| ２９ 眼下に見下ろしていた頂頭部のつむじは、押さえつけていた後頭部に変わる。手を添えることをせずとも口淫は施され続けている。 イニシアチブの交代が成されたベッドの上では、膝と腿をサスペンションのようにしならせながら、亀頭を頬張る緑の姿があった。 「ジュルルッ・・・ジュルルッ・・・はぁっ・・・うぐぅぅぅ。」 垂れ流されるよだれは、陰茎を伝い、皮を陰茎に引っ張られた睾丸に溜まる。よだれの滴を内股に感じた横川は、それをすくい、緑に見られぬよう匂いを嗅いだ。生乾きの唾液は、麗しい女教諭のものとは考えにくいほどだった。だが、横川はそれに嫌悪を覚えず、２８年間の童貞生活にピリオドを打つ匂いであると言い聞かせる。 緑は、やりにくさを感じながら、再びイニシアチブをとるべく、横川に視線を送った。横になって、そのほうがやりやすい。そう、発信し続けたが、伝わらず天井を見たり、隣の壁を気にしている。 「隣の部屋も、・・・かなぁ？」 「フグフグゥゥ・・・ペロペロッ。」 横川の問いかけに、フェラチオの動きを遅くすると、ベッドの軋む音のほかに、どちらかわからぬ臨時教諭の喘ぎが聞こえる。くぐもった声は、聞かれたくないと思えばこその押さえた喘ぎで、こちらの存在にも気がついているように感じた。 「横に、なって・・・くらはい。」 完全に口から離さず、上目使いで横川を見つめると、二、三度頷き、陰茎を離させる。緑の口から離れると、臍上のだらしない贅肉に亀頭は辺り怒張具合を誇示した。 下顎を汚すよだれを拭いながら、横たわった横川の大股開きの間に体をいれ、土下座をするような姿勢で、再び陰茎を咥え込む。 「ジュボッジュボッ・・・グボッグボッ・・・はぁぁっ。」 息継ぎをしながらくわえ込み、舌先を動かしながら陰茎をしごく。その動作を繰り返し行いながら緑は、この行為の終点を考える。 一回で終わるわけがない、終わった所でその一度を取り消すことも出来ない。隣の二人の交わる音は聞こえてる。私の音も聞こえてるだろう。この長い物に突かれたら、童貞の腰使いでも高確率で往かされる。往きたい、声を聞かれ、辱めを受けたい。 そう願った時、横川は動いた。 「６９って、・・・。」 疑問形で話しかけられた緑は、咥えたものを離すことなく体を入れ替える。横川の顔を跨ぐことに戸惑いはなかった。緑の牝の昂ぶりは、隣の二人の声とその存在に昇りつめたくなる欲求だけが先行し始めていた。 跨られた横川は、緑の密着ぶりに迷いのなさを感じる。このまま最後まで、その願望は天変地異でも起きぬ限り不変だろうと自信を持った。 ブラックのパンティーの隙間から指を差し入れると、ゴムの部分は多少きついが、使い込んでいるものらしく少しルーズな感触だった。 差し入れた指先は、すぐさま陰唇をかき分ける。音が出るほど湧き出していた淫汁の温かさに、一度引き抜きヌメリを確かめ、口に含ませた。無味無臭、それが実感だが、指先をもう一度差し入れると、内腿との境目に汗ばんだ臭いを感じ取る。 汗臭い、というような感覚はなく、いつまでも嗅ぎ続けたいそんな気分にさせた。これが、フェロモンなのか、その臭いの元を舐め上げると、フェラチオを続ける緑の背筋がビクつき、密着した腹同士を浮かせた。 指先の動きはヌメリを拭い取るような動きで、緑の芯を熱くさせている。やわやわと揉み込んでいると、舌先の動きは弱まり、亀頭への刺激は緩和する。緩和すると、拭い取りを弱め、クロッチの部分を外側から擦り、内側の股布を汚す。 「し、下着が・・・よ、よごれますぅぅ。」 「今度、プレゼントします・・・飛び切りお似合いのを。」 「でも、汚れますから・・・ぬ、がせて・・・下着を。」 横川は、とどめといった感じで最後に、パンティーに筋を作り、人差し指でその筋をなぞった。黒い下着のためか、染みまでは見えぬものの、湿り気は十分感じ取れた。腰に食込むゴムに指をかけ、ゆるゆると双臀を露にする。 尻の谷間を通り過ぎ、無毛の蟻の門渡りが見え隠れしていくと、ヌメリを帯びた陰唇が膣肉を露出させた状態で童貞男の眼前に飛び出した。 下着を脱ごうとする緑は、太股を上げ、片方の足を抜き取ろうとバランスを変える。伸縮性の高い黒のパンティーは、片方の足を抜き、左腿に絡まり残る。もう一方も抜こうとするが、腿を抱きこんだ横川は、ピンクに染まってぬらつく膣肉に舌先を触れさせ、パンティーの行方を腿に留めた。 「あぁぁぁぁぁっ・・・・はっ・・・はぁぁぁぁっ。」 「ベロベロベロベロベロォォォォォォォォ。」 舌苔の生えた男の舌の臭いをこそぎ落とすように緑の膣肉は、刺激を受ける。粘膜と粘膜ながら、性感中枢に伝わる緑の粘膜はもろかった。 「あぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・だ、だめぇぇぇぇぇぇ。いやぁぁぁ・・・はぁぁぁん。」 隣の二人は、挿入を繰り返しながらのくぐもった喘ぎ。一方の緑は、まだ前戯の段階のクンニリングスだけだった。 横川の舌は伸びきり、先端は力をこめて盛り上がる。縦横に動き、先端を膣肉に押し込むと、指先とは違った反応を緑は見せる。 「や・・・やっ・・・いやぁぁぁ・・・む、むしが、はってるぅぅ。」 フェラチオを中断させ、横川の舌の動きと指先の動きに神経を奪われている緑。冷静さを失っている緑に横川は、目の前にあるありのままを伝えた。 「吉川せんせいっ・・・体育の授業の為ですか？下の毛って剃ってるの？」 「はっ・・・あぁぁっ。」 無毛の恥丘に目が触れ、指先で触感を確かめると、チクチクとした無精ひげのような触感を感じていた。パイパン無毛症であれば、チクチクとしないであろうことは判る。体育教師、しかも女性中学教諭であれば好奇の目をもった男子生徒の視線を気にすることも、同業であれば尚のことだった。 「そういう趣味？業務でしかたなく？」 「あぁぁ、プ、プールの・・・じゅぎょうぅぅがぁぁぁ・・・あったからぁぁ。」 「それで、生えかけ始めてるんだ。」 「はぁぁぃぃぃ。」 「ぼ、ぼくも、インキンの時は、剃りましたよ。でも、２、３日経つと余計ひりひりするんですよね。」 同意を求める横川に、声を殺しながら頷いた緑。緑と同類であり共通点を見出した横川の指先は、無毛の恥丘を離れ、知らずのうちに陰核包皮を割り、一番敏感なお豆を通り過ぎていってしまう。 |
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| 2012.9.24掲載 |
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