| １５ 「あなたには、何が出来るのかしら緑。」 「・・・な、なにも思いつきません。」 「得意なものは、空手よね。でも、この前の形じゃ、カーセックス動画をごらんになった皆さまも納得しないでしょ。」 「・・・。」 「ボビー・・・。」 褐色の肌をしたボビーは、麗子の店で販売されている、下着を身に付けている。白のコンドームに、紐をつけただけのようなその代物に観客の男達は、拍手をし始める。 タマ袋を覆うサックは、金属で覆われ不意の衝撃にも対応できそうだった。陰茎を隠すサックは、伸縮性にたけ、黒人特有の太さ長さにも自在だった。 「ボビーは、空手は素人。・・・さぁ、緑、存分に叩きのめしなさい。ノックアウトで動画は、返してあげる。」 「ミドリ、・・・オテヤワラカニ。」 「・・・。」 緑は無言で、ボビーの明らかにされていない経歴と闘う。この男は、空手の形の名前を知っていた。その時点で素人ではない。明らかに鍛えられた肉体は、黒人であることを超えたものを感じ取る。打撃を当てるべき部分は一箇所しか見当たらない。 構えに入ったボビーの股間に集中する緑。脚を前後にリズムを取るボビーに比べ、すり足でにじり寄る緑。 「ミドリ、・・・ソンナニ、ディック・・・キニナルカ？」 「・・・ち、違います。」 そう言うと、その視線を払拭するように厚い胸板に拳を叩き込む。太い腕にガードされたボビーの胸板には届かず、跳ね返される。 大きな拳のボビーは、緑の打撃を蚊を追い払うように平静だ。 何度も拳をいれるが、赤くなるのは緑の拳だけで、ボビーの腕は腫れることなく頑丈だ。脚を払うように数度、すねに前蹴りを浴びせるが、ステップにかわされ、開いた股間を覗き込まれるしまつ。 「オォ・・・ソンナニ、ケリヲダスト、クリガ・・・ムケチャウヨ。」 「・・・。」 「もっと、前蹴りを高く・・・後頭部に・・・いけ。」 囃し立てるギャラリーは、緑の下腹部に視線を浴びせ続け、一蹴りごとに嫌らしいフレーズをこだまさせる。 打撃を受け続けるボビーは、手出しをせず、緑の限界を待っている。拳、すね、赤みを帯びたその箇所は、悲鳴をあげるまで時間は掛からない。 打撃メインではない形のスペシャリスト緑は、息を大きく吐きながら、俊敏さを失った打撃を繰り返し続けるしかない。 頃合をうかがうボビーの視線は、麗子と合わせ、深く頷くと前蹴りを繰り出した緑のふくらはぎを軽々と掴み、片足立ちにさせた。ピョンピョンとバランスを取ろうとする緑、大股を開かされた格好で、ギャラリーの面前で隠しようのない陰部を晒す。 「キャァ・・・見、見ないで・・・は、はなして・・・手を・・はなしてぇぇぇ。」 空手家から女の声に変わった瞬間、武道家同士の対峙ではなく、牡と牝の狩猟の場に変わる。変化した舞台では、力の差を見せ付けるがごとく、バランス立ちする緑のもう片方の足首にまで手を回したボビーが、軽々と緑の体を逆さにし、両足首を掴み逆立ちにさせた。 大きく裂いた股間を覗き込まれ、隠しようの無い両手は垂れ下がったままだ。力強く逆さ吊のまま持上げるボビーは、緑の汗ばんだ股間を鼻に擦り合わせると、汗にまみれた牝の匂いを嗅ぎつけた。 「スゥゥゥゥ・・・ミドリ、アセ、ジャナイネ。」 「や、やめて・・・離して、もう一度、戦わせて。」 腰を回転させ、ボビーの手を振りほどきたい一身で力を入れる。その動きは、誰の目に見てもいやらしさを増幅させ、再びギャラリーの罵声を浴びるだけだった。 「乳が、揺れておるぞ空手女。」 「観念して、黒い肉棒を受け入れろ。」 「いやいや、疲労困憊の女を容赦なくいたぶるほうが、興奮を覚える。ボビーさん、もっと、揺さぶれ、もっともっと。」 ニヤリと笑みを浮かべるボビーは、鼻につけた股間を離すと、緑の体を床に下ろす。息の上がった緑は、突っ伏したまま吐く息を大きくしながら、次の仕打ちに備えた。 うつ伏せの緑の足首を掴み、自らの足首に纏わりつかせるボビー。体を重ねることなく両の腕を掴んだ黒人を起点にテーブルが起こされるように緑の体は宙に浮く。 「うぁぁっ・・・い、いやぁぁぁ・・・いぃぃ。」 「ミドリ、ツリテンジョウ・・・ミナサマ、ミドリノ、オ○ンコ・・・ミエテマスカ？」 「マダム、このパンティーはしっかりしてますな、あれだけの動きだが、肝心な部分はずれてない。」 「ボビーさん、もっと、折ってやれ、背骨が軋むほど、じゃないと、ピンク色は見えんぞ。」 「コウデスカ？」 「いぃぃぃっ・・・い、息が・・・うぅぅぅっ。」 「おっ、くい込みが限度を超した。」 「おぉ、薄目のビラビラ、見えましたぞ。」 卑猥な罵声は、緑の耳に届かない。さば折られ、息苦しさが限界に近づくと目の前の照明は、自然と消え落ち、手足の力は失われた。 ボビーは、緑の力を察知し、吊天井の拘束を解き、体を仰向けにさせた。意識が遠のいただけの緑だが心配するギャラリーもなく、大きな罵声に目を開けるしかない。 寝技に持ち込むボビーの体は、緑の腕と脚を容易く固める。緑の首筋と一本の腕をボビーの褐色の脚が絡めとり、横三角固めの格好に入る。 「おぉ、寝技か、脚をバタつかせて余程苦しいか。」 「そうですね、若い女がお○んこを見られるのもいとわず、大股を開いておるのですから。」 バタつかせる脚を予測して寝技に入ったボビーに拍手が沸く。ボビーの股間に固められている緑の頭部は軋む。左手は上を向いたまま動かすことも不可能で、右手はボビーの背中に押された形でタップすらできない。 押さえられた頭部の横には、膨張を完全形にさせたボビーの分身が突きつけられ、その肉圧を感じ、この先の不安がよぎる。 『こんなので、犯されたら・・・どうなるのわたし。』 不安と期待、どちらが大きいか麗子には判っている。無論、緑の中の答えは一つだった。今日ここにいる時点で多少のことはするつもりだった。ただ、その内容の濃さは、考えに及ばず想像の範囲を大きく上回っていた。 数分の締め付けは、柔道であれば数回の一本が取れていただろう。レザーマスクの中は汗だくで、開いている隙間からは、汗が零れ落ちる。目に入る物は拭えず、かゆみを覚え、その苛立ちを四肢のうち唯一動く両足をバタつかせ発散させる。 「では、本日ご入会の、市ノ瀬さま・・・これを。」 麗子が手渡した物は、充電式マッサージ器。小さめのヘッド部分は早くも振動を始め、一箇所を狙いに定めブルブルと武者震いさせる。 「い、いいんですか。・・・では、若輩ながら。」 先輩と思われる他のギャラリーに肩を叩かれながら、緑のバタつく足元に近寄ると、片方の足首を掴んだ。施されるマッサージを気にした緑は、バタつかせる素振りをみせるが、ボビーの締め付けが力を帯びると、生を失い市ノ瀬の思うがままになる。 「生殺しは、いけませんよ市ノ瀬教頭、一気に往かせてやりなさい。」 長老格の男がそう言うと、視線を合わせペコリと頷いた。ブルと震えるヘッドを、かろうじて隠された面積のない股布に沿わせると、尻を浮かせ、くぐもった喘ぎを漏らす。 「うぅぅぅっ・・・い、いやっ。・・・はんっっっ。」 「まだ、往かないか？股間に汗は掻いてるが、パンティーに染み一つない。」 「あぁぁっ・・・は、離してぇぇ。」 「ビュュビュュッ・・・ビュュッ。」 押さえつけられた体を震わせ、その後硬直を見せる緑の体。硬直の後に起こった出来事は、ギャラリーの喝采を浴び、市ノ瀬のワイシャツに染みを付けるほどの潮吹きだった。 |
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| 2012.3.24掲載 |
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