第43話　凌と紗弥１


　紗弥は留学の準備で忙しかった。
　勤めていた真珠会社へ退職届を出した紗弥だったが、まだ入社数年目ながら取引先からの評価が高い紗弥を会社は引き留めたのだ。
　いささか困惑気味の紗弥だったが、最終的に田原が間に入って円満退社となった。
　晴れて田原グループの一員となった紗弥であったが、早々に亜紀から相談があると訪問を受けた。

亜紀　「忙しいところ　お邪魔してごめんなさいね」
紗弥　「うふっ　亜紀に　そろそろ会いたいって　思っていたところよ」
　　　　「ヨーロッパに行ったら　半年も会えないので　淋しいですぅ」
亜紀　「うふ　そうね　　わたしも淋しいわ」
　　　　「それより　徹のこと　大丈夫ぅ？」
紗弥　「ごめんなさい　夢中になっちゃ駄目って　分かっているんだけど　どうしても」
亜紀　「会いたくなっちゃう？」
紗弥　「はい　どうしても」
亜紀　「分かった　それが分かっているなら　いいの　今はね」
　　　　「それより　実は相談があるの」
紗弥　「田原さん　のことですか？」
亜紀　「あれれ」
紗弥　「郁美から　田原さん　毎晩毎朝　凄いって　色々教えて貰いました」
　　　　「そして　わたしを見る目でなんとなく」
亜紀　「紗弥　あなた」
紗弥　「田原さん　素敵な方だし、正直　わたしも興味有るの」
　　　　「父と徹　２人から引き離して　冷静にさせてくれるの 田原さんのような気がしてます」
　　　　「それに確かに女に重すぎる愛　セックスって　分かる気がするんです」
　　　　「亜紀の負担　軽く出来るなら　喜んでお引き受けします」
　　　　「それにその方が　今回の仕事　割り切れます」
　　　　「愛人モードで押し切れますし　あはぁはぁ」
亜紀　「まあ　仕事の話とは別なんだけど」
紗弥　「わたしの気持ちの問題です」
　　　　「若い女に　数億円のプロジェクト任してくれる以上、周りは色眼鏡で見ます」
　　　　「ならば堂々と　愛人モードで開き直った方が楽です」
　　　　「わたしの言うことを聞かない イコール田原さんに逆らうこと　の方が絶対楽です」
亜紀　「なんか　紗弥に辛い役目押しつけちゃったみたい　ごめんなさい」
紗弥　「いえいえ　普通こういう仕事　２０代では絶対無理です」
　　　　「３０代、４０代で出来れば　いい方では？」
　　　　「そう思えば　わたし幸せです　後は結果を出すだけ　うふふ」
亜紀　「そう言ってくれる　助かるわ」
　　　　「実は　凌って　最近　紗弥のことばかり言うから　ちょっと嫉妬していたの」
紗弥　「あらあら　とんだ浮気者ね　まだ新婚なのに」
亜紀　「そうでしょ！！　新妻に愛人許可願い出す夫なんて聞いたことない！！」
紗弥　「そうでしょうけど　それを許す新妻も凄い　あはぁ」
亜紀　「ごめん　だって絶倫すぎるんだもん　しょうがないでしょ」
紗弥　「うぅぅぅん　郁美と意見一致したけど　それって　贅沢な悩みって自覚しているの？」
亜紀　「そうだけど　そうは言っても　ホドホドってものがあるわ」
紗弥　「まあ　わたし　真珠入りって　経験無いから　ワクワクするけど」
亜紀　「えっえぇぇぇ　そういうもの？　まっいいか　よろしくぅ」
　　　　「で　それでは今から　待ち合わせあるから」
紗弥　「あっ怪しい　まさか今から徹とデートなの？」
亜紀　「あれれ　バレた　まっそういこと　えへへ」
紗弥　「やれやれ　困った新妻ね」

　亜紀は紗弥に頼むだけ頼んでおいて、さっさと徹とのデートにウキウキ気分で出かけていった。
　そんな亜紀が愛おしい紗弥であった。
　紗弥にとって亜紀は既に敬愛するお姉さん的存在であり、大切な人であった。
　亜紀のお願いであれば異論は無かったし、なにより亜紀の負担を軽減できるのであれば喜んで協力するつもりであった。
　徹とのひとときを楽しみにする気持ちも痛いほど分かっていた。
　徹は存在そのものがオンナにとってなによりの癒やしであった。

　そして紗弥には違った感情があった。
　今回の仕事で田原と過ごす時間が増えて、紗弥は田原に憧れの気持ちを抱いていたのだ。
　紗弥が父親祐司以外で初めて出会った、頼りがいのある素敵な年上の男性であった。
　亜紀の夫というのは納得の人であった。
　なのに従姉妹の郁美は、その田原とも亜紀公認で特別な関係にあるということに嫉妬した。
　郁美と一緒でありたい、郁美が好きという気持ちは今でも強く有る。
　だからこそ、田原と亜紀、郁美との関係に仲間入りしたいという気持ちがあったのだ。
　田原が自分に興味を持っていることは察していたし、そのような関係になりそうな雰囲気になった機会は既に何度もあった。
　それでも踏みとどまったのは、亜紀、郁美に無断で裏切りたくないという強い気持ちがあったからだ。
　そして今回の亜紀のお願い、それは紗弥にとって願ったり叶ったりであったので、実は飛び上がって喜びたいのを我慢して冷静を装っただけであった。
「えへへ　亜紀に公認貰っちゃった　るんるん」

　紗弥は徹に感謝していたし、紹介してくれた郁美の気持ちを嬉しく思っていた。
　一時は大好きだし独り占めしたいと暴走してしまい郁美達に迷惑をかけたが、それは儚い夢であり、ライバルは郁美だけではないことを悟りつつあった。
　徹に出会って、男の人を好きになる本当の意味を分かったような気がしていた。
　そしてその思いを決定的に教えてくれたのが、悠希との出会いであった。
　彼氏いないと体裁が悪いという理由だけで、今まで男達に好きだと告白されて安易に交際してきた自分を恥ずかしく思った。
　恋愛はもっと大切なものなんだと思い知らされた。
　思えば良い手本として身近に一途な郁美という存在がいたというのに、随分無駄な日々を過ごしてきたんだと考えさせられたのだ。
　１人の男性を一途に想い続けて、全てを捧げるという女だけに許された情念は女を美しく成長させるんだと学んだのだ。
　そう発想を変えると、まだ自分はそういう男性に出会っていないと気づく。
　ならばたくさんの素敵な男性ともっと経験して、オンナとして成長したいし、極上の男を味わって視野を広げたいという願望が芽生えてきたのだった。

　田原は紗弥を一目見て気に入ってしまった。
　亜紀に出会って以来、浮気もせず亜紀一筋を貫いた田原であったが、ひょんなことで郁美とセックスしてしまった。
　元々セックス大好きで絶倫な田原に対して、亜紀はレズビアンなので男女のセックスは淡泊なタイプであり、２人はアンバランスな関係であった。
　郁美はいとも簡単に絶倫な田原を受け入れ、むしろ圧倒する女性で、たちまち田原は郁美に魅了されてしまった。
　１度純愛を亜紀公認とはいえ破ってしまうと、女好きの本性は隠しようが無い。
　亜紀が受け入れきれない田原の有り余る精力は郁美が一手に引き受けきたが、郁美は徹の他にも紗弥の父祐司まで受け入れ始めると余裕が無くなってきた。
　亜紀は里奈にお願いしたいと思っていたが、里奈は身重になってしまい断念した。
　可愛い敬子はまだ若く、さすがの亜紀も躊躇してしまった。
　そうなると出会ったときから田原が密かに想いを寄せている紗弥しかいなかった。
　思えば亜紀のせいで犠牲になった郁美、そして今度は紗弥を差し出すのは苦渋の決断であった。
　２人とも亜紀の可愛い子なのだから。
　そこに徹の存在が大きく影響する。

　男性とのセックスに淡泊な筈の亜紀が別人の様に徹とのひとときの実現のため、自己正当化が得意な女ぷりを発動する。
　郁美達との関係を認める代わりに自身の徹との関係を田原が暗黙で許せざる得ない状況を作りだした。
　もともと田原は亜紀に対して駄目とか、行動を制限するほどの気概はなかった。
　亜紀を愛する気持ちは人一倍で、亜紀を失う事をなによりも恐れていた。
　いずれにせよ亜紀はオンナの快楽のために、郁美と紗弥に甘えてしまった。
　そんなことは郁美も、紗弥も、お見通しで、喜んで亜紀のために一肌脱いだのだ。
　きっかけはどうあれ、気がつけば田原とのセックスを楽しみにしてしまう２人であった。

　亜紀の公認を受けた田原はすぐ動いて、 早速紗弥を打ち合わせと称して呼び出した。
　神戸メリケンパークオリエンタルホテルスイートルームの入口の前で紗弥はため息をついた。
「打ち合わせって　まったく　田原さんって直球過ぎ」
「これじゃセックスしようって言ってるのも同じ」
「仕事では　惚れ惚れするほどキリッとした人なのに　こういうことは下手なのね」
「まあ　だからこそ　愛すべき男なのかな」
「お金も　権力もある　そして実力も」
「その気になれば　女は選り取り見取りのはず」
「なのに　こういうこと　子供ぽい　うふふ　それが魅力なのかな」

　コンコン！！
　ダッ　ゴドゴト　ガチャゴト・・・

紗弥　「はへっ？　何事？」

　ガチャッ

田原　「おう　きたか　待ってたよ」
　　　　「さあ　打ち合わせ　打ち合わせ　入って入って」
紗弥　「今のなんですか？　ゴトゴトいってましたけど」
田原　「ちょっと焦って　そこらに引っ掛かっただけさ」
紗弥　「うふふ」
　　　　「打ち合わせって　なんですか？」
田原　「あのそのなんだ　これからのことだ　紗弥ちゃんと俺の」
紗弥　「わたしと田原さんのこと？　あれれ」
田原　「えい　面倒だ　紗弥ちゃん　好きなんだ」
紗弥　「うそぉぉぉ　強引すぎるぅ」

　紗弥はビックリした。
　誘いは見え透いていても、やり手の実業家らしく上手く口説かれると予想していたからだ。
　それがいきなり襲われたので狼狽えたが、唇を奪われて急に大人しくなった。
　田原のキスが上手くて、一瞬にして心許してしまったからだ。
　情熱的だがしつこくなくて、まさに大人のキスであった。
　そしてレズビアンである亜紀が田原に何故愛情を感じたのか、紐解く理由がこのキスにあると気がついたのだった。
　なにか特別な舌使いがあるわけでもないが、唇を重ねているだけで紗弥は蕩けそうになっていた。
「こんなキス　初めて　郁美の意地悪　なんで教えてくれなかったの」
「あぁぁぁん　立っていられない」
「うそうそ　わたし　もう濡れてる　そんなぁ」
「えっえぇぇぇぇ　わたし　いつの間に下着だけになったの」
「うぅぅぅん　やっぱり百戦錬磨の男性　女の脱がし方知り尽くしてる」

　紗弥は気がついたらベットの上で、下着姿になってトランクス１枚の田原に抱かれていた。
　背中に当たるシーツの感触が心地よい。
　いつしか紗弥の方から濃厚なキスをねだってしまう。
　それに田原が応える。
　田原の両手は優しく紗弥の身体を愛撫して、性的興奮を高めるのに余念が無い。

　田原のセックスのあり方が、亜紀と結婚して夫になり毎晩毎朝セックスするようになり、更に郁美と日常的にセックスをするようになってスタイルが一変していた。
　それまでは俺様タイプで、やや身勝手な部分があったスタイルだったのだが、亜紀を悦ばせたい、郁美を逝かせたいという気持ちから全身全霊で女体を慈しむスタイルに変貌を遂げていた。
　その結果、亜紀は毎晩毎朝激しい絶頂を迎えるようになり、その激しさに閉口するようになった。
　愛されているのは分かるが、淡泊でホドホドで十分満たされる亜紀には負担感が強かった。
　堪らず亜紀は郁美に助け船を求めたのだ。
　その郁美ですら、立って歩けなくなるほどの激しさであった。

　最近、膨れあがる性欲と精力を受け止めてくれていた郁美が多忙になり、なにかと淋しく思っていた田原だったが、半ば一目惚れしていた紗弥を手に入れることが出来て歓喜の極みであった。
　その肢体は期待通りの素晴らしいもので、田原は亜紀に感謝した。
「がはは　亜紀のオンナ達は最高だ　亜紀のものは俺のものだ」
「里奈ちゃん　敬子ちゃんも　悠希ちゃんも　いつの日か」
「俺って幸せ者だぁ」
「がははは」
　田原はワクワクしながら紗弥のブラジャーを外しにかかった。
　田原はこの瞬間が最も好きなのだ。
「ほれほれ　出ておいで　俺のおっぱい♪♪」

　プチッ♪♪

田原　「ほおぉぉぉ　すばらしいぃ」
紗弥　「やん」

　紗弥の真っ白いＤカップのバストが戒めを失って弾け出た。
　田原はケダモノのようにむしゃぶりついた。
　吸ったり舐めたり舌で転がしたりと、バストに対する陵辱をあらん限り施していく。
　まるで肉食獣が草食獣を食らう荒々しさであった。

　紗弥はそのように荒々しく男性に抱かれた経験が無かった。
　今まで経験した男達は、紗弥をお姫様の様に優しく抱いてくれた。
　徹ですら激しく長いセックスはするが、とても優しく抱き包んでくれる。
　田原は決して乱暴で、紗弥が痛みを感じるような事をしているのではない。
　まさに男らしく、ガツガツした荒々しさで迫力があるのだ。
　犯されている、抱かれていると強く感じてしまう。
　それでいて繊細な愛撫と蕩けるようなキスが織り交ぜられて、そのアンバランスさが絶妙であった。　
「あぁぁぁん　もう駄目　わたし」
「亜紀　贅沢すぎ　素敵な　最高の男性よ　あん　そんなに吸わないでぇ」
「わたし　食べられているの　あぁぁぁぁぁん　そんなぁ」
「やぁ　そこは　今　触らないでぇ　だめぇぇぇ　濡れてるのバレちゃう」

　田原の右手がパンティの中に滑り込んで、秘密の茂みをまさぐった。
　人差し指と中指が大陰唇を割って進むと、ドロッと生暖かい粘液に濡れた。
　田原の顔に笑みが漏れて、更に愛撫の手を活発化させた。
　左の乳首に吸い付き舌先で転がしながら、左手の指先は腋の下をなぞる。
　右手は愛液を指先にまぶしながら、人差し指と中指は小陰唇を押し広げ膣口をなぞる。
　親指はソフトなタッチでクリトリスを捉えると、繊細な振動を加えた。
　亜紀や郁美ですら５分ともたない強烈なフィンガーテクニックであった。

紗弥　「ひぃやぁぁぁん　あっあっだめぇぇぇぇぇぇぇ」

　紗弥は堪らず身をよじって逃れようとするが、完全に覆い被さって抱きつかれて逃げられない。
　敏感な部分３カ所同時愛撫はこれでもかと責めたててくる。
　不意に田原の太い人差し指と中指が２本纏めて、膣口を押し広げて膣内に押し入ってきた。
　それだけでも普通の男性器を挿入される位の太さがある。

紗弥　「あっふぅ　くはぁん　あぁぁぁん　はぁはぁはぁ」

　遠慮無しに指２本は入る限りの深さで挿入された。
　親指は絶え間なく繊細なタッチでクリトリスを擦り続ける。
　紗弥は一気に登り詰めて逝く寸前まで追い詰められていった。
　田原の体重をものともせず、背中はエビぞりに反り返り宙に浮いた。

紗弥　「ひぃゆぁふっ　ひぃゆぁふっ　逝くぅ　逝っちゃう　ひぃゆぁふっ　駄目ぇ　ぐはぁっ」

　ちゅぱーん♪♪

紗弥　「きゃぐはぁんぐっ・・・・・・」

　突如として田原が乳首を限界まで吸い付き引っ張って、いきなり放して音をたてた。
　その瞬間、紗弥の頭の中で青白い閃光が光ったかと思うと真っ白になった。
　同時に反り返った背中は崩れ落ちて、紗弥の全身に引きつけを起こしたかのような痙攣が走った。
　紗弥は田原のフィンガーテクニックで逝かされてしまったが、しかしそれは始まりに過ぎなかった。
　膣内に押し入った２本の指が突如として動き出し、膣内を掻き回した。
　経験したことのない快感が放心状態の紗弥に襲いかかり、連続アクメに追い込まれていった。
　今度は右の乳首にむしゃぶりつき、左手は左のバストを揉みしだく。
　休む間もなく背中を反り返えさせて身悶える紗弥。
　すると信じられない深さで２本の指が入ってきて、子宮口にも届く勢いであった。
　紗弥は声も出せずに、口を金魚のようにパクパクさせて再び登りつめていった。
　その口元は涎が泡状になり、切なげに頭を左右に振って快感に抗った。

　ちゅぱーん♪♪

紗弥　「ずっぐぎゃふぅぅぅん・・・・・」

　ジュルウンシャャャャャャャャャャャ♪♪

　再び田原が乳首を限界まで吸い引っ張って、いきなり放して音をたてた。
　その瞬間、紗弥は今まで経験したことのない激しさで逝って失神してしまい、失禁してしまった。
　田原の手に紗弥の暖かいオシッコが当たり、パンティから溢れ出てシーツに染みこんでいった。
　紗弥は身体を定期的に痙攣させ、白目を剥いて逝き顔を田原に晒した。
　紗弥はありったけのオシッコを漏らしてしまった。

田原　「うほっ　可愛いぃぃぃ！！」
　　　　「今日はここまでにしてあげよう　がはは」

　紗弥はまだ知らなかったが、田原は亜紀も郁美も何度失禁させられた分からないほどのフィンガーテクニシャンで、亜紀と結婚式を挙げるまで封印し隠していたのだ。
　亜紀は初夜で敢えなく失禁させられ、郁美も数日後には犠牲になった。
　失禁の恥ずかしさは言葉では言い表せないほどの恥辱で、実は亜紀も郁美もお互い秘密にしていたのだ。
　なので紗弥が知るよしもなく、紗弥も亜紀と郁美には秘密にしてしまう。
　失禁しないように田原とのセックス前にはトイレで前もって絞り出す彼女達であったが、数回に１回は無残にも失禁させられてしまう。
　にもかかわらず田原のフィンガーテクニックを拒絶できないほど、その快感は素晴らしく彼女達は病みつきになってしまうのだった。
　田原のフィンガーテクニックによる前儀は現時点で第９章まであり、この日の紗弥はまだ第２章までしか施されていなかったのだ。
　そしてその章は年々増えていき、オンナ達を失禁の恐怖から解き放つことはなかった。
　田原は鼻歌交じりに紗弥のビショビショになったパンティを脱がすと、それを持って洗面所に消えた。

　紗弥は背中の冷たさで気がつく。
　何事かと身体を起こした瞬間、悲鳴を上げた。
　一瞬にしてなにが起きたのか、なにをしてしまったのか、悟ったのだ。
「うそぉぉぉ　お漏らししちゃったの　わたし」
「どうしよ　どうしよ　凌　どこに行ったの　えっえぇぇぇん」
　シーツには広大な黄色い染みが広がり濡れていた。
　室内に広がる自身のオシッコの匂いに、紗弥は困惑した。
　シティホテルのスイートルームでお漏らしした女という烙印が彼女を絶望の淵に立たせた。
「ベット　弁償よね　それはいいけど　恥ずかしすぎる　誤魔化せない」
「最悪」
　狼狽えて周りを見渡すが、全裸の自分がいるだけで広いスイートルームは無音で紗弥を包んだ。

　田原はパンティを洗い終えて部屋に戻りながら、これからのこと思案していた。
　紗弥が留学するまで毎日セックスするとして、留学してからどうやって汚れた匂い付きパンティを定期的に俺に送らせるように躾けるか考えていた。
　田原は下着フェチ、それも汚れたパンティマニアであった。
「そうだぁ！！　お漏らしをネタに脅せばイチコロだ」
「がはは　これで　亜紀と郁美に加えて　紗弥のも楽しめる　最高だ」
「あとは　里奈　敬子　悠希　だけだな　具も美味しく頂くが、皮もまた美味しい」
「これこそ　２度美味しいってやつだ」
　田原はベットルームで狼狽える紗弥を覗き見しながら、ニヤニヤとほくそ笑んだ。

つづく