| ９ 「テンポラリー」を訪れ、六沢麗子という店主の名前だけを手掛りにした緑は、懸案のもう一つの調査を始めなければならなかった。 攻児扮する守から見せられた信二とのカーＳＥＸ画像の出所を調べるため、数度のやり取りを始めた緑に進展といえるべき内容のメールが届いていた。 守の名で登録されたメールアドレスからの着信は、二の足を踏む内容だが、前に進むべきと考えた緑の返信は、その内容を承諾するものとなっていた。 「どうぞ、乗って。」 「失礼します・・・バダンッ。」 夜も１０時を過ぎた頃、守に扮した攻児は１２００ｃｃのコンパクトカーの助手席に同乗した。時間帯を気にしてか攻児に家を出る時の状況を確認すると、親は不在なことを確認する。 「ほんとにそんなメールが・・・。」 「はい、拡散してないことがばれてたらしく、ならば、画像を緑先生に見せて、今日の１０時頃、この画像と同じ場所に連れて来いと。」 攻児はその内容が書き込まれた受信メールを緑に見せると、内容を確認した緑は眉を細め、考え込んだ。 「守くんを危険な目に合わせるわけには、いかないけど、二人で来いと書いてあるし、連絡先は守くんしかないんだものね。とりあえず、陸上競技場までいきましょ。」 「はい。」 こくりと頷いた攻児は、携帯を折りたたむと少し膨張気味のズボンのポケットに押し入れる。 数十分後、信二と交わった同じ場所で、同じ方向に向け駐車した緑は、車内のデジタル表示の時計を見つめる。 「半になっちゃったね。」 「はい、・・・・ピロン。・・・せ、先生メールです。」 攻児が差し出した携帯を開くと受信ホルダーに一つのメールが届いている。内容を声に出さず読み、冷静にその内容を分析していた。 「こ、こまったわ・・・ど、どこかで、監視してる。」 「え、どこですか？」 「外を見ちゃダメ。相手の顔もわからないし・・・それに。」 「それに？」 「今回だけ言うことを聞けば、もう送信しないって・・・データーも削除するって。」 「信じられるんですか？」 「でも、そうするしかないし、言うことを聞いてれば、相手も近づいてくるわ。その時に、捕まえることも出来る。」 「ピロン・・・またメールです。」 差し出さずにメールの内容を再び確認する緑は、視線を泳がせ、内容を再度確認する。困った表情の緑を見た攻児の表情は微かだが緩み、シナリオどおりの展開にほくそえんだ。 「せ、せんせい。なんて？」 「・・・チュッ。」 コンソールを挟み体を近づけてきた緑は、薄っすらコロンの匂いのする攻児の肩を寄せ、自ら被さるように唇を重ねた。数秒重ねた緑は、フロントガラスの向こうにいる痴漢どもに見せ付けるように舌を挿入させる。攻児の顔を横にし、窓の向こうからでも視認できるよう舌を挿入し続けると、何も発しなくなった攻児も口腔内で緑の舌先を転がした。 「チュッ・・・チュルチュルッ。」 唾液の絡まる音と、こぼさまいとすする音が二人の触れ合う唇から放たれる。数人との経験のある緑だが、いずれも年上で、童貞と対峙したことのなかった緑。経験がないはずの中学生の舌の動きは、いままでの誰よりも刺激的で命令されていることを忘れてしまいそうだった。 性経験をカモフラージュするためか攻児の動きは舌先だけで、他の四肢は動く気配もない。緑が押し込む舌先をかわすように右へ左へ揺さぶると、トロリとした瞳の緑は鼻が押し当たるくらいまで顔を密着させた。 「はぁ・・・ま、まもるくん・・・ごめんね、巻き込んじゃって。」 「い、いえ。」 「は、はじめて・・・。」 「あ、はい。」 「ピロン・・・まただ。」 再び受信したメールを今度は攻児が開いた。言葉で伝えようとしたが、緑の恥らう顔を拝もうと伝聞せず画面を見せた。 「え、・・・ここまで・・・ま、まもるくんは？」 「ぼ、ぼくなら構いません。それより、先生のほうが。」 「いいの、気にしなくても、身から出た錆なんだし。ごめんね・・守くん。・・・ジィィィ。」 数秒のためらいのなか、緑の指先は攻児の膝丈のデニムのファスナーとベルトのバックルにかかり、膝までたやすく押し下げられた。指示に従ってか、運転席に膝立ちのまま攻児のいきり立った陰茎をためらうことなく頬張った。 「ジュポッ・・・ジュジュ。」 剥き上がった亀頭の先端を咽喉奥に押し入れると、メールの指示に従い緑自らのベルトのバックルも解かれた。ゆったりめなデニムを陰茎に添えてない左手で押し下げると、黒いシームレスのパンティが現れる。 引き締まった双臀を覆う黒の下着は、食い込み気味に緑の肌にひっつき、焼けた肌の色とマッチして、攻児の視界に飛び込んだ。 今にも手を伸ばし、湿り気を確認したい攻児は、指令メールの発信元のやり過ぎを気にしてか自らの衝動は最低限に押さえつけている。 緑の膝に絡ませたデニムは、モゾモゾとした緑の足の動きだけで完全に脱ぎ去られた。パンティーを人目に晒すの気にした緑の腰は、ガラスより下の位置をキープしている。体をより低くした緑は、攻児の陰茎を上から咥えこむことをやめ、裏筋に舌を添わせるよう施した。 その行為を邪魔せんと攻児は姿勢をただし、少し浮き気味にシートから尻を離すと、体を持上げぬ緑は、仕方なしに皮が引っ張られた睾丸に舌を添わせた。 攻児の意図を読み取ることは出来ずに、緑の解釈は射精の近づきと感じ、発射の準備を整えようとしごきの動作を加える。 「シコシコ・・・シコシコ・・・。」 先端に舌を当て、右手で根本をしごくスタイルは登山研修での行為と同じで、すぐにでも射精をすると読んだ緑は、車内を汚すまいと赤黒く血流を帯びた亀頭に蓋をした。 「ピロン・・・せんせい・・・また。」 「守くん・・・呼んで。」 「は、はい・・・そのまま咥えてろ、空いた指で・・・黒いパンティーの中のお○んこ・・・見えるように・・・かきまわせ。」 「ほ、ほんとうに？」 「す、すいません。ほんとです。」 受信したメールを緑が読みやすいように見せると、攻児と目をあわせた緑は、攻児に注文する。そのとき、口から離し、添え手から離れた陰茎はビクつき、臍に向かって反動する。 「お、おねがい・・・目を閉じてて・・・おねがい。」 攻児の瞼が閉じると、再び亀頭だけを咥えこみ左手を根元に添えた。空いた利き腕は、腹の下から黒のパンティーのゴムを押しのけ、繁茂する陰毛の先へ到達する。 「あぅ・・・。」 小声の喘ぎは外には漏れないが、薄目の攻児にはしっかり届き、その後の指と膣液の交わりまで聞こえてきそうだった。 『こ、こんなに・・・見られてるのが・・・こんなにいいなんてっ。』 指の腹で膣前庭をまさぐりながら、緑の牝の叫びはまだ声にならず、胸の奥にしまわれたままだ。指先の動きを視界に捉えることの出来ない攻児は、運転席の窓越しに見えるレンズの動きを視界に入れた。 『郁・・・綺麗に取れよ。』 レンズの位置に満足した攻児は、行為の後に見ることが出来るであろう緑の指の動きを想像している。 「あっ・・・あぁ。」 咥える動きが緩慢になった緑の動きは、利き腕の指先に神経を奪われている証拠で、細切れの喘ぎ声はそれを裏付ける証明でもあった。 「せ、せんせい・・・き、きもちいぃ。」 「あぁ・・・ま、まもるくんっ・・・あぁ・・・だ、だすときは、・・・言ってね。」 「は、はい・・・ま、まだ、大丈夫。」 クチュクチュと鳴き始めたシームレスのパンティーの中は膣液でむせ返り、曲げた指の関節に押されたパンティー生地は隙間を作り、わずかな放熱と遮音を取り払った。 「クチュッ・・・クチュックチュッ・・・あぅっ・・・はぁっ。」 音と音の間だけに亀頭への刺激は繰り返されているため、攻児の絶頂はいまだ遠いとこにある。届いたメールでの指令には終わりがなく、指先でする淫らな手淫行為を緑には止める手立てがなかった。 |
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| 2012.2.29掲載 |
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