眠い目を擦り、朝食の準備が終わった静香、パタパタとスリッパの音を響かせ、隆志を起こしに寝室へ行く。
「あなた、時間よ、起きて」
　目覚ましのベルの音を無視して、眠り続ける隆志の肩を揺する。
「うぅん」
　気だるい声で返事する夫、隆志。
　どこにでも、あるような朝の風景。
　団地が何棟も立ち並ぶ、住宅地に二人は住んでいる。
　桜井隆志は中堅商社に勤めているが、静香は隆志の少ない収入を補うために共稼ぎを余儀なくされている。
　静香は、世間の誰もが耳にしたことがあるような一流企業に勤めていたが、隆志との結婚で生活圏が替わるため退職し、新たに近くの小さな不動産会社の事務員に就いていた。
「早くして、私も遅れちゃうじゃない」
　強引に隆志の腕を引りなさい、早かったのねぇ」
　いつもより３０分も早い帰宅に問い掛ける。
「ああ、疲れちゃって、修業チャイムに即効で出てきたんだ」
「お・つ・か・れ・さ・ま・・・お風呂にする」
　茶化しながらも労いの言葉を掛ける静香。
「そうだな」
　ソファの上に上着を放り投げ、バスルームへ向かう隆志。
　静香は揚げたてのから揚げを食べさせようと、キッチンに向かう。

　風呂からあがった隆志の顔を見ると、すかさず冷えたビールをテーブルへ運ぶ。
　から揚げは、もう少しなのでスモークチーズを用意した。
　隆志は手酌で、ビールを空けている。
「５月に会社の慰安旅行があるの」
　お皿に盛ったから揚げを、テーブルに置きながらいう静香。
「不動産会社は、儲かってるんだろうなぁ・・で、何処に行くんだい」
　静香のコップにビールを注ぐ隆志。
「儲かってるのかしら、毎年、伊豆にある会社の保養所に行くらしいわ」
　ビールに口をつける静香。
「伊豆か、良いじゃない、何泊？」
「２箔３日、でも社長の気分しだいで変わったりするらしいの、毎年同じ所なんて、ちょっと変よね」
「当然、観光場所は、変えるんだろ」
「そうかしら」
「それより、浮かれて呑み過ぎないようににしろよ、酔ったらすぐ正体なくすんだから」
　静香の酒乱ぎみの酒癖を注意する隆志。
「えぇ、そうね、気をつけるわ」
　不安顔の静香。
　ふだんはそう飲まないが、静香は飲める口を持っていた、飲ませれば隆志より強い。
　飲んで、吐いたり眠り込んだりすることなく相手する。
　実際、飲み比べれば隆志より４，５倍は飲むだろう。
　しかし、限度を過ぎると異様に乱れる。
　隆志と静香の出会いも、そんな静香の酒癖から始まっていた。
　駅前で、飲みすぎてしゃがみ込んでいる静香を介抱する隆志。
　休憩場所をと強引にホテルに連れ込んだ。
　隆志が結婚を決意したのも、容姿やプロポーションの良さもあるが、その時の淫乱な静香との交接が、大きく影響している。
・・・
　介抱を理由に、出会っていきなり密室を確保した隆志。
「横になってゆっくりして・・・・辛いかい」
　大きなベットの上で問い掛ける隆志。
「ありがとう、大丈夫、頭がボーッとしてるだけ」
　潤んだ瞳で答える静香。
「服、緩めた方が楽だよ・・・うっゴホン、名前・・聞いてもいいかな」
　わざとらしい咳払いをして、遠慮がちに問う隆志。
「安藤静香、２３才、独身、うふふぅ」
　誘うような含み笑いで、脱ぎ始める静香。
「僕は、桜井隆志、２７才、独身・・・いい取り合わせだなぁ」
　隆志は緩めた方がと言っただけだったが、静香のストリップは止まらない。
「そうねっ」
　手を止めない静香、隆志の胸の鼓動がドキン・ドキンと高まる。
・
　全てを脱ぎ捨てた魅力的な静香の素肌は、隆志を獣に変えていた。
　自らも服を脱ぎ捨て、静香に襲いかかる。
　下心が無かったなんていうと嘘になる。
　それでも、こんな事になるとは予想もしていなかった。
　静香の両膝を大きく寛げる隆志。
　大した抵抗も受けず熟れた花弁の花園を目にする。
　静香のそこは、濡れ光り、見ただけで準備万端なのは理解できるほど。
　繊毛は花園を隠すことなく、木の芽の辺りから、逆三角形に嫌らしく茂り、風になびく柳のように柔らかくそよいで見える。
　思わず挿入を意識したが、ぐっと堪えて静香の右横に添い寝する。
　左腕を静香の首の下に回し、ピンクのルージュを引いた柔らかい唇を覆った。
　唾液でぬめった唇と唇の滑りを、ひとしきり味わうと隆志は、唇の合わせ目に沿って舌をなぞらせた。
　隆志の舌の動きに応え静香の唇が小さく開くと、口腔の奥深く侵入させる。
　円運動する隆志の舌に、静香が応え絡め合う。
　ぬめ滑る舌の感触に、身体を弛緩させ身を委ねる静香。
　静香がほんの少し舌を伸ばすと、隆志はそれを吸い上げ含み取る。
　ゆっくりと押し出し、再び吸い上げる。
　隆志は静香の舌を自由にもて遊ぶ感覚に、成功を実感する。
　右手は休みなく、胸と柔らかく息づく花園を往復させている。
　隆志の手が、花園の淫列の頂きに堅い窄みを膨らませた木の芽に触れる。
「あぁ〜」
　静香は左足を引き膝をズルズルと立てて、隆志の手の動きを受け入れ、ススッと股間を開いていく。
　開いた股間に気を好くした隆志、淫列に中指を沿わせて、ゆっくり上下する。
　中指がしっとりした淫列に、ほんの少し潜り込み上下する。
　静香はしこった肉芽への刺激のたび、こみ上がってくる昂ぶりを感じ、腰を浮かせて応えてしまう。
　頬、耳、うなじと身体じゅうをピンクに火照らせ、卑猥な昂ぶりを露わにしてクネらせる。
　お酒に酔って、もうろうとした頭を、尖った乳首と潤んだ花園から押し寄せる快感が支配する。
　隆志の怒った股間が、づきづきと痛いほど疼いて柔らかい内臓への接触を強く要求している。
「あぁ〜」
　隆志は淫列に含ませた指をそのままに体を起こす。
　押し寄せる快感に、喘ぐ静香の甘い声に隆志の昂ぶりは抑制を失い、抗いのない静香の両膝を、グッと抱える上げる隆志。
　股間の強張りを、吸い込まれるように押し出し、嫌らしく濡れ光るピンクの蜜壷に埋めていく。
「うぐっ・ぅっ」
　口を開いて侵入を許容した蜜壷は、濃い蜜液に奥深くまで、よく滑り秘肉の感触を心地よく伝えている。
　深く押し込み、静止した隆志。
　静香は身体の芯に深く刺さった肉棒に、絡み付け妖しく腰を蠢かせる。
　ヌチャ、ヌチャと卑猥な音を響かせ、妖魔にさらわれ激しさを増す静香。
「あっ、あっ」
　股間の花園の卑猥な音に同期した喘ぎを、半開きの可愛い唇から醸しだす。
　ひとしきり腰をくねらせると、ストンと腰を落とした。
　隆志は、こっちの番とばかりに律動を開始する。
　嫌らしい別世界に嵌まり込んだ二人。
　隆志の律動に合わせて喘ぐ静香。
　律動は止むことなく続き、強張りと蜜壷が卑猥な音を響かせ、相互に快感を伝え合う。　頂上付近をさまよう昂ぶりが二人の魂を覆い尽くし、全身汗だくで繋がっていながらも、より深い繋がりを求めて蠢き合う。
　人としての意識や理性は何処に行ったのか、淫欲を求め合う二人の姿は獣の営みよりも嫌らしく、第三者が覗き見ていれば、勝手にしろと呆れるほどの狂った二人の睦見合い。
　強張りも蜜壷も永い摩擦に痺れ、叫ぶように喘ぎ続ける雌と、とろけるような快感を生み出す穴に突き入れ続ける雄。
　狼のような雄の雄叫びで、やっと静かになるが、雌は快感に満ちた卑猥な表情でまどろみ続けている。
・・・
　赤ワインのボトルを手にした隆志が、ダイニングテーブルに戻る。
「もう少し飲もう」
　静香の潤んだ瞳をじっと見つめながら、コルクの栓を抜く。