９．黒い影

　華やいだ屋敷を前に、人の出入りを監視している武司の思いは複雑だ。
　今回の計画の、犯罪色の濃さは、武司を戸惑わせるには十分な内容だった。
　里美や麻美の陵辱は、ＳＥＸに対する趣味の違い程度と、納得させられるものがあったが、今回は違う。
　住居侵入、監禁、強姦とパッと思いつくものだけでも数々の違反が頭をかすめていく。
　そんな状況でも武司は、籾山についていけば好いことがあると無理やり自分を納得させている。
（里美や麻美はどんな思いで協力しているのだろうか…）

　家庭を守る恵子が一人になる頻度は高い。
　朝早くから霧島と娘の直美は、運転手付きの黒車で出掛けて行く。
　武司の連絡で、契りを結んだ仲間たちが行動を開始する。
　澄みきった青い空、澄んだ小鳥の声が聞こえる、すがすがしい朝。
　週末のその日、暗闇に潜む邪悪な黒い影が踊りだす。
　武司は小さな空箱を手に、重い玄関の前に立ち、呼出しボタンを押す。
　呼出し音が聞こえない事に少し苛立つ武司をよそに、隣に立つ籾山はやけに落ちついている。
「は〜ぃ」
　ドア越しに聞こえる女の声は、遠い森の奥からのように小さく聞こえた。
　明るく澄んだその声からも上品さがうかがえる。
　ガチャン
　金属音の後、音もなく扉が開く。
「お届け物です」
　それらしい服装もしていない武司が空箱を差し出すと、疑う様子もなく恵子の白い手が差し出される。
　恵子を一目見た武司は、圧倒されるほどの美貌に足が一歩さがろうとするのを意識して留めるほどだった。
（すごい、いい女ねらってるな）
「認め印、お願いします」
　四角い伝票を差し出す武司は、気後れしそうになるのを堪えて、必死で声を絞り出している。
「あっ、はいっ」
　四角い紙切れを空箱に重ねて背中を向けてしまう恵子。
　一歩引いた武司に替わって籾山が黒い鉢巻を両手で拡げるようにして恵子を数歩追うと、振り返る間もなく目を覆ってしまう。
「何を…！！」
　すっとんきょうな声を上げる恵子。
「静かに、おとなしくしてれば怪我はしない」
　籾山は恵子の耳元で囁くようにいう。
「何なの…！！！」
　目隠しに手をやる恵子、籾山は目隠しの鉢巻を縛り終えると、すかさず恵子の両腕を捕り、後ろでにねじり上げていく。
　武司が玄関先に置いたバックから縄を取り出し、籾山に投げ渡す。
　そんな細かな打合せは無かったが、協調のとれた二人の行動は、事をうまく運んでいる。

　凝った作りの肘掛のある大きな椅子に座らされた恵子は、洋風の広い居間に何かの面接の時のように足をガタガタ震わせ、緊張ですぼまる咽から声を絞り出すようにして、しきりに問い掛ける。
「どうして、どうしてこんな事を？…目的は何なの…」
「…」
　目隠しされた恵子には、重苦しい雰囲気と人の気配が感じ取れるだけ。
　籾山は、慌てふためく恵子を前に押し黙って観察を続けている。
　そんな時、車の近づいてくる音がする。
（運転手が帰って来る）
　恵子は助けが来ると心の中で安堵する、運転手は一仕事終えると必ず挨拶に来ていた。
　何日も掛けて監視を続けた籾山たちには予定どおりの動き、慌てる様子もなく予定の行動をとる。

　霧島部長付の運転手は、佐藤幸一である。
　とりあえず大学は卒業したが、遊んでばかりで、まともな就職もできづ、若くしてお抱え運転手をしている。
　スポーツダメ、勉学ダメ、容姿もダメ、自慢できる趣味もなし、と何の取柄もない幸一は、背の高い細身の身体をしている、唯一の取柄は、いたってまじめな事ぐらい、２５にもなろうというのにいまだに童貞である。
　幸一にしてみれば、恵子夫人も直美もそう簡単に見かけられないような美形ぞろい、一流会社の部長宅に住込みで、リッチな雰囲気の中で楽な仕事ができると十分満足している。

　黒塗りの大きな車を車庫に納めて、恵子夫人に挨拶をと母屋に向かう幸一。
　籾山と武司は、玄関口で身構えている。
　家族同然に生活している幸一は、いつものとおり気楽に玄関のドアを開け居間に向かおうとする。
　通り過ぎた幸一を、籾山と武司は二人がかりでドラマの演出かと思えるような手際の良さで取押さえてしまう。
　突然のことに声もなく戸惑う内に、両手は後手に拘束され口には猿轡を噛まされた幸一。

　武司に引回されるようにして居間へ足を踏込む幸一。
　そこには、異様に取乱した様子の夫人と、それを取巻くようにした女が二人。
　恵子は、あきらめたのか頭をうなだれ、打って変わっておとなしくなっている。
「これで、まずは役者がそろったな」
　リーダー格の男が言う、籾山である。
　恵子は、その場の雰囲気から幸一が捕らえられてしまった事を感じ取っている。
　幸一が恵子夫人の斜め向かいに置いた、同様の椅子に座らされると、里美と麻美がまとわり付いてくる。
「ウグ、ウグッ」
　サービス過剰のピンサロである、会話もなく女たちが幸一の体をあちこちなぜ回すのである。

「おとなしいじゃないか、ケ・イ・コさん」
　籾山が声を掛けると、恵子はビクッと身体を震わせて反応する。
「どうして、名前を…」
「そんなことは、どうでもいい。これからが本番だ、元気を出してもらわないとな、まずは口でも潤してもらって、じっくり始めようか」
「どうしようというの、お金なら主人が帰れば…」
「金に用はない、用があるのは○○商事一といわれる奥さん、あんただよ」
　きっぱりと言い放つ籾山は、あごを支えるようにして顔を上げさせウィスキー色した液体を恵子の口に運ぶ。
　その液体は、ウーロン茶にほんの少しアルコールを混ぜたもの、もちろん催淫効果の強い媚薬入りである。
　恵子は、恐怖と緊張でカラカラになった喉に抗いもなく落とし込んでいく。
　媚薬の効果は以外と早く現れた。
　恵子は最初、耳まで赤く染めて苦しそうな風情を見せていたが、その後、椅子に座っているのも辛そうに首を折ってうなだれ、眠ったようにおとなしくなってしまった。
　そんな時、籾山がほほを両手で囲うようにして顔を上げさせる。
「はぁ〜」
　興奮状態なのか抗うようすもなく、極端に籾山の指の接触に反応する恵子。
（何を飲ませたんだ）
　武司ですら恵子の極端な変わりようを、いぶかしく思っている。
「武司、これからはしっかりビデオに収めてくれ」
　実名を使う籾山に疑問を感じながらも、武司は素直に従ってビデオカメラを用意する、すると籾山はあろうことか恵子の腕の拘束を解いてしまっていた。
「奥さん、熱いだろう服を脱いで、気持ちよくなろう」
　籾山の声に従って恵子は服を脱ごうとしているが、手がうまく動かせないでいるようだ。
「さあ、手伝ってやろう」
　籾山が上着を脱がせるが、逆らう様子もなく素直に脱がされていく恵子はそんな手の接触にも強い反応を示している。
「はぁっ」
　胸の膨らみの頂をほんの少しかすったような些細な刺激にも喘ぎ声をあげている恵子はピンクの甘い雲の上にまで意識が飛んでいる。
「ひどく強引じゃないですか」
　籾山に耳打ちする武司。
「ナイフや銃で脅すより、よっぽど素直なやり方だよ、今は半分眠ってるようなもんだからな」
　薬の効果を知っているのか自信りげに手を動かす。
　恵子はすでに上半身が裸になっている。

　幸一は、二人の女の動きにも驚かされていたが、夫人のさらけ出された、たわわな胸の膨らみにも口を閉じることも忘れて凝視している。
　幸一の頭からは、とっくの昔に「夫人を助けること」など抜けてしまって、目の前の異様な状況に翻ろうされている。
「まあ〜、ズボンがこんなにつっぱってるわ」
　里美が上下に軽いタッチで擦りながらいう。
　幸一はモゾモゾと体を強張らせてうごめかせたが、今更どうにもならないと諦めたのか、開き直って、なすがままである。
「生理現象ですもの仕方ないわよ」
　幸一をかばうように麻美が答えると、幸一はやっと夫人の胸から目線を外して麻美を見た。
　麻美は特別の笑顔で応えると、どんどん顔を近づけいく。
　幸一には初めての女の柔らかい唇の感触、股間の張りは増すばかり。
（どうなってるんだ、何がおこってるんだ）
　幸一は何一としてまとまらない思考で、女たちの手にもてあそばれている。

　恵子のスカートは腰から抜け落ち足元に絡み着いている。
「最後の一枚も脱ぎますよ」
　籾山は、手の拘束を解いただけでなく目隠しまで取ってしまった恵子に、生徒に指示する先生のような口調で声を掛けている。
（あぁ〜、どこを触られても気持ちいいわ、どうなってるの）
　恵子の示す風情は、さらに淫猥さをまして、たまに開くまぶたの隙間から見せる瞳をＨな興奮でウルウルさせている。
　籾山の手の動きに合わせて腰を浮かせる恵子の態度は、何をされているのか解かっているのか？と疑問を感じるほど素直である。
　籾山は、苦もなく小さなパンティをズリ下げる。
（あぁ〜、それ、それもいぃ〜）
　腿に擦れる指の感触に身悶えそうになるのを必死に堪えるが、トクッと秘密の口に熱い蜜を送り出してしまう恵子は、その場の異様な雰囲気を、佳境に入ったストリップ劇場の淫猥な興奮状態へ変えて、男達を昂ぶらせる。
「足を肘掛に掛けなさい」
　先生口調の籾山の声。
　催眠術に掛かっているかのように素直に足をひろげ始める恵子、しかしもう少しというところで恥ずかしさが勝るのか足を止めてしまう。
「さあ、肘掛に掛けると、もっともっと気持ちよくなりますよ」
　恵子には「気持ちよく」が魔法の呪文のように効果を発揮するのか、トクッと蜜を送り出すと「あぁ〜」せつない声をあげて片足を引き上げた。
　籾山は、さすがに両足を掛けるのは無理だろうと、グイッと恵子の残った片足を引き上げる。
「どうです、ずぅ〜と気持ちよくなるでしょう…こうするとどうです」
　さらけ出された○○○○を凝視しながら、両の乳ぶさを鷲づかみにして揉みあげると、秘園の口は蜜液を溢れさせヒクヒクと蠢いている。
「恵子、下の口が何か入れて欲しくてたまんないとうずいてるなぁ、蜜が溢れて、ほ〜ら尻の穴までたれてるぞ」
「あぁ、ああ〜ん」
　籾山の声に、顔をそむけて抗うそぶりを見せながらも秘園を大きくヒクつかせじれったげに全身を蠢かせてしまう恵子。
「そのまま、じっとしてろよ」
　籾山は、じらすようにゆっくりした動きで、大きな黒い鞄を引き寄せてくる。

　幸一は、初めて見る女の秘園をまじまじと見つめながら怒立つものをヒクヒク疼かせている。
　すでに、ズボンとパンツは引き下げられ下半身を丸出しにされ、足首を拘束すると、里美と麻美の白い華奢な手が砲身をまさぐってくる。
「まあ〜、以外と大きくてりっぱなもの持ってるじゃないの」
　里美のいたぶりにも荒い鼻息で答えるだけの幸一のそれはすでに硬くいっぱいにそそり立って、いかにも自慢げに上を向いている。
「こんな事で簡単にイっちゃだめよ、イきそうになったらちゃんと言いなさい……止めてげるから」
　麻美は今にも口を着けそうになるほど顔を近づけていう。
　しかめっ面は序々に激しさを増して、幸一の思考を止めている。

　籾山は恵子の尻を極端に浅く座らせ、両足首と両腕を椅子の足に繋ぎ止めている。
　幸一の目には、妖艶に身悶える恵子夫人の妖しい表情としっかりと花びらを開かせ多量の蜜で照り輝かせたサーモンピンクの園の蠢きが同時に飛び込んでくる。
「あぁ〜」
　籾山が、さらけ出された秘園を揉みつけたそこは、大量の蜜液で照り輝き恵子の欲情した表情は異常なまでの興奮状態を表している。
　鳥の羽毛をサワサワと恵子の全身を何処とはいわず弄りつける籾山、恵子は大きな息で胸を協調するかのように上下させるさまは、いかにも男を誘っているように乳ぶさの膨らみを揺らせている。
「あっ、も、もぉ〜」
（いれてぇ）
　ひたすら羽毛の弄りを続ける籾山のスローな攻めに、ピンクの雲の世界で焦れている恵子、あいかわらず正体はなく肉欲の甘い空間に溺れ、一人激しい欲情に身を任せフワフワと漂っている。
「どうした、何かして欲しいなら口にだして言え」
（嫌らしい要求を口にするようになるには、もう少し昂ぶらせないとな）
　籾山は、羽毛を絵筆に持ち替える、もちろん振動付きだ。
「あっ、あっ、あっ…」
　絵筆の振動に、とめどなく喘ぎ声をあげて反応する恵子、発声のたびに肘掛を軋ませ、秘園の内のサーモンピンクの秘肉をヒクヒク蠢かせて熱いものを送出してくる。
「あ〜あ、なんだ、だらしない、こんなに汚して」
「あっ、いい〜〜」
　籾山が、秘園を撫ぜあげると、弄る言葉など聞こえていないのか身体を激しく反応させて、立場もなく声を発する恵子。
　意識の飛んだ瞳は序々に、視線を合わせられるようになっているようだが、快楽に翻ろうされた恵子に抗うようすはない。
（そろそろ、面白くなってくるぞ）
　薬の効果に満足な籾山。
（何なんだ？、その薬）
　武司は、あいかわらず疑問を感じながら、カメラの映しだす映像にしっかり引き込まれている。

　幸一は、何度も強い放出感を感じると、すかさず手を止められて地獄の寸止め状態が続いている。
　幸一のそそり立ったそれは、麻美のたらしたローションに濡れ光り極端に亀頭を膨らませはちきれそうである。
　目にする光景は、憧れ以上の存在であった恵子夫人のあられもない姿、信じられない光景がつづいている、見ているだけでも爆ぜてしまいそうなものにプラスして女の軟らかい手が絡んでくる快感は、猿轡されていて良かったと思えるほどである。

　籾山が手にしているのは恵子の上品な口に合うのかというほどの、黒光した大きな張形。
（大きい〜、もう…、何とかしてぇ〜）
　視力も意識も身体の動きも、しっかり取戻した恵子の思考は快楽だけに染まっている。
　籾山が言葉もなく恵子の口元に近づけると、チラリと目線を籾山に合わせただけで軟らかい唇を大きく開いてくわえ込む。
（おおっ）
　幸一は、女がバナナを咥えるあの卑猥さをあからさまに見る。
「どうだ、これなら満足だろ、跳びぬけ「気持ちよく」なれるぞ」
「あぁっ」
　籾山の「気持ちよく」の声に反応してトクッと蜜を搾りだす。
（はやくぅ〜）
　恵子の意識は、ピンクの雲の上、張形の刺激を待ちこがれる思いでいっぱいに雌の感情が大きく支配する。
「ここが寂しいだろ」
　籾山は、秘園を割り開いて指を少し埋め込むと、ぬめった肉の輪がキュッとすぼまり喰らいつかせてくる。
「あっ、あっ、あっ」
　恵子は張形を吐出して、指の出し入れに応えて喘ぎだす。
（あっ、もっと、もっと激しくして〜）
「どうして欲しい、言ってみろ」
「あっ…もっと…奥まで…」
　籾山の威圧的な問い掛けに、恥じらいを見せつつ答える恵子は器用に腰を浮かせて突き出してくる。
　籾山は浅い出し入れの合間に、グイッと指を突き伸ばして押し入れる。
「あぁ〜いい…、も、もっと、いっぱいしてぇ〜」
　とうとう留めていた思いを口にしてしまう恵子は強烈な肉欲に、とめどなく押し流されていく。
「これか、これでいいのか」
「あぁ〜〜、だめ、あぁ、もっと・もっと奥まで…」
「これで目一杯だぞ、ほら」
「あっ、あっ、あっ」
　突き伸ばした指を激しく出し入れする籾山。
　蜜に溢れた壷は、クチュクチュと卑猥な音を奏でだす。
「これで満足か」
　恵子は籾山の持つ張形に手を伸ばすとギュッと握りしめ、
「これで…」
「これか？、これをどうして欲しい」
「あぁ〜……、入れ…て」
「何処に、何処に入れたいんだ…えっ、言ってみろ」
「…」
「○○○○に入れたいんだろ、言わないと入れられないなぁ」
「あっ、あっ、あっ」
　指を掻き回す籾山。
「言わないと、届かない指だけだぞ…ほらっ、どこだ？」
「……あぁ〜ん、いやぁ〜〜、○・○○○に」
「誰のだ、誰の○○○○に入れるんだ」
「もお、いやぁ〜」
「なんだ、入れたくないのか？」
「お願い、早くしてぇ〜」
「だから、誰の？」
「あっ、あたし……ケイコの○○○○に〜」
　籾山の指をキュッキュッを締め上げ、腰を振りながら言う恵子。
「何だって、誰の・何処に・何を・どおするんだって…ちゃんと言ってみろ」
「いゃ〜ん、も、もう虐めないで」
「虐めてなんかない、「気持ちよく」してやろうとして、聞いてるんじゃないか…どうなんだ」
「…恵子の」
「恵子の○○○○に、太くて…太くて長いのを、奥まで…いれてぇ」
　言い終わると間髪いれずに、籾山は黒光りした張形を一気に突き入れた。
「あぅ、あぁ〜〜」
「これか、これが欲しかったのか」
「あぁ〜、これ、あぁ、とどいてるぅ〜あっ、うっ、これが…いい〜〜っ」
　一気に突き入れた張形は大きく引いては突き込まれる。
「これが良いか」
「好い、好い、あっ…すごい、あぁ、あっ、凄いのぉ〜」
「して、して・して、あっ、もっとぉ〜、あっ、もっと・してぇ〜〜」
　下腹の奥底から湧き出る淫靡に全身を染め上げ、牝の呻き声を吹き上げる。
「イく・イく・イく…イっちゃう〜〜」
　籾山の手が動かなくなるほど強烈に締め上げ、椅子がひっくり返らないかと心配するほどに、身体を強張らせて肉欲の絶頂を迎えると、ビクビクと全身を痙攣させ続ける恵子。
「出し入れすると、もっと・もっと「気持ちよく」なるぞ」
　恵子の右手を解き放ち張形に手を添えさせる籾山。
「あぁ〜」
　恵子の右手は憑かれたように往復する。

「気に入って貰えたらしいな、ドライバーさんよ」
　幸一は恵子の絶頂に、たまらず牡汁を放出してしまっていた。
「…」
「いきなりで、びっくりだわ」
　言葉のない幸一に変わって、牡汁をひっ被ってしまった里美は、怒りもあらわにいう。
「次はどうだ、見ているだけじゃつまらんだろ、えっ、触ってみるか」
　籾山の案に、ギラギラと目を輝かせている幸一が、うなずくと椅子に拘束したまま、恵子の椅子の真後ろにつけると手の拘束を解かれる。
「もっと浅く座って手を伸ばせ、届くだろ」
　籾山の指示に尻をずらせて、胸を恵子の椅子の背にベッタリ着けて手を伸ばす幸一。
（夫人の胸に…）
「あぁ〜、あっ、あっ」
　幸一は天にも昇る不思議な気分で、初めての女の胸の感触を味わい確かめるように何度も何度も揉みあげている。
　幸一は自分の手の動きに応えるように反応する女の身体を身をもって感じ取っている。
「あっ」
　麻美は、幸一に使っていたローションを恵子の胸に滴らせると、どちらにともなく問いかける。
「どお？、この方がいいんじゃない」
　恵子は誰に何をされいるなど、気にすることもできないほど昂ぶらせて身悶えている。
「ほら、ほら、胸だけじゃなくて下の方も興味あるんじゃないのか」
　籾山の挑発に、ローションにまみれた手を滑らせて繁みの奥に、幸一は指を使いだす。

「あっ、あっ、あっ、だめ・イくぅぅぅ〜」
「あっ、また・またょ、あっ、イくぅ〜〜」
「もっと、もっと…もっと揉んでぇ〜〜、あっ、そう、いい、あぁ〜イくぅ〜」
「あぁ〜、こんなの初めて、あぁいい、イくぅ〜〜」
　数々のセンテンスを並べて、カメラを構えた武司が何度目かも分からなくほど何度も何度も、右手の動きに腰振りを合わせて、狂ったように立て続けにイき果てる恵子。

「ねぇ、何飲ませたの」
　麻美が籾山に問う。
「どうした、うらやましくなったのか」
「ちょっとね、一度体験してみたいわ、だって、すごく気持ち良さそうだもの」
「やめといた方がいい、やみつきになって身体を壊す」
　麻美が、そんな興味を持つほど恵子の身悶えは半端じゃなかった。
　なんといっても、自分で扱う張形を離そうともせず淫欲に突き動かされて、自分を見失う恵子の様子は、いかにも究極の快感を得ている風なのである。

　籾山が強引に張形を取り上げると恵子もさすがに懲りたようにおとなしくなったが、
「生の感触の方が、もっと「気持ちよく」なれるぞ」
　の一言で、恵子は再び潤んだ瞳を輝かせるのである。
・・
　華やいだ屋敷での、籾山の陵辱計画は、まだ始まったばかりである。

つづく