１２．誇り

　いまだ夫人の淫臭漂う部屋に、全員が集められている。
　目覚めた恵子夫人は湯を使い身なりも整えて、スッキリ晴れやかな表情で拘束もなく、おとなしく椅子に座らされている。
「奥さん、まずはストリップショウで楽しませてもらおうか」
　奇異な雰囲気の中、籾山の声が響き渡ると、椅子に拘束された直美は、突然のことに動揺が隠せないようすで唖然とした表情でうなだれた顔を一瞬上げる。
　厳重な拘束に猿轡を噛まされた霧島は、床に転がされたまま何やら呻いている。
　幸一は便宜上、椅子に拘束されてはいるが落着いたようすで目をキョロキョロさせている。
　うなだれた直子の後ろに、小さなナイフをチラつかせて籾山が立って、幸一には里美、霧島には麻美と武司がついて恵子夫人を囲むように円陣が組まれた輪が動揺する。
　この時のために着せられたのか、お出かけ姿の恵子夫人に厳しい眼差しの籾山は直子の顔を上げるとナイフの先で白い首をなぞり上げていく。
「…」
　言葉も動きもない夫人の態度に、怒るようすもない籾山。
「それじゃ、自作映画の鑑賞会にするかな、奥さん」
「だめっ」
　いきなり目覚めたように声を発する恵子夫人には、自作映画が何なのかは直ぐに理解したようだ。
「あれも、これもだめっていうじゃ、どうしようもないな、…それじゃ主役を娘さん変えようか？」
　籾山は、すかさず拘束されたブレザー風の学生服のボタンをひとつスパッとナイフではじき飛ばしてしまう。
「まって…、待って下さい」
　恵子は娘に目を向けられた事に、素早く反応はするもののストリップする決意まではついていない。
　いまだ正常には戻らずまとまりきらない思考で派手な衣装に手を掛けようとする恵子。
「おかあさん、…やめてぇ」
　直美は首筋に感じる冷たいナイフの感触を、振り払うような思いで声を振り絞る。
「静かにしていろ、身のためだぞ」
　籾山は冷たいナイフで直美の顎を引き上げる。
　直美の声に手を止めていた恵子は、着飾った衣装にあらためて手を掛ける。
「脱ぎます。脱ぎますから娘には…」
「そうか、それならまずは立ってもらおうか」
　恵子は拘束されていない身を恨む思いで、震える膝を押さえて立ち上がる。
「やめて、おかあさん、こんな人たちの言うこと聞くことないわ」
「うるさい…この状況が解かってないようだが、その内いやというほど解からせてやるからな」
　諭すように言う直美の二つ目のボタンを弾き飛ばしてしまう籾山。
「直美ちゃん、いいの…」
　恵子は、吹っ切るように姿勢を正すとテキパキと衣服を脱ぎ始める。
「おぉ、その意気だ奥さん、だがゆっくりだ、ゆっくり」
　籾山は、恵子の手を止まるのを待っている。
　武司は、どうやって脱ぐのか判らないような服を器用にとき解く恵子夫人を不思議そうに見つめている。
　上着とタイトなスカートを脱ぎ捨て、雪白の素肌をさらした夫人は目の覚めるような赤いブラとショーツを着けてモジモジし始めている。
「これも…」
　悲しい犬のような潤んだ眼差しで、籾山に問う。
「当然だろ、ゆっくりだが手は止めるな」
　籾山の声に、転がされた霧島がうめき声を大きくする。
（止めろ、恵子）
　猿轡をされた霧島の声はモゴモゴと何を言っているのか判らない。
　観念したように恵子夫人は後ろに手を廻しブラのホックに手を掛ける。
　十いくつもの眼差しが恵子の胸元に痛いほど注がれている。
　スライド写真のようにギクギクとした動きでブラのカップが外される。
「おぉ〜」
　声をあげたのは幸一。
（さっき見ただろう）
　武司は、幸一の白々しい反応に奇異の目を向ける。
　それほどまでに大きく飛び出した、たわわな胸の膨らみは支えを失って美しい曲線を描いている。
　左腕で乳首を覆った恵子夫人は、空調の良く効いた部屋で寒いかのように縮こまって動かないでいる。
「まだ残ってるだろ」
　籾山はショーツを脱ぐように促すと、直美の３つ目のボタンを弾き飛ばしてしまう。
　夫人は疑い深い眼差しを向けると、空いた右手でショーツを下げていく。
　胸を覆ったまま片手で、ずらすクナクナとしたしぐさが艶っぽくなまめいて、男を誘っているようだ。
（いいぞ、その調子だ）
　武司は観客気分に浸っている。
　足をスリ動かせてショーツの輪を抜き取ると、ビーナスの彫刻のように股間と胸を覆って、満足でしょとばかりにたたづんでいる。
「それだけじゃ、楽しめないなぁ、…肩膝立ててサービスタイムといこう」
　籾山は、里美に目配せして派手なダンスミュジックをスタートさせる。
「椅子に足を上げてみろ」
　大きな音の中、霧島のうめき声はかき消されてしまう。
「あぁ〜」
　一歩下がった恵子夫人は椅子の座に左足を上げると、バランスをとる為か股間を突き出して姿勢を正して、ため息のような喘ぎ声を発してしまう。
「もっ、もうやめて」
　叢の奥に、はみ出した２枚の花弁を覗かせて９０度近く股を開いていた夫人は、耐えかねたように訴える。
「膝に手を乗せてポンポンと…そうそう」
　どこかのストリッパーのように音楽のリズムに合わせて膝を叩きだす恵子夫人。
「ちょっとはさまになってきたが、よく見えないなぁ…尻向けてフリフリしてもらおうか」
　籾山の指示に、素早く反応して上げていた片足を下げると、ほっとしたようにクルッと背中を向ける。
「椅子に手をついて頭を下げろ、尻を突き出すんだ。…おお、そうそう、いいぞ」
　円陣の輪から顔を外に向けたことで、安堵と落着きを取戻した夫人は、気安く尻を突き出した。
「フリフリしないか…ハハハ、尻の穴まで丸見えだ」
「いやっ」
　籾山のいたぶりに反応して、尻の穴が窄まってヒクヒクさせる恵子。
「武司、パシパシやってくれ」
　籾山の意図を理解した武司は、待ってましたとばかりにバラ鞭を手に、霧島を乗り越えて中央に出る。
　武司は、観客の目を気にして夫人の横に立つと尻を上から覗き込むようにして鞭を振り下ろす。
　パシッと鞭音が響きわたるとミージツクが消され、モゴモゴと霧島のうめき声。
「あ、いたっぃ」
　恵子夫人は、菊の蕾をきつく窄めて、大きな二つ割れの尻を揺さぶっている。
　直美は、奇怪な風景に声もなく籾山の胸をまさぐる手にも無反応を装っている。
　パシッ、パシッと鳴り響く鞭の音に合わせて、あっ、あっ、と夫人は激しく身悶える。
　夫人の桃尻がしっかりピンクに染まると、籾山は一束の縄を武司に投げ渡す。
　武司は、恵子夫人を後手に高く縛ると前に廻して胸の上下を締上げる。
「いやっ、どうして…」
（素直にしているのに）
　鞭打ちの興奮に潤ませた瞳を籾山に向けている。
　武司が、拘束した夫人を膝立ちにして頭をグイッと下げさせると、手首から余った縄尻を足首まで伸ばして繋ぎとめ、さらに縄尻は余っている。
　夫人は尻の穴までもさらしながらも、きつく足を閉じている。
「どお、少しは大きくしてるのかしら」
　麻美と里美は、籾山の合図を受けて霧島と幸一の股間をさらしていく。
　大きく逆らいバタつく霧島に対して、幸一は素直に答えて、まだ元気のないものをさらされながらも自信りげにしている。
「どうだ、足を開けるか」
　籾山と武司は、恵子夫人の足首から伸びた縄尻をクイックイッと引張っては、からかっている。
「いやっ、やめて」
　夫人の抗う意思を確認すると、二人は同時にグイッと縄尻を引張ると夫人の足は大きくねじれていく、さらに引張られる縄尻に耐えかねたように閉じた膝をが開いていく。
「だめっ、あっ、いやぁ〜」
　籾山と武司は開いた膝を確認すると縄尻を回りのテーブルや椅子の足に固定する。
「もおやめてぇ〜〜」
　狂ったように叫ぶ直美に、籾山は慌てて猿轡を噛ました。
「まあ、ここはおとなしく見物してろ」
　直美の耳元で囁いた籾山は、武司にローターを渡して、赤いロウソクに火を着ける。
　武司の手にしたローターのスイッチが入り、唸り音と蝋の溶けた匂いが部屋中に漂ってくる。
　少しは気分を出しているのだろう、よく熟した花園は花びらを厚くして小さく着く口を開きピンクの果肉を覗かせている。
「あっ」
　武司が花芽めがけてローターを押し当てると、ヒクッと腰を反応させると厚い花びらが蠢いている。
「いやっ、そこはだめっ」
　ローターの振動に応えて訴える恵子、股間の花びらを朝日を浴びた朝顔よろしく大きく開かせる。
「あっ、あっ、あぁ〜、だめっ、よして、あっ」
　抗いでなく身悶えで応える恵子夫人。
　霧島と幸一の股間は、しっかり起立して張りを持った筒先をテカテカ輝かせているが、麻美と里美は籾山の合図を待ってスローペースで手こきする。
　武司は、花びらを目一杯ひらかせ準備万端の花園にローターを難なく埋めこんで、鞭打ちを再開する。
　パシッ、パシッと鳴り響く鞭の音。
「あぅっ、くぅっ」
　痛みを堪える夫人の喘ぎ、武司は容赦なく鞭打ち続ける。
　何時止むともなく続く鞭打ち。
　パシッ、パシッ
「あっ、うっ〜」
　痛みに身体を硬くしていた夫人が、慣れてきたのか腰を振って応えだす。
　パシッ、パシッ
「もぉいやぁ〜ん、あぁっ」
　きつい鞭打ちにも、抗いとも身悶えともつかぬ反応で応える夫人、花園は蜜を溜めきれず痛みと共にキュッと窄めて溢れ出す。
　そんな夫人の様子に籾山が動き出す。
　鞭に変えてロウソクを渡された武司、雫は背中にポタリと落ちる。
「あっ、つぅ〜」
　驚きと共に身悶える夫人は、蝋の熱さに加えて小壷からの感覚に驚いている。
　ポタ、ポタと所かまわず滴る雫。
「あっ、あっ」
　花園への抽送に応えるような喘ぎを魅せる夫人。
　２本目のロウソクを手渡された武司、蝋の雫は数を増している。
「あっ、あっ、あっ、あぁ〜ん」
　激しさを増す身悶えに、籾山はローターを抜き取る。
「あっ、い、いゃ〜」
　恥ずかしげもなく刺激を失うことに抗う恵子。
　ポタッ、ポタッ
「あっ、あっ」
　蝋の雫に身悶えで応えている。
「どうだ、代わりが欲しいか」
　籾山は恵子夫人に問い掛けると、麻美と里美に合図する。
　里美は、しごいていた幸一の一物をパクッと咥えると、麻美は霧島の股間に顔をうずめていく。
「ウグウグ」
　霧島は腰を引くように抗うが、やがて収まっていく。
「どうなんだ」
　濡れそぼった花びらを撫ぜあげる籾山。
　パシッ
　武司は再び鞭を振り下ろす。
「あぁ〜、も、もぉゆるしてぇ」
　パシッ、パシッ
「あっ、だめっ、いやっ」
　パシッ
「あっ、こんなの」
　パシッ
「あっ、いやぁ〜〜」
「どうなんだ、えっ」
「…」
　パシッ、…パシッ
「あっ、はやくぅ、あっ、代わりぉ〜」
　パシッ
「いやぁ〜、代わりを…入れてください」
「ハハハ、よし」
　幸一を膝立ちにさせると、夫人の尻の後ろに構えさせる。
「ほら、後ろに下がれ、代わりがあるぞ」
　今にも前に進もうとする幸一を里美に押さえさせて籾山はいう。
「いやっ、そんな……」
　首を廻した夫人は、幸一の一物と麻美に咥えられた夫を見比べる。
「……」
（あなた…）
　ポタ、ポタ、ポタ
　戸惑う夫人に追い討ちを掛けるように、尻の狭間に雫を垂らす武司。
「あっ、あっ、おねがい」
　尻を突きあげじんわりと下がっていく恵子夫人。
　幸一は、外してなるものかと狙いを定めて腰を突き出し身構える。
「ウグッ」
　熱を持ったものが、ひだを押し開いていく。
　滴る雫に応えるように熱いものを咥えこむ。
「あっ、いれてぇ」
　
　霧島に纏わりついた麻美と里美。
　里美は、霧島の猿轡を外す。
「やめろっ…」
　霧島の叫びに里美は唇を重ねる。
　麻美はスカートをたくし上げ、霧島の股間にまたがるとウンチングポーズで咥えこむ、半ば事務的だ。
　里美は、上の唇から下の唇に変えて霧島の口をふさいでいる。

　籾山の性で仲間を増やす活動は霧島家をも取込んでいく。

−完−