| ３０ 暗闇にも目が慣れ、お互いの生殖器のボリューム、色、形状までが海馬に蓄積され始めた二人。互いの生殖器への刺激は、ピッチをあげ、６９の体勢は崩れかけている。 二人の体は横たわり、緑は壁を背にし横川の陰茎を咥えこむ。緑は、片足を軽く上げ、腿で横川の耳を挟み込み聴覚を遮り舌先でのクンニを受け入れている。 「あぁぁぁぁぁ・・・だ、だめぇぇ・・・はっはっはぁぁぁぁぁ。」 断続的に刺激を受け入れると、陰茎を離す回数が増える。フェラチオを要望するように、離れた陰茎をビクつかせ口の付近に触れさせる。 その要望に再び答え、舌先で亀頭を舐めまわすと、クンニの刺激が浅い時、口内に咥え込んだ。それを何度となく繰り返していく間に、隣の薄い壁からは会話が聞こえてくる。 おぼろげな緑の耳には、新たなラウンドを要望する男の声と、無言で承諾をした女の口淫の濁音が薄っすら聞こえている。 『聞かせたい、誰でもいいから、聞かせたい。早く、長いのを。』 緑の願望は、太股を持上げ横川の聴力を回復させたことによって実現する。犬が小便をひっかけるような足の上げ方をした緑の股間から、横川は顔を上げ、壁に背をかける緑に並行し体を重ねる。口の周りは緑の淫液で湿り、キスをせがむ横川にたじろぐが、喘ぎで荒い息づかいで半開きの口びるに舌をねじ入れられると液体の種類などどうでも良くなっていた。 「い、いたくしないで・・・ください。」 「あぁ、は、はずかしいんだけど、は、はじめてなんだ・・・僕。」 「・・・。」 「ゴムは？」 「大丈夫な日なんで・・・。」 緑の目を至近距離で見つめると、本音が言いやすかった。横川は、童貞であることを隠さず、緑の主導でインサートすることを望んだ。 目で合図だけを送った緑は、横川の肩に手をやり、仰向けに寝転がせる。カーディガン状のＹシャツを脱ぎ、引っかかったままのブラを折りたたむと、手と手を握り、指先を全てを絡める。 臍の部分に跨り、先端と割れ目を触れ合わせ挿入の瞬間、緑は自分の体を横川に預けるように項垂れる。体の密着とともに、先端は埋まり、緑の陰唇奥深くに咥えこまれていく。 「はぁぁぁぁっ・・・。」 横川は、目をつむり自らの分身が膣肉に食われていく感覚を楽しんでいる。緑の喘ぎは耳元でダイレクトに聞かされ、よりいっそうの興奮が増している。 「はぁぁぁぁぁぁぁ・・・ま、まだ、う、うごかさないでぇぇぇぇっ。」 深々と差し入れながら、柔肉の解れを待つ緑。入り口付近の分泌は申し分なかったが、奥行きの深い膣肉は、まだ足りてはいなかった。粘膜の張り付く感覚が、痛みを覚えさせ、意思をもって分泌することの出来ない膣液を、性感の昂ぶりに任せているのだった。 「い、痛いの？」 「ち、違うんです。ながいぃぃ・・んですぅぅ。だから、ちょっと・・・じ、じかんを。」 横川は目を開け、緑の喘ぎとも痛感に耐えているともいえぬ表情を見つめる。口が開き苦悶が、喘ぎに変わる瞬間、横川は唇を重ねる。 「ウングッ・・・ウングッ・・・・あぁぁぁっ。」 ゆっくりだが緑の腰つきはグラインドを始める。挿入から２分ほど経ち、横川は緑の胴回りをさすり、腕を回し脇腹を抱きしめると、自らも申し訳程度に腰を使う。 「あぁぁ・・・ゆ、ゆっくりぃぃ・・・ま、まだぁぁ・・・おくがぁぁ。」 「ご、ごめん。」 腰の動きをためらった横川は、緑の動きに成り行きを任せた。奥に沈む時は緑の脇腹が締まる。抜け気味に腰を浮かす時脇腹は緩んでいた。 「はぁ・・・あぁ・・・あぁ・・・あぁ・・・あぁ。」 短い周期の喘ぎが始まると、横川にも変化が察知できた。緑の奥に差し込まれたときの粘膜のツッパリは消え、動きのピッチもリズムが感じられた。 「あん・・・あぁぁ・・・お、おくにぃぃぃ。」 喘ぎの端々に、膣奥の状況を交える言葉が増える。亀頭の先端の圧迫は、当初より増していることは判る。しかし、その当たりは何なのかは判りはしていない。 緑は、膣奥の子宮口付近の壁に亀頭が当たっている感覚を早くから感じた。大神や、数度の性交を重ねたボーイフレンドにも与えられたことのない感覚。横川にとっての初体験と緑にとっての初体験は同じ瞬間だったが、もらえる経験値の数値は同じでも、質では大きく異なっていた。 体の重ねを解き、挿入されたまま緑は体をベッドと垂直に持上げる。完全に騎乗位になった時、女体は重力に押され、長々とした陰茎を今までまして奥深くぶち刺さった。 「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・あたるぅぅぅ。」 子宮口をノックした亀頭を遠ざけるように、腰を浮かし、膝を立て、かえるのように横川に跨った。無毛の恥丘が横川の眼前に見え、パックリと分身を咥え込んだ陰唇の狭間には、包皮から剥きだされた陰核が芽を出していた。 陰核の芽は、緑の腰使いにより見え隠れしている。分身が多く見えるときは包皮に隠れ、深く埋め込まれたときは、圧迫から芽を飛び出させる。さきほどの６９の時に、舐め忘れたことを後悔するが、その後悔は、あっさりと遠ざかる。 これだけヨガル女は一回だけで終わるはずがないと、自信を深めていた。 「あんっ・・あんっ・・・あぁぁぁぁんっ。」 深く突き刺さらなくなった緑の腰つきは、ポルチオ性感帯の刺激を遠ざけるように緩い。緑が浮かし気味のとき、腰を突き上げ不意の絶頂を与えた。 「あぁぁぁぁぁ・・・ついちゃぁだめぇぇぇぇっ。」 体をのけ反らし、その反動で横川の胸板に手をついた。重力に負けた小さめの乳房を力強く揉みこむと、逃げることなく再びゆっくり差し入れた。 乳房への愛撫を受け入れるように、腰の動きは落ち着かせ、谷間を作るよう背を曲げる。腹筋は盛り上がり、垂れ下がった乳房の先端、尖った乳首は粒を際だせていた。 曲げた背を抱き体の入れ替えを示唆する横川。刺さったままの陰茎を、支点にし重なり合ったまま緑を仰向けにする。太股の内側に手をかけ、割り開き、半分挿入されたままの分身を確認すると、力強く腰を打ちつけた。 「あぁぁぁぁ・・・い、いいぃぃぃっ。」 ぎこちなくとも、抜けることなく最奥までたどり着く分身は、未熟な技量を十二分にカバーする。軽い絶頂を数度となく、繰り返した緑は、次第に研修所であるこの場の存在を忘れてしまっていた。 隣の二人にもこの喘ぎとベッドの軋みは聞こえている。鎌田らの教官室ですら届いているかもしれない。 でも、どうでも良くなっていた。自らの不貞がこの場を作り、この場が牝である吉川緑を作り始めている。 「お○んこの奥を・・・ついてぇぇぇぇぇぇ。」 女ではなく、牝である事の自認が自らを楽にさせていくことを感じ取っていた。 |
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| 2012.9.26掲載 |
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