宴（うたげ）

しぃらかんす 作
宴　第１章

　取り壊し寸前の古いキャバレーが宴の会場だった。
　まるでストリップ劇場のように張り出した中央のステージとそれを取り巻くように　大きなソファーとサイドボードのセットが１０近く配置されている。
　サイドボードに設置されたモニターの光が、会員と同伴している女をおぼろげに照らし出している。
　まだ中央のステージは漆黒の闇に包まれているが、さきほどまでステージ上から聞こえていた音が消えたので準備が終わったようだ。

　ステージに一番近いソファーに座る院長が静かに片手を上げると　古いブレーカーを上げる乾いた音が響いた。
　薄暗いホール中央のステージに立てられライトアップされた三つの十字架には、赤い二つの十字架に３０手前の社長夫人と成人したばかりの娘が生まれたままの姿で張付けられている。
　手足を縛られたままの竜太郎は三つ目の白い十字架に目を移した瞬間、その光景を疑った
「清美・・・」
　生まれたままの姿で張付けにされた女が昔つきあっていた女に瓜二つだったからだ。
　院長は、ソファーの横で正座していた京子の髪を掴んで近くに引き寄せると
「高村君　あの女は君の為に探したんだよ。」
　竜太郎の前なので院長に小さく抵抗していた京子だったが、やがて諦めたようにソファーに埋もれた院長の股座に唇を寄せていく京子の姿を見ながら竜太郎は中央のステージに引きずられていった。

　院長は涙ぐんだ京子の唇の感触に身を委ねながら、マイクを手に取ると宴の開始を宣言する。
「役者も揃ったので始めよう。　新しい会員の為に紹介をしておく　彼は高村竜太郎君　以前我々の組織を壊滅寸前まで追い込んだ男。白い十字架の女性は高村君に縁のある者だ」
　ステージを取り巻く闇の中から小さな怒号が聞こえてくると院長はそれを制するように
「諸君、静かにして欲しい
　彼の登場はオードブルにしか過ぎないのだ
　今夜のメインは、赤い十字架の、血のつながりも無いこの親子
　母親は奈緒美　娘は桔梗
　両方とも古い貞操観念と高潔な思想の持ち主だ
　存分に楽しんでくれたまえ
　では宴の開催と会長の健康を祝して乾杯・・・」
　院長はグラスのシャンパンを半分飲むと、残りを股座の京子の髪に垂らす。
　他の会員はその仕草をモニター越しにみると院長の真似をして飲み干した残りのシャンパンを同伴した女の顔にシャンパンをぶちまけたが女達は逆らう様子も無く従順に会員の男根に唇を被せていた。

「高村さん・・・・？」清美に良く似た女が問い掛けてきた。
　俺は頷いて女に聞こえる最低限の声で質問を始めた。
「清美さんの妹？」
「そうです。詩織です。こんな姿で会いたくなかった・・・」
「気持ちを強く持って。どんなことがあっても耐えるんだ。」
　二人の会話を遮るように院長の声がスピーカーを通じて響き渡る
「高村君、私語は慎んで欲しい。耐えられなくなるのはおそらく君だと思う。」

　院長の声が終わらないうちに　ステージに３人の全裸の黒人が現れた。
　銀色のイヤホンと黒い鋼のような肉体がオイルを塗ったの如くライトに反射して輝いている。おそらく無線で指示されているのであろう。
　全裸の黒人はそれぞれ十字架の前に立つと会員に向かって一礼する。
　既に黒人達の男根は大きく天を向いて臨戦態勢になっていた。
「きゃあぁぁ」
　女達の悲鳴とともにＸ字型の十字架が徐々に後ろに倒れていく。
　ちょうど４５度程度の傾斜になると十字架が停止して膝の部分が折れ曲がり広がっていく。暗闇で息を飲んで待ち構えている会員の獣のような視線が見事にＭ字開脚した３人の女性器に食い込むと、まるでそれを察知したかのように視線を遮らないように黒人達は姿勢を低くして跪く。
　桔梗は目を瞑ったまま唇を強く噛み締めている。
　それを横目で見た奈緒美が声を張り上げる
「この娘だけは、見逃してください　代わりに私が・・・」
　院長の冷徹な声が奈緒美の願いを掻き消した。
「順番は我々が決める　但し例外は認めるつもりだ。高村君　君が順番を決めなさい。君が決められないなら　私の独断で行うが・・いいのかい？」
　竜太郎は手足を縛られたまま叫んだ。
「ふざけるな　いい加減にしろ！」
「ふざけているのは高村君　君のほうだ。例外の説明も終わらないうちに怒鳴る事はないだろう。」
　院長の冷静な語りで暗闇から会員達の薄笑いが伝わってくる。
「例外は　この３人の相手を誰かが先にすればいい。　３人が精液を放出すればこの場から彼らを退去させる事は約束する。ルールがないと見ているほうが退屈するのだよ。女が相手をするとは限らないのだよ　高村君　３人が大事なら君が頑張ってみないか？」
　竜太郎は唇を噛んで怒りを押し込めている。
「高村君　桔梗を見てみなさい。あの大きな黒いチンポを受け入れたら　子宮を突かれて怪我をすると思わないか？　それとも　詩織で試してみるか？どうする？」
　院長は楽しさのあまり　京子の後頭部を掴んで激しく前後させている。
　咽の奥まで突かれて瞳から涙を流し、唇からは涎を垂れ流している京子が中央のモニターに映し出された。まるで竜太郎に見せつけるかのように・・・・
「高村君が決められないなら・・・」
　院長は引き寄せていた京子を突き飛ばして控えている従者に指で合図した。
「やめてぇぇ・・・お願いします・・・」
　京子が屈強な男達に抱えられてステージに引きずり出された時
「かって会長に使えていた裏切り者を処分しよう　この恩知らずが・・」
　院長の声がスピーカーを通して会員に伝わると　暗闇から拍手が沸きあがった。


「ぎゃぁぁ・・・」京子の絶叫とともに　仰向けになって横たわる黒人の男根に貫かれた京子を尻目に取り押さえていた男達が退場すると替わりに京子の背後から二人目の黒人が京子のアヌスに狙いを定めた
　仰向けに寝ている黒人は京子の豊かな胸を強く掴んで引き寄せると意思に反して前屈した京子は無防備になったアヌスを背後の男に曝け出した。
「助けて　竜太郎・・ぎゃぁぁ・・・」
　京子の嘆願が途中で終わり　アヌスを貫かれた京子が身を仰け反って肺から搾り出すような悲鳴をあげた。
　仰け反った京子の両腕をがっしりと掴むと黒人は肛門を貫いた男根の抽送を開始する。
　大きな口をあけて悲鳴をあげる京子の前に3人目の黒人が立ちはだかった。
　大きく開けた京子の口に男根を噛み切られないようにリングを装着すると一気に咽の奥まで長大な性器を挿入する
「げふっ・・・」言葉にならないくぐもった京子の悲鳴がリングで拡張された唇からだらしなく流れる涎とともに垂れ落ちてくる。
　苦痛しか与えることのない黒人の長大な男根が京子の３つの穴を交互に出し入れする様を直視することができない竜太郎が下を向くと　視線を京子に戻すように男が竜太郎の髪を掴んで引き上げた。
　院長は注射器を手にしてステージに上がると
「高村君　この薬でこの女を苦痛から解放しようと思う　ただ副作用が強いから少し心配だ・・きみの術で楽にしてやればいいのでは？　君が術を見せてくれないなら　すぐにこの薬を打ち込むつもりだ。どうだね？」
　黒人に貫かれ責められる京子を見ながら　竜太郎は苦渋の選択を迫られていた。
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2008.9.20掲載