八章

　昼前の優しい陽射と柔らかい春一番の風を受けて白いカーテンが小さく揺らめいている。
　総合病院の院長室で診察を受けている年老いた社長は、揺らめく窓際のカーテンを眺めて、いたが、聴診器を耳から外し診療の終わりを告げられると向かいに座っている院長に厳しい口調で口火を切った。
「先生、去年の暮れみたいな間違いは困る。正確に俺の死ぬ日を教えてくれ」
　口髭に白髪が混じる院長は、社長と同年代だが髪が薄く見かけでは社長よりもかなり年輩に見える。社長の問いを軽く受け流すかのように視線を外すと、院長は若い看護婦から検査結果を受け取りその資料に目を流す。
「社長、医者は神様じゃないのですから・・昨年の秋から暮れにかけては確かに危ない状態でした。今年の春を無事に迎えられたのだから、御自身の体力に感謝すべきですよ。医学が進歩しても寿命なんて大体でしか推測できませんよ・・・」
　静かな口調で答えると口髭を軽く捻り　回転椅子の向きを変えて社長を横目で見ながら、組んでいた足を広げて看護婦の前に投げ出すと、看護婦に軽く指で合図した。
　まだ初々しさが残る看護婦の横顔は白いカーテンからこぼれる光を受けて、成人したばかりのつややかな肌の張りを知らせてくれる。
　彼女はためらいもなく年老いた院長の前にひざまづくと手馴れた様子で院長のズボンのベルトを緩めると院長の男根を下着から引っ張りだした。見慣れた行為なのか、社長は慌てる様子も無く院長に詰め寄る。
「ふざけないで、死ぬ日を教えてくれ。最後の宴には準備に手間がかかるんだ。」
　語気を強める社長を無視するかのように、院長は看護婦の頬を軽く撫でた。
　社長の顔を見て看護婦は躊躇していたが、院長の澱んだ好色な眼の光に圧倒されたのか、小さく頷くと諦めたように艶やかな小さな唇がしなだれた大きな黒い男根をゆっくりと包み始める。看護婦は羞恥で頬を赤く染めて、恥ずかしさを隠すように瞳を閉じた。
　他人の前で男の性器を舐めるのを見られることへの抵抗を示すかのように目頭には大粒の涙が溜まっている。
　やがて根元まですっぽりと咥えるころには院長の男根が若干硬化したことを示すように苦しそうな表情を見せるが、表情とは裏腹に舌が休むことなく男根に沿って、軟体動物のようにまとわりながら動く様が、彼女の頬の動きで明らかだ。
　下半身から発せられる小さな快感に身を委ねる院長が社長に尋ねた。
「ところで宴には参加させてもらえますか？・・」
「解っている。おまえもあいつには復讐したいだろう。考えておこう・・それより俺の体は夏を越えられるのか？　検査の結果も出ているから解るだろう？」
　奉仕を続ける看護婦を無視して社長が詰め寄る。
「あと３ヶ月は大丈夫だと思いますよ。夏は越えられますが・・冬は自信ありませんね・・　もちろん検査は続けてもらいますが・・・ううぅぅ・・この娘も舌使いが上手になった。一年かかりましたけど・・社長もいかがですか？今日が始めてのお披露目なのですよ。この娘も嬉しくて泣いています・・フフッ・・」
　院長は看護婦の苦しい表情を無視して、彼女の頭を強引に引き寄せた。
「秋までは持つんだな。俺は、そんな売春婦のような女には興味ない」社長は院長の誘いを断り看護婦を卑下するかのように冷たい目で見下ろしながら、
「お嬢さん、女は恥じらいが無いといかんよ・・」
　看護婦は涙を流して喉の奥まで院長の怒張を受け入れる。社長に言われた売春婦の言葉がさらに涙を誘ったようだが、院長はそんな様子を愉しんでいるようだ。
「売女とは彼女に失礼ですよ。彼女は立派な変態です。ほら御覧下さい」
　院長が手を叩いて合図すると、看護婦は男根からゆっくり唇を外しながら、白衣をまくりあげて白い尻を露出させる。怒張した男根の先から細い粘り気のある糸を引いて彼女の唇が離れていった。看護婦はくるりと院長に背を向けると、院長室の床の絨毯に膝をつき、陰部を露出させるように白く細い指で彼女の秘孔を開きながら
「お願いします・・院長先生・・」
　泣きながら聞き取れないほどの小さな声で看護婦はつぶやくが、院長は返事の代りに剥き出しの形の良い小さな尻を平手で叩きつける。派手な音が院長室に鳴り響くと看護婦の白い尻には真赤な手形が浮き出し始めた。看護婦は声にならない呻き声を床に吐き捨てる。
「いつも言っているだろう、いつものように言いなさい。」
　院長の声が冷たく響くと、看護婦は赤い手形がついた尻を高く上げて振りながら
「変態女の穴を使ってください。お願いします。御主人さま」
　看護婦は床の絨毯に顔を押し付けて、小さな声で懇願した。
　彼女の尻が揺れる様を冷たい目で見下ろして社長はつぶやく。
「また、薬を使っているのか？懲りない先生だ・・」
　院長は勢いよく立ち上がると揺れる看護婦の尻を両手で激しく打ちつけた。どうやら社長の言葉が気に障ったらしい。
「社長、薬は調教の初期だけです。今では薬無しでもこの有様ですよ。あの男でもここまで落ちた女は救えない・・・」憎しみを看護婦の尻に見つけたかのように、尻を打ちつづける院長の目に怒りの色が見え隠れする。
「解ったから、止めないか？　わしは帰るぞ。」社長は衣服を正して席を立った。
　院長は看護婦の尻を鷲づかみにすると、濡れそぼった看護婦の秘孔に男根を添える。

「社長、宴に参加させてもらえますか？」部屋を出ようとする社長に院長が言葉を投
げた。
　社長は振り返って言葉を受けると冷めた目で院長を突き放した。
「先生、わしは先生を高く買いかぶっていたのかもしれん、そんな女で満足するとは
・・」
　院長はゆっくりと挿入すると看護婦が艶のある嬌声をあげた。
「社長、この娘があの男の泣き所でも？・・・宴にはもってこいだと思うのですが・
・」
　驚いた社長はまじまじと看護婦の顔を見つめる。
　長大な男根で差しぬかれた看護婦は社長の視線に動じることなく、快楽に没頭するかのように薄目を空けて、細くくびれた腰をうねらせている。その様子をみた社長は満足気にうなずいて言った。
「先生、宴には参加してもらうよ　よくここまで仕込んだものだ。わしの楽しみが増えたな・・ありがとう先生。次にゆっくり話を聞かせてもらうよ。」
　社長の声に大きく頷くと院長は若い看護婦の尻に腰の抽送を加速させていった。

第八章終わり