第２章　 兆すもの

　二人とも、オーガズムの直後は余韻で動けません。
　暗い部屋で、ハアハアと妻の呼吸を聞きながら、身体の下の柔らかな感触を楽しんでいます。
　いまだに私が痩身と言うこともあるのでしょう。もちろん、妻自身の鍛えられた躰が丈夫だと言うこともあるのだと思います。
　逝った後に、私が乗ったままいても、妻は一向にかまわないようです。
「小さいときから、ぶ厚くって、おも〜い布団が好きだったんだもの」
　雪国出身の妻は、そう言って、私が乗っていることを「うれしい」と言ってくれます。
　だから、放出した直後の、このけだるい時間、体重をすべて妻に乗せながら和んでいるのがいつものことです。
　脚を絡めているため、妻の腰がやや上を向いているせいでしょう。柔らかくなった私のものも、まだ包み込まれたままです。
　うっとりと目を閉じた妻が、暗闇に慣れた目に映ります。
　チュッと音を立ててキスをすれば、妻も、柔らかく応じてきます。
　妻がゆっくりと脚を解くと、とどまっていた私のものが、きつい妻の美肉の圧力に耐えきれずニュルリと抜けてしまいます。
「あっ」
　私が急いで退くと、妻が大急ぎで枕元のティッシュに手を伸ばします。
「もう、あなたったら、すっごい量。元気なんだから」
　女陰からこぼれた精液を拭うという淫猥な行為とは裏腹に、いくぶん恥ずかしげで、それでいて、うれしそうに、垂れてきた私を拭う顔は、清純そのものの表情でした。
　要求するまでもなく、我が身を拭った後、そっと私のものも拭ってくれます。
　畳に降りて、クルリと後ろを向いて座りながらです。
　少々こそばゆい感触と、射精直後の敏感なモノを妻がそっと触れている感触というのは、心地よさと、結婚の幸せを感じさせてくれるものです。
　特に私たちの場合、結婚前に師弟関係にあっただけに、複雑でした。
　いまだに事情はよく分からないのですが、おそらく、故障が元で陸上部をやめることになった妻、奈緒は、精神的に参ってしまい、大学を卒業するのがやっとの状態でした。
　いえ、たまたま掛かってきた電話で私が話すことがなければ、そのまま大学もやめていたはずです。
　すでに大学を離れていたとはいえ、私には、奈緒をスカウトした責任があります。
　ですから、幸い、まだ店を開店していない自由さから、毎日、奈緒と話し、車で送り迎えしたものです。もちろん、時間のやりくりは私にとっても大変でしたが、その当時の妻は、それ以上に大変な気がしたのです。
　ひどくふさぎ込んでいた妻が、ようやく笑顔らしきものを取り戻したのは、卒業してしばらくたってからの事でした。
　もっとも、就職もせずにムリヤリ、私の店の手伝いに来てくれたこの時期のことがなければ、奈緒と私が結ばれることはなかったはずです。
　だから、こういうちょっとした時間が、ひどく幸せなものと感じてしまうのです。　ただ、結婚して分かったことがありました。
　献身的な妻を持ちながら、その妻に対するゆがんだ欲望を私が持っていることを。

「どうしたの？ぼうっとしてる」
「いや、奈緒がいっぱい感じるようになったと思ってさ」
「いやん、もう、そんなことないもん」
　甘える表情です。
　そんな妻が愛しくて、つっと、暗さを背景にして、輝くような白い胸に左手が伸びてしまいます。
「あん、またあ」　
　そう言いながらも、私の手はそのままです。
　ゆっくりと丁寧な指遣いで私のものを拭ってくれています。
「ねえ、そのまま」
　年甲斐もなく私は甘えた声を出しておねだりします。
　コクリとうなずいて、妻は、しずかに私のものに顔を寄せていきます。
　サラサラした髪がお腹に触れます。
　ショートカットしかしたことのなかった妻が、卒業してからは、セミロングにして普段は後ろでまとめています。
　その柔らかな感触に触れたと思った次の瞬間、私の柔らかくなったモノが妻の口に納まっていました。
　まだ、力を取り戻していないモノに、ペロペロと何かをこそぎ撮るような舌遣いをまんべんなく繰り返します。
　その度に妻の喉が動き、何かを飲み込んでいくのです。
　結婚した頃、いえ、今もですが、精飲をこともなげにする妻。
　嬉しかった反面、仰天したものです。
　この頃の若い人は誰でも当たり前なんでしょうか？男のエキスを飲むってこと。
　私も学生時代にそれなりに付き合ったことはありましたが、三拝九拝してやっと、というくらいで、フェラチオそのものを嫌がられることもあったのに。
　妻のように、終わった後の「お掃除フェラ」まで、ためらいもなくやってのける女の子なんていませんでした。
　しかも、上手なのです。
　今も、ペロペロとこそぎ落とした後は、吸い付くようにしながら、下全体で裏側を舐め上がり、亀頭全体を唇でやさしくしごいています。
　この、絶妙の感触に、私はあっという間に再び膨らんでしまいました。
「あ、元気ぃ」
　嬉しそうに小さく言葉にします。
　妻自身も、私とのセックスを気に入っているのでしょう。この嬉しそうな表情がそう感じさせてくれます。
　目の前の白い腰を黙って引き寄せます。
　恥ずかしい、という小さな声が聞こえた気がしましたが、それでも、逆らいもせず、妻が足を崩して、おずおずとシックスナインの体勢になってきます。
　ここで、妻が上になると、さっき私が妻の奥深くに出した精液が逆流してきます。さすがに、それはちょっと…
　かといって、私が上になると、いつの間にか、妻の喉の奥まで突き立ててしまうことがあるので、二人で「研究」の結果、横向きでするようになってきました。

　妻は私の頭が入るように、右脚をグッと横に広げます。横向きですから、ちょうど上に持ち上げる仕草になります。
　こういうときに男のモノは突き出ているだけに、そのままで済むワケなのですが。
　ピチャリと、すでに濡れそぼつ秘所を舐めると、それだけで、くぐもった声がします。
　妻の上手なフェラも、私に舐められながらだと、思うように動けなくなるようです。
「あ、うぐ、うっぐ、はぐう」
　妻の真珠のようなクリを舌先で転がすようにすると、しきりに、くぐもった声がします。そのまま、舌を亀裂に沿って、ぬとぬとと動かすと、妻の内ももの筋肉がヒクヒクと引きつる動きを見せます。
『感じてる』
　そんな感じやすい妻の反応がひどく好ましく、何度も何度も往復していき、美肉にわずかに舌先を差し込むと、わずかに、白い尻がうねる動きまで見せ始めるのです。
　微かに、自分の精液の匂いがします。
　不思議なもので、最初にどっとこぼれた後、私のかなりの部分が、妻の奥にへばりついているらしく、翌日になって、不意にトロトロとこぼれるのだそうです。
「お客さんをしているときに、こぼれてくると恥ずかしいんだから」
　妻がそう言いながら、赤い顔をした時、まさに、少女のような純真な表情だったのです。思わず勃起してしまったものです。
　妻が懸命に唇でしごき始めました。
　本当は、これが欲しくなっているに違いないのです。
　だから、美肉に入れてもらう代わりに、唇でしごく。
　多分に精神的な行為だと思いますが、妻は「好きな人に喜んで貰うのが嬉しい」と言ってくれます。
　そうなると、妻の大学時代に、これだけのフェラチオを仕込んだ相手のことを、相当に好きだったということにならないでしょうか？
　その割に、妻の大学時代の写真は極端に少なく、少なくとも、男と二人で写っている写真は、私とのものだけでした。
　まあ、結婚を機に、女は昔の写真を処分するものなのかもしれませんが。　
「だいぶ、感じてきたね」
「あう、もう、あなたったら。…げ、ん、き」
　唇が私のものをいとおしげに包み込みます。温かな舌が私を包み込みます。
「一度、逝ったら、入れてあげるね」
「あぁん、そんな、私は、いいのに、あぁん、あん、あん、あん、あん」
　舌先で重点的にクリを責め、時には吸い付き、やさしく囓ると妻は、もはや私を含んではいられません。
「あ、あ、あなた、あう、もうだめ、やめてぇ」
「まだまだ。こうして、ほら、じゅる、じゅる」
「あん、ああ、あう、あなた、あう、ああ、もう、だめぇ」
「ほら、どうだい」
「あなたぁ、あう、あん、あん、だめぇ、いやぁん」
「もう、逝きそうだろ、じゅる、ず、ず」
「あう、あう、あん、あ、あう、あ、あ、あな、たぁ」
　音を立てながら、クリの周りごと吸い込み、そのまま舌先でクリを押しつぶす動きをしては、何度も、入り口までジュルリとなめ回します。
　ヒクヒクと尻がケイレンする動きが、だんだんと間隔を狭めながら、繰り返されます。
　妻のせっぱ詰まった啼くような声が聞こえます。
『そろそろかな』
　一気に舌先に力を込めて、クリクリと円を描くように転がします。
　妻の尻がヒクンとなった瞬間、付け根を前歯で囓るようにして、クリの部分全体を持ち上げて、一気に吸い込みます。
　普段なら痛がるほどの強さでかじりついたのが、最後のだめ押しになったのでしょう。
「あ、あなた、あう、あぁ、ダメ、あう、あ、あ、あ、い、逝くぅ！」
　一瞬、息を止めた後、ふう〜と力が抜けて、右脚が私の耳を押しつぶすように乗っけられます。力が入らないのでしょう。
「さ、これからだよ」
　妻の逝く姿を見た私のモノは、最初の時並みに、いえ、さっきより大きくなっていたかもしれません。
「さ、いくよぉ、お楽しみぃ」
　妻は何も言わず、片手を目の上にあてて、じっとしたままです。
　そっと抱きかかえるように、躰の向きを直して、妻の両脚の間に入り込みます。
　妻は、知ってか知らずか、ごく自然に私を迎え入れる体勢になりました。
「うっ」
　入った瞬間、低い、くぐもった声が漏れます。
　妻はいつの間にか、片手を口に当てていたのです。
「どうしたの？」
　妻に挿入したまま、耳元に囁くように聞きました。
　いやいやをします。
「どうかした？何を我慢してるの？」
「ぐ、ぐ、むぐう」
　突然、私にしがみついてきます。強い力でした。
「あう、あ、あなたあ、あふぅ、あう」
　腕を放したとたんに、いつにない大声が出たのです。
「あん、あう、あう、だって、あう、とっても良くって。あうぅ！」
「そんなに？」
「だって、あうぅ、なんだか、身体の奥が、熱くて、あん、感じるぅ」
　そっと律動を始めます。
「あぁ、あなたぁ」
　妻の腰がゆっくりとうねる動きを始めます。
『先週はここまでだった。大丈夫、今日は体調も良いし、疲れてない』
　妻の奥に突き入れて、プニプニとした感触を楽しむ余裕もあります。
　反応を楽しみながら、ゆったりと動かし始めます。
「あん、あん、あぁ、あなたぁ、すてき」
　妻の反応がどんどんよくなっていきます。
　それなのに、私の中では、妻の美肉の感触がどんどん遠いものに感じられ始めました。
　ナマの美肉に、いつのまにか一枚の薄皮がはさまり、薄皮一枚越が、どんどんと、厚ぼったくなっていく。　　
　妻のやわらかい感触が遠のいていきます。焦れば焦るほど、急速に私から力が失われていくのを感じていました。

　赤いワゴンは、高速のインターを降りてすぐのホテルに向かった。
　さすがに学校名の入ったジャージのままではまずいので、高速に乗っている間に、着替えさせてある。
　慣れてきたのか、脱げと言うだけで、着替えるようになった。着替えると言っても、裸になって、用意してあるコートを着るだけだ。
　素直になったのか、それとも、高速だと、対向車を意識しないで済む分だけ、恥ずかしさが薄いのか。

　どっちでも、男にとっては良い。どうせ、コートの前を閉じられるのは、狭いエレベーターに乗る瞬間までだ。
「あぁ、だめ」
　エレベーターに乗った瞬間、唯一、身につけいていたコートを剥がされる。
　少女は、夏の名残の日焼けがまだくっきりとランニングの跡を残す、薄い肩をすくませて、恥ずかしさに、首をクナクナと横に振る。
　筋肉はそれなりについているが、コートから出てきた肉体は、細い足も腕も、成熟という言葉には、ほど遠い。
「さっさと歩かねぇと、どこかの部屋から帰る客とばったり出くわすかもしんねぇぞ」
「いや！」
　恥ずかしそうに前を両腕で隠しながら、背中を丸めるようにエレベーターを降りる。
　部屋番号のランプだけがついた、やや暗い廊下を、おぼつかない足取りで、少女がよろよろと歩く。
「早く、こっちだ、こっち」
　ピタピタと、無駄な肉のない尻をふざけて叩きながら、選んだ部屋に向かう。
　腕の下の乳房は、まだ膨らみきっていない。男の手のひらにすっぽりと隠れてしまうサイズだ。
「あぁ、いや、先生、お願い、中で、お部屋に入ってからにして！」　
　必死の哀願にも男はまったく耳を貸さず、靴以外、何も身につけていない少女をドアに押しつけるようにしてキスをむさぼる。
　むぐう、と抗議するかのような声を発するが、暴れようとはしない。一刻も早く、部屋に入りたいと祈るだけだった。
「む！むぐぅ！」
　驚いたように突然目を見開いて、急に身をふりほどこうとしたのは、男の指が、まだ秘毛すら生えそろっていない秘裂を襲ったからに他ならない。
「暴れるな。へっ、なんだかんだ言っても、覚えが早いな。たったこれだけで、もう濡れるようになった」
「恥ずかしい」
　男の指が触っているのは、早くもあふれている、サラサラとした愛液にまみれた弾力のある美肉だった。
「入れ」
　腕を引っ張り、後ろから引き離すようにして、ドアを開けると、ドンと中に突き飛ばす。
「そのまま、手をつけ」
　バランスを崩したままの少女のまっすぐな背中を、上から押さえつけ、わずかに高くなった上がり口に両手をつかせる。
　もちろん、高々と尻を上げたままの姿勢だ。
「恥ずかしい」
「そのままだ。動いたら、このまま廊下に出して、やってやる」
「いやあ、あう、だめ、そんなとこ舐めないで」
　もちろん、こういうホテルでは、オートロックのドアを再び開ければフロントに筒抜けになる。
　他の人間に見られることを避けなければいけないのは男の方である以上、そんなことは簡単にできるはずも、少女には分からない。
　恥ずかしい姿勢に耐えながら、イケナイ所に、後ろから舌を使われるのを我慢するしかなかった。
　じゅるじゅるっと、わざと下品な音を立ててすすりながら、口の周りをビショビショにして舐めている。
　腰がヒクヒクと動き始めていた。
　女として成熟していない躰も、このまま続ければ、絶頂していたかもしれない。
　しかし、男には、己の欲望が優先だった。舐めながら、下半身だけを器用に脱ぎ捨てると、すでに、男の怒張は凶暴な姿に変わっていた。
　未発達の秘裂が、この凶暴なモノを迎え入れられるだけ濡らすと、さっさと、後ろからグニュリと突き立てたのだ。
「ぐぅ」
「へへへ、だいぶ、マ○コも慣れてきたな。よく締まってるしな」
　己の欲望のままに、未成熟な秘裂に包まれたモノを強引に動かし始めた。
「い、いたい！痛い、で、す」
「すぐ慣れる、この間も、すぐ痛くなくっただろうが」　
「でも、あ、いた、う、う、いたくて」
　化粧をしていない顔が苦痛にゆがむ。
「贅沢言うな。ちゃんと、合格しただろう。おまえの記録も伸びてる。誰のおかげだ」
「う、いた、センセイのおかげで、う」
「そうだ、それに女子は、な、セックスした方が成績がよくなるって、ちゃんと教えただろうが」
「は、はい」
「記録の邪魔になる女性ホルモンをセックスで解消してやってるんだからな」
「う、ぐ、ぐ、あぁ、はい」
　そんなデタラメも、男の口から何度も教え込まれていると、女にとっては、真実になるしかなかった。
　事実、この男の指導で、国体にまで行ったし、駅伝で名を知られた名門の高校へも推薦が決まっているのだ。
「そうだ、おまけに、だんだんと感じてきたじゃねぇか。スケベなヤツだ」
「あう、は、あう、恥ずか、…しい」
「よし最初は一気に逝くぞ、うりゃうりゃうりゃ」
　男の腰が一気に早く動き出す。
「あう、センセイ、センセイ、あう、そんな、急に、あう、あ、ちょっと、あう」
　痛みはいつの間にか引いてしまったが、男の急な動きに、躰がバラバラにされるような怖さを覚えたのだ。
　そのくせ、やっと男のモノに馴染んできた秘裂からは、今までにないほどの快感が登り始めていた。
「ヘンに、なっちゃう、あう、センセイ、あう」
「よし、いいぞ、おう、お、おう、お、お、お」
　男の下品な声と少女のはかなげな、それでいて、淫靡を含んだ声が、不協和音を奏でた。
　若い躰が、男のモノから勝手に快感を感じ取るのはやむを得ないことだった。たとえ、本人がいやだったとしても。今も、少女の躰をこすりたてる怒張の刺激に、急速に快感がこみ上げてくる。　
「あぁ、センセイ、ヘンになりそう、なんか、アソコが熱くなって、あう、う、だめ、センセイ、ヘンになっちゃう、あう、ううう、あう、う、う、ああ！」
　幼いなりのオーガズムに達したのだ。
　ショートの髪を振り乱した、赤みを帯びた顔から、ポタリと垂れたのは、汗か、よだれなのか。
　一気に力が抜けてしまう。
　男は、そんなことにも、かまわない。男の逞しい腕でガッチリ掴まれた尻は、そのままの高さで、男が自在に出入りできたのだ。
「う、ぐ、よし、出すぞ、うら、うら、うら」
「あ、あう、センセイ、もう、こわれちゃう」
「うら、うら、うら、う」
　急に己のモノを引っこ抜くと、入り口のカーペットの上に、靴を履いたままの少女を跪かせる。
「よし、ほら、飲め、男性ホルモンだ、筋肉の薬だぞ、口を開けて」
「ふぐ、ぐぅ」
「ほら、うまいぞ、たっぷりと男性ホルモンが入ってるからな。これでまた記録が伸びるな」
　少女の嫌悪の表情に見向きもせずに、男は、黒いストレートの髪を掴むようにして、怒張を口にねじり込んだ。
　練習後のシャワーも浴びていない、男のむわっとした男臭さに耐えながら、少女は教えられたとおりに懸命に舌を使おうとした。
「ほれ、行くぞ、飲めよ、こぼしたら、ペナだからな」
　怒張に喉を突かれながらも、懸命に少女は耐える。その喉の奥に、ドピュドピュっと、なんどもあたり、生臭い精が喉に注ぎ込まれる。
「よし、ちゃんと飲み込め」
　逃げることを許さないように少女の後頭部を掴んでいた。
　コクリコクリと飲み下す少女の目には、こぼれ落ちんばかりの涙がたまっていた。
「ふう〜、とりあえず、一発目と」
　崩れるように座り込んだ少女は、無駄な脂肪がない。その身体を軽々と担ぎ上げながら、悠々とベッドに向かう男。
「よし、だいぶ覚えてきたな。これからも、時々、このマ○コを使わせろ」
　ベッドに乱暴に降ろしながら、少女の脚の間に立って見下ろしていた。
「そんな、センセイ、今日が最後って」
　ハッとしたように、少女が、必死の哀願の表情で叫ぶ。
　シャツを脱ぎながら、男は一瞬心の中でニヤリとして、キレた声を出す。
「馬鹿野郎！今日までは、俺が推薦して、名門に入れてやったお礼だろうが。それとも、入学するのをやめるのか」
「だって、センセイが、これが最後って。それに、ちゃんということを聞いてきたのに」
「この、うすらバカが。おまえの貧乳でなにが、今日が最後、だ。礼をするのなんてあたりまえだろう」
　話が違うと言いたげだが、そんなことを言えば、もっと怒らせるだけだと少女は知っている。
「高校に入ったら、ときどき、こうやって、オ○コしてやる。携帯を変るなよ。変えたら、おまえの親に言うぞ。色仕掛けで推薦を狙ったってな」
「ひどい」
「俺の後輩が、ここの教師をしてるから、頼んでやったんだ。それとも、特別に特待生として入れてやるってのを断るのか」
　少女は母一人、子一人で育っていた。母に心配を掛けるわけにはいかない。第一、この特待生なら授業料もいらないと喜んでくれていた。　
　今さら、この学校をやめるわけにはいかなかったのだ。
　この学校で頑張って、大学にも行きたい。高校で結果を残せば、大学だって特待生としてはいるチャンスがあるらしい。
　だからこそ、十回だけ身を任せれば、ただで高校に、それも、名門高校に進学させてやるという誘いを断れなかったのだ。
　少女には、彼女ほどの記録なら、誰が推薦しても、同じ待遇で進学できることなど分かるわけもなかった。
　男のそういう言葉を信じるしかなかったのだ。
　だからこそ、十回目の今日が最後だと自分に言い聞かせて我慢してきたのに。
　しかし、今、それを言っても、もっと激昂されるのは、分かっていたのだ。
「すみま、…せん」
「そうだよ、素直じゃなくちゃ、記録は伸びない。別に、毎日させろとは言ってねーんだ。たま〜に、おまえだって気持ちいいことするだけだよ」
　ニヤリと笑って見せた男の顔を見上げながら、少女には、輝かしい高校生活に、どす黒い雲が浮かんでいるのを知った。
　ぐったりと全身の力が抜ける。見下ろされているのも忘れて、目を閉じたままベッドに身を沈めた。
「まあ、あんまり心配すんな、俺も、今度の春で異動だ。次の学校に慣れるまでは、おまえの相手ばっか、してらんねーよ」
　パシャ！
　突然の強い光に、目を開けて見上げると、もう一度、目の前が光った。
「センセイ、いや！撮っちゃいや！撮らないで！」
「記念だよ、記念。高校入学記念ってやつだ」
　そううそぶきながら、懸命に身を縮める少女をもう一度携帯カメラで写しながら、ゆっくりと少女に覆い被さっていった。
「おめぇが、言うことを聞いてりゃ、誰もこの写真をみねぇよ。それより、さ、次は、ハメ撮り記念写真だ」
　いやらしい笑いを浮かべながら、少女の腕をムリヤリ広げる。
　少女の絶望的な表情を無視して、薄い胸にポッチリと突き出たピンクの乳首を、吸い付くように舐め回し始めた。