| ２２ 劉のクレジットカードの明細には、３セットのランジェリーの商品名が並んでいる。六桁まではいかない程度の金額がそこには印され、納得済みのサインまで記入されていた。 「劉さま、又のお越しをお待ち申し上げますわぁ。」 「マダム麗子、いい買い物をさせていただきました。鎌田さんと空手の先生にもお礼を。」 「承知いたしました。」 麗子は劉がドアの向こうに消えると、フィッティングルームから嗚咽する緑のほうを向いた。 「あぁぁ・・・うぇっ・・・うえっ。」 「鎌田先生、仕入れ５０００円の品物が、９９０００円に化けちゃった。」 「ほぉぉ、いい商売だ。吉川先生にも分け前はあるのかな？」 「うぅぅ・・・あぁぁっ・・・スイッチを。」 少し染みの出来たニードルパンチのカーペットにへたり込んでいた緑は、微振動を感じると腰を浮かせ、鎌田の手に握られた物を指差した。 「ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン。」 「あっ・・あっ・・・き、きってぇぇぇぇ。」 四つん這いの形で緑は、鎌田に懇願をする。股間の震えは、ランダムに調整され、弱まったと思えば数秒の後にＭＡＸでぶり返す。女のツボを押さえたそのリズムは、助平な男の意向ではなく無機質な電子基盤によるものだった。 鏡に写った緑の尻肉の間には、劉の購入したランジェリーのうちの一つがあった。その３セット目のランジェリーには大きめのクロッチが存在し、その部分は小刻みにバイブレーションをしている。こんもりと盛り上がる事のないクロッチには、スマートフォンに用いられる極小のバイブを埋め込み、緑をよがらせていた。 「分け前はこれで十分だそうだ。」 「ブゥゥン・・・・ブゥゥン・・・・ブゥゥン。」 緑の陰唇に触れているバイブの音より規則正しいバイブの音が鎌田に届く。振り返ると、緑のハンドバックの中身が揺れていた。 鎌田が近づくと、振動は止み、小さなＬＥＤの点滅だけが存在を知らせようとしていた。メールの着信であることを理解した鎌田は、喘ぎ嗚咽する緑を尻目に折りたたみ式の携帯を開き、メール受信欄をのぞき見た。 「ほぉ・・・あの男が、吉川先生の夜のトレーナーですか。」 「まぁ、鎌田教頭、新しい悪巧みかしら？」 「えぇ・・・マダム麗子、今日はこの辺でおいとまさせていただこうかな。」 「発情した牝教諭は？」 「えぇ、発情した牡教諭のもとへ返しますよ・・・ヒッヒッヒッ。」 このやり取りを緑は気がつくことなく、ニードルパンチのカーペットに頬をつけ、敗者の表情で苦悶し続けていた。 シャワーも浴びることなく自宅へと向かわされる緑の横には、愛する大神信二ではなく命令権者鎌田がハンドルを握っていた。 「ついたぞ、吉川先生。ここでいいかな。」 「・・・。」 「どこの部屋かな先生の部屋は？」 「２階の角です。ま、まだ何か、す・・・されるのですか？」 「いいや、私はしないよ。明日の教頭会議もあるんでね。おや？照明がついてる部屋ですか？」 「・・・は、はい。」 「彼氏と同棲とか？」 「ち、違います。た、たぶん、部屋にきてるんじゃないかと・・・。」 男の存在を出せば鎌田は、何もせず帰るであろうと考えた緑だが、そういう甘さが今のポジションを作り上げていることに気がついていない。 「そうですか、それでは挨拶でも。」 「や、やめてください。それだけは・・・。」 「では、こうしましょ。一つだけ条件をつけさせて。」 「な、なんでしょう。」 「今日のハミ毛・・・興奮も覚えたが、興ざめもする。どうでしょう・・・彼に剃毛していただくってのは？」 「え、・・・。」 「次回、お会いする時に確認をさせてもらいましょ。確認できなければ・・・動画は教育委員会へお預けいたします。」 「・・・・。」 「反論の余地がない感じですね。」 「か、確認って・・・いつ？」 「それは、明日かもしれないし・・・彼氏の帰った直後かも。」 「わ、わかりました。」 「せいぜい、彼氏に嫌われないように、お願いしなさいな吉川先生。意外とパイパン好きな彼氏かもしれませんねぇ。」 俯き加減に助手席のドアを開け、信二のいるマンションの一室に向かう。足取りは少し重たげだが、信二に悟られることのないように気丈に部屋へと歩を進める。 「もしもし・・・佐藤教頭？頼みがあるんだけど。」 カーテン越しに二人の影を見つけた鎌田は、アクセルを踏み狭い路地から大通りに出るまでに大神信二の配属先の教頭に電話をかけた。 １０時を少しまわり、信二と緑の会話は飽きがきていた。悩みを聞きにきた信二は、緑の悩みは死んだ同僚の杏子のことだと聞かされ、安心しきっていた。 「今度、杏子さんのお墓に行こう。」 「う、うん。」 頷く緑の肩を抱くと、首を曲げ乾いた緑の唇に吸い付いた。拒絶するわけでない緑だが、数秒の後に鎌田の命令を思い出し、実行に移すタイミングをはかる。 「しんじさん・・・お風呂一緒にはいろっ。」 「あぁ・・・いいよ。珍しいな、いつも一人ではいるって言うのに。」 Ｔシャツを急いで脱いだ信二は、ユニットバスへと向かう。緑もテンポラリーで一度は脱ぎ去った自前の下着姿になると、信二の後を追った。 「シャァァァァァァァァァァァァァ。」 狭めだがその肌の触れ合う感じが心地いい信二は上機嫌だった。泡を立てた緑は、掌に泡をしたためると信二の鍛えられた胸板に擦り合わせる。 「スポンジ要らないよねぇ。」 「あぁ・・・き、きもちいいなぁ。」 胸板や首周りを泡で擦ると、刺激をしていない下半身が屹立し緑の臍の辺りを亀頭が触れる。 「おっきくなっちゃったねぇ。」 手についた泡を亀頭の裏側に擦り付けると、ビクついた陰茎は、赤黒く膨張しきった。根元を掴む信二は、口でしろと言わんばかりに緑に視線で訴えた。 「チュッ」 先端の尿道を舌先で舐め上げ、唇を尖らせ先端にキスをする緑。お預けだよと言わんばかりの仕草に、信二は照れ笑いを見せる。 「緑も、洗ってやろうか？」 「うん。」 バスタブの縁に腰掛けた緑は、背後に回った信二の掌を受け入れる。再び泡立たせ、掌を緑の首筋へ回す。ユルユルと撫でるでもなく揉みこんでいく。乳房を揉み、乳頭をてのひらで転がし始めると緑の吐息は甘くなっていた。 「はぁぁ・・・。」 乳房を下から揉みこみ、とがった乳首を摘み感度をあげていく信二。喘ぎが聞こえ始めた頃には、緑の耳たぶを甘咬みし鼻息を耳の奥に届かせる。 「あんっ・・・はぁっ。」 １時間前に感度を上げられている緑は、３分ほどの愛撫でも十分で、愛する信二の肉棒を受け入れる体制は整っていた。が、鎌田のミッションは燃え上がってしまった後に願いを口にすることができないと感じた緑は、信二の指先が繁茂に届くころに口に出す。 「し、んじさ・・・ん。お願いがあるの、嫌いにならないで。」 「なんだい・・・嫌いになんてならないよ。」 「ここ・・・剃って・・・欲しい。」 「えっ？」 信二の手を緑の繁茂に導くと、上目使いに再び訴えた。 「私・・・恥ずかしい毛・・・剃ってもらうのが・・・興奮するの。」 「そ、そうか・・・い、いいよ。緑に・・・そんな癖があるって・・・意外。」 「恥ずかしいよぉ、そんなこと言わないで。」 「ご、ごめん。俺も、まんざらじゃないんだけど。シェービングクリームで・・・。」 「シュワァァァァァァァァ。」 信二の使うシェービングクリームを掌にのせる。こんもりとした泡をもったまま信二は、緑の股間を開かせた。 「横になる？」 「いや、この方が興奮する。」 バスタブに腰掛けたまま開脚させるとその隙間に、潜り込み、掌のクリームを繁茂に擦り付ける。柑橘系の匂いを放散させ、満遍なくクリームを塗ると、黒いはずの繁茂は白に変わっていた。 「ほんとにいいのか？」 「うん、キズつけないでね。」 ジレットのＴ字カミソリを臍下から当て軽いタッチで押し下げると、繁茂は消えうせ少し青みがかった恥丘が露出する。 「ジョリィィィ・・・チャポチャポ・・・・ジョリィィィ。」 一度押し当てると、泡と絡まる陰毛を洗面器の水につけ流す。カミソリの隙間に噛みこんだ緑の陰毛も一本一本抜き、洗面器の水へつけ流す。 信二が数分かかり丁寧に剃り上げ、最初のクリームが姿を消した頃、陰唇回りに残る陰毛が気になった。 「緑、ここも綺麗にしようか？」 「恥ずかしいね・・・でも、お願いします。」 恥ずかしさを隠すように、信二の大きくなった陰茎に触れ、体勢を変えるべく洗い場に横たわった。少し開き気味した足を信二は待ち上げる。マングリ返しまではいかない程度に腰を上げるとむき出しになった恥丘に舌を這わせた。 舌先に柑橘系の味が移ったのと、自らのあごひげの剃りのこしより綺麗に剃りあがった恥丘を撫でた。 緑の陰唇を指で押さえると、片側から丁寧に薄目のクリームを塗り込み、カミソリを当てる。両方の陰唇周りを剃り上げた時、いつもは繁茂に覆われ見えにくかったクリトリスがサネから顔を出していることに気付く。 剃毛の終了を告げることなく信二は、そのさねから顔を出した陰核に舌を添わせ、それをして剃毛の終了とした。 「緑のクリトリス、きれいな色してる。」 「言わないで。」 汲み上げた洗面器のお湯を緑の恥丘に注ぐと、青みから赤みを帯び、湯気がたたんばかりに発熱を感じた。 二人はそのまま体を入れ替え、６９の形を形成すると、信二は無毛の陰唇を割り開き舌先をくぐらせ、緑は膨張を最大限にした陰茎の先端からカウパー氏腺液を口内に導いた。 ６９の形のこの牡と牝は剃毛という新たな性癖を鎌田に開花させられたことをお互いの生殖器に知らせていた。 |
| あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。 |
| 2012.9.1掲載 |
はちみつ太郎さんの作品群→ |