| ２４ 「ピィィィィィィ。よし、今日はここまで。」 「ありがとうございましたぁぁ。」 プールサイドに響く声は、オリンピック強化選手への憧れと尊敬が合わさっていた。心底からの感謝の声は、皆々から伝わり、指導にも熱を帯びる。 纏わりつくように部員達の質問を受けながらも、その輪に入ろうとしない小宮山奈央の存在が大神信二には気がかりであった。 渡された便箋の内容は、中学三年生とは思えない内容ながらも、本気具合だけはリアルに感じ取っていた。 纏わりついていた連中も明日もまた指導を受けれることがわかると、その場を離れ、食欲などの欲求に負け家路へ急ぎ始めていた。 更衣室での着替えを済ますと、プールの施錠のため生徒用の女子更衣室の前を通った。そこで気にしたのは奈央の便箋だった。長い文章の中の一文に、部活終わりに体が冷え切ってしまいがちで、それを火照らせるために、信二を思い自慰行為をしてしまうと書かれていた。 「まさか、からかいだよなぁ。」 プールの施錠を終えると前後左右を見回しながら、女子更衣室の札が掛かるドアの前にたった。かすかに人の気配がすると、ノックをし女生徒の存在を問いかけた。 「おーい、まだ誰か残ってるのか？居たら返事しろぉ。」 数十秒返事を待つが声は返らない。ノブを握ると施錠されていないことがわかり、ゆっくりと扉を開けた。 頭をのぞき入れた信二は、扉の脇に項垂れへたり込んでいる小宮山奈央を見つけた。 「小宮山か？まだ帰らないのか？」 うずくまっている奈央の背中に近づくと、ノブから手を離したすきにバタンと自動に閉じた。鍵は掛かってないものの卑猥な悩みを打ち明ける手紙をもらった生徒と二人きりになった信二の鼓動は早くなる。 「おい、具合でも・・・。」 肩口に手をあて奈央の顔を覗いた信二は、手紙の内容と同じ光景に固まった。 「せ、せんせいぃぃ・・・わたしぃぃ、オ、オナニーが・・・やめられないんです。」 「お、おい。やめなさい・・・小宮山・・・ちょちょっと。」 「あっ・・あっ・・・せ、せんせいの・・・指だと思って・・・あぁ。」 奈央は制服に着替え、短めの襞スカートをたくし上げたまま、右手をボーダーのパンティーに差し入れ陰部を刺激していた。信二の視界には、パンティーの中を行き来する手首までしか見えないが、明らかに奈央の行為は、自慰だった。 信二は、奈央の小刻みに動かす右肩に手をあて自制させるよう促すことしか出来ない。上目使いで半開きの口からは甘い吐息が漏れ、少女特有の匂いを放散している。 「小宮山、少し落ち着きなさい。ここは、学校だよ。・・・そんなことをしていい場所じゃない。」 「だ、だって、せ、せんせいもうすぐいなくなっちゃう。・・・わたし、そうしたら、一人ぼっちになって友達といると緊張して疲れてそれで、また、また。」 「いじめられてるのか？・・・だれに？」 「ち、ちがう。」 「じゃぁなんで、こんなことを。」 「オナニーしないと、集中できないの。緊張と疲れが来るとオナニーをしたくなる。気持ちよくなると、友達と話が普通に出来る。だから、だから。」 信じられない言葉の数々を続けながら、弱々しくながらも奈央の指先の動きは止まっていない。信二は、話をしながらも１５歳のオナニーを直視しながら、股間への血流を押さえようと必死だ。 「そ、そうか、小宮山。じゃぁ、先生どうしたらいいんだ？」 「あぁ、せ、せんせいは、そこで、見ていて、それだけで・・・あぁぁ。」 体育座りのような形から、片方の足を少しピンと伸ばした奈央の姿を見た信二は、少女の軽い絶頂を感覚で感じ取った。 「わ、わかった、でも、誰かが来たら、先生も小宮山も困るよな。」 「うん。」 奈央はいったん指先の動きを止めると、信二の行動を見つめた。ノブに付属するサムターン錠を水平にし、鍵のかかり具合を確かめた。 信二はテーブルの上に腰掛けると、腕組みをし、見下ろすようにして奈央の動きを注視する。再開の合図をするでもなく奈央は、尻をずらし、ブロックの壁に頭をつけ首だけを曲げ寝転んだ。 スカートをホックを外すと、ボーダーのパンティーだけが下半身を覆い、上半身のカッターシャツには手を触れていない。 指先の動きは、信二からも見やすくなり、１５歳の少女も２３歳の緑も裸を生業とする女優たちも女性的構造は同じであることを確信した。 「あぁぁ、せ、せんせい、見てくれてますか・・・あぁ。」 「見てるよ、疲れは取れてるかい？」 「うぅぅん・・・き、きもちぃぃ。・・・見られてると・・・やばいぃぃぃっ。」 奈央の膝が伸び縮みを繰り返す。伸びる時には大きな吐息を、縮んだ時は小刻みに喘いでいる。それを数分繰り返すと、パンティーにもぐりこんでいない方の指先が、腰に食込むゴムをずらし始めた。 「お、おい・・・それは。」 まいったといわんばかりに頭をかきむしる信二は、目を一瞬だけそらす。その間に、片膝にパンティーを纏わりつかせた奈央は、中指一本を薄目の陰唇の奥に抜き差しし始める。 「あっ・・・クチュクチュ・・・はぁぁぁっ。」 第一関節まで潜った中指は、出入りを早め、泡立つように指の周りが白濁する。信二は、無毛な奈央の恥丘に数日前の緑の行為が重なった。 「まだ、生えてないのか？」 「そ、剃ら・・・剃ってます。」 郁に剃られたことを隠すように能動的な行為であることを告げる。 「自分でか？」 「うん・・・クチュクチュクチュ。」 恥ずかしげに顔を信二から背け、無造作に置かれた大きめのダンボールに視線を置く。ピンポン玉ほどの穴から覗く一つの目玉は、続けろと言わんばかりにしていた。 奈央の足の指に力が加わり、落ち着きをなくす。少女の絶頂を確かめるように、信二は前のめりになり、指先蠢く奈央の陰部を覗き込んだ。指導者と生徒の関係がなければ、このままズボンを脱ぎ、奈央の発育途中の陰唇を陵辱するのだが、その一線は越えられなかった。 「あぁぁ・・せ、せんせいぃぃ・・・クチュクチュクチュ・・・。」 最後は言葉なく、足先の細かな痙攣で終焉を演出した奈央。中学三年生とは思えぬ淫らな格好を見続けた信二は、言いしえぬ昂ぶりを覚え、緑とでは果たしえぬ感覚を感じていた。 息を整えた奈央は、パンティーを片方の足に通し、無毛の恥丘とヌメリを残した陰唇を覆う。スカートを手繰り寄せ、両の足に通した時、信二が奈央の手首を掴んだ。 「大神先生っ。」 さっきまで１５歳の柔肉をほぐしていた指先を信二は、鼻先に近づけると口の中に頬張った。嫌悪感を伴った奈央だが、監視人の視線を感じながら信二の舌先を受け入れる。 「小宮山、寂しくなったり、疲れが取れない時は、いつでも言ってくれ。先生は、小宮山の傍にいてやるよ。」 その言葉に、嫌悪を超えた恐怖を感じた奈央は、監視人の視線を忘れ、更衣室のドアから逃げ出した。 「・・・。」 どちらが本当の奈央なのか半信半疑のまま、数分の後、周囲の人気のなさを確認すると更衣室を立ち去った。 段ボール箱の郁は、走り去った奈央と最後の大神の行為に、予想外ながらも動画の出来栄えに満足気だった。 「もしもし、攻児くん？・・・奈央先輩、主演女優賞ものだったよ。大神は、ラズベリー賞だけどね。」 |
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| 2012.9.8掲載 |
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