| ４ スポーツマンらしい車のチョイスの大神信二。親に買ってもらったのか、はたまた強化選手時代のスポンサーからの貢物かはわからないが、大きめのホイルを履いた黒のＳＵＶは、助手席に乗せた緑と共に片側二車線の道を郊外に走らせる。 行き着いた先は、陸上競技場や野球場、総合体育館が軒を並べる総合運動公園。数年前に開催された国体の際に整備され、大きな駐車場も完備されている。その駐車場は、夜間も施錠されることがないため、大神達ののような若者が、どこからともなく参集していた。 晩飯も終わる頃にはテールランプを灯したままの車が、等間隔で並び、交通量の多い道路から離れた山際に樹液を漁るカブトムシのように停車されていた。 明るめのヘッドライトを先に消し、その場に存在する暗黙のルールの中、開いているスペースに頭を突っ込み、出入りする車輌から視界を遮る。その止め方をしている車は、周りからも何をしているのか想像を容易にさせている。 助手席に乗った緑もこの先の展開を理解し、携帯の電源をＯＦＦにすると、軽い会話で照れくささを紛らわす。 「多いね、明日も仕事だよねぇ。」 「あぁ、木曜の夜なのにねぇ。・・・チュッ。」 「・・・チュッ。」 ＳＵＶのコンソールを挟んで厭らしさのない顔を先に近づけたのは、信二だった。他愛もない会話も一言ですますと緑の唇を奪い、その行為を拒絶することなく緑の舌先はお返しに信二の薄い唇に纏わりつく。 唇を触れ合わせるのは、ほんの数秒で、すぐさま信二の舌先は緑の柔らかく尖った舌先を丸め込む。ベロベロとではなくチュゥチュゥと吸い上げる信二は、片方の手でオーディオの音量を少し下げると、緑に軽く覆いかぶさり、電動シートのボタンを押し、メモリーされた角度まで押し下げる。 ジャージとポロシャツ姿の緑は、かすかな胸の膨らみをシートの角度のおかげで誇示することが出来ている。絶え間なく続く信二の舌先の動きは、次の段階に進み、舌先から舌の裏、口腔内の奥深くまで席巻する。 「ジュバッ・・・ジュジュッ。」 車内に響く音は、小気味いい洋楽で、緑の喘ぎはまだその音量には達していない。 「あっ。」 軽く胸の膨らみに手のひらを合わせた信二は、水かきのついた指先の隙間を柔軟に動かしながら、緑の膨らみを揉み始める。 服の上から揉みしだくのに飽きたのか、時間を省略せんがためか、ポロシャツの下から手を差し入れ、筋肉質な腹筋をまさぐると、臍の穴を刺激する。 「いやっ、くすぐったい。」 「緑って、臍、弱いよね。そっか、ここだけは、鍛えられないもんね。」 「うん、無理だよ。・・・あんっ。」 会話を途絶えさせると再び信二の指先は、鍛えられた腹筋の真ん中の穴を穿り続ける。耐えかねた緑は、その刺激を弱めるためか、信二の下腹部に手をやり、半勃起した陰茎の先をジャージ越しに責め立てた。 「あっ・・・み、みどり。」 「信二さんも、ここは鍛えられないんだね。」 にやけた笑いで誤魔化す信二は、大きくコンソールを跨ぎ、体を助手席に動かすと、完全に緑の体に覆いかぶさった。 「お前だって、ここは、鍛えられないだろ。」 「はぅぅん。・・・無理だよ、そこは。」 緑のジャージの股間に指先を沿わせ、数度となく擦り付ける。すると、緑の腰はシートとの隙間を作り、信二の股間に押し当てられた。 「無理なことないよ。これから、一杯鍛えてやるよ。・・・俺好みの・・・おま○こに。」 二人にここから先、発せられる言葉はなく、ただ聞こえるのは、隠微な音と牡と牝の求め合う獣の合図だけだった。 無灯火の自転車に二人乗りの少年。時間帯と場所柄でその二人の風体は想像がつく。 「実、モク。」 「えっ、さっきので終わりだよ郁くん。」 「しゃぁねぇな。陸上公園の横のコンビニ寄ってくれよ。」 「え、売ってくれんの？」 「あぁ、兄貴のつれが、バイトしてんだ。あそこならわけてくれる。」 「ＯＫ、じゃぁ針路変更。」 無灯火の自転車を反転させると、整備された街路樹が並ぶ道を進む。数分するとコンビニの明かりだけが辺りを照らし、不良たちの灯台とでも言わないばかりに煌々としている。 「郁くん・・・コンビニの前に、ちょっと寄り道していい？」 「なんだよ、しょん便ならコンビニでしろよ。」 「いやぁ・・・あれ、３台はやってるよ。」 実の指差した方向に郁の顔が向くと、実は得意げに解説を始める。 「最近、金のない大人が多いのか、カーセックスしてんだよね。」 「まじで、お前、よく来てんの？」 「う、うん。あいつら無防備に、腰振ってるんだ。あっちに頭向けてて、テールランプ灯火してるの完全にやりまくってる。」 「なんか実、すげぇ自信。よし、夜のおかずに、生ＡＶ見に行こうぜ。」 分離帯の切れ目を渡り通過する車の隙間を縫いながら総合運動公園の駐車場に吸い込まれる悪がき二人。自転車を山影の便所脇に乗り捨てると、実の案内で樹木の陰から数台の車に視線をあてる。 「郁くん、あれ、あのＳＵＶ。」 「どの？」 「黒いやつだよ。」 「おぉ、揺れてるな。」 「うん、他は、多分まだ始まってないか。ただ話し込んでるだけか。」 「実先生、このあとは？」 「そうだね、あの山肌まで行って、様子を伺う。重なってたら、車の傍まで。」 「了解です。」 兄貴分のはずの郁は、このたびは実に先導され後をつける。腰を引きぎみに歩く実をまねて郁も茶化すように歩を続ける。目標に到達した実は、郁を制止すると、指先を中りをつけた黒のＳＵＶに向けた。 「やってる。・・ほら、男の尻が見えるよ、郁くん。」 「おぉ、すげぇ。生ＡＶだぁ・・・おっさんとおばさんじゃぁないよな。」 「あぁ、車からして、まだ若い。」 「よし、行こう実先生。」 「郁くん、くれぐれも静かに、頼むよ。」 郁は実からの忠告に何度も頷いて答えた。今から先はしゃべらないと口にチャックをするようにジェスチャーをしてみせる。 屈みながら歩を進め、山肌を降りる。エンジン音がいくらか静かなアイドリングの状態だが、時間の経過具合か熱を発散している。 助手席側に体を寄せた悪がき二人は、車の中から漏れ聞こえるかすかな牝の喘ぎに反応し、血流はそこに集中し始めていた。 「あぁぁぁ・・・あっあっ。」 「はっ・・はっ・・・はっ・・・はっ。」 女の声は男からの刺激を受け止めるようにまろやかに喘ぎ、男の声はその円やかさを打ち消すことを目標に息遣いが荒い。 背の高さはあるＳＵＶだが、助手席の広さはそれほどでもなく、二人が重なるには、どこかぎこちない。 「あっあっ・・・・あぁぁ・・・ニュルッポッ。」 湿潤した淫肉から押し出されたゴム付きの陰茎は、女の滴を一杯にまぶれつかせたまま実と実の目の前に飛び込んだ。 男が体制を整えると確信した郁は体を引っ込め、視界から消える。実は、陰茎の抜けた女の淫肉を見届けようと、そのまま凝視し、朱色に染まる淫肉をその目に焼き付けた。 「おぉ。」 郁の発した音に実は反応し、シッと人差し指を口に当て無言の抗議を示した。 筋肉質の男の陰茎は、再び横たわる女の淫肉に差し当てられる。差し当てられた時、入りやすいよう腰を浮かせた女の仕草をみて、実は男と女の関係を容易に想像していた。その想像で自らの怒張はＭＡＸになり、郁の目をはばからずにチャックを下げ、白く長い陰茎をしごき始めた。 郁は実の行動に驚くことなく、運転席側に移動すると、女の表情を覗き込んだ。狭さゆえに男の体が、必要以上に重なり、女の表情は確認が難しい。 ただ、漏れ聞こえる喘ぎ声と、男の陰茎に纏わりつく淫液から見えない表情を脳裏に浮かべ、自らの陰茎を刺激した。 ピストン運動を再開して数分が経過すると、筋肉質の男は疲れたのか、動きが鈍くなり絶頂を迎えたわけでもなく女に覆いかぶさった。 郁は次の動きを予測し、一度アスファルトに尻を突け次の動きに備えた。 「はぁ・・はぁぁ、上になって。」 「いいよ。」 体を入れ替えることを予測した郁の動きを見ていた実は同じくしゃがみこみ、交尾中の二人の視界からは上手く消えていた。 「さすが、郁くん。飲み込みが早い。」 女が上になり、胸まで肌蹴たポロシャツは垂れ下がり上半身だけは普通の形に戻る。下半身は、片足に絡みついたままのパンティーが中学生の二人の股間を直撃させる。 男同様引き締まった女の尻に見とれた実は、今まで覗いた男女の交尾のランキングを紐解き、上位の変動を余儀なくさせた。 屹立したゴム付き陰茎はそそり立ったまま。その屹立に、マーキングするかのように自らの淫液を擦り付ける女。数度となく擦り付けると、抵抗なくその湿潤した割れ目に陰茎を潜り込ませ、騎乗位での交尾を再開させる。 日に焼けた太股と尻肉の色白さを見せる二人の尻肉は、キュッと締め付けられている。実の見た目では、どちらかと言うと女の尻肉のほうが締まっているように見えていた。 上下に揺れる女の半裸は、体の揺れ以上に乳房の揺れは少なく、男がブラを外さず行為に至っているように見えた。 女の腰の動きに男の手持ち無沙汰がピークに達すると、手のひらはポロシャツの内側に潜り込み、先の愛撫同様、臍の穴から、小さな乳房へと揉み込んでいく。 「あぁ・・・き、きもちいぃぃよぉぉ。」 「お、おれも、いい。」 その声は外の二人には漏れないが、交尾中の二人は愛と欲を確かめ合っていた。揉みしごく両の手は、激しさを増し、露になった乳首と乳房は郁の視界に捉えられていた。 「すげぇ腹筋。それに微乳じゃん。二人とも水泳のインストラクター？」 郁の想像は、官能小説ばりに想像を深め、二人の馴れ初めまで考察し始めた。 女が受ける淫肉への刺激と、子宮入り口まで届かんとする牡の先端は体の芯を屈折させ、逆Ｔの字の騎乗位は崩壊し、重なりの深い形でピストン運動を繰り返していた。不自然な動きからか車体は飛び跳ねるように躍動する。 「あぁぁぁっ・・・し、しんじさん・・・も、もう、いってぇぇぇ。」 「あぁ、が、が、まん・・・できねぇ。」 信二の両の指は、緑の日焼けした尻肉食い込み、逃すことなく陰茎を打ち付ける。我慢ならない睾丸の精液たちは精管を駆け上がると、行き止まりのゴムの先端向けて脱出を試みた。 「ビュビュビュッ。」 数度のびくつきで、発射を確認した四人。もたれかかる様に男と重なる女。びくつきと、ゴム付きとはいえ先端の刺激を堪える男。助手席側の扉一枚隔てた先で、若い匂いを窓ガラスまで放った実。 「パシャ・・・パシャッ。」 明るく光ったフラッシュに反応したのはその３人。フロントガラスにへばりついて携帯カメラを構えた郁は調子付くようにボンネットにのぼり交尾終わりの二人を撮影した。 重なり続ければいいものを、まばゆい光に反応し、重ねた裸体を反転させ、緑は光の差すほうを向いてしまっていた。 「実・・・ふけようぜ。女の顔入り証拠写真撮れたし、ナンバープレート入りで。」 「おい・・・待ってよ郁くん。」 呼ばれた実は、陰茎の先からほとばしる精液を指先で拭うと、汚れた指先を窓の奥で放心状態の緑に向かって、ガラス越しに飛び散った横に擦り付けた。 素早く汚れた陰茎をしまうと、暗がりに消える郁を追って、乗り捨てた自転車まで駆け出した。追われる事はないと確信してか、最後は名残惜しそうに車に向かって大きく手を振りながら消えていく。 車内で半裸の二人は、まだ眩いフラッシュの残光が網膜に焼きつき、放心状態のまま繋がりを外そうとはしなかった。 「み、みどり、まずくねぇ。」 「う、うん。でも、どこのだれだか判んないよ。」 「でも、今時、ネットでいくらでも。」 「だ、大丈夫だと思う。・・・まだ、若そうだったからあの子達。」 信二の動揺を制するように、緑の淫肉から解放された信二の屹立をゴムの呪縛から解放し、先端のほとばしりを舌先で丁寧に舐め上げ始めていた。即座に始めた牡への後処理は、半裸の交尾を覗き見された羞恥に対する憤りは、皆無であったように見える。 |
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| 2012.2.8掲載 |
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