたという体は今でも引き締まっている。キャミソールから見える胸の谷間は美夏に見劣りするがＣカップである。
　寿子は美夏のかつての職場の先輩である。同僚だったころは二人とも結婚していたが、寿子は８ヶ月前に離婚していた。夫が浮気をしていたというが、詳しいことは聞けない。　寿子は転職したが今でも付き合いはある。
　自由な生活を手に入れた寿子は最近再びクラブに通っているという。学生時代に１度もいったことのない美夏は機会があれば行ってみたいと寿子に言っていたのだ。そして大手損保の営業副所長である夫が１週間の福岡出張の日に寿子がフリーパスを２枚もらったと言ってきた。

「ほら、入るわよ。」
　寿子は半ば強引に美夏を引っ張りドアをあける。とたんに耳を聾するテクノミュージック。地下１階への階段には日本人、白人、黒人の男女が無造作に屯している。女達は値踏みするような目つきで見てくる。男達は無遠慮なまでの視線を胸や顔に集める。
（恥ずかしい・・・・）
　美夏はやはり来なければ良かったと後悔した。寿子は気にせずつかつかと階段を下りていく。ホールに着いた。

「何か飲む？」
　寿子が美夏の耳に口をつけテクノにかき消されないように言う。
「え？あー、じゃあ寿子と同じの。」
　美夏も同じように言い返す。
「ちょっと待ってて。」
　と寿子は言い残しカウンターのほうに行ってしまった。一人取り残された美夏は所在なさそうに壁を背に辺りを見回す。
（それにしても若い子は元気よねー。）
　などといささかおばさんくさいことを考える。美夏自身まだ２９歳なのだが。
（あの子なんてお尻半分見えてるじゃない。あっ、あそこで踊ったままキスしてる。わー。）
　などと観察していると、
「オネーサン、１人？」
　といきなり声をかけられた。

　振り返るとやたらとサイズの大きなTシャツを着た男が立っている。
「１人ならさ、一緒に出ない？飲みに行かない？」
　顔は若い。大学生か。だが髭面でピアスも大きすぎる。
「え？えーと・・・。」
　完全に美夏の好みではない。しかし断ったら逆上するのではないかと心配になる。

「ごめんねー。一人じゃないんだ。しかもダーリン付き。ね、美夏。」
　とそこへ戻ってきた寿子が助け舟を出す。
「あ、そーなんだ。残念。じゃあそのダーリンと別れたら俺と付き合ってね。じゃね。」　男は意外なほどあっさり離れていく。
「だめよ、美夏。はっきり言わないと。不細工なやつに強引に連れて行かれちゃうわよ。」
　はい、といってカクテルを手渡してくれる。ワンドリンクは無料だ。
「ま、とりあえず最初は様子をみる？あそこに座ろう。」
　ホールの端にあるテーブルとソファを指して寿子が言った。

「おい、あの二人どう？端で座ってるの。よくない？」
　寿子と美夏の対角線上にいる男達が２人についてなにやら相談をしている。
「ん・・・・？あー、いいねー。白のノースリーかなり巨乳じゃない？」
「そうそう顔もいい。けっこうタイプ。」
「キャミソールでマルボロ吹かしてるほうも美人じゃん。俺あっちのほうがいいよ。」
「おし、きまったな。行くベ・・・。」
　琢磨と大介が動き始めた。
　二人とも月に２，３回このクラブに来る。音楽目的もあるし、美人がいれば声もかける。成功の確率は６割ほどだ。ホテルまで行けるときもあれば食事やカラオケだけで帰られるときもある。２人とも彼女はいる。

「ね。落ち着いてみれば何てことないでしょ。年齢層も広いし。それに今日はいないけど子供つれてくるカップルもいるんだから。」
　カラン、とグラスの中で氷がとける。美夏の緊張をほぐすために濃くしてもらったジンバックだ。
「そうね。しかも見回した中で私たちが１番かもね・・・？」
　美夏は冗談を言う余裕もでてくる。フフ、と笑い寿子はマルボロに火をつける。笑うと高慢な印象を与えがちな顔に意外なほどの優しさがあらわれる。
「じゃあ男は？カッコいいコいた？」
「うーん、まだ見てない。でもどうしよう。さっきみたいに誘われたら。かっこよかったら付いていっちゃおうかな。」
「あーら、本当？早速旦那に報告しちゃお。」
「冗談よ。でも、まあ飲みに行くくらいなら・・・。」
「・・・・・・ほら、美夏。そんなこといってるから・・・。」
　寿子が目で促した先に男が二人立っていた。

　一人はショーツにＴシャツ、エアー・ジョーダンを履いていた。ニットキャップをかぶっている。もう一人は洗いざらしたジーンズにプーマのスニーカーを履いていた。タンクトップの上に半そでのシャツを着ている。ボーズに近い黒の短髪だ。二人とも１８０センチくらいだ。
「今晩は。隣、座っていい？」
　ニットキャップが尋ねる。目で承諾する寿子。二人は美夏と寿子を挟むように座ってきた。
「さっきから見てたんだけど２人だけだよね？学生？」
　ニットキャップが隣の寿子に尋ねる。
「違うわよ。ＯＬ、ＯＬ。二人とも。」
　寿子が笑いながら答える。
「え？もしかしてじゃあ二人とも年上かな？俺ら２３なんだけど。」
　短髪が美夏に訊く。さりげなく胸の谷間を覗き込む。
「やだ、全然上よ。」
　フロアの音にかき消されないよう必然的に耳に息を吹き込まれるようになるため、顔が赤らむ。
「えー、そうなんだ。あー、待って、言わないで。当てるから。」
　ニットキャップが言う。明らかに年上だとは判っていたが。
「２５、だな。で、隣のオネーサンが早生まれで２６だな。」
「だな。いい線いってるっしょ？」
　短髪が美夏に尋ねる。
「残念。違います。・・・・フフ、でも嬉しい。」
　明らかに二人をのせるためのお世辞だとしても嬉しかった。
「二人は？学生？」
　今度は逆に寿子が尋ねる。
「そう。院生。」
　短髪が答える。近くの国立大学の名前をあげる。ニットキャップの名前が琢磨で、短髪が大介という。それから３０分ほど冗談交じりの会話をする。

「ねえ、ここ出て飲みに行かない？すっごい近いとこで、知ってる店あるんだけど。」
　寿子がトイレに立ったとき琢磨と大介が美香に切り出した。
「うーん・・・。」
　実は二人がいつ言ってくるかは気になっていた。そして美夏はもう少し二人としゃべっていたいと思っていた。自分のことを明らかに「女」として見ている男と話すのは本当に久しぶりだ。
「うん、私はいいけど寿子に訊かなきゃ。」
　つい言ってしまう。
「よし、じゃあ俺寿子さんに訊いてくるわ・・・・。」
　琢磨がトイレに向かう。美香と大介の二人だけになった。
　美夏は改めて大介を見る。長身で整った顔立ち。さっき声をかけてきた男とは違い爽やかな印象がある。大学時代の彼氏に似ていなくもなかった。
（もし飲んだ後も誘われたらどうしよう。いやいや・・・・さすがにそれは・・寿子はどうするんだろう。でも相手がこの子だったら・・・。）

「え？じゃあ寿子さんてバツ１だったんすか。」
　美香が人妻であることに加え寿子が半年ほど前に離婚していたことまで知らされ琢磨と大介は正直に驚く。
　二軒目の店は悪くはなかった。二人はよく利用しているらしくカーテンで仕切られた個室に通された。自然と大介と美夏、琢磨と寿子というカップルになっていた。４人ともかなり飲む。
「そうよ。ひいた？」
　寿子が笑う。合い向かいの美香がびっくりするほどの妖艶な微笑だった。
「いやいや、むしろプラスだよな。」
　と琢磨がいう。実際琢磨はかなり寿子をきにいっている。琢磨が完全に寿子を落としにいっているのが大介にはわかる。
「ちょっとトイレ。」
「あー、じゃあ俺も。」
　美夏と一緒に大介が立つ。

「・・・・・ふー、なんか酔ったみたい。」
　美夏が頬に手を当ててつぶやく。
　そお？といいながらも女のグラスにだけアルコールを多く入れるようバーテンに頼んだのは大介達だ。
「なんかあの二人、上手くいっちゃいそうだよね。」
　とトイレの出口で待っていた大介が言う。
「ね。戻ったらキスしてたりして。」
　などといいながら美夏と大介も自然と手をつないでいる。
　カーテンをはぐると誰もいなかった。ナプキンにメモがしてある。
「寿子が気分が悪くなったから俺の家に戻る。美夏さん寿子を迎えにきて。」
（・・・・・もうタメ口かよ。）
　大介が美夏に見えないようにニッと笑う。

　タクシーでワンメーターの距離にある琢磨の家に着く。鍵は開いていた。

「あっ、あっ、あっ・・・・」という声が聞こえる。二人は顔を見合わせ２ＤＫの一部屋に上がりそっとドアをあけて中を覗く。案の定二人は服も脱がずバックスタイルのまま交わっていた。寿子はキャミソールと赤いブラジャーをたくし上げられている。スカートも腰の上にあり、ブラジャーとお揃いのＴバックは穿いたままその脇からはめられている。（えー、寿子なにやってるの・・・でもすっごい気持ちよさそうな顔・・・。）
　寿子は夏の犬のように舌を出しハアハア喘いでいる。美夏は夢中で見入ってしまう。そのとき大介がいきなり美夏を後ろから抱きしめた。
「美夏、やっぱ俺もう我慢できない、いいでしょ？」
　耳元に息を吹き込むようにいう。胸のさわり心地も楽しむ。
「えっ？いや！・・駄目、離して。」
　美夏は抵抗するが、大介は片手であっという間にノースリーブのボタンを外す。プルンと藤色のブラジャーが現れる。美夏はなおも抗い続ける。そこで大介はピタリと手を止める。
「ねえ、美夏、本当に俺じゃいや？」
　これまで見せなかった真剣な表情で大介は尋ねる。
「むりやりやろうって気は全然ないんだ。でも俺は美夏が大好きだし、すっごくＨしたい。」
　美夏の目を覗き込むように大介は言う。
「・・・・今夜だけよ。」
　しばらく躊躇った後で美夏が言った。

　大介はまず美夏を座らせ後ろから抱きかかえた。顔を覗き込むように美夏とキスをする。左手は美夏の左手を握り、右手でブラの上から胸を揉みしだく。美夏も右手で大介の頭をなでる。唇や舌をお互いに貪りあう。ひとしきりキスをしたところで大介は両手で両胸を揉みはじめる。
「すっごい大きいよね。胸。寿子サンもスタイルいいけど美夏は別格だよね。Ｅ？　Ｆかな？」
　コクンと頷く美夏。両目は閉じている。大介はブラを下から掬い上げるようにとり、乳房を露出させる。コリコリと乳首を摘んだかとおもうと双乳の付け根をもちプリプリとゆらしたり、ぎゅっと鷲掴みにしたかとおもうと指の腹で優しく撫でたりもした。その間も左右の耳や首筋を舌で嬲る。
「・・・っあ、・・・ああ・・・・・・。」
　実は耳も胸も美夏の性感帯なのだ。
　じんわりとした心地よさが上半身を包む。夫にはない荒々しさだ。大介は右手を胸から臍、さらに太ももにまで伸ばしてくる。
「へー、このストッキング太ももまでしかないんだ。シリコンゴムで止めるやつ？」と言いながらも既にパンティーを触っている。人差し指でいきなり割れ目の辺りをなぞる。
「っん・・ん・・・あっ、だめぇ・・・・。」
　人差し指がクリトリスを見つける。
「あっ、あっ、そこ・・・。」
「・・・・・ここ？ここがいいんだ・・・。」
　大介は左手で肋骨の辺りから首筋まで左上半身を撫でるように愛撫する。右手でクリトリスを攻める。そして美夏の右わきの下から顔を出し、乳首を口に含む。
（あっ、・・・・・そんな、いっぺんにされちゃ・・・・）
　美夏は自分でも痛いくらいに乳首が勃起しているのを感じる。
（あっ・・・・・赤ちゃんみたいに吸ってる・・・・・）
　大介は左手も下半身に伸ばしてきた。オリーブグリーンのスカートを脱がす。形のいい両足が露になる。
　既に美夏はぐったりと身体を大介に預けている。右手か左手どちらかの指で絶えずクリトリスを揺すられながらパンティーの脇から膣内に指を入れられ嬲られる。
「ふっ・・・んん・・・・っああ・・・・。」
　胸や首筋からとは異なる直接的な快感が脊髄を通って全身を襲う。
（あ・・気持ちいい・・・それに、なんか・・・・・私貪られているって感じ・・・）
　実際美夏は自分より６歳も年下の男とＳＥＸしているという現実に酔っていた。しかも今日始めてあった男にだ。
「美夏、俺もう我慢できない、入れていいでしょ？ちゃんとゴムあるし。」
　大介が美夏の正面にまわりキスをしながら訊く。
「っん・・・んん・・・・」
　美夏はキスに深く応じながら頷く。
「パンツとろうね・・・・って、あーすごい濡れてるね。気持ちよかった？」
　美夏は耳まで赤くする。その顔を見られまいと大介に抱きつく。
「ふふ、すっごいかわいいよ美夏。ほら、俺のもこんなでしょ？」
　大介が自分の首に巻きついている美夏の両腕を優しくとり、自分の股間へと誘う。既にジーパンもボクサーブリーフも脱いでいた。
「あっ・・」
　思わず声を出してしまう美夏。
（やだ・・・もうすごいビンビン・・・先っちょもトロトロの液が出てる・・・・）
　大介の大きさは常人並か。美夏には良くわからないが、ピンっと反り返っているだけに夫のものよりも大きくかんじる。
　美夏と大介はディープキスをしながらお互いの性器を刺激しあった。
「じゃあ入れるよ。」
　大介がコンドームを着けている間に美夏は全裸になった。脱ぐ必要のないストッキングは着けているが。
　大介は自分の脱いだ服を美夏の頭の後ろに置き枕代わりにしてやる。そして正常位のまま深く美夏に突き刺す。
「ああ・・・あっ・・」
　十分濡らしておいたので根元まで一気に入った。若い大介は下手な小細工をせず最初から激しいピッチで腰を振る。
　ッチャ、ッチャ、ッチャ、ッチャ、という淫靡な音が聞こえる。
「あっ、あっ、あっ、あっ・・・」
　美夏の尾てい骨の辺りから脳髄にまで快感が駆け抜ける。先ほど十分に指で刺激されたため、脳の快楽中枢ともいうべき部分が準備万端だったのだ。
「だっこするよ・・」
　おもむろに大介が美夏を抱え上げる。
「？・・・ぁあああっ・・。」
　大介のペニスが更にヴァギナの奥にまではいりこむ。
　大介は両手で美夏の尻肉を掴み激しく上下運動をくりかえす。
「ひっ・・あっ、あっ、あっあっあっあっあっ・・・」
　なんだか臍の辺りを掻き回されている気がする。美夏は夫が滅多にしない体位に新鮮な快楽をおぼえる。
「美夏のお尻もすごい触り心地がいい・・・胸より硬いけど、太ももよりはやわらかい。」
　大介が美夏の目を覗き込むように言う。
「バカ・・・」
　美夏は大介の耳をしゃぶり嘗め回す。もはや自分で両足と腰を使い快楽を貪る。
「っあっ・・美夏・・ちょっと、やばいやばい・・気持ちいいよ・・」
　大介が眉を顰める。右手で美夏の胸を揉み、左の乳首を嘗め回している。美夏のピンクの乳首は唾液と汗でじっとりと濡れていた。

　しばらくして再び正常位に戻る。大介は美夏の足を両肩に上げる。既に美夏の蜜壷はべとべとのジュクジュクになっている。
「ああああっ、大介・・・」
　大介は自分の目の前でよがる美人妻をたっぷりと視姦する。Ｆカップの両胸は仰向けになっても形を崩さずピンと上を向いている。肌はピンク色に染まり、なんとも言えない淫靡な匂いを発している。自ら腰を使うことで下腹は妖艶に蠢き、そのたびに大介のペニスを握り締めるように締め付ける。
（やばい・・いきそうだ・・・）
　大介は美夏の両足を担ぎ上げたまま自分の膝を上げ、腕立て伏せをする姿勢をとった。一番深く結合する姿勢だ。スパートをかける。
「あああああああっ・・・ちょっ・・・ふ・・深・・」
　半ばまんぐりかえしのようになりながら美夏は快楽のために朦朧としてくる。大介は更にピッチを早める。
「あああっ・・美夏、美夏・・いくッ・・」
　大介の肛門から背骨にかけて一気に電流のような快感が流れる。
　ドクッ、ドクッと精子を注ぎ込む。美夏は目を瞑りじっとしているが蜜壷自体が無意識に蠕動し、さらに射精を促す。
（ああ・・・出てるわ・・・ゴム越しだけどはっきり判るくらい・・・）
　大介は美夏の深い胸の谷間に顔を埋め動かない。二人とも汗だくだ。

「どうやら、隣も終わったみたいよ。」寿子が琢磨の既に柔らかくなったペニスを弄びながらつぶやく。
　うとうとしかけていた琢磨は目の前の妖艶なバツイチ妻の言葉が含む別の意味を感じていた。
「・・・・・美夏ともしたいんでしょ？今よチャンスは。」
　寿子は次第に固さを取り戻してきた琢磨のペニスをしごく。
「・・・・それに私も大介君ともしてみたいし・・・・」
　寿子は琢磨が思わず射精してしまいそうなほどの淫靡な微笑を浮かべる。
　そもそも琢磨の家に行こうと切り出したのは寿子だったのだ。帰りのタクシーの中でも琢磨の手を自分のヴァギナに誘い触らせた。これほど上手くいっていいのかという思いはいまもある。しかし目の前にいる年上の美女二人をみすみす逃す手はない。しかも今度は現役の巨乳人妻だ。
「・・・・オッケー。判った。じゃあ交代な。俺が向こうの部屋に行くよ。」
　琢磨は全裸のままで部屋を出る。

　うとうとしている美夏の隣でなにやら話し声がする。しかしその声もすぐに止む。しばらくして美夏はぐいっと抱き上げられた。
「た・・琢磨君？」
「そうだよ美夏さん。今度は俺の番。」
　琢磨は抗う隙を与えず美夏を後ろ向きに抱き、そのままバックでぶち込んだ。美夏の両手をキッチンチェアに乗せる。
「あー、美夏さんのオ○ンコすっごいいい・・・」

　大介と寿子はベッドの上で膝立ちになり抱き合ってキスをしている。大介のペニスはやわらかいままだった。今終わったばかりだから仕方ない。
「大丈夫・・・私に任せて・・・」
　といいながら寿子は右手で優しく大介のペニスを包みマッサージするかのように刺激する。膝立ちのままだ。そして大介の乳首を舐め、しゃぶる。
「あっ・・・。」
「ふふふ・・・おもわず声出ちゃった？男の子も気持ちいいでしょ・・・・？乳首。」
　寿子はさらに大介の乳輪を嘗め回し、舌先で乳首を転がし、甘く噛む。
（うわ・・・なんかすっごいエロい・・・。）
　寿子は大介の目を見つめたまま大介の両方の乳首を嬲る。ペニスが硬くなっていくのを自覚する。
「だんだん大きくなってるね・・・ちょっといい？そのまま後ろ向いてくれる？」
　いわれるままに膝立ちのまま後ろを向き、壁に手を付く大介。
「何？どうすんの？・・・って、ああっ・・」
　寿子は大介のアナルを舐め始めたのだ。同時に両手で睾丸やペニスを刺激する。
「どう？いいでしょ、お尻・・・・・。琢磨君にはしてあげなかったのよ。」
　寿子がしごきあげるペニスは完全に硬さを取り戻している。
「・・・うん・・・ちょっとくすぐったいけど・・あっ・・・はは・・き・・気持ちい・・」
　寿子は舌先をすぼめさらにアナルを攻める。睾丸がきゅっと縮み上がってきた。
（そろそろＯＫね・・。）
「ねえ、あたしも我慢できない・・・もう大丈夫でしょ？入れてくれる？」
　寿子は大介から離れ、尻を向ける。
　大介は望みどおりバックから寿子に突き刺す。
「あんっ・・あ・・あ・・いい・・・」
　寿子の身体は美夏とは異なり柔軟なゴムのように引き締まっている。
　美夏の身体は指に吸い付くといった感じだが、寿子は軽くはじきかえすといった感じだ。それでいて柔らかい。
　大介は目の前にある寿子の後姿をじっくり観察する。
（美夏より肌がちょっと焼けてるな・・何かスポーツしてるのかな・・でもその黒さに赤のガーターが似合うよな・・・・・うーん艶っぽい背中・・胸だって結構大きいし・・・）
「あ・・あ・・やん・・大介君・・・胸・・おっぱいも・・触って・・」
寿子は大介の考えを知ってか知らずか、肩越しに催促する。後ろを向く流し目が壮絶なまでに色っぽい。
　大介は右手で体重を支え左手で胸を揉む。弾力がある。そして荒々しく髪を掴みキスをする。
「うんん・・・ぐっ・・んん・・」
　寿子は土下座の姿勢で尻をあげ、窮屈な姿勢でキスに応じる。
「へー・・・何？・・寿子サンって・・こういうふうに無理やりな感じがすきなの？」
　唇を離すと唾液が銀の糸のようになる。
「んっ、んっ、・・あ、あ、あ、あ、・・そう・・・そうなの・・だ・・だから・・もっと・・もっとしてぇ・・・」
　寿子は猫族のような柔軟な身体を弓なりにそらす。蜜壷から絶え間なく愛液が流れ出す。口が弛緩し涎が絶え間なく流れている。
（あ・・・・やっぱり気持ちいいわ・・・この勢いが・・・若い子の醍醐味よねえ・・・・・・）
「あ・・・寿子サン・・・すごい・・気持ちいい・・」
　大介は寿子の汗だくの背中にしなだれかかる。首筋を軽く噛む。
「あんっ・・・そ・・そんな・・そんなふうに・・くっつかれると・・・・あんっ・・・感じちゃう・・・・」
　発情期の牝猫のような雄を誘うフェロモンが寿子の全身の毛穴から出ている。大介はさらにストロークを強める。右手で胸を抱き上げ乳首を摘む。左手でクリトリスも摘む。摘む力は強めだ。寿子の身体に電流が走る。
「ああんっ・・・やっ、だめっ・・・」
　言葉とは裏腹に蜜壷は激しく大介を締め上げる。大介はクリトリスを嬲りながらさらにストロークを続ける。
「あっ・・・寿子サン・・・・やばい・・・いきそう・・・」
　そのとき突然寿子が右手を伸ばし、自分の股越しに大介のアナルに人差し指を入れる。「えっ？あっ・・ああっ」
　大介の脊髄に電流のような快楽が走る。ドクン、ドクンと射精する。
　しばらく余韻を楽しんだ後、大介が寿子から離れる。立て続けの二度目にもかかわらずコンドームにはかなりの精子が溜まっている。
　寿子はうつ伏せになりハァハァと息を整えている。

「アン、アン、アン、あ・・・あ・・・あ・・」
　琢磨はリズムを微妙に変えながら美夏をバックから突き上げていた。両の掌全体で両乳を揉んでいる。
（あ・・体位によって当たるところが違う・・・・。）
　美夏は今更ながらそんなことを実感する。この数時間で二人の男に抱かれることで明らかに美夏は興奮し、感度も上がっていた。子宮から全身にかけて快楽が発信される。
「あん・・やっ・・そんなに胸ばっか・・」
「美夏さんの胸すごいいいよ・・・んー・・やばい・・いきそう・・・」
「えっ？あっ・・・ああ・・・」
　琢磨は美夏の腰を両手で引き付け一気に射精する。

（あー・・・寿子といい、美夏さんといいかなりいい女を見つけたもんだぜ・・・絶対この後も関係を持ってＳＥＸフレンドになろ。）
　琢磨も美夏もぐったりと寝転がる。

「・・・・美夏・・・ミーカ？」
「ほら、何時まで素っ裸で寝てるの？早く帰るわよ？男が目ぇ覚ましちゃうじゃない。」
　寿子が小声で美夏に言う。
「え？あ・・・あっ。」
　とたんに美夏は事態を悟る。なぜか琢磨も大介も鼾をかいて寝ている。４時半ぐらいだ。
「え？何で・・・どういうこと？」
　寿子はニヤリと笑う。
「冷蔵庫のポカリにこれ。入れといたの。」
　といって掌の錠剤を見せる。
「大丈夫。睡眠導入剤よ。私が使ってるもの。昼ぐらいには目を覚ますわよ。寝てたほうが後腐れなくていいでしょ？」
「特にあんたなんか旦那いるのにしつこく付きまとわれたくないでしょ？あんた電話番号教えてないわよね？」
「う・・うん。」
　そうだ。美夏は不倫をしたことを再確認する。とたんに後ろめたさに襲われる。急いで身支度をする。
「忘れ物ないわね？」
「・・・・・大丈夫。早く帰ろう。」
「よし。」

「じゃねー、御馳走サマー、チュッ。」寿子はドアを閉める前に小声で呟き、投げキスをする。

　六月の５時はもう明るい。寿子がタクシーを捕まえる間、美夏は一度だけ琢磨の家を振り返った。
（・・・一度だけ・・・・そう、今日だけだったのよ・・・。）
　美夏の左手は二人の男たちに散々嬲られた胸を抱きしめていた。