| 第10話 癒し、そして制裁 部屋には、お互いの肉体を慈しみあったことのある３人のオンナ達が残された。 亜紀と里奈に優しく抱きしめられていた郁美は、ようやく落ち着いてきたのか目を開き話し始めた。 郁美 「はあぅぅぅぅわたし 亜紀 里奈 わたし」 郁美は、そう喋るとポロポロ涙を流し始めた。 亜紀 「もう大丈夫 心配しないで」 里奈 「郁美はどこにも行かせないわ ねっ 元気出して」 郁美 「わたしって 救いようのない 感じてしまったの 汚れて もう」 里奈 「そんなことないわ オンナが その程度のことに負けるはずない」 亜紀 「郁美 しっかりしなさい 里奈 悪いけど郁美の身体を洗ってあげて」 「わたしもすぐ行くから」 里奈 「そうね あの男の臭いなんて すぐ消し去ってやるわ」 里奈は、そう言うと一気に服を脱ぎ去り全裸になった。 Ｅカップの豊満な乳房が垂れることなく張り出して引き締まったウエストのコントラストが見事で、亜紀や郁美とは異なるオンナの美を体現した女体であり、多くの男達が魅了されたのも当然であった。 里奈は郁美を引き起こすと、連れ添い浴室に向かっていった。 亜紀は、その後ろ姿を見送ると、田原に携帯電話で連絡を取り救出無事完了と感謝の言葉を伝えた。 電話を終えると、亜紀も一気に服を脱ぎ去り全裸になると浴室に小走りに向かっていった。 亜紀はＣカップの乳房と巨乳ではなかったが、しなやかなボディラインが見事で、郁美のやや丸みのある柔らかいボディラインや豊満な里奈のボディラインとは異なる美しさがあった。 亜紀が浴室に入ると、強めに降り注ぐシャワーの下で早くも濃厚な口づけを交わして里奈と郁美が絡み合っていた。 その２人に笑みを浮かべながら、加わっていく亜紀だった。 郁美は自分の身体を知り尽くした２人の女性に抗うすべは無く、浴室の床に引き倒され身体を隅々まで洗い清められていった。 ３者３様の美しいオンナ達の絡み合う情景は、官能的な光景であった。 郁美 「はあぁぁぁうわぁうぅぅぅぅはあぁぁぁぁぁぁぁ」 「そんなにぃされたらぁぁぁぁぁぁぁぁはぁうぅぅぅぅぅぅぅぅ」 亜紀 「郁美って かわいいわぁぁぁぁぁ」 里奈 「わたしたちのものよぉぉぉ どんな経験しても 帰ってくるのよ」 亜紀 「もう ここも ここも わたしたちのもの」 郁美 「あぅぅぅぅぅぅぅぅ」 体内に注ぎ込まれた谷村の体液も、優しい手により掻き出され全て洗い流されていった。 ３人の饗宴は程なくして赤いベットの上に舞台を移して行われ、郁美は身体のあらゆる部分を亜紀と里奈に舐め尽くされ、優しく心地よい快楽に身を任せていた。 郁美は、失望と共に壊れかけた心を亜紀と里奈に癒してもらい、自身で否定しようとした本当の自分を引き戻され、亜紀と里奈がそばにいてくれることに幸せを実感していた。 徹は郁美のことが心配で、かなりの時間、三宮周辺を駆けずり回って探し回っていたが、万策尽きて郁美のマンションの前にうずくまって動けなくなってしまった。 定期的に郁美の携帯電話に連絡を試みるが、不通のままだった。 徹にとって、この数時間はとても長く感じられ、それが喪失感に繋がり若い彼を打ちのめしていた。 そして彼の脳裏に、郁美との楽しい思い出が走馬燈のように駆け巡り、ある結論に向けて彼の思考は傾きつつあった。」 郁美は、徹に対して、過去の経験や苦しみについて包み隠さず話してくれていた。 徹の「思い出の女性の１人」に成るだけで良いと言い、今だけを楽しく過ごせればとも話していた。 徹にとって郁美は初めての女性ではあるが、それだけでなく男と女の存在意義と素晴らしさを教えてくれた存在でもあり、男として人生を再スタートを促してくれた人だった。 彼にとってはもう失うことは考えられない大切な存在、一生そばにいて欲しい人と成っていた。 「郁美がそばに居てくれれば、僕はどんな困難でも立ち向かって生きていける」 「結婚しよう プロポーズしよう」 「まだ学生の身分だから、卒業まで待ってもらわないと駄目かな」 「そうだ それまで正式に婚約しよう」 徹の中で、明確な行動原理が導き出されるまで、それほどの時間を必要としなかった。 「今は、とにかく早く逢いたい 郁美を抱きしめたい あの瞳を見つめたい」 午後１１時過ぎ、郁美のマンションに向けて赤いベンツAクラスが１台走っていた。 運転席には亜紀、後部席には里奈に肩を抱かれた郁美の姿があった。 亜紀 「もうすぐ着くわ 里奈 今日は感謝の言葉が見つからない ありがとう」 里奈 「もう言わないで わたしの為でもあるの 郁美は大切な人 それだけよ」 亜紀 「そういえば 義則さん 心配しているわよ」 里奈 「さっきの電話で迎えにくるって言われた時は困ったわ あのホテルには」 亜紀 「さすがに呼べないよね うふっ」 里奈 「ここだけの話 あの人 そういうの興味あるみたい そういう雑誌やビデオ隠し持ってるの」 亜紀 「えっえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」 里奈 「隠すなら ちゃんと隠さんか みたいな」 亜紀 「男って 分かりやすいよね まあ それが可愛いんだけど」 里奈 「今度 義則をあのホテルに誘ってやったらどうなるかな」 亜紀 「ちょっとやばくない 壊れちゃうかもよ 戻れなくなるわよ」 里奈 「うふっ やっぱりそう思う」 亜紀 「もう里奈ったら 何か企んでいるわね まあ それはさておき」 「今日は 私が郁美の所に泊まるわ 心配だもん」 里奈 「そうね それが良いも 私は義則に迎えにきてもらうわ」 亜紀 「凌は泣くかもしれないけど うふっ」 里奈 「今頃 絶対 家で 亜紀ぃぃぃぃって泣いてる」 亜紀 「あれれ あの男の子」 郁美のマンション前に赤いベンツAクラスが停まった。 亜紀が運転席から降りると、マンション前のスロープにうずくまる若い男を見つめた。 徹は、車が停まる音に気づき、虚ろな目を上げそちらに視線を送った。 赤い車の前に、とても美しい女性が立ち、不安げな様子でこちらを伺っている姿が目に入った。 「あっこんなところにいたら女性が不安に思うのは当然」 徹 「すっすいません 怪しい者ではありません」 「こちらのマンションの峰さん 友人の者で、留守なので待っているだけです」 「場所 どけますので ご心配なく」 徹は、そう言うと立ち上がってその場から立ち去ろうとしていた。 「もう帰ろう こんなことして、かえって嫌われるだけだ」 亜紀 「あっちょっと ひょっとして 山田 徹さんですか」 徹 「えっ はい そうです」 徹は呼び止められ、振り返った。 その視線に、里奈に付き添われて赤い車から降りてきた郁美の姿が入った。 「郁美！！」 とっさに徹は郁美に駆け寄っていった。 徹 「郁美 何かあったの 心配したんだよ」 里奈 「ちょっと待ってあげて」 郁美は、徹に優しい笑みを浮かべるだけで、言葉を発しなかった。 いや、声が出なかったのだ。 郁美は、徹をもう失ったと思っていた。 しかし徹が眼前にいると思うと、失いたくないという気持ちがこみ上げ、言葉にならなかったのだ。 亜紀 「とにかく中に入りましょう」 徹 「分かりました」 そう言うと、グッタリした郁美の身体を里奈から託されると、いとも簡単に郁美をお姫様だっこして部屋に向かって歩き出した。 徹は、何かあったことは推察していたが、自分の疑問・問い質したい気持ちは封じ込め、まずは郁美を休ませることが最優先なんだとすぐ理解した。 亜紀は、徹の後ろ姿を見ながら、２０歳の若さに不似合いな器量の大きさに感心していた。 普通の若者なら、こんなに聞き分けが良いはずもない。 「郁美を早く休ませたいという わたしの気持ちをすぐに察してくれた」 「これが郁美の言っていた魅力なのね これって この子の天性のものだわ」 「この子なら」 ４人は無言で郁美の部屋に向かい郁美をベットに寝かせると、すぐに徹は亜紀にリビングに引っ張って行かれた。 里奈は２人がリビングに行った後、郁美の服を脱がせて下着だけにして寝かせて、自らもリビングに向かっていった。 「あの子が徹 若いのにしっかりした男だわ」 「郁美が好きになっちゃった理由 分かった気がする」 亜紀 「改めまして こんばんは わたし 森川亜紀と申します」 「あっもうすぐ 田原ですが うふっ」 徹 「あなたが亜紀さんですか おっと失礼しました 僕は 山田 徹と申します」 「今回 郁美さんが何か お世話になった様なので 僕からもお礼申し上げます」 亜紀 「まあ堅苦しい話は ここまでにして お互い何かと知った者同士って事で」 徹 「はい 亜紀さんのことは郁美さんから聞いてます 素敵な姉さんって」 亜紀 「あらら 他にも聞いているんじゃない」 「徹さんのことは 大好きな彼氏って聞いてますわ」 「それより わたしなんか あなたに嫉妬感じてます」 徹 「えっえぇぇぇぇぇそんなぁぁぁ」 亜紀 「嫉妬は本気よ それに今 会って話して ますますだわ」 徹 「どっ どうしてですか」 亜紀 「あなたは いい男過ぎ まだ２０歳でしょ」 徹 「はい 僕は郁美さんに男にしてもらいました それだけです」 亜紀 「うぅぅぅん あなたはまだまだ成長するわ」 「郁美は それを望んでいるの」 徹 「それは自覚してます 僕の周りの反応、僕に対する評価が変わってきたことを」 亜紀 「すごいわ ２０歳で自覚できるなんて」 徹 「僕のことより 今回の」 亜紀 「やっぱり 今回のこと詳細 知りたい？」 徹 「はい もちろん知りたいです」 「どんなことでも受け入れ 郁美さんを愛していく覚悟あります」 亜紀 「ちょっと辛いかもしれないけど 郁美は隠すつもり無いと思う」 「でも自分で話すのは辛い話 だから わたしがちゃんと説明するわね」 里奈 「亜紀 ちょっと待ってよ 郁美の気持ちも確認してあげたら」 亜紀 「大丈夫よ 郁美は あの３人の男達のこと とか 徹さんにちゃんと話しているのよ」 里奈 「えっ そっそうなの？」 徹 「ひょっとして３年前のやつらですか？」 徹は、郁美の話を思い出し、瞬間的に若い怒りのエネルギーが沸騰し身体に怒りの震えを表した。 そんな徹を里奈は驚きの目で見つめていた。 「そうなんだ この子知っているんだ それでも迷うことなく郁美を愛しているんだ」 「この子は私より年下よね 凄いことだわ 本当に いい男 素敵な男ね」 それから亜紀と里奈は、今日起こった事件の顛末を徹に語って聞かせた。 徹は、拳を握りしめ黙って聞いていた。 もちろんオンナ３人の饗宴については省略していた。 亜紀 「徹さんは今日は帰った方がいいと思うわ 今日はわたしが郁美のそばにいるから」 徹 「いや それは僕の役目だと思います」 亜紀 「・・・・・・・・・・・・・」 徹 「今日ずっと心配して待っていて、郁美さんとのこと真剣に考えてました」 「そして結論出たんです」 「僕 いや 私は 郁美さんと結婚します」 「もちろん私はまだ大学２年生です だからまず正式に婚約します」 「そして大学卒業したら、すぐ結婚します」 亜紀 「そっ それは郁美とも話さないと」 徹 「はい もちろんです」 「でも亜紀さんに誓います」 「どんなことがあっても郁美さんを守り、愛していくことを誓います」 亜紀は若い男の情熱的な愛を眩しいと感じ、徹なら一時の感情でこのような大切な事を言う軽率な男では無いとも察していた。 結局、亜紀は郁美を徹に託して、帰ることにして里奈と共にマンションを後にした。 「徹 郁美をお願いね そうね それが１番 郁美には必要なのかも」 亜紀は、里奈を自宅まで送り届けると、さすがにホッとしたのかヘトヘトになって、自分のマンションに帰っていった。 もう時間は夜中２時を過ぎており、帰ったらすぐに寝ようと思っていたのだが、マンション前で待っていた田原に出迎えられた。 田原 「亜紀 お疲れ様 待っていたよ」 亜紀 「あらら 待っていたのね 連絡くれたら良かったのに」 田原 「いや 郁美ちゃん心配だったから 急かすような事したくなかった」 「でも今回のこと、そして和美のこと思うと、今を大切に生きていきたいって」 「こんな時だが言わして欲しい 亜紀愛している 絶対幸せにする！！」 「こんな俺の妻になってくれるって 返事してくれて 感謝しているんだ」 亜紀 「分かってますって もう夜中よ」 田原 「お願いがあるんだ もう結婚式まで待てない １日でも早く一緒に住もう 住みたいんだ」 亜紀 「そうね でもあの家２人には広すぎるわ」 田原 「新しい家でも建てるか 確かにあの家は無駄にデカイし、色々思い出がありすぎか」 亜紀 「わたしはそんなつもりではないわ 凌には和美さんのこと忘れて欲しくない」 「むしろ大切にして欲しい そして和美さんが果たせなかった想いを引き継ぎたいって」 田原 「亜紀・・・・・ありがとう 和美に誓うよ 和美の分まで亜紀を愛します」 亜紀 「うふっ わたしは凌と初めは二人っきりで普通に暮らしをしたいの」 「とりあえず１年くらいで良いから わたしのマンションに一緒に住みませんか」 田原 「うぅぅぅぅん そうだな ちょっとだけ考えさせて欲しい」 「前向きに検討します ところで今日泊まって良いかな」 「今日は絶対 亜紀と一緒にいたい」 「正直に言うよ 今日は亜紀のそばに居ることが出来なくて辛かったんだ」 亜紀 「あらら それが本音ね」 「そういえば凌ってわたしのマンション上がったこと無かったっけ」 田原 「プロポーズで玄関に入っただけ」 亜紀 「はぁぁぁい 亜紀城に入ること許可します あなた うふっ」 「それにしても 今まで よく我慢したわね」 田原 「亜紀が駄目って言うからじゃないか」 亜紀 「よしよし 良い子ですね うふふ」 田原 「俺は 亜紀には逆らえません とほほ」 亜紀 「うふふ さぁ帰りましょ あなた」 亜紀は田原に優しく抱かれぐっすり眠ることを望んだが、亜紀がいつも寝ているベットに入ったことに喜んだ田原に襲われて、そのまま情熱的に抱かれて絶頂の中で失神し朝まで目を覚ますことがなかった。 翌日以降、亜紀はブライダル関係の打ち合わせは多忙を極め、早速亜紀の家に住み着いた田原に毎晩のように襲われて、この事件について深く考える余裕が全くなかった。 神戸港にある古い埠頭倉庫内の一角で、３人の若い男達が手足を縛られ床に転がされていた。 その周りに、５人の黒服の男達が取り囲んでいた。 すぐそばには灰色塗装が所々剥がれて薄汚れたドラム缶が大きい口を開けて３つ並べられており、１台の生コン専用ロータリー車がエンジンを響かせ、ロータリーを回し攪拌を続けていた。 三井 「おい おまえらいい加減に起きろ」 黒服の男達に足で身体を揺さぶられ、３人の若い男達は呻きながら動き出した。 谷村貴史は１人だけ全裸のままであった。 谷村 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ なんだぁぁぁ 放してくれ」 岩田 「すいません 許して下さい」 浜崎 「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」 三井 「グダグタ言うじゃねぇ 黙らんとぶっ殺すぞ」 岩田 「何が何だか 分からないんです」 三井 「質問は認めない 死にたくなかったら 質問にはちゃんと答えろ」 「答えを誤魔化したり、答えなかったら、即これだ」 バダガーーーーーーーン！！ 三井は、凄まじい殺気を放ちながらドラム缶を蹴った。 谷村、岩田、浜崎は、目を大きく見開いて息を飲んで絶望した。 「こっ殺される この人達は間違いなくヤクザだ」 ３人は死の恐怖で言葉を発することが出来なくなり、浜崎は再び失神し失禁した。 三井 「情けねぇ奴らだなぁ」 「まあ 死にたくなかったら素直に答えるんだ いいな！！」 ３人は、それから今回の顛末、事情など全て洗いざらい告白させられていった。 その内容は、無表情な１人の黒服の大男が広げたノートパソコンに打ち込まれていった。 その横には谷村が調査させた茶色封筒が有り、その内容を彼は確認しつつ、巨体に似合わずデータ入力を軽快に続けていた。 この黒服の大男は、三井が後継者として最も信頼する久保隼士（30歳）という片腕であった。 彼は父もこの筋の人間であったが、彼自身は京都大学出身の大卒であり、いわゆる超一流のインテリヤクザであった。 三井の元で、めきめき頭角を現し同世代の仲間からも一目置かれる存在になっていた。 この手の報告書作成能力などは、彼が組織でダントツの能力を発揮しており、三井はそのような必要がある時は、この久保にいつも任せていた。 この報告書は、田原に提出するものだった。 まもなく長い夜が明け、日の出の時間となった。 告白も終わり報告書も作成が一段落終わった時点で、谷村、岩田、浜崎の３人は安堵の表情を浮かべていた。 三井 「よく ちゃんと喋った まあ解放するまで時間があるから眠っておけ」 谷村、岩田、浜崎の３人は、再び青い閃光と肉が焦げる臭いと共に激痛に襲われて意識を失っていった。 そして若い３人の男は、二度と意識を取り戻すことはなかった。 三井 「可哀想だが ３年前の依頼主から処分依頼が改めて入った」 「やれ！！」 意識を失った３人は、縛られたまま頭から１人ずつドラム缶に入れられて、そこに無情にも生コンが流し込まれていった。 三井は、表情を変えずその作業を見つめていた。 「もう この手の任務からは引退しよう 後は久保達が立派に担ってくれるだろう」 「人間の屑と呼ばれる俺たちだが 最近は俺たち以下の 人間の屑 が多すぎる」 「昔は抗争絡みが多かったが 最近はこの手の輩を沈めてばかりだ」 「まあ これで毎年、多額の上納金が組織に入るのだから 大切な収入源ではあるが 俺たちはいつから仕置き人になったのか？」 「そうバブルが弾けたあたりから 世の中変わった」 「何か世の中 狂っている 多分 そう思う俺は もう時代遅れなんだろう」 そんなことを思いながら、部下に後始末を任せて その倉庫から久保を伴って去っていった。 「今日の夜には あの３人は数百にも達する先客が眠る瀬戸内海の海底に眠るだけだ」 三井 「久保 いつも通り あいつらの車の処分とか任せるぞ」 久保 「はい」 三井 「それと、悪いが 俺は今回で、この手の仕事から引退する」 「また親父のそばで 忠誠を尽くすのに専念したい 最近 親父 体調悪いし」 久保 「えっ そうですか そうですね 親父さん喜びますよ 分かりました」 三井 「よろしく頼む これからは お前がみんなを引っ張っていく時代だ」 三井は日の出の光に目を細めながらサングラスを掛け、久保が運転する黒いＢＭＷの助手席に座り、神戸港を去っていった。 「亜紀さん 約束守れなくて すみません これが俺の生きる道なんです」 つづく |
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| 2011.4.30掲載 |
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