４．脅迫

　１２時を過ぎたばかりの地下食堂、腕に残る縄の後を隠して長袖のブラウスを着た里美は、日替わりランチのチケットを手に順番を待ちながら、目線をキョロキョロさせている。
　小のご飯を頼んで、おぼんを両手に抱え、振り返ると混雑したテーブルのさらに奥のテーブルに、ひとりで座った麻美を見つけた。
　足早に麻美の向かい側に足を止め、席を確保すると、そっとおぼんを置く。
「近ごろ調子はどうなの」
「まあまあねぇ」
　同期入社の里美は、座りながら声を掛けると、澄んだ声で麻美が答える。
　しばらく仕事の愚痴で間をつないだ里美が、籾山との関係をほのめかす。
「まあ、籾山さんとつき合ってるの？」
　麻美は驚きの表情を隠せないでいる。
　甘いマスクの籾山は、○○商事に勤めるＯＬ達の中では知らない者がいないほど有名なのである。
　そんな男とつき合っているという里美の言葉に、疑問を持つのも当然だ。
「まあ、失礼ねぇ、私だってそこそこイケテルでしょ」
　これ見よがしに髪を梳き上げると、話題を変えた。
「ねえ、ちょっと私につきあってもらえないかしら」
「何のこと」
「籾山さんがね、…私もよく知らないんだけどネットで映画のデータを拾ったとかで、今から公開されようとしてる映画、見に来ないかっていうのよ」
「なんていう映画なの」
「‘トロイ’って言ってたわ」
「まあ、今コマーシャルやってわねぇ」
「そうなの、知らなかったわ…で、今夜の予定はどうなの」
「特に予定はないけど…？」
「じゃぁ、いいわよね…ねっ」
　強引に約束を取り付ける里美は、麻美の映画好きを知っている。

　就業時刻を過ぎたばかりの女子ロッカールームは、私服に着替える○○商事のＯＬ達でごったがえしている。
　手早く着替えた里美は、赤いルージュをひきながら麻美の着替え終わるのを待っている。
「麻美ぃ〜、行くわよ」
　麻美が着替え終わると里美は、足早に近づき小声でささやきかけた。
「ええ」
　振り返る麻美は淡いピンクのドレスに身を包み天使のように、やさしい笑顔をふりまいている。
　ロッカールームを出た里美と麻美。
「やっぱり、ステキよね麻美は」
「どうしたの急に…」
　里美は、ありきたりの世間話で麻美を籾山のマンションへ案内する。

　籾山に理由も明かされず呼び出された武司、午後７時には、すでに慣れたマンションのドアをノックした。
「今日は、オレの言うとおり動いてくれ、しゃべらなくていいからな」
　いつもに無くピリピリした雰囲気の籾山。
「何なんです、この間の盗聴の件すか」
　異様な雰囲気に、自分が場違いな所に来たような違和感を感じる武司。
「そうだ、里美がもうすぐ連れて来ることになってる」
「来るんですか」
　麻美に会えることに心躍らせた武司は大きな興奮を覚えた。
「テープのことは秘密のままだからな…、まあ、気楽にして飲んでろよ」
　籾山は武司に諭すようにいうと、缶ビールを投げ渡す。
　期待とは裏腹に、なぜか納得できない思いでいる武司は、なげやりな気分でプシュッとプルトップを引き上げた。

　武司が見たこともない衛星放送の番組を見ながら、つまみもなしにビールを飲んで、１本目が空になったころチャイムがなる。
「飲んでろよ」
　隣の部屋で何やらガサゴソしていた籾山が一声掛けて玄関へ行く。
「まいどぉ〜〜」
　来客は武司の期待に反して、籾山の頼んだ中華の出前のようだ。
「武司、ちょっと手伝ってくれ」
　籾山の叫ぶような声に、武司はバタバタと玄関に向かい、料理の皿をソファのテーブルまで運んだ。
「美味そうですね」
　武司が舌なめずりする。
「もっと、いい者が後から来るぞ、…つまみが無かったな、どれでも一皿開けろよ」
　籾山は、武司を気づかう。
「いいもの、来るんなら待ってますよ」
　お預けをくらった犬のような気分で、２本目の缶ビールをあおった。

「こんばんは」
　出前と入れ違うように、里美が到着し楽しそうな声を響かせる。
　里美は麻美の手を引いて、マンションの扉をくぐった。
「よう、遅かったな、……そちらは？」
　籾山は、親しく里美に返事をかえし、麻美のことは知らぬとばかりに問い返す。
「同期入社の麻美さん」
「麻美です、よろしく」
　遠慮がちに取り澄まして頭を下げる麻美を、武司はじっと見つめている。
　里美の小さく丸い顔立ちとは違い、卵形のいかにも美人の顔立ち、付回していた時とは違い、間近に見る麻美の美しさに圧倒される武司だった。
　武司は、先に飲んでいることに戸惑いながら挨拶した。
　それぞれにみんなが挨拶を済ませ、里美の提案で軽い食事を取った。
　雑談の中で解ったのは、同期入社といっても里美と麻美の歳は３つも違うらしい、大学へ行くことを考えた事もない武司には、短大だの大学だの院だの言われても何のことやらピンとこない、ただ歳の差だけが理解できた。
　腹がふくれると、籾山がノートパソコンを操作して予定の映画をスクリーンに映し出した。

　２時間におよぶ映画も残り３０分となったころ籾山がトイレに立つと、里美の携帯がなる。
　里美は麻美に耳うちすると、トイレから帰った籾山とも小声で話を済ませ、そそくさとマンションを後にした。

　映画が終了すると、その内容に心動かされたのか、麻美は大きな瞳を潤ませて、ほっと一息ついた。
「そろそろ、お暇させて頂きます」
　腰を上げようとする麻美。
「そう急がなくても、まだ聞いてほしいものがあるんですよ」
　籾山が引き止める。
「でも、時間が時間ですし…」
「時間なら心配いらないよ、５分もかからない、ご希望なら自宅まで送りますよ」
　丁寧な言葉づかいで話す籾山は、メモリースティックを差し込んでパソコンを操作した。
「あっ…あっ…」
　画面はブルーバックのままで画像はないが、なまめかしい女の声が響きだす。
　武司は、ノイズを処理されているのか、盗聴時の音よりもクリアーな音声に驚いている。
（失礼ねぇ）
「止めてください、帰ります」
　怒りを露わにして立ち上がる麻美。
　慌てて追うように立ち上がる武司を、籾山がヨセと手を振って引き止める。
「・・…課長……」
「…麻美…」
　とクライマックスの声が流れると、麻美は声もなく立ちすくむ。
「聴いて欲しかったのは、これですよ、５分も掛かってないでしょう」
　足を組み直す籾山は、冷静な面持ちでいう。
　ガクッと力を失うように座り込む麻美は言葉もなく、うずくまっていた。
「どうして…？」
　やっとの思いで問う麻美の膝はガタガタと震えだしている。
「そう心配することもありませんよ、煮て食おうって分けじゃない」
　籾山は残ったビールを麻美のグラスに継ぎ足した。
「口でも潤して、少し落ち着いて話しましょう」
　籾山はグラスのビールを飲み干した。
「どうすれば…？」
　こんな状況で、麻美が落ち着いていられるわけもない。
「…意外とせっかちだなぁ、…じゃ、こっちの希望を聞いて貰うとしますか。…お金を要求するつもりは毛頭ないんでね、…どうですＳＥＸフレンドを同時に２人増やすっていうのは」
　高圧的な立場の籾山は、あけすけにいう。
「…」
「よく考えて下さいよ、十分なっとくして欲しんでね」
　籾山は武司に、もういいぞとばかりに、目配せする。
　武司は、麻美の後ろに廻りピンクのワンピースの背中のチャックに手を掛ける。
「いやっ、やめて」
　身体をズラせて武司の手を外す。
「ほお〜、脱がされるのがいやなら、自分で脱いでもらうしかないな」
　籾山は、武司に手招きして座らせる。
「さあ、そこに立ってストリップだ」
「そんな、…ゆるして〜」
　むずがるように動かぬ麻美。
　籾山はパソコンを操作して、再生を再開する。
「あっ…あっ…あっ」
　スピーカーから卑猥な女の身悶え声が再生される。
「いやっ、止めて、…終わったら必ず、返してもらえるんですね」
　籾山が四角い停止ボタンをクリックして再生を止めると、麻美は涙を浮かべて力が入らないのかゆっくりしたスピードで立ち上がると、立っているのがやっとの面持ちで、揺れる身体を押し留めている。
「確約しますよ、データのコピーは無いし、終われば差し上げますよ、このメモリースティクをね。
　…さあ、なんならダンスミュージックでも用意しましょうか」
　と追い討ちをかける籾山。
　麻美は、イヤイヤと首を振り案外いさぎよく、クルクル丸めてパンストを引き下げた。
　ワンピースの裾から露わになった素足は、ほどよい肉づきで足首への窄まりがたまらなく男を誘っている。
　引き下げる時、チラリと見えた腿のふくらみが、武司を悩殺する。
（どうして、どうしてこんなことに）
　右手を肩から左手は脇から、背中に手をまわしてジジとチャックを少し引き下げる。
（秘密を守らなければ、二人は破滅してしまう）
「必ず、必ず返して…」
　確約を取ろうとする麻美は、コクンとうなずく籾山を見て、また少し手を進める。
（しかたがないのよ、しかたが…）
　麻美の脳裏でこだまする。
（ほんの、ひと時耐えれば…）
　ノロノロと進む麻美の手。
　武司は立ち上がると麻美を挟んで籾山の真向かいに立ち、チャックが引き下げられ、露わになろうとする白い背中を凝視する。
　麻美は少しでも遅らせようとしているのか、スローなペースで肩を抜く。
　恥らうしぐさとスローペースにそそられる武司は、肩の傾斜にすらビーナスの彫刻を見るようにみとれている。
　両肩を抜いた麻美はワンピースのドレスを放して、ストンと足元まで落とすと、身体をくの字に折ってドレスを手に片足つづ抜いた。
　武司には、麻美のどんな小さなしぐさもセクシーだ。
　薄いしなやかな絹地のキャミソール、かがんだ時にチラッと覗かせたパンティ、どちらも抜けるような鮮やかな白色が、目に眩しい。
　麻美の瞳は涙も乾き、諦めたのか、ふて腐れたように、たんたんと脱ぎ進めている。
「下からだ」
　キャミに手を掛ける麻美を見て、籾山がいう。
　一瞬、戸惑いをみせた麻美は、言葉もなく、気を取り直してキャミの裾を少し手繰ってパンティに手をかける。
　武司は、丸みをおびた素肌に添ってズリ下げられる白い布地を、まばたきもせず追っている。
　身体をくの字に折って足を抜くしぐさが、「そこで止まってろ」と言いたいほどにセクシーだ。
　麻美はパンティを失った股間のうら寂しさに、きつく股を閉じ立ち尽くす。
「止まってないで、続けろよ全部だ」
　籾山の非情な声が飛ぶ。
　麻美はキャミの裾を一旦手繰りかけた手を止めた。
　上に脱ぐと何もかも隠しようがなくなることを恐れた麻美は、振るえる手で、ぎこちなく肩紐を外す。
　両の乳首を片腕で覆いながら、身体をくねらせ腕を抜く、両腕をやっとの思いで抜くと、皺になったキャミが腰に絡まり止まっている。
（おおきい）
　武司は静かに前にまわり、隠し切れない大きな乳ぶさがひしゃがれている様子が目に飛び込むと、その大きさに歓喜した。
　クナクナと腰を揺すり、片手でずらせて足元にキャミを落とすと、麻美の手は空かさず恥毛を覆う。
　染み一つない澄みきった身体が露わになる。
　麻美は衣服を脱がされた屈辱に身悶えながらも、すねた表情で籾山を見返している。
　麻美の顔としぐさに惚れ込んでいた武司は、柔らかみを帯びた真っ白なその身体にも惚れ込んだ。
　常道手段では近づくことすら出来なかったであろう理想の女を前に「俺にくれ」とも言えず、身悶える武司の思考回路は止まっている。
「服、着てる時より、いいじゃないか」
　籾山も麻美の身体に満足しているようだ。
「まずは、観察といくか、奥の奥までな」
　立ち上がると、立っているのがやっとの麻美を引き連れてベットへ行く。
「いや〜っ」
　麻美を投げ飛ばすようにベットに引き倒す。
「武司、両手をベットの端に縛りつけろ」
　籾山の声にヒクッと今目覚めたかというような武司は縄を取る。
「早くしろ」
　シクシクと涙する麻美を前に容赦のない籾山。
　武司は、あたふたと麻美の手首を取り縄掛けする。
　初めて触れた麻美の身体、それが、たかが手首であっても、この感触をだいじにしたいと思う武司の動きは優しく繊細になってる。
　両の手は大きく引き伸ばされ自由がない。
「縛らなくても…、暴れたりしません」
　抵抗せぬ者への拘束を抗議する麻美は、膝を折り身体をよじって丸くする。
「ハハハ、その格好もなかなかいいぞ、頭かくして何とかってやつだ、縦スジがしっかり見えてるぞ」
「あっ！、いやっ」
　胸を覆うことは諦めて、伸ばした足を交差する。
　武司は麻美の股間に覗く漆黒の細くなめらかにそよぐ上品な恥毛にも、これはいいと納得している。
「縛るのは俺の趣味だからな、素直になるって言うんなら足を開いてご開帳しろ」
　籾山はポンポンと麻美の交差した白くムッチリした腿を、ここだとばかりに合図する。
　足の交差を解いた麻美は膝をガクガクさせて戸惑いを露わにしている。
「武司、気分が乗らないと足は開けんらしい、胸で揉んでやれ」
　あくまでも麻美自身に足を開かせようと間接的な行為を指示する。
「いいんですか」
「いいからやれ」
　武司は、早くも胸がさわれるのかと、そそくさとベットに上ると横になっても大きく膨らんで谷間を作った乳ぶさをカバッと両手で覆うと、ムニュムニュ、クルクルと揉みつける。
「いやっ、だめっ」
　身体をよじって武司の手を避けようとする麻美は、いっそうきつく足を閉じている。
「まだか、ご開帳は…、最初から手荒なまねはしたくないかだがな」
　苛立ちぎみの籾山。
「そろそろですかね、乳首がシコッて手の平にいい感触になってきましたよ」
　武司は素直な感想をいう。
「いやっ」
　麻美が顔をそむけると、武司はこの表情もいい、と惚れ直す。
「まだまだだろう、ローシュン使ってやれ」
　籾山にしては気の長い指示がとぶ。
　武司はベットの下から薄ピンクに輝くローションを取り出すと、両の乳首から臍にかけてタラタラと滴らせる。
「あっ」
　冷たさにヒクッと身体を強張らせる麻美はよりきつく足を閉じている。
　武司の手がヌルヌルと麻美の身体を這いまわる。
（あぁ〜っ）
　声がでそうになるのを必死でこらえる麻美の表情は、眉間に皺をよせるほどである。
「どうした、足、開かないか、早く開かないと、ヌレヌレ○○○○のご開帳になるんじゃないのか」
　足を閉じたままの麻美をとがめる籾山。
「いやっ」
　いっそうきつく閉じられる足。
「直接手伝わないとだめか」
　籾山は麻美の足の親指の根をきつく摘んでスルッと小さく開脚する。
（あっ、どうして）
　必死で抗って足を閉じようとする麻美の意思と力に反して籾山は自由に足を扱っている。
　籾山は親指を捕られた女の足が男の自由になることを知っている。
「だめぇ〜、やめてぇ〜」
　股間の潤みを自覚した麻美は籾山の意思で開かれてしまう足をどうしようもなくうろたえる。
「ほら、ほら、もっと開くぞ」
　両手をいっぱいに開くと、麻美は膝を折って閉じようとする。
　籾山は、ぐいっと親指を捕った手をねじると麻美の足が内股にねじれて足はピンと伸びてくる。
「いやぁ〜〜〜ん」
「武司、見てみろ、言ったとおりヌレヌレだ」
　子供のドロ遊びのようにローションを捏ね回していた武司が開かれた股間を覗き込む。
「いやっ、見ちゃだめぇ〜」
　顔をそむけて身悶える。
　麻美のそこは、白人の○○○○かとみまがうほど小さくピンク色のビラビラに飾られ、溢れた淫水をツツッと一筋、菊壺めがけて垂らし、見逃すほど小さな肉芽をチョコッと覗かせている。
「奇麗な○○○○だ」
　武司の声に菊壺がキュッと締まると、トクッと淫水が溢れ出る。
　籾山も武司も、その一瞬を見てスギンと股間を疼かせた。
「このまま足、広げてろ」
　威圧していう籾山、麻美はピクッと身体を強張らせた。
「おねがい、もう、やめて」
　籾山は、閉じたくてガクガクする麻美の膝の動きを、ひとしきり楽しむと、肉芽を指の腹でピンと弾く。
「あぁっ」
　喘いで足を閉じてしまう。
「広げてろといってるだろ、開け」
　籾山の平手は麻美の腿をパシンと一打ちする。
「で、できない」
　麻美は足を開こうとしているのか、膝をガクガクさせて制御不能のようだ。
「武司、手を拭け、足も縄掛けだ」
　籾山の指示に手をぬぐうと、長い縄を取り出して両の膝上をベットの珊に繋いで締め上げる。
　手の空いた籾山は、銀に輝く医療用具を取り出して、ローションを塗りこんでいる。
「なんですか、それは？」
　見慣れぬ器具に武司が問う。
「雑誌には出てこないのか」
「たまたまですかね、見ませんね」
「クスコーだ、婦人科の医療用具、この口ばしの形でだいたい解るだろ」
　籾山はクスコーの蝶ネジを操ってカチャカチャする。
　武司はフムフムと納得顔でローションマッサージを続けている。
　手足を拘束された麻美、二人の会話で何をされるか察して、思わず動かぬ足を閉じようとして足をピクピクさせている。
　麻美の股間に座っていた籾山は、何か思い出したように、おもむろに立ち上がりソファのクッションを手に帰ってくると再び濡れた花園に向きなおる。
「尻上げろ」
　叫ぶようにいう籾山。
　顔を振って、いやいやする麻美に、武司は手をヌルッと尻の下まで潜り込ませて引き上げる。
「あっ」
　そんな武司の手の動きにも甘い喘ぎで応えてしまう麻美は、いつもにない昂ぶりを感じている。
　籾山は、すかさずクッションを麻美の尻の下に押し込んだ。
「奥の奥はどんなかな」
　銀色に輝く金具の口を咥え込ませる籾山、武司は白い内腿に手を這わせながら一部始終を観察している。
「あぁ〜」
　冷たい金具に壺口と菊蕾をギュッと窄める麻美。
「咥えただけで、気持ちいいか、…力抜けよ」
　いやいやする麻美をよそにググッと押し込んだ。
　カラカラとネジを操作して口ばしを押し開くと、胸ポケットからペンライトを取り出して奥を照らした。
「おおっ」
　ピンク色の壁肉、奥の奥に赤く充血して蠢く子壺、子壺のふちには白濁した本気汁を溜めこんでいる様子がよく見えると、籾山は感嘆した。
「武司、お前も見るか」
　籾山が顔を離すと、武司は麻美の恥毛を超えて覗きこむ。
「いやぁ〜〜ん」
「見るか」の声に反応したのかピンクの壁肉が口ばしの隙間にググッと張り出してくる。
「締まり良さそうですね」
　武司の声に籾山も覗きこむ。
「おお、すごいな、金具が壊れそうだな、…俵締めってやつか」
　無意識に、壺口と壁肉が長い周期で金具をキシませ収縮が繰返されるさまに、籾山と武司は顔を見あわせた。
　麻美の永い夜は始まったばかりなのである。