今日はログハウスの中で全員そろっての夕食だった。
「それじゃ、今日もこの辺で歓談しましょう。」
　昨日同様佳織から声を掛けられたのだろうか、青年達のリーダーが立ち上がって言う。
「皆さん楽しくお話ししましょう。」
　ちょっと薄笑いを浮かべながら、
「今日は最後の夜になりますし。」
　と続けた。
　その言葉を待っていたように、青年達は各々が立ち上がり、今夜自分が目当てとしている少女のところへ向かう。
「どう、今夜俺んとこ遊びに来ない？」
「夏生ちゃん、今日はどう？」
　夏生の所に二人男がやってくる。
「ん〜・・・」
　身なりも顔も真面目そうに見える男と髪も服装もだらしない男。
「どうしようかなぁ・・・」
　品定めをするような目つきで二人を順番に見る夏生。
　夏生の前に来た二人にチラッと優美が目をやる。先ほど林の中で夏生と性戯を繰り広げていた男ではない。
「一緒でもいい？」
　しばらく二人交互に眺めていた夏生だったが、やがて選ぶのが無理だと悟ったのか探るように問い掛ける。
「それは３人でってこと？」
　真面目そうな男が訊くと、
「まあ、そっちがそれでいいならねぇ。」
　複数の男を相手にするのは未経験なのか、かなり興味深げな表情を浮かべる。
「俺はいいぞ。」
　左側にいただらしない感じの男がすかさず隣を見ると、もう一人の男も頷いた。
「じゃ、後でね、」
　まだあどけない顔に妖艶な笑みを浮かべる夏生。
「・・・・・」
　優美の見た限り夏生は簡単に誘いを受け容れてしまっていたが、見回してみると、先ほど夏生に向かって『あとはずっと夏生ちゃんだけ』と言っていたはずの男は静の所で楽しげに話しているではないか。
「優美。」
「え？」
　いつの間に近くに来ていたのだろう、突然美絵から声が掛かった。
「どう？」
「どうって？」
「それは・・・」
　口籠もる美絵。同級生の優美を一晩の性宴に誘ったつもりだったが、直接的な表現をできる程あからさまな性格ではないらしい。
　だが、その美絵の背後を佳織が通り過ぎながら何事か囁いた。
「そっか。」
　優美を一瞥すると、あっさり立ち去っていく。
「あ、美絵？」
　空しく右手を宙に伸ばした優美。
「・・・・・」
　その瞬間、昨夜優美を自慰へと差し向けた美絵の艶声が、再び脳裏に蘇ってきた。間違いなく美絵は今夜、悦楽に酔いしれる夜を過ごすのだ。
　美絵、また・・・なの？
　優美は既に純情な想像ができなくなっていた・・・

「皆さん、充分御歓談しましたか。今日はこの辺で終わりにしま〜す。」
　今夜も再び青年達のリーダーが宣言する。
「皆さん、お休みなさい。それでは、各自最後の夜をお楽しみください。」
　その言葉の指す意味はもはや誰にとっても明らかで、各々がそのまま崩れるように淫欲の宴へと没入していく。
「じゃ、優美。」
　肩をポンと叩いて、夏生は例の男二人とログハウスを出ていった。
「え？」
　夏生に限らず皆の動きは迅速で、慌てて見渡すと、ある者達はその場で身体を寄り添わせていたし、夏生のようにログハウスを出ていく者達もいた。
　ログハウスに残ったのは１０人ほどだ。その中には佳織や千宏、実香という優美の上級生、それに同級生では清美と美絵がいる。
　
　初めからすることが決まっているのだ。無駄な動きは一切なく、見る間に優美以外の男女は体を絡め合っていく。
「！」
　自分からほんの数ｍ前で、佳織と千宏がほとんど同時に自ら髪留めを外した。息を呑み目を見開く優美。
　佳織も千宏も常に髪をアップにしていた。一度も髪をほどいたところを見たことがない。
　今は二人と同様アップにしている優美だが、元々髪を長くしたことのない少女だった。それを、尊崇する二人に近付きたく、アップにするためだけに優美はこの３ヶ月あまりずっと髪を伸ばしていた。
　サーッと水のように二人の肩へと流れ落ちる黒髪を目にすると、優美の瞳からは潮が引くように正気の色が失われていくのだった。
　佳織も千宏も髪留めを外したのがきっかけになって、スルスルと服まで取り払う。
　当然のことながら、優美にとって二人の裸を見るのも初めてなのだが、もうそれ程衝撃はなかった。
　そして焦点の定まらない瞳の奥、蝕まれた理性の片隅に夏生の言葉を反復させていく。
『興味がないのなら・・』というのは本当に正論で、今こうして目の前で広がっている状景に嫌悪を覚えるのならここから立ち去ればいいのだ。
　でも・・・
　優美の理性自体はもうかなりの部分二日間で浸食されてしまっている。
　第一昨日の夜はテントの中で、今日の日中は木陰で、美絵の喘ぎ声を聞き夏生の性交を見ながら自慰に及んでいるのだ。もう『興味がないのなら・・』という言葉は自分には当てはまらないのではないか。

「ぅあっ・・・」
　ごく近くであがった男の呻き声で優美はハッと我に返った。
「実香ちゃん・・・」
　いつの間にこんな近くまで来たのだろう。優美の視線のすぐ先で実香の淫悦に酔いしれ紅潮した表情をドロッとした牡液が滴り落ちていく。
「んふ・・・まだ出てる。」
　その実香はまだ精を噴く淫棒を右手でしごきながら、左手ではまたがっている別な男の淫棒を掴んで自分の胎内へと導こうとしている。
「実香に入れたい？」
「早く実香ちゃんに入りたいよ・・・」
「うん・・・」
　今日はまだ男を受け容れていない膣口にあてがうと、
「んっ・・・」
　優美のすぐ側で仰向けになった男の上に座り込む実香。
　その少し向こう側では、美絵が高く上げた腰を掴まれて頻りに揺さぶられている。ちょっと目を凝らすと美絵を出入りする肉塊が見て取れたし、美絵は椅子に座った別な男の肉茎に舌を這い回らせていた。
「スゴク上手だよ、美絵ちゃん。」
「ん・・・」
「美絵ちゃんの下のお口も最高だ・・」
「く・・・ぁ・・・」
　美絵のヒップと男の下腹がパシンパシンとぶつかる音に加え、美絵の舌が奏でるピチャピチャという響き、そして時々肉茎から口唇を離して漏らす切なげな喘ぎの吐息。
「おぁっ！美絵ちゃん、もう出すよ・・・」
　美絵の腰を揺さぶる動きが急に激しくなり、
「うぉぉぉっっ・・・・・」
　限界まで美絵の膣肉を堪能した男だったが、何とか間に合ったようで、虚空に大量の精液を吐き出す。
　美絵・・・
　夏生に続いてまた同級生の痴態を間近に見せられた優美が視線を彷徨わせると、今度は清美が男と二人と淫らな行為に励んでいるのが目に入ってきた。
　男は既に下から清美を刺し貫いていて、それまでグイグイと降っていた腰を突然停め、
「清美ちゃん、今大事なとこはどうなってるの？」
　ねっとりとした口調で囁きかける。
　一方の清美は男に意地悪そうな質問をぶつけられたが、もはや理性の糸は繋がっていないらしく、
「おチンチンがズッポリ入って、出たり入ったりしてるよ・・・」
　動いてくれぬのなら自分が、とばかりに男の胸で両手をついて激しく腰を振りつつ逡巡せずに言い放った。
「そうだね、清美ちゃんの中にズッポリ入ってるよ。」
　我が意を得たりとばかりの笑みを浮かべる男。
「ぅああっっ・・・・。」
　騎乗位で喘ぎ乱れる清美。咥え込まれた男は清美の乳首を指で転がし、やや小振りな乳房が変形するくらい握り潰している。
「う・・・清美ちゃんが絡みついてる・・・」
　キリキリとした膣咬みにも関わらず、かなり潤滑液が滲み出しているようで、清美の腰が上下する度に淫らな水音がし、
「ぃはっ・・・」
　という感じで息を吐いていたが、
「あ・・ダメ！イッちゃうよぉ・・・」
　清美はかなり性感が鋭いようで、淫涙に濡れ光る瞳が絶頂の近さを裏付けているし、男の胸についていた手は、今や自分の両乳を激しく愛撫し始めた。

　しかし、最も優美の視線を惹き付けたのは左側にいる一群。
　そこでは佳織と千宏が、それぞれ秘口で男を咥えている。
　一度その光景が目に入ってしまうと、もう視線を他へ逸らすことはできなかった。
　ところが、椅子に座った体勢では秘唇による自慰はやりにくいし、優美もブラウスの裾から右手を入れて、自分の左乳房へと指を這わせていた。
　主に目に入るのは手前の佳織である。
　佳織は仰向けになった体勢で膝を抱えられるようにして、かなり激しく肉楔を打ち込まれており、四つん這いの体勢ながらヒップを高々と上げ逆に頭の方は低くした千宏の背後でも男が遮二無二腰を振っている。
「んぅ・・・」
「ふぁ・・・」
　二人とも下半身は男に責められるがまま任せているが、熔けそうな眼差しは互いに向けられている。
　そして頬を両掌で挟み合い、恍惚とした表情で口唇を重ねている。
「かぉ・・・」
　それが千宏のものとは信じられないほどの艶やかな声調、まるで愛する者への呼び掛けにさえ感じられるのに、
「ちぃ・・・」
　それに応える佳織がまた、呼び掛けられた喜悦からか鮮やかに紅潮して呟くのだった。
「んむ・・・」
「ふ・・・」
　二人が交わすのはただのキスではなく、濃厚に舌を交接させたディープキスで、その甘美な面持ちから考えるに、それぞれ男と性交している真っ最中にも関わらず、今は女同士の舌戯にこそ没頭しているようだった。
　その様は優美が敬愛する部長と副部長という姿はとっくにかなぐり捨てており、優美に灯っていた仄かな理性を吹き消して余りあった。
「うぅ・・・佳織ちゃん、出るよ・・・」
　情けないくらいのか細い声で限界を訴える男には目もくれず、
「いいよ、おっぱいに・・・」
　とだけ答えて、また千宏との世界に戻っていく。
「うぁぁぁ・・・」
　許しを得ると同時くらいに、棹先から直線で放たれた男のエキスが形良くふっくらと盛り上がった佳織の乳房に迸った。透き通るように血色良く上気した肌は白濁をも弾いている。
「ん・・・飛んでるよ、いっぱい・・・」
　男に向かってではなく、千宏に語り掛ける。
「あたしにもだよ・・・かぉ・・・」
　千宏を責め立てていた男も既に射精したようで、幾筋もの牡液が千宏の背中をつたい首筋から滴り落ちていた。
「かぉのにいっぱい・・・」
　這うようにして仰向けの佳織に覆い被さり、佳織の乳首を口に含む千宏。
「んぁっ、ちぃ・・・」
　佳織はその体勢のまま、ほんのり桜色ながらパンと張り詰めて手に余る程豊かな千宏の乳房に頬ずりを始めた。
「ちぃの・・・桃のおまんじゅうみたい・・・」

　夢中でお互いを貪っている様に見えて佳織も千宏も、すぐ目の前で後輩がどんな状態に陥っているか見逃してはいなかった。
「優美・・・」
　佳織が呼ぶ。
「・・・・・」
　この後輩はいつのまにかジーンズを脱ぎ捨て、左手は胸を愛撫し右の指でショーツ越しに秘芯を嬲っていた。
「優美、こっちおいでよ・・・」
　千宏が手招きをする。
「優美？」
　手招きされて、フラァ〜ッと優美は椅子から立ち上がった。
「うん。おいで、優美。」
　佳織と千宏の元へと吸い寄せられていく優美。
「下ろすよ。」
「・・・」
　千宏がショーツに手をかけて訊いたが、優美は別に拒んだりしなかった。
　そっと優美の後ろに回っていた佳織がゆっくりとショーツを下ろしていく。
「あ・・・」
　膝まで下ろした頃にストッと足下まで落ちた。
　最近やっと優美の最下腹に現れたまばらな若草、そこにログハウス中から衆人の視線が集中したものの、もはや全く気にはならなかった。
「優美、こんなにして・・・」
「あ！」
　たとえ同性とはいえ、他人に自分の秘部を触られたのは初めてだったので、秘芯を指でなぞる千宏の行為に思わず身を引いてしまった。
「優美、おいで。」
「はい・・・」
　一旦は体を引いたがまたすぐ操られるように今度は佳織と寄り添う。
「んふ・・・」
　優美の縦裂に沿って軽く指を動かす佳織。
「武居・・・先・・・ぱい・・・」
「優美、この二日で随分お利口になったのね・・・」
「はい・・・」
　コクッとする。
「今日はあたしとか、みんなを見てな。」
「はい・・・」
「明日お昼食べてからまた時間とるから、優美のセレモニーは明日やろうね？」
「はい・・・」
「いい子だわ・・・」
　突然佳織に口唇を奪われ、舌を挿し込まれるが抵抗などしない。むしろ脳天まで痺れるような官能の一瞬だった。
「あたしも・・・」
　千宏ともディープキス。
「可愛い・・・優美。」
「じゃ。もう一度そっちで座ってなさい。」
「はい・・・」
　優美は佳織に言われるまま椅子の所へ引き返す。
　
　座ろうとしたが、思い直してブラウスも脱ぎ捨てて全裸になってからにした。そして若草の下で蜜を吐き始めた秘裂に指を這わせていくのだった。
　
　男の上で奔放に腰を振り立てる千宏を見て思う。
　あたしはあんなふうになれるだろうか・・・
　膣奥まで欲棹を受け容れながら、両手で肉筒を支え持って交互に口奉仕もしている佳織を見て思う。
　あたしもあんなふうになりたい・・・
　優美にとっては先輩への敬意を変える必要などなかった。今の思いは入部当初の思いと同じなのだ。
　髪留めに手をやると、迷うことなく外した。

　頭を軽く振りながら髪のもつれを解いて、ゆっくりと秘唇の間へと指を挿し入れていった。

　明日か・・・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜完〜