３．俺が痛いわけじゃない

「ぐふぉえ」
　１人目が優美の口に出すと、すぐに次の男が、口に差し入れる。
　前の男のものと唾液が開いた口の端から糸を引いて流れ落ちた。
「腕を縛れ」
　先に出した男が、優美の腕を背中に回して縛り、横からがっちりと優美を抱えた。

　正彰のものは小さくなって、自然と優美からはなれてしまった。
「これを突っ込め」
　髭の男が、正彰にアナルバイブを手渡した。
　正彰は、それを前のほうに入れようとした。
「そっちじゃねぇ。けつのほうだ」
　けつのほうと言われても、正彰にはそれがアナルに入るとは到底思えない。
　ためらっていると
「けつを舐めてやれよ」
　傍らにいた学生服の男が、正彰のひざの裏を足で押す。
「あっ・・・」
　正彰は、ひざをついて前に倒れた。
「早くしろって」
　男は、正彰の顔を優美のお尻にくっつけた。
　男に頭を押さえられ、仕方なく正彰は、優美のアナルに舌を這わす。
「ちゃんと舐めてやらないと、痛くて後で恨まれるぞ」

（恨まれる？・・・俺が？・・・・）

　正彰は、自分も被害者だと思っていた。脅されてるんだから、仕方が無い。
　自分が恨まれることなど考えてもみなかったが・・・・

（そう・・・か、恨まれるな。たぶん・・・・）

　はらせない恨みは、はらしやすいやつのところに回ってくる。
　逆恨みだろうが、八つ当たりだろうが、女に論理は通用しない。
　すでにもう中に出している。
　恨まれるには十分だ。

（どうせ、恨まれるんなら・・・・・）

　正彰は、べろっと大きくアナルの周辺を舐めて、すぐにアナルバイブを手に取った。

（俺が痛いわけじゃない）

　先端の細い部分を、少し差し込み、そのままゆっくり、ゆっくり差し込んでいく。

「ぐふぁぁぉおぉ・・・」
　優美の体が激しく揺れるのを、男が押さえつける。
　頭もしっかりと抱えられ、優美はまったく動けない。
　閉じた目の端から涙が溢れて流れ落ちた。

　見るからに痛そうで、美希は、さすがに目を背けた。

「うっ・・・」
　ようやく２人目の男が、優美の口に出して優美から離れると、すぐに口のホールにゴム製のふたをする。
「飲み込め」
　里美の声だ。
　男に代わって、里美が優美の顔の前に立ち、優美のあごを持ち上げる。
　優美の顔には何本ものしわが寄って口には黒いゴム製のふたがされている。
　お尻の痛みのせいで、目も開けられない。
　まるで優美とは別人の顔だ。
　その顔をカメラが拾う。

　ごくっ

　優美は飲み込んだ。

４．二度と顔も見たくない

　優美はようやく口枷をはずされ、穴から出されたが、手は背中で縛られたままで、床の上で少しずつ体の向きを変えながら、少しでも痛みが和らぐ体勢を探した。
「おい、けつだけじゃなんだから、前にも入れてやれよ」
　かなり太目のバイブを渡された正彰は、今度はもう躊躇しない。
　優美の足の間に体を入れると、指で開いて中に押し込んだ。
「ああ・・・・やめて・・・やめて・・・・痛い・・・・」

　振動すればいいというものではない。
　優美は中に挿入できる状態ではなかった。
　ひきつるような痛みが押し寄せてきて、振動はその痛みを増幅させる。
「ああ･･ああ･あああ・・・・あああ・・・・・」
　優美の体が左右に大きく揺れる。
「押さえてねぇと抜けるぞ」
　アナルと違って、前のほうはすぐに抜ける。
　正彰は、優美の足を押さえつけ、動けないようにしてバイブの根元を押さえた。
「止めて・・・・お願い・・・痛い・・・止めて・・・・」
　優美は泣きながら訴えるが、男達は、完全に無視した。

「顔にかけてやれ」
　学生服姿の３人の男のうちの壁のこちら側にいた最後の男が、ズボンもパンツも脱いで、優美の顔をまたいで立ち、そのまま優美の顔を両膝の間に挟んで座った。
　優美の顔の前に男のものがある。
　男は、それを手でしごきはじめる。
「いや・・・・やめて・・・お願い・・・いや・・・いや・・・・」
　他の男達も麻子も里美も、優美達を取り囲んで立った。

「自分がされる気分は、どうだ？」
　里美がまくれあがったシャツの裾からのぞいている優美のおへその上を靴のまま踏みつける。

　怖いのは里美なのだ。
　麻子は、それを知っている。
　里美は、本当に何をするかわからない。
　里美は、小さいころから太っていたが、いじめられて泣く子供ではなかった。
　泣くのはいじめた側だ。泣くだけじゃすまない。
　里美のせいで転校した生徒もいる。
　そんな里美を怖がって誰も話しかけるものがいなくなったときに、普通に里美に話しかけたのが優美だ。
　優美は、里美のただ一人の友達だった。
　その優美に裏切られたのだ。
　何をするかわからない。
　麻子は、そっと里美の服の裾に手をかけた。

「出すぞ・・・・」
　男は、優美の頬の上に出し、カメラが寄った。
　そのまましばらく撮って、撮影は終わった。

「おい、もう抜いてやれ」
　髭の声で、正彰は、優美に挿入されている２本のバイブを抜いた。
「顔にかかってるのをこいつの口に入れろ」
　正彰は、優美のお腹の上に座り、優美の顔に手を伸ばした。
「手じゃねぇよ。お前の舌でこいつの口に入れるんだ」
　正彰の顔が一瞬で青ざめた。

　取り囲んだ男達の輪が狭まる。
　男に背中を蹴られ、正彰は前につんのめった。
　そこに優美の顔があった。
「早くやりな。でないと、てめぇのけつにぶち込むぞ」
　髭の男は、正彰のズボンのお尻の割れ目にナイフを立てた。
「いっ・・・・・」
　切っ先が、少し当たったのだろう、正彰はお尻を引いた。
　別の男が、正彰の足首を踏みつける。
「折れるぞ・・・・・」

　正彰は、優美のあごに手をかけ、力いっぱいあごを引くが、優美は、歯を食いしばって口をあけようとはしない。
「口をあけろ」
　正彰も必死だが、それでも優美は口を開かない。
「ぐずぐずするな。それともこいつの代わりにお前が飲むか？それでもいいぞ」

（冗談じゃない。なんで俺が・・・・）

　正彰は、優美の唇だけをこじあけて、頬に残った男のものを自分の舌で運ぶと、舌先に残ったものを唾液と一緒に優美の歯茎の中に流し込み、唇を閉めて手で押さえた。
　優美が憎悪の目で正彰を睨む。
　正彰は、視線をそらした。

　優美は、なんとか吐き出そうともがくが、正彰に頭と口を押さえられてどうしようもない。
　飲み込まないと息が苦しい。
　やがて、ごくっと優美の喉が鳴った。

「ああああ・・あああ・あ・・・・・」
　正彰が手を離すと同時に、優美の泣き声が大きく部屋中に響いた。
　この二人が、顔を合わすことはおそらく二度とないに違いない。

　終わった。
「おい、帰っていいぞ」
　正彰は、男の気が変わらないうちにと、急いで着替えて、大急ぎで出て行った。
　放心状態の優美を男達が抱きかかえるようにしてどこかに連れて行く。
　美希は、ただ見送った。

「里美・・・帰ろうか？」
　里美は微妙な表情のままだ。まだ、心はどこかをさまよっているのかもしれない。
「美希・・・どうする？一緒に帰る？」
　麻子に訊かれたが、美希は、黙ってただ首を振った。
　もう二度と顔も見たくない。
　麻子は何か言いたそうだったが、結局、何も言わず、里美の腕を引いて、部屋を出て行った。