６．

「んっ・・・・あむっ・・・むっ・・・・・むぐっ・・・ッパ・・・・・・・それで・・・・？・・・それで美夏・・・どうなったの・・・？」
　寿子が直人に訊いた。
　ペニスを咥えたときから上目使いの視線は直人を見つめたままだ。仰向けに寝転んだ直人の下半身に腹ばいになった寿子は顔を上下に動かし奉仕し続けている。
艶かしい背中や黄色いＴバックを着けた尻も妖しく動く。
「ん・・・？ああ・・・・結局な・・・・・。」
　直人は片手を枕の下にし、もう片手で寿子の頭を撫でている。
　寿子は竿を舐め下り、玉の筋を一本一本舌先でなぞる。両手は優しく竿を握り、しごく。
「結局な・・・・・・堕ちたよ。最後まで・・・」

　一昨日の夜、直人は美夏の心を完全に打ち砕いた。
　美夏の最後の拠りどころとしていた聡美も直人の奴隷であることを明かしたのだ。
　もはや美夏の理性を維持するものは残っていなかった。

「あうっ・・・あっ・・・がっ・・・ん・・・・あああっ・・・ひっ・・・ひぃいいいいいいいいいいいっ・・・・・」
　聡美は直人にアナルを攻めたてられた挙句、狂乱の果てに崩れ落ちた。
　うつ伏せに倒れ過呼吸のように荒い息を整えている。ぽっかりと開いたアナルからは精液がゆっくりと垂れていた。
　美夏はその様子を目を丸くし、ただただ見つめている。
　目は欲情に潤み、耳は桜色に染まっていた。
　直人はそんな美夏の様子を横目で見ている。
「・・・・・・聡美・・・・・ほら・・・・。」
　直人は聡美の柔らかな二の腕を掴み身体を起こす。コンドームを外しゴミ箱に捨てる。
「ああん・・・・・・・。」
　聡美は身を屈め精液まみれのペニスを口に含む。
「ハアアアァ・・・・・・・・・んっ・・・・んっ・・・・・むっ・・・・・あふっ・・・んんん・・・・・・・」
　聡美はしゃぶりつき、啜り、精液を舐め取りそれを嚥下する。
「んん・・・・・・・フェラはまだまだだな・・・・旦那で練習しとけって言ったろ・・・・・」
「んっ・・・プハッ・・・・・・ごめんなさい・・・・・・・ん・・フッ・・んん・・」
　直人のペニスが再び硬度を取り戻した。
　直人はそれを聡美のきめの細かい頬に押し付ける。
「・・・・・ほら・・・・どうする・・・？・・・・次はどっちだ？・・・・・もう俺は大丈夫だぜ・・・・？」
　直人は聡美ではなく美夏を見ながら呟く。
「・・・ア・・・アナルに！・・・次も・・・・もう一度お尻の・・・・・」
「ぐむっ・・・！・・・・んんっ！」
　聡美の懇願を美夏の唸り声が遮断した。
　美夏は身を乗り出し何かを訴えていた。ガムテープで塞がれているが、美夏が何を言わんとしているかは明白であった。
　直人はニヤリと笑う。

　美夏は先ほどから目の前で延々と繰り広げられるアナルＳＥＸに呑まれていた。
　直人は美夏のアナルを舐め、指を入れることはあった。いずれはアナルにペニスを入れるとも言われていた。
　しかし実際に目の前で行われている行為は美夏の想像を絶するものだった。
（・・・・あんなに・・・・お尻の穴に入れられて・・・・あんなに気持ちいいの・・・？あんな声が・・・・・？）
　しかも目の前で豚のように鳴き、涙と涎を垂らして喜んでいるのはあの聡美なのだ。
　気高い美貌と独特の雰囲気で周囲の同性からも憧れの対象となっている聡美なのだ。
　肛門と直腸を嬲られ、牝犬のようにさかっている女を自分は心の拠りどころとしていたのだ。
（・・・聡美さん・・・・弄られてるのはお尻なのに・・・・あんなに濡れてる・・・・）
　聡美の白い太ももは自らの噴出した女汁で濡れ、テカテカと光っている。
　そういう美夏自身既にパンティーは重く濡れそぼっている。
（ああ・・・・聡美さん・・・そんなに鳴かないで・・・・そんな顔を見せないで・・・・・）
（・・・・・・あぁ・・・・・・・私・・・・私・・・・・・・）
　美夏は今日全く薬を使われていない。自分でもそれは分かっている。
　それにもかかわらず下腹部は熱を帯び、明らかに直人の肉棒を迎え入れる準備をしている。
　乳首もクリトリスも痛いほど立ってた。鼻息が荒いことも自覚している。
（・・・・・・あああぁ・・・・駄目・・・・・・・私・・・・・・・・・・私・・・・欲しがっているんだわ・・・・・！！）

　美夏自身そんなことはつとにわかっていた。
　最初にラブホテルで抱かれたときから。
　自宅の庭で抱かれたときから。
　何度も何度もいかされて。
　掛け値なしに確信していたのだ。
　今までつきあってきた男たちでもなく、夫でもなく、ナンパしてきた大学生でもなく、美夏の身体を最も満足させたのは直人であったのだから。
「あうっ・・・あっ・・・がっ・・・ん・・・・あああっ・・・ひっ・・・ひぃいいいいいいいいいいいっ・・・・・」
　聡美が歓喜に満ちた断末魔の叫びをあげて崩れ落ちた。
（・・・・・・・・終わった？・・・・・・終わったのね？・・・・あっ・・・・聡美さん・・・そんな・・・さっきまで自分のお尻に入っていたものを・・・・・ああ・・・よっぽど気持ちよかったのね・・・あんなにうっとりとして・・・・・）
　美夏の目の前で直人の凶器はみるみる体制を立て直していく。
（・・・・・もう硬くなってる・・・・。あれをまた聡美さんに・・・？・・・私は見てるだけなの・・・・？・・・・そんな・・・・このままじゃ・・・・私・・・・）
「・・・・・ほら・・・・どうする・・・？・・・・次はどっちだ？・・・・・もう俺は大丈夫だぜ・・・・？」
　直人が美夏に尋ねるように言った。
（次は私に・・・！！・・・・この疼きを鎮めて・・・・・！！）
「ぐむっ・・・！・・・・んんっ！」

　直人は美夏の口のガムテープをゆっくり剥がす。もともと簡易着脱型のテープだから美夏に痛みはない。
　プックリとした形のよい唇が現れる。
「・・・・・・ダメ・・・・・お願い・・・・もう・・・・入れて・・・入れてください・・・お願いします・・・・」
　美夏は直人が何も言う前に自ら懇願した。
　完全に堕ちたのだ。
　潤んだ瞳で直人を見上げる。美夏自身が軽蔑した寿子と同じ、完全な隷属者の目であった。
「自分で服脱ぎな・・・・」
　　直人は美夏の両手を自由にし、立たせる。聡美のところに戻ると美夏の脱ぎぶりを二人で観察する。
　美夏は一枚一枚脱いでゆく。
（・・・あああ・・・見られてる・・・・直人だけじゃなく聡美さんまで・・・・・）
　ついにパンティーを残すだけとなった。
「・・・・綺麗よ・・・・美夏さん・・・・・早く見せて・・・」
　聡美がいつものハスキーボイスで要求する。拘束は解かれ、直人の乳首や臍をチロチロと舐めている。肩口や腹の縄跡が艶かしい。
　美夏は片足ずつパンティーをとると両腕で自らの胸を抱く。隠しきれない乳肉が腕の間からはみ出ている。
　顔は興奮と羞恥で真っ赤だ。その姿勢のまま直人からの次の命令を待つ。
「美夏、そのまましゃがめ。両足を広げてよく見せるんだ。」
　美夏は言われるままにしゃがむ。足をＭ字に曲げ、股を開く。
　染み一つない真っ白な内股が露になった。美夏は両手で自らの花弁を押し広げる。
「あら・・・・美夏さん。手で広げろだなんて言われてないわよ・・・・・そんなに見て欲しいの・・・？エッチねぇ・・・・」
　当初、美夏の前で恥じらいを見せていた聡美だが今となっては直人側だ。加虐的かつ淫靡な笑い声をたてる。
「やぁ・・・・そんな・・・・私・・・」
　美夏の秘部からは止めどなく愛液が溢れている。毛足の短い絨毯にも染みができる。
「目を逸らすな。見て欲しいって言ってみろよ・・・・・」
　直人は磁力を持った目で美夏を見つめる。
「・・・・・ぁあ・・見て欲しい・・です・・・・・・・・・・・・・もっと・・・もっと美夏を・・・美夏を見てくださいっ！！」
　美夏はガクガクと震えながら絶叫した。

「奴隷になるって誓えるか・・・・？俺の言いなりになるんだな・・・？」
　直人は美夏の目の前に仁王立ちになった。
　目線のすぐ先には今美夏が最も必要としているものがある。
「・・・・・ん・・・・」
　美夏の目線は眼前の剛直に集中する。直人の凶器は青筋を立てて反り返っていた。
　生唾を飲み込む音が自分でも大きいと思う。
「言っちゃいなさいよ・・・・美夏さん・・・・・奴隷になりますって・・・・」
　聡美が耳元で悪魔の言葉を囁く。生暖かい息が耳に吹き込まれる。
「どっちみち逆らえないんでしょ・・・・？ビデオとかどうするの・・・？」
（・・・・・そうよ・・・・どのみち私には選択肢は無い・・・・・これは仕方の無いことなのよ・・・・・・）
　美夏は必死に自らの肉欲に肯定的な理由を思い浮かべる。
「・・・・ほら・・・・それに見て・・・・言えば、これ・・・ペニスを入れてもらえるのよ・・・・あぁん・・・・もったいない・・・・・」
　聡美は直人の肉棒の先端から滲み出した透明の液体を舐め取る。
　聡美はそのまま美夏の目の前で宝塚女優のような端正な顔を歪め口淫に耽る。
（・・・・・あぁ・・・・そんな・・・・私の番なのに・・・・・・・・・・ああぁ・・・だめ・・・・もう・・・・・もう・・・・・）
「なります！！・・・・・ならせてください・・・・奴隷に・・・奴隷にしてください・・・・・・」
　美夏は声を振り絞るように叫んだ。全身から汗が噴出している。
　もはやこの身体を制御することは不可能だった。甘美な肉体の快楽を得られるならば他はどうなっても良い。
　勝気な巨乳美人妻は終に頭を垂れ夫以外の男に服従を誓ったのだった。

「・・・・・・・へえ・・・・あの美夏が・・・・ん・・・やん・・・・あぁっ・・・」
　直人はフェラチオをしている寿子の秘部を足の親指で弄る。
「お前の忠告通り聡美を先に堕としておいて正解だったよ・・・・・あいつ結構芯が強いからさ・・・・周りからじわじわ責めて逃げ場無くさないとな・・・・」
「前々からジムに仲のいい人がいるって聞いていたのよね・・・・・私も直には会ったこと無かったけど・・・・・・」
「聡美自身があそこまでのＭ奴隷になるとも思ってなかったけどな・・・・・タナボタだ。・・・・・・・・まあ、その後は一昼夜通してＳＥＸ漬けさ。さすがに疲れたよ・・・・・。」

「そうだ・・・・・・・自分で胸を寄せて・・・そう・・・挟むんだ・・・・前にやったことあるだろ・・・・・・ん・・・」
　美夏は直人の正面に膝立ちになっていた。自ら豊満な両乳を掴み、直人の剛直を挟む。パイズリだ。
　学生時代に直人に教わり、したことはあったが夫である俊哉にしたことはない。要求されなかったからだ。
　ローションをたっぷりと垂らし美夏は上体を使う。昨夜から弄られっぱなしの乳首はコリコリと恥ずかしいほどに立ち、亀頭のカリに引っかかる。
　聡美は直人の後ろに回りアナルを舐めていた。かれこれ１時間近く直人のアナルを舐め続けている。
　美夏は完堕ちした後、狂態の限りを尽くし直人に溺れた。聡美曰く「屠殺場の家畜みたい」な声を出しよがり狂った。直人のザーメンも顔面で受け止めた。３人はその後もSEXし、眠り、食べ、再びＳＥＸするというサイクルを繰り返した。特に美夏は食事中も入浴中も直人によっていかされつづけた。
　今は一階の一番広い客間を片付け、ビニールシートを敷き、ビニール製の大型エアーベッドを使っている。三人ともローションまみれだ。
「ん・・・ん・・・・・ん・・・・あっ・・・・」
　美夏が上体を動かすたびに白桃のように白く豊かな胸の谷間から亀頭の先が見え隠れする。
（・・・・あ・・・・・胸の間から・・・・出たり入ったりしてる・・・・・）
「ははは・・・・いいぞ・・・美夏・・・これは他の二人にはできないからな・・・・・」
　直人は後ろを振り向きアナルに奉仕している聡美を見やる。
「うんん・・・・・・・・」
　聡美は恨めしげな顔をして鼻を鳴らす。ディープキスのようにいっそう深く舌を肛門に差し込む。
「おっと・・・・・わかった・・・・わかったって・・・・」
　直人は聡美の頭を撫でてやるる。

「よし・・・・二人とも四つん這いで向こう向きな・・・・尻をこっちに。」
　聡美と美夏は寄り添うように並び、四つん這いになる。二人とも欲情と期待で顔が緩み、上気している。ハァハァと犬のように口で息をしてしまう。
　直人の目の前に形のよい尻が二つ並ぶ。二つとも尻の合わせ目から粘液を滴らせている。
「こりゃ壮観だな。カメラ持ってくればよかった・・・・・」
　聡美のほうが身長の分だけ尻の位置が高い。そして尻自体もモデルのように形よく引き締まっていた。
　一方で美夏の尻は肉付きがよく、いかにも人妻らしく男好きする大きな桃尻だった。
「どっちからにするかな・・・・・」
　直人は吟味するようにペチペチと二人の尻肉を叩く。
「やあぁん・・・・・早くぅ・・・・・・・・」
　聡美が尻を振り催促する。
「あっ・・・・こっちに・・・・お願い・・・・・・早く・・・・」
　もはや美夏もなんの躊躇いもなく奴隷の言葉を発する。二つの尻が肉棒を求め妖しく蠢いている。
「・・・・・・こっち。」
　直人はいきなり聡美の蜜壷に突き刺す。
「はぁあああああああああああああああ・・・」
　聡美は牝猫のように背を弓なりに反らす。
「どうだ・・・・？聡美・・・・？」
　直人は片手で聡美の引き締まった腰を抱くともう一方の手で乳首をつまみ、嬲る。
「ああっ・・・・・気持ち・・・気持ちいい・・・・お尻と同じくらい・・・・やぁっ・・・・はっ・・・・おま○こ・・・いいのっ・・・・」
　聡美は髪を振り乱して悶える。
（・・・・・ああ・・・・聡美さん・・・気持ちよさそう・・・・あああ・・・私にも・・・はやく・・・・・・）
　直人は聡美の乳首から手を放し、美夏の秘肉を捏ね回す。
「ああぁん・・・・・」
　美夏は啜り泣きにも似た溜息を漏らす。

　聡美は大絶叫と共に失禁し、崩れ落ちた。
　直人は美夏に乗り換える。
「はぁぁ・・・・・・・・・んんんん・・・」
　美夏の膣内に直人の肉棒がゆっくり挿入される。
（・・・・すごい・・・・・硬い・・・・・・ごりごり当たってるのがわかる・・・・・んんんっ・・・・・！！）
　直人は子宮に亀頭を叩きつけるようにピストンする。
「うんっ・・・・・んっ・・・・ひっ・・・・ふ・・・深・・・・ああっ・・・・」
　もはや理性を保つ必要のなくなった美夏は心置きなく快楽に身を委ねることができた。　四肢はガクガクと快感に震え、子宮から脳髄にかけては電流が走り続けている。
　更に直人は美夏の乳房を鷲掴みにする。甘い果汁をたっぷりと蓄えた両乳をときに強くときに弱く絶妙な間隔で揉みし抱く。こりこりにしこっている乳首をつまむことも忘れない。
　美夏の顎からはローションとも涎ともつかない液体が糸を引いて滴り落ちていた。
（・・・・いや・・・・ああ・・・気持ちいい・・・・・俊哉さん・・・・・）
　美夏は現在も働いているであろう夫の顔を思い浮かべた。さらに背徳的な快感が全身を包む。
　そのとき、
「美夏、旦那とどっちがいい・・・？・・・どっちのチンポがいいんだ・・・？」
　と、直人が美夏の心を見透かすような質問を投げかけた。
「・・・ああぁ・・・・・・？」
　美夏は肩越しに直人を見上げる。目尻には涙が溢れ壮絶な色気を湛えている。
　直人は指に吸い付くような乳房を両手でしっかりと掴み激しく腰を振り続ける。
「・・・・ほら・・・・どっちだ・・・んん？」
　美夏の蜜壷が収縮する。
（あああ・・・・俊哉・・・・ごめんなさい・・・・・・でも・・・もうだめなの・・・・もうだめぇ・・・・・・・・）
「んん・・・・ああっ・・・・直人・・・・・直人よ！！・・・・・全然・・・比べ物にならない・・・・気持ちいい・・・・いやぁああああああああああああっ・・・」
　美夏は自らの言葉と共に登りつめ、絶頂に達した。全身が細かく痙攣する。
　直人もそれに合わせて引き金を絞った。
「・・・・・っつ・・・・」
　大量に放出する。ドクン、ドクンという放出の音が聞こえてきそうだった。
　直人が横を見ると聡美は健やかな顔をして寝息を立てていた。

「・・・・・あっ・・・ん・・・すごい・・・それじゃ本当に美夏、奴隷になったのね・・・・計画通りじゃない・・・・」
　寿子は今直人の上に跨り腰を振っている。
「ほら・・・・おまえ、俺の奴隷なんだろ？口のききかたに気をつけろ・・・」
　直人は寿子の乳首を捩じ上げる。
「ひぃっ・・・・・あ・・・・ごめんなさい・・・・・・・・んんん・・・申し訳ありません・・・・」
　寿子は跨ったままひれ伏し、直人の乳首を夢中でしゃぶる。
「あの二人にもだんだん言葉づかいを教えなきゃな・・・・・・まあ、お前みたいに自然とできてくるだろうけど・・・・・」
　寿子は直人の乳首を舌先で転がしながら頷く。その間もクリトリスをなすり付ける様に自ら腰を動かし続ける。
　しばらくして寿子は凄艶な上目遣いで直人に囁いた。
「・・・・そろそろ・・・・・・お尻にも・・・・入れてください・・・・ご主人様・・・・」

　結局狂乱の宴は二日目の零時に終わった。
　美夏は最後に入浴した際に奴隷の証として陰毛を剃らされた。
「旦那に剃った言い訳の嘘を言うたびに奴隷であることを自覚しちゃうの・・・・・・」
　一緒に剃毛した聡美が妖艶に微笑み呟いた。

「・・・・ごめんなさいね・・・散らかしっぱなしで・・・・・」
　美夏は玄関で聡美に言った。万感の思いが詰まっている。
「いいのよ・・・・・遅いから気をつけて帰ってね・・・・」
　聡美はＳＥＸのときとは別人のような屈託のない上品な笑顔を返す。
「美夏さん・・・・・・・・」
　聡美が戸を閉めそうになった美夏を呼び止め、
「また来週ね・・・・・・・・」
　と、淫靡に付け加える。
　そうだ。直人は帰る前に来週二人をまとめて招集すると宣告したのだ。
　場所や時間は後で個別に連絡があるという。
　さらにこれからは直人と会うときの服装も直人の指示に従わなければならない。
　美夏は文字通り直人の性奴隷となったのだ。
「・・・うん・・・・。じゃあ・・・・」
　美夏は天城家を後にし、大通りまで出てタクシーに乗った。

　美夏は窓に映る自分の顔を見つめる。
　路上では肌を露出させた若者達が異性を求めて鮫のように旋回していた。顔にはあどけなさが残っている。
　既に折り返し地点に差し掛かかった夏を無駄にすまいという気持ちが窺える。
（・・・・・・あのぐらいの頃私は何をやっていたかしら・・・・・・・）
（・・・明日は朝から仕事だわ・・・・・・・俊哉ももう少ししたら帰ってくるし・・・・・・・）
（・・・・・・・・・俊哉・・・・・・・・・）
　美夏は自らの身体を抱きしめる。もはやこの身体は夫のものではないのだ。
　自らそう望み誓ったのだ。自分の肉の欲求に抗うことはこれ以上できないと悟ったのだ。
（・・・・・・もう・・・引き返せない・・・・・）
　夜の街の喧騒に包まれたタクシーは犬のように走り続けた。