１．

　のどかな田園風景に留まる小さな民家の一室で、都会的な衣装を身にまとった美しい女が、全裸で立っている老人の足元に跪く。
　女は異臭を放つ老人の脚の付け根に美しい顔を寄せ、愛しいものを愛撫するかの如く両手で老人の睾丸を包み込むと、老人の伸びきった男根を小さな口に含んだ。
　老人は女の行為を無視するのかのように、両手の印を結んだまま目を閉じている。
　やがて女は鮮やかな口紅で彩られた唇から、ため息とともに怒張した男根を離すと
「お願いします。私を抱いてください・・・」
　俺は一匹の牝犬と化した女を確認すると、帰り支度の為にその民家を出た。
　寒風で冷え切った車のエンジンに火を付けて、運転席に座り煙草の煙を深く吸い込む。
　煙草を吸い終わる頃に、マフラーから排出される太くて低い音に混じって民家の中から女の高い歓喜の声が聞こえ始めた・・・

「本当に、あの女を私の思い通りに出来ますか？」
　依頼者の京子が問い詰めたが、老師は微笑を浮かべながら質問には答えようとしない。
　京子は、一向に本題に入らない老師に業を煮やしたようだ。
　美しい横顔は暖房のせいでなく、感情の高ぶりが紅潮させているようだ。
　老師が相手にしない事を悟ると京子はやり場の無い怒りを俺に向けた。
「貴方がこの人なら出来ると言ったから、此処まできたのに・・」
　美しい顔を紅潮させて詰め寄られたので、仕方なく老師に助けを求めた。
「師匠、この方は若さ故に師匠の力を疑っているようです。」
　老師は３人で囲むテーブルの中央にある、標的の社長夫人の写真を手にして見つめながら
「この女性には気品が満ち溢れている。私にはそれがよく解る。お嬢さんも美しいがこの写真の女性は内面から溢れる気品が写真から感じられる。いかなる事情でも、この女性を畜生以下にすることは避けたいものだ」
　　写真をテーブルに戻して老師は、視線を京子に向けると
「貴女もつまらない感情を捨てて、この女性のように生きられないのか？」
　この言葉が京子の怒りを増幅させた。
「説教される為に、山奥まで来た訳じゃないのよ。出来なければ帰る。」
　シルクのシャツに包まれた豊かな胸を揺らして、京子は荒々しく席を立った。
　俺は、京子の肩に手をかけて再び座らせる。
　高額の報酬を逃す事は、老師や信者の生活の為にも出来ないからだ。
「師匠、お考えは解りました。今回は私が単独で行います。ただ、依頼者の信頼を得るためには師匠のお力が必要です。依頼者には正当な事情もありますので、御指導をお願いします。」
　老師は、俺の表情から経済的な事情を理解したようだ。
　老師は椅子を移動し、整った眉を険しくさせる京子の両手を握ると
「私の力を見たいのですね、簡単なことです。」
　老師は深く息を吸い込むと、目を閉じて瞑想を始めた。
　怒りの表情を見せていた京子は不意に手を握られて驚いた様子だったが老師が瞑想を始めるとただおとなしく老師の言葉を待つ。
　山奥で修行を続ける老師からは、都会の暮らしでは考えられない異臭を放っている。

　やがてその異臭が届いたのであろう、京子は顔を歪めて手を振りほどいた
「臭い・・この人、お風呂に入っていないの？」
　握られた両手を振り払いながら、俺に助けを求めてきた。
「ここに風呂は無い、力を見たいのだろう？」
　老師は、立ち上がるとくたびれた作務衣を脱いで全裸になった。
　京子は叫びながら汚いものから逃げるように、俺の背後に回りこむ
「この爺、何を考えているの！　ふざけないで！」
　老師は再び目を閉じると、全裸で立ちあがると両手で印を結び
「お嬢さんは汚い私が嫌いでも、お嬢さんの体は私を望んでいる。私にすがりつくのは時間の問題だ・・・」
　俺の背中を叩きながら京子は金切り声で叫んだ。
「ふざけないで、汚い爺に抱かれるなら死んだほうがましだわ！」

　照りつける午後の強い日差しが街路樹の葉を、重なりあうセミの声と同調するように輝かせている。
　高級住宅街の中でもひときわ目を引く大邸宅から黒塗りのベンツが大きなガレージから姿を見せた。
　年老いた運転手と後部座席に目標の娘を確認した。
「娘が乗ってるわ・・・間違いない・・・」
　助手席に座る依頼者がベンツから目を離さずに車の発進を催促する。
　俺は仕方なくサイドブレーキを降ろしてアクセルを踏み込む。
　依頼者の計画通りにならないことを祈りつつ、ベンツの尾行を開始した。
　ベンツと一定の距離を保ちながら、俺は娘の義母である社長夫人の痴態を思い出していた。

「お願いです。乱暴はやめて・・・」
　震える声で下着姿の社長夫人が発した言葉は、雄の性欲を煽るだけで制止力にはなら
ない。
「本当にお願いします。主人や娘には手を出さないでください。お金なら幾らでも払いますから・・・」
　夫人の長い黒髪を撫でながら、俺は優しく語りかけた。
「娘の将来はおまえにかかっているのさ。俺の言う事を聞けばいいだけだ。ゆっくり楽しませてもらうよ。」
　睡眠薬入りの酒をたっぷり飲んだ、老いた社長は隣のベッドで眠り込んでいる。
　もっとも薬で眠らせた事を夫人は知らないのだが。

　ぐっすりと眠る、年老いた社長を横目で見ながら、若き社長夫人は俺の要求の意味を理解したらしく涙を流しながら訴えてきた。
「お金なら差し上げます・・・・だから・・・」
　その声に耳を貸さずに夫人の首筋に顔を埋めて高級な香水と女の匂をゆっくりと楽しむ
「金じゃねえ・・さっき言った意味がわからないのか？」
　ブラジャーからこぼれそうな豊かな乳房を下着ごと鷲づかみにする。
「社長を殺してから、おまえと娘を犯してもいいんだぜ。すべておまえ次第さ。早く裸になれ」
　観念したのか　真赤な顔を伏せながら夫人はブラジャーを外し始めた
　寝室の間接照明に照らされた金のクロスが豊かな乳房を彩っているブラジャーを外し終えた夫人は、枯れる事のない涙をぬぐって引き締まった腰と豊かな胸を隠すように両手を前で交差させた。

「ふざけるな、裸になれと言っただろう・・・」
　俺がナイフを社長に向けると夫人の瞳は諦めの色を浮かべた。
　ベッドの傍らに降りると、静かにしゃがんでパンティーを降ろし始めた。
　羞恥で整った顔を真赤にしている夫人の全裸が照らし出されると下半身の凶器が痛いほど固くなっていく。
　本能に忠実な俺は手早くズボンを脱ぎ捨てた
「ベッドに上がって尻を高く上げてみろ」
　夫人はブリーフの隆起から視線をはずすように後ろを向くとベッドに両手をついて尻を差し出すように犬のように四つん這いの姿勢をとった。
　伏せた顔から涙が落ちてシーツに染みをつくりはじめる。
「手を使わずに・・・口に含んでみるんだ。」
　俺は夫人の頭のほうに回りこむと女の顎を引き上げ、固くなった凶器をブリーフ越しに夫人の小さな鼻と口に押し付けた。
　彼女が首を振って逃げようとするたびに、絹のような長い髪が俺の内股に触ると、くすぐるような淡い快感が湧きあがる。

　あの社長だけは許せない・・・応接室のソファーに座るなり、依頼者の女が俺の事務所で最初に発した言葉が印象的だった。
　京子と名前だけ名乗る依頼者の言葉から深い復讐の決意が滲み出ていた。
　彼女の説明では　年老いた経営者の性癖は、秘書であった彼女の一生を台無しにしたらしい。
　細かな説明を望まない俺を無視して彼女は語り始めた・・・

　依頼者は短大を卒業すると同時に大きな商社に就職し社長の秘書として働き始めた。
　社長の好みは処女を調教することが趣味らしく、依頼者が彼によって女にされたことから始まり　数回の妊娠　堕胎そして偏った性癖の代賞となった肛門性交や取引先への夜の接待など・・京子はアダルトAVさながらの行為を穏やかにかつ冷静に話していたのが、京子が入社してから数年たったある日、唐突に社長が彼女を呼び出して
「俺は再婚する。おまえみたいな淫らな女には、興味がなくなった・・・ご苦労さん」
　と言うと札束を無造作に依頼者の胸元へ押し込んだ。
　京子は当然のように辞表を書かされて、退職することになったらしい。

　退職するくだりの話をする頃から、依頼者は興奮して、応接テーブルを叩きながら泣き始めた。

　その社長曰く
　亡くなった先妻の間に出来た娘も成人したので自分の人生を楽しみたいらしい。
　古風な貞操観念を持つ若い女と知り合って、その魅力の虜になった社長は、以前の性癖など完全に忘れてしまった様子で若い女と結婚を決意したらしい。

「ワシと彼女の間に性交などいらない。・・心で結ばれているんだ。身体の関係なんて全く興味が無くなった。彼女と出会ってから心が洗われたようだ、再婚することに決めたんだ。」

　依頼者の女を激怒させた社長の最後の言葉が、彼女を復讐に駆り立てたようだ。
　彼女の依頼とは　社長夫人とその娘を淫らな女に仕立てること。
　とりあえず高額な報酬が必要だった俺は、娘は後の契約にすることを条件にして、まずは社長夫人から取り組むことにした。
　娘に手を出すのは中年男として気が乗らなかったので、その時は、夫人だけで依頼者が満足してくれればいいと思っていた。

　早速行動に移った俺は、依頼者の要望通り社長宅にて夫人を犯す計画を立てた
　単独では成功の見込みが薄かったので社長宅のお手伝いを買収し情報を聞き出すつもりが、若いお手伝いも、夫人が気に入らないらしい。こちらの計画を話す前に堰を切るように夫人の悪口を並べ立てる。夫人の気品ある立ち振る舞いが鼻につくようだった。
　お手伝いの情報をもとにすぐに計画を立てて、彼女に協力を求めると二つ返事で了承を得た。
　内部に協力者ができれば、社長に睡眠薬を飲ませて、社長宅のセキュリティを解除することにそれほどの期間を必要としなかった。

　驚いたのはお手伝いも社長に玩具にされた依頼者と同じ事情らしく、社長夫人の醜態のビデオを渡すことを条件にするほど、夫人に対する感情は穏やかでない様子だった。
　お手伝いは社長宅の日常を見ているので、依頼者よりも夫人に対する思いは余計に複雑なようだ。
「あの女の化けの皮を剥がすのなら、協力するわ。テレビで男の裸が出るだけで、部屋を出て行くのよ。娘が居る年の女の振る舞いじゃないわ。それを喜んで見つめる社長にも腹が立つわ・・・私にしたことをあの女にもするのが礼儀じゃない？」
　依頼者やお手伝いの話を鵜呑みにすると、社長夫人には大和撫子なんて死語が、必要になるようだ。
　実は俺自身そんな女が存在するなんて信じられなかった。
　依頼者やお手伝いが大げさに言っているだけと思っていたから・・・

　これほど涙を流す女は見た事がない。
　俺のブリーフは夫人の涙で冷たくなってきた。
　美しい瞳に涙を浮かべながら、俺の股間に顔を押し付けられている夫人の顔は熱があるかのように耳まで真赤な羞恥の色で染まっている。
　今までに性行為の一つや二つあってもおかしくないはずだが、この様子を見ると、案外処女かもしれない
　現在のTVアイドルには無い、清楚で落ち着きがあり、気品あふれる美しい顔立ちを上から眺めながら、依頼内容の”淫らな女”までおとしめる計画の段取りを頭の中で復習する。
　最初は敏感な部分の刺激を押さえて夫人の欲望に火がついてから・・・
　依頼者の細かな指示どおり動くことを、最初は拒否するつもりだったが、これほどの清楚な美女と接した経験が無いので、少し気後れしたのかもしれない。
　今は指示どおりの作業を淡々とこなすつもりだ。

　ブリーフ越しの微妙な快感に身を委ねながら、社長夫人の豊かな胸を優しく揉んで、彼女の白い綺麗な背中を空いた手で軽く刺激してやった。
　俺の鈍感な手でも解るぐらいに夫人の体温が徐々に上昇していった。
「お願いです。もう許して・・・」
　俺を見上げる夫人の目に、微妙な変化を感じた俺は、重力に負けまいとして、張り詰めている豊かな乳房から手を離した。
「おまえが触って欲しいのは・・・」、言い終わらないうちに夫人の乳首を軽くつまんでやった。
　美しく整った眉を曲げて苦悶の表情を浮かべているが、無言で耐える夫人の思考とは別にピンク色の小さな乳首は指の動きと共に少しづつ固くなっていく。

　若き社長夫人の細い背中が月明かりを浴びて白く輝いている。
　やはり温室育ちのせいか・・・逆らう事に慣れていないらしい。
　予想以上にスムーズに計画は進んでいる
　彼女が死ぬ気で抵抗していたら、別のプランに変更する必要があったからだ。
　四つん這いの夫人の尻が徐々に下がっていく。
　俺はそれを見逃さずに、ベルトで尻を打った。
「うぅぅ・・・・ぶたないで。」
　叫ぶの我慢する夫人の小さな尻に赤い筋が走る。
「そうだ、大声をあげると社長が起きるぞ。この姿を見られたくはないだろう。見せたければ、大声で叫ぶがいいさ。」
　夫人の意思を確認するために再びベルトを振る。
　尻から背中にかけて炸裂するが、夫人はシーツを噛んで耐えている。

「尻を下げたら容赦なく打つ。覚えておけ。旦那が起きても構わないなら、大声で叫ぶがいい。この寝室はおまえが結婚する前に社長の趣味で完全防音になっているからな。声を出しても助けはこないぞ。」
　夫人は返事の代わりに形の整った尻を高く掲げる。
「そうだ、ぶたれたく無ければ従順になることだ。」

　命令に従う夫人の様子を確認すると、俺は不慮の事態に備えて待機している依頼者に連絡すべく携帯を手にした
　呼び出し音が途切れない間に、依頼者は電話に出る
「遅かったじゃない。どうなの？」
　俺は社長夫人の髪を掴み、股間に引き寄せながら
「問題ない。順調に進行中」
　それだけ答えて携帯を切ろうとすると・・
「待って、その女に目隠しをしておいて。」
　依頼者の意図を感じた俺は、携帯を切ると、用意したアイマスクを夫人に付けた。
「見えないほうがおまえの為なのさ」

　夫人は、四つん這いのまま尻を高く上げた姿勢を崩さずに
「約束してください。娘と主人には手を出さないって・・」
　俺は高く掲げられた尻のほうに移動しながら
「全てはおまえ次第さ。逆らえば容赦しない。わかったか？」
　固く締まった夫人の尻を掴んで夫人に言い渡した。
「もうすぐ、お客さんも来るはずだ。その客は気が短いから、気をつけるんだな。俺のように、２回同じ事は言わない人だからな。」
　言い放つと同時に、さらにベルトを振り下ろした。
「うぅぅぅぅ・・・・・」
　苦悶のうめきを漏らしながら、従順な姿勢を崩さない夫人を見ると、この女・・案外強いかもしれないな・・計画に一抹の不安を感じながら、嬲り甲斐があることも発見した喜びを噛みしめて軽くベルトを振るった。
　声にならない夫人のうめきと共に、寝室のドアが不意に開くと依頼者の女が入って来たのであった。