| ５ 深夜のスポーツニュースも終わり、通販番組が幅を利かせ始めた頃。信二に送られた緑は、狭い風呂場から上下白の下着姿で、１Ｒの隅にあるベッドに腰掛けた。 シャワーを浴びる前にかけたエアコンは順調に室温を下げ、下着姿では少し寒さを覚えるくらいだった。テーブルに投げ出された携帯を手に取り、信二が自宅に帰ったことを告げるメールに返信をする。 他愛もない軽い感じのおかえり程度で返した緑は、信二が気遣う車内の出来事を思い返していた。 「多分、中学生、あの辺だったら一中かなぁ。」 一中という言葉の中に想像するものは、同期の宮前杏子と荒廃した第一中学が思い浮かぶ。ただ、その前者ではなく後者の方に気を向けた緑は、照明の明るさを落とし、ベッドに備え付けたスタンドの暗めの照明だけを室内に有した。 次に履きだし窓のカーテンをレースだけにすると、下部だけすりガラスになったサッシを半分開けた。 「見えないよね。絶対、見えないよね。」 繰り返し呪文のように口ずさむと、窓の外を遠めに覗き、下着姿のままベッドにごろんと横たわり、枕を二つ折りにして首元に押し当てる。朝起きた時のままのクシュクシュになったタオルケットをお腹まで纏うと、軽く目を瞑り、二時間前を思い返していた。 「どこまで見られた？・・・あの子達、今頃。」 緑の指先は、いつもの順序でパンティーの上を這い回る。指先の動きはしなやかで、少なめだが固い陰毛を覆い隠す部分から始まり、数秒で股布の厚い部分に差し掛かる。 「もっと・・・もっと見てて・・・くれれば。」 股布の部分を撫で上げ、その温度が上がり始めると、指先はルーズになった隙間を見つけ申し訳程度に装飾されたレースのフリルを分け入り薄めの陰唇をまさぐった。 「写真なんかあとまわしで、もっと見てて・・くれたらぁぁぁ。」 風呂上りの湿り気か、緑の牝の湿り気か判断することもなく、指先は陰唇を分け、膣肉の入り口を揉みだした。指先を挿入するには足らぬ湿り気を欲するように、反対の指をブラの隙間から乳首に向けた。 「あっ・・・はぁぁ。全部、見て欲しかったのに。」 フロントホックのＢカップブラは、手の甲の進入に耐え切れずはじけ飛ぶ。今着けたはずのブラを脱ぎ去ると、緑みずからの唾液で濡らし、固くなりかけた二つの蕾を交互に弄っていく。 膨らみの小さな乳房を揉むことなく、その先端にだけ集中した刺激は、感度の良さを時間で現している。ＭＡＸまで尖った両の乳首は、色付きを変え、凝縮された色素は鍛えられた腹筋に映えている。 「なんで・・・帰っちゃったのぉぉ。」 固く尖った乳首から指先が離れると、いたたまれなさを発散するように、小振りに育った筋肉質な乳房を鷲掴みした。 もう片方の指先は、パンティーの隙間から離れ、乳房へのいたたまれなさと同様に、腰を浮かしながら緩んだゴムに向かった。 「熱くなってたのにぃぃ。」 片方の足から抜かれたパンティーは、股布部に薄っすら染みをつけ、膝の裏で絡まった。絡めたまま、Ｍ字開脚に拡げた緑の両足は、半分開いた履き出し窓を向いている。道路向かいの公団住宅の電気は、まばらだが灯ったままだ。好奇心旺盛な男が住んでいるとも限らない未知のゾーンに対する緑の行為は、冒険以上の何者でもなかった。 Ｍ字の真ん中に指先を潜り込ませると、固めの陰毛を押さえ込みながら指先を陰核包皮へなぞらせる。 ２時間前の信二との交尾では刺激されることなく終わった牝芯への刺激は、緑の底に溜まったものを発散させるには数秒の時間で十分だった。 「あっっっ・・・のぞきくんたちぃぃぃ。」 包皮を摘むとプックリとした陰核が芽を出し、ピンクの枝豆のように艶やかだ。緑の官能的な言葉尻に、交尾相手の大神信二ではなく、実と郁の名が出てしまうとは、帰宅した信二の知るところではなかった。 「あぁぁっ・・・知ってたよぉぉ、ずっと見てたのぉぉ。」 ピンクの枝豆への刺激は、直接的でなく、間接的に包皮を揉み込み、包皮内に染み入った緑の淫液を潤滑させながら狂おしいくらいの刺激に変える。 「あぁぁぁんっ・・・いま、見に来てくれたらぁぁ。もっと気持ちよくなれるのにぃぃ。」 覗き魔への懇願と共に、陰核包皮への刺激は増幅し、跳ね上げた腰の動きで緑の体を支えているのは、両足の裏と頭頂部だけのブリッジになっていた。 緑の体の最高点は、固く押し付けられた陰毛で、固く尖った乳首すら凌いでいた。恥丘を越えて陰核包皮を刺激していた指先も、ブリッジと共に尻の割れ目を通過して蟻の門渡りに移動する。 「あぁぁぁっ・・・お尻にまで、お汁がぁぁ・・・のぞきくんたちぃぃ・・見てくれてたでしょぉぉ・・・み、みどりのお汁ぅぅぅ。」 ヌルヌルとした粘性の膣液を中指と人差し指で掬い、元に戻すかのように発生源の膣穴に二本を差し入れる。 「あくぅぅぅぅ・・・また、見に来て、その時は、もっともっと気持ちよくなれるからぁぁ。」 ゆっくりながら出し入れを始めると、粘性の膣液は白色化し、手の甲を伝いながらブルーのシーツに着床した。シーツには大きな染みを作らず、白色した膣液はプックリとしたナメクジのような生き物を思い出させていた。 緑の心の叫びは、半開きの履き出し窓からテレパシーのようにのぞきくん達に伝わっていた。 「ピンポーン」 「なんだよ、こんな遅くに・・・郁か？」 「こんばんは、どうせ、おばさん、いないんでしょ。」 「あぁ、あがれよ。」 「おっじゃましまーす。」 乱雑に脱ぎ去った靴を揃えるでもなく郁は、攻児の家の廊下を進む。大人の気配がないリビングには、タバコの吸殻と、夜食のコンビニ弁当がテーブルを汚している。 「郁、こんな夜中に来るんだから、なんかいい話か？」 「んー、チン○がいつも忙しい攻児くんには、大したことないかもだけど、さっき実と、陸上公園でのぞきしてたんだ。」 「なに？・・・携帯の写真かぁ。」 「うん、フィニッシュの瞬間。・・・見て、女の顔もバッチリ写ってるし、車のナンプレも。」 「これを、俺にどうしろ・・・・って。」 「いつもの通りだよ。・・・この間の、宮前杏子ちゃん同様に・・・ね、スカウト・・・スカウト。」 「でも、お前、ナンプレだけじゃ、・・・んっ？画像、よく見せてみろ。」 「あぁ、倍率・・・アー・・ップ。」 携帯に写された、半裸で振り向きざまの緑の顔を大きくすると攻児は、郁の頭をポンと弾いた。 「お知り合い？褒めてくれる？」 「あぁ、褒めてやるよ・・・こいつは、おもしれぇ、あの女かぁ、化粧するとこんなにも違うのか、願書のスッピンとえらい違いだ。」 何のことだかわからぬまま褒められ調子に乗る郁をよそに、攻児の顔つきは大きくにやけ、緑へ仕向けるシナリオを準備し始めていた。 |
| あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。 |
| 2012.2.11掲載 |
はちみつ太郎さんの作品群→ |